「ヤフー知恵袋」の「スンニー派とシーア派はなぜ争うのか」という質問に対するアンサーの一つを転載する。
私はイスラム教には不案内で、スンニー派とシーア派の基本的な違いも、あまりよく理解できないのだが、(まあ、スンニー派は「経典主義」で、シーア派は「指導者絶対主義」くらいの理解である。多数派、少数派で言えば、イスラム社会全体ではスンニー派が多数派だが、イランなどではシーア派が多数派だとか言う)下の回答には考えさせられるものがある。
それは、宗教闘争においても、基本には利害関係がある、という事実だ。どちらの宗派に属するかで現世的な利害に大きく影響するから血で血を洗うような闘争をすることになる。前にも書いたと思うが、日本において創価学会があれほど勢力を伸ばしたのは、それが「利益共同体」だったからだ、と私は見ている。ただの宗教なら、あんな「偽仏教」(ある意味では、「指導者絶対主義」つまり、シーア派的新興宗教だ。もっとも、イスラム教においてシーア派が偽だと言うわけではない。)があれほど勢力を拡大したはずはない。創価学会に属することで、公務員社会に潜り込んだ仲間を通じてさまざまな社会的便宜が供与されるから、創価学会員になるのだろう、と私は推測している。
日本の話はさておき、スンニー派とシーア派の争いは、外部世界の者から見ればまったく馬鹿げて見える。「宗論は、どちらが勝っても釈迦の恥」という狂句そのままである。
だが、争い合う当事者にとってはそれこそ生きるか死ぬかの大問題なのだろう。
(以下引用)
masahiros631006さん
民族・人種が違うとなぜ争うかと同じ問題があると思います。実はこれは根元的な問題ではありません。相手と違うだけで戦争なら、そもそも一番紛争が起きるのはアメリカで、でしょう。実際、人種・民族が違っても、宗教が違っても共存関係を築いているところは少なくとも紛争地域より多くあります。
「違う」ことが戦争に関係するのは、それが戦争で兵士を組織・動員したり、士気を上げるのに役立つからです。その為、戦時では度々そういった点が強調されます。しかし、戦争になる根元的な理由は利益の争いです。例えば、イラクでは政府での権力をどのようにシーア派と少数のスンナ派で分け合うかという権力分有の問題が背後にあります。やっかいなのは一旦そのような状況になると、最悪お互いに相手を悪魔のように扱うようになり、中々解決が困難になることです。
(引用2)「Rockway Express」から転載。下記記事の筆者(ロバート・フィスク?)は「9.11」がイスラム過激派によって起こされたという愚説を信じているようだが、そのまま転載しておく。
●イスラム教のスンニー派対シーア派で世界が分裂
http://www.independent.co.uk/news/world/politics/how-the-sunnishia-schism-is-dividing-the-world-8899780.html
【10月24日Robert Fisk ? The Independent】
イスラム世界のスンニー派とシーア派の歴史的で深い悲劇的な分裂は世界的な影響をもたらしている。シリアの内戦、アメリカの湾岸スンニー派独裁国家との卑劣な同盟、そしてシーア派のイランに対するスンニー派(イスラエルも)の疑惑などは、国連の作業にも影響を与えている。
先週サウジアラビアが国連安保理非常任理事国入りを拒否した前代未聞の出来事は、独裁君主国のシリア爆撃を拒否したアメリカに対するサウジアラビアの不満の顕れではあるが、同時にサウジアラビアがイランが提案する欧米社会との良好な関係を模索する動きにオバマ大統領が応えるかもしれない、という懸念を表してもいる。
