忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

安倍に訪れた「真実の瞬間」
「日刊ゲンダイ」記事だが、「事実部分」と「記者の意見・感想部分」を明確に分け、事実部分だけ読めばいいかと思う。
私は前々から言っているように、北方領土の返還などほとんど無意味だと思っているし、日露経済協力はロシアだけでなく日本にとって大きなメリットがあると思っている。
したがって、


  領土は1ミリも動かず、巨額の税金だけ奪われることになる。一体、安倍首相は、誰のために外交をしているのか。

という、記者の感想にはまったく同感しない。土地(領土)こそすべてという、帝国時代的発想だなあ、と思う。それこそ、右翼的発想であり、日刊ゲンダイ記事としてはお粗末ではないか。
あんな不毛の土地など、基地を置く以外に使い道は無いし、返されても、現在密漁をやっている蟹漁が日本領海内での漁になるだけの話だろう。下手に日本に返すと、米軍基地や自衛隊基地が作られて、何かあれば一触即発の危機になるだけのことだ。それは日本にとってすら好ましいことではない。現在のロシアという国が侵略的国家でないこと、特に領土拡張の意志は無いことは明白だと私には思える。ただし、既にある領土(北方領土もそれだ)を簡単に他国に渡したりはしない、というのは一国の指導者として当たり前の話である。
という事で、日本がロシアに税金をむしり取られる、みたいな発想は、「露助」嫌いの明治人的な時代遅れの考え方だろう。経済協力で、日露ともに発展する可能性を探る、という発想がなぜできないのだろうか。



(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。これを記者氏はプーチンによる「恫喝」と呼んでいるが、私から見たら、一国の代表者としてごく当たり前の発言でしかない。このどこが恫喝なのか。日本が米国の軛を自ら外さないかぎり、日本とロシアの間に責任ある経済関係や実効性のある外交関係が結べないのは自明のことではないか。この記者は、馬鹿か。要するに、日本は米国から自立しているのか、とプーチンは言っているのだ。決定権の無い下っ端との交渉は無意味だ、と言っているのだ。「属国状態」をそのままにして、安倍がどんな「外交」ごっこをしても無意味だ、いや、有害だ、というのは安倍のみならず外務省の役人も一般日本人も認識すべきだろう。この明白な真実をプーチンに突きつけられて、はたして安倍総理がどこまで「覚悟」できるか、今後の進展が興味深い。(「スペイン語で、「真実の瞬間」(La hora de la verdad)とは、闘牛の最後に、闘牛士が牛にとどめを刺す時を表す言葉である。」)

領土問題ゼロ回答へ 安倍首相“プーチン恫喝”に大ショック

 15日からスタートする日ロのトップ会談。プーチン大統領の日本到着が遅れることになり、山口県長門市や政府関係者はやきもきだが、実は会談が始まる前から「声をかけられないほど」(官邸事情通)、安倍首相は落ち込んでいるという。

 来日直前、読売新聞のインタビューに応じたプーチン大統領が、北方領土の引き渡しについて「ロシアに領土問題はない」と言い放ち、さらに安倍政権を恫喝までしているからだ。もはや、領土問題は「ゼロ回答」に終わり、経済支援だけ食い逃げされるのは確定的である。

 来日直前に発したプーチン発言は強烈だ。

〈第2次大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定している〉と、北方領土は国際的にロシア領として認められていると強調。しかも、日本が経済支援をしても譲歩しないつもりだ。安倍首相が提案した8項目の経済協力プランについて〈(平和条約締結の)条件ではない。必要な雰囲気づくりだ〉と、領土引き渡しには直接結びつかないと明言している。領土問題を「棚上げ」し、経済支援だけ頂戴しようという魂胆なのは明らかだ。


                                



「領土引き渡しが進まないことは覚悟していましたが、さすがに会談直前のプーチン発言には官邸もショックを受けています。でも、“地球儀俯瞰外交”を自慢し、プーチン大統領との信頼関係をウリにしてきた安倍首相は、いまさら日ロ会談を失敗させられない。形だけでも整えるしかない。実際、ロシアが望む経済支援は予定通り進めることになります。5月に首相と会った時、プーチン大統領は領土問題の進展に前向きだったのに、土壇場でちゃぶ台返しをされた格好です」(外交関係者)

 その上、プーチンは安倍首相を恫喝までしている。ウクライナ問題をめぐって日本がG7と一緒に経済制裁していることに対して、〈日本はロシアへの制裁に加わった。制裁を受けたまま、どうやって経済関係を高いレベルに発展させるのか〉と制裁解除を要求し、〈日本が日米同盟で負う義務の枠内で日ロの合意をどのくらい実現できるのか、我々は見極めなければいけない〉と、日米関係の見直しまで迫っているのだ。



■何のための日露外交なのか?

 領土問題に焦る安倍首相の足元を完全に見透かしている。安倍首相はプーチンの策略にはまったのか。元外交官の天木直人氏はこう言う。

「すべての原因は、安倍首相が功を焦ったことです。領土が引き渡される客観的な状況がないのに“歴史に名前を残す”と前のめりになった。解決するメドもないのに突っ走った“拉致問題”と同じです。安倍外交は、国際情勢も把握せず、いつも情緒で動いている。最悪なのは、北方領土問題は、引き返せるチャンスがあったのに暴走したことです。ロシアは日本に対して『北方領土に米軍が駐留する可能性はあるのか』と、何度なく聞いています。これは、日米関係を見直さないと北方領土は渡さない、というロシア側のメッセージです。北方領土に米軍が駐留することは、ロシアにとって死活問題。彼らにとって北方領土は経済問題ではなく安保問題なのです。日米安保が存在する限り、北方領土を渡すつもりがない。なのに、安倍官邸も外務省も、ロシアのメッセージに気づかず、自ら経済支援を提案しているのだから、どうかしている。プーチン大統領に騙されたというより、これは自爆ですよ」

 領土は1ミリも動かず、巨額の税金だけ奪われることになる。一体、安倍首相は、誰のために外交をしているのか。




拍手

PR

コメント

コメントを書く