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徽宗皇帝のブログ

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事実と推測と意見
昨日の増田俊男の言葉に関連して、パレスチナの国連加盟関係のニュースを二つ挙げておく。
記事はともに「朝日com 」からだが、最近のニュースは、記者の推測や意見までニュースの一部になっているので、正味の情報そのものが読み取りづらい。(引用1)で言うと「しびれを切らした」「必死だ」「不満が募っている」「失望は深い」などの言葉は、記者の印象であり、「事実」とは言えない。まして、「米国も頭から拒否権を行使するのは控えるべきだ」とか「イスラエルには熟考を求めたい」となると、いったいお前は何様か、と思ってしまう。朝日の記者が米国、イスラエル政府に上から目線で物が言えるほどの存在であるのか。
これは、言っていることの当否の問題ではない。これが社説なら、そう明記して「朝日com」に載せるべきだし、ニュースなら、書き方の基本がなっていない。記者の推測にすぎない部分は「必死だ」ではなく「必死なようだ」のように明確に推測であることを示すべきである。
まあ、忙しい現代社会だから、一字でも字数を少なくして記事を圧縮したいという場合もあるだろうが、「事実」と「推測」と「意見」の違いを明記するのは情報伝達の基本であり、そこをいい加減にやられると、世間に誤解を広めるだけである。
もっとも、書かれた記事の内容自体は、実は、これが「意見文」なら、もっともな事ばかりなのである。


(以下引用)


(引用1「朝日com」より)

パレスチナ―米国は拒否権使わずに
 国連総会で、中東和平が焦点になっている。いっこうに進まないイスラエルとの交渉にしびれを切らしたパレスチナが、国家として正式に国連に加盟しようとしているからだ。
 米国は止めようと必死だ。オバマ米大統領は、パレスチナが申請しても、安全保障理事会で拒否権を使うと明言した。
 パレスチナ自治区のヨルダン川西岸では、国連加盟を求める市民のデモが起きている。「アラブの春」による民衆革命の刺激もあり、なぜ自分たちは主権国家として認められないのか、という不満が募っている。
 93年にイスラエルと暫定自治で合意してから、自治政府は選挙などで実績をあげてきた。人口は西岸とガザ地区を合計すれば400万人を超える。
 一方、交渉を続けてもイスラエルは占領地への入植をやめない。パレスチナの立場は弱くなるばかりという失望は深い。
 国連加盟は象徴的な意味だけではない。国際刑事裁判所(ICC)や国連人権理事会にも加盟できる。占領地での不法行為を国際的に糾弾すれば、イスラエルには打撃になるだろう。
 ここまで事態をこじらせたのは、仲介役の米国の責任が大きい。昨年9月に和平交渉を再開し、1年以内の和平合意を目指すと確認した。ところが、直後にイスラエルが西岸占領地で入植地の建設を再開した。それを止めることができなかった。
 オバマ氏も板挟みだ。
 拒否権を使えば、アラブ世界から「二枚舌外交」と反発をかう。しかし来年に大統領選挙を控えているので、米国内に支持者が多いイスラエルに圧力をかけるのも難しい。国内では右派から「テロリストとイスラエルを同等に扱っている」と批判される状態だ。
 国連でオバマ氏は「イスラエルの安全保障への米国の関与は揺らぐことはない」と語った。米国が「公正な仲介者」の地位を失うことは、イスラエルの利益にもならないはずだ。
 パレスチナが国連加盟を求めることは理解できる。ただ、安全保障理事会は採決を急ぐ必要はない。米国も頭から拒否権を行使するのは控えるべきだ。
 国連加盟について、自治政府と統一政府を目指すイスラム組織ハマスは反対しているという。内部で意見が割れているとすれば、その意思統一の時間も必要だろう。
 イスラエルには熟考を求めたい。周囲の民衆に敵視されたままでの安全保障はありえない。「2国家共存」を受け入れる以外に選ぶ道はないはずだ。

(引用2「朝日com」より)

米「拒否権を行使する」 パレスチナ、国連加盟申請なら
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 米国務省のヌーランド報道官は8日、パレスチナが国連加盟を申請した場合の対応について「(国連安全保障理事会で)拒否権を行使する」と述べた。オバマ米政権はこれまで、加盟申請に反対するとしてきたが、拒否権の発動を明言したのは初めて。
 国連加盟は、国連安保理が加盟を承認するよう国連総会に勧告し、総会が承認することで実現する。米国が拒否権発動を明確にしたことで、パレスチナの加盟は絶望的になった。報道官は「我々は(イスラエルとパレスチナの)2国家が平和に共存することを目指している」とし、一方的な加盟申請が和平交渉の障害になると改めて説明した。
 ただ、パレスチナが加盟を申請し、米国が拒否権を発動した場合、オバマ政権はイスラエル擁護の姿勢を世界に印象づけることになる。そうした事態を避けるため、オバマ政権は今月下旬の国連総会に向けてパレスチナの説得を続けるとみられる。(ワシントン=望月洋嗣)



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