サウジアラビアの情報機関長官のバンダル・ビン・スルタン王子は、ワシントンに22年間大使としていた期間はジョージ・W・ブッシュ大統領の真の相棒であったが、その彼は、アメリカがシリア攻撃をしなかったと言う理由だけでなく、公平なイスラエル・パレスチナ和平に向けた対応をすることができないことに対して、今やアメリカとの関係で「大胆な変更」を行うかもしれない、というアメリカに対する脅しを掛けている。
この「大胆な変更」が何を意味するかは、アメリカ外交からの独立についてのサウジアラビアの熱い思いを除けば、王子の胸に秘められたままだ。
イスラエルは、勿論のことだが、その中東政策の多くが富裕な湾岸アラブ君主達の政策といかに正確に一致しているかを、公表することに怠りは決してない。
シーア・アラウィ派であるシリア政権に対する嫌悪、シーア派のイランの核計画に対するぬぐいがたい疑念、それにシーア派の拡大に対する一般的な恐怖は、選挙で選ばれたわけではないアラブの君主達をして、しばしば破壊することを誓っていたイスラエルの代理同盟者への道を進ませている。これは、バンダル王子が公表するとは思えないものであろうが。
更には、アメリカの中東「和平」に対する最近の貢献は、スンニー派のサウジアラビアとアラブ首長国連邦に対する108億ドルになるミサイルと兵器の販売かもしれない。この兵器の中には「バンカーバスター」と呼ばれているGBU-39爆弾を含む。彼らをこの兵器をイランに使用するつもりなのかもしれない。イスラエルはこれと同じ兵器を所有している。
「信じがたいほど小規模」のシリア攻撃の笑ってしまうような約束のため、中東では物笑いにされている哀れなケリー国務長官が、イスラム世界の最古の紛争に自国をスンニー派側として介入させている度合いを理解しているかどうかは、アラブ世界での多くの論争の的になっている。国連安保理の席を拒否したサウジに対する彼の対応は、殆ど
異様と言えるものであった。
サウジの外相であるサウド・アル・ファイサルのパリの自宅で昼食を摂った後、ケリー国務長官は彼の匿名の高官を通して、中東でのサウジアラビアのリーダーシップを評価すると語り、イランを非核化させようということと、、シリア戦争を終息させようというサウジの願いを共有すると語った。しかしケリーがシリア大統領のアサドと彼の政権は権力を放棄しなくてはならないと主張することは、スンニー派政権がシリアを奪い取ることを意味する;そして彼がイランの核の脅威がどれほど観念上のことだとしても、シーア派のイランを非武装化させたいとすれば、スンニー派が中東をアフガン国境から地中海に至るまで支配することを確実なことにすることになるだろう。
バーレーンの少数派スンニー派の君主国は、サウジアラビアから、また勿論であるがアメリカ、イギリス等の協力的政府からの支援を受けているが、同様にシーア派のイランがバーレーンの多数派であるシーア派と結託していると非難している。
おかしなことだが、バンダル王子はコメントの中で、オバマ大統領はバーレーンに対するサウジアラビアの政策を支援する面で失敗した、と主張した。この中には2011年のシーア派のデモに対し自国軍を派遣したことが含まれる。実際、この政権の準軍事的騒乱に対するアメリカの沈黙が最近の例で、アメリカは少数派のスンニー派とバーレーン国王を支援する事ができたはずだった。
例えばサウジアラビアは、オバマがエジプトのムバラク政権が転覆されるがままにさせたと非難している。彼らはアメリカ人を、イスラム同胞団のモルシが大統領に選出されることを支援したと非難する。湾岸諸国では選挙というものは、あまり人気がないのだ。そして、サウジは今やエジプトの新しい軍事政権に現金を投げ与えている。ダマスカスのアサドもエジプト軍に祝辞を送った。エジプト軍は結局アサドのように、過激派が権力を奪うことを阻止しようとしていたのではなかったか?
いいだろう、もし思い出すとすれば、サウジは実際、エジプトのサラフィスト(過激派)を支援している、サラフィストは皮肉にもエジプト軍に忠誠を誓っている。そしてサウジが資金援助しているサラフィストはアサドの敵の中で最も手ごわい敵なのだ。
有難いことには、ケリーと彼のヨーロッパの友人らにとっては、アメリカの国務省、イギリスの外務省、フランスの外務省内の組織的記憶の喪失は、誰も9:11事件の大量虐殺者の19人の内の15人がサラフィストであったということを誰も思い出す必要はない、ということであり、それ以上に-神よこのことは忘れたまえ-これらは全員サウジアラビアの市民であったということである。
私はイスラム教には不案内で、スンニー派とシーア派の基本的な違いも、あまりよく理解できないのだが、(まあ、スンニー派は「経典主義」で、シーア派は「指導者絶対主義」くらいの理解である。多数派、少数派で言えば、イスラム社会全体ではスンニー派が多数派だが、イランなどではシーア派が多数派だとか言う)下の回答には考えさせられるものがある。
それは、宗教闘争においても、基本には利害関係がある、という事実だ。どちらの宗派に属するかで現世的な利害に大きく影響するから血で血を洗うような闘争をすることになる。前にも書いたと思うが、日本において創価学会があれほど勢力を伸ばしたのは、それが「利益共同体」だったからだ、と私は見ている。ただの宗教なら、あんな「偽仏教」(ある意味では、「指導者絶対主義」つまり、シーア派的新興宗教だ。もっとも、イスラム教においてシーア派が偽だと言うわけではない。)があれほど勢力を拡大したはずはない。創価学会に属することで、公務員社会に潜り込んだ仲間を通じてさまざまな社会的便宜が供与されるから、創価学会員になるのだろう、と私は推測している。
日本の話はさておき、スンニー派とシーア派の争いは、外部世界の者から見ればまったく馬鹿げて見える。「宗論は、どちらが勝っても釈迦の恥」という狂句そのままである。
だが、争い合う当事者にとってはそれこそ生きるか死ぬかの大問題なのだろう。
(以下引用)
masahiros631006さん
民族・人種が違うとなぜ争うかと同じ問題があると思います。実はこれは根元的な問題ではありません。相手と違うだけで戦争なら、そもそも一番紛争が起きるのはアメリカで、でしょう。実際、人種・民族が違っても、宗教が違っても共存関係を築いているところは少なくとも紛争地域より多くあります。
「違う」ことが戦争に関係するのは、それが戦争で兵士を組織・動員したり、士気を上げるのに役立つからです。その為、戦時では度々そういった点が強調されます。しかし、戦争になる根元的な理由は利益の争いです。例えば、イラクでは政府での権力をどのようにシーア派と少数のスンナ派で分け合うかという権力分有の問題が背後にあります。やっかいなのは一旦そのような状況になると、最悪お互いに相手を悪魔のように扱うようになり、中々解決が困難になることです。
(引用2)「Rockway Express」から転載。下記記事の筆者(ロバート・フィスク?)は「9.11」がイスラム過激派によって起こされたという愚説を信じているようだが、そのまま転載しておく。
●イスラム教のスンニー派対シーア派で世界が分裂
http://www.independent.co.uk/news/world/politics/how-the-sunnishia-schism-is-dividing-the-world-8899780.html
【10月24日Robert Fisk ? The Independent】
イスラム世界のスンニー派とシーア派の歴史的で深い悲劇的な分裂は世界的な影響をもたらしている。シリアの内戦、アメリカの湾岸スンニー派独裁国家との卑劣な同盟、そしてシーア派のイランに対するスンニー派(イスラエルも)の疑惑などは、国連の作業にも影響を与えている。
先週サウジアラビアが国連安保理非常任理事国入りを拒否した前代未聞の出来事は、独裁君主国のシリア爆撃を拒否したアメリカに対するサウジアラビアの不満の顕れではあるが、同時にサウジアラビアがイランが提案する欧米社会との良好な関係を模索する動きにオバマ大統領が応えるかもしれない、という懸念を表してもいる。
サウジアラビアの情報機関長官のバンダル・ビン・スルタン王子は、ワシントンに22年間大使としていた期間はジョージ・W・ブッシュ大統領の真の相棒であったが、その彼は、アメリカがシリア攻撃をしなかったと言う理由だけでなく、公平なイスラエル・パレスチナ和平に向けた対応をすることができないことに対して、今やアメリカとの関係で「大胆な変更」を行うかもしれない、というアメリカに対する脅しを掛けている。
この「大胆な変更」が何を意味するかは、アメリカ外交からの独立についてのサウジアラビアの熱い思いを除けば、王子の胸に秘められたままだ。
イスラエルは、勿論のことだが、その中東政策の多くが富裕な湾岸アラブ君主達の政策といかに正確に一致しているかを、公表することに怠りは決してない。
シーア・アラウィ派であるシリア政権に対する嫌悪、シーア派のイランの核計画に対するぬぐいがたい疑念、それにシーア派の拡大に対する一般的な恐怖は、選挙で選ばれたわけではないアラブの君主達をして、しばしば破壊することを誓っていたイスラエルの代理同盟者への道を進ませている。これは、バンダル王子が公表するとは思えないものであろうが。
更には、アメリカの中東「和平」に対する最近の貢献は、スンニー派のサウジアラビアとアラブ首長国連邦に対する108億ドルになるミサイルと兵器の販売かもしれない。この兵器の中には「バンカーバスター」と呼ばれているGBU-39爆弾を含む。彼らをこの兵器をイランに使用するつもりなのかもしれない。イスラエルはこれと同じ兵器を所有している。
「信じがたいほど小規模」のシリア攻撃の笑ってしまうような約束のため、中東では物笑いにされている哀れなケリー国務長官が、イスラム世界の最古の紛争に自国をスンニー派側として介入させている度合いを理解しているかどうかは、アラブ世界での多くの論争の的になっている。国連安保理の席を拒否したサウジに対する彼の対応は、殆ど
異様と言えるものであった。
サウジの外相であるサウド・アル・ファイサルのパリの自宅で昼食を摂った後、ケリー国務長官は彼の匿名の高官を通して、中東でのサウジアラビアのリーダーシップを評価すると語り、イランを非核化させようということと、、シリア戦争を終息させようというサウジの願いを共有すると語った。しかしケリーがシリア大統領のアサドと彼の政権は権力を放棄しなくてはならないと主張することは、スンニー派政権がシリアを奪い取ることを意味する;そして彼がイランの核の脅威がどれほど観念上のことだとしても、シーア派のイランを非武装化させたいとすれば、スンニー派が中東をアフガン国境から地中海に至るまで支配することを確実なことにすることになるだろう。
バーレーンの少数派スンニー派の君主国は、サウジアラビアから、また勿論であるがアメリカ、イギリス等の協力的政府からの支援を受けているが、同様にシーア派のイランがバーレーンの多数派であるシーア派と結託していると非難している。
おかしなことだが、バンダル王子はコメントの中で、オバマ大統領はバーレーンに対するサウジアラビアの政策を支援する面で失敗した、と主張した。この中には2011年のシーア派のデモに対し自国軍を派遣したことが含まれる。実際、この政権の準軍事的騒乱に対するアメリカの沈黙が最近の例で、アメリカは少数派のスンニー派とバーレーン国王を支援する事ができたはずだった。
例えばサウジアラビアは、オバマがエジプトのムバラク政権が転覆されるがままにさせたと非難している。彼らはアメリカ人を、イスラム同胞団のモルシが大統領に選出されることを支援したと非難する。湾岸諸国では選挙というものは、あまり人気がないのだ。そして、サウジは今やエジプトの新しい軍事政権に現金を投げ与えている。ダマスカスのアサドもエジプト軍に祝辞を送った。エジプト軍は結局アサドのように、過激派が権力を奪うことを阻止しようとしていたのではなかったか?
いいだろう、もし思い出すとすれば、サウジは実際、エジプトのサラフィスト(過激派)を支援している、サラフィストは皮肉にもエジプト軍に忠誠を誓っている。そしてサウジが資金援助しているサラフィストはアサドの敵の中で最も手ごわい敵なのだ。
有難いことには、ケリーと彼のヨーロッパの友人らにとっては、アメリカの国務省、イギリスの外務省、フランスの外務省内の組織的記憶の喪失は、誰も9:11事件の大量虐殺者の19人の内の15人がサラフィストであったということを誰も思い出す必要はない、ということであり、それ以上に-神よこのことは忘れたまえ-これらは全員サウジアラビアの市民であったということである。
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