「晴耕雨読」から転載。
長い記事で、誤字も多いが、保存資料としてそのまま全文転載する。世界経済を肌で知っている人間の貴重な証言である。
(以下引用)
2013/8/15
「「無邪気なものではない。正気の沙汰ではない。金の亡者と化している。」志賀氏インタビュー:岩上安身氏」 TPP/WTO/グローバリズム
https://twitter.com/iwakamiyasumi
以下、連投。 これより、8月14日、15時から、『タックス・ヘイブン-逃げていく税金』の著者、志賀櫻氏インタビューの実況ツイートを行います。
タックスヘイブン(租税回避地)の実態について、詳しくお話をうかがいます。
岩上「大蔵省の官僚として、現場をよくお知りになられていらっしゃる。数々の修羅場をくぐり抜けられていることも本で触れられています。申告納税者の所得税負担率は、山のようなグラフ。高額納税者の負担率は低くなると」
志賀氏「タックスヘイブンに資金を流し込めば、税金を減らすことができる。ある程度大金を稼げば、租税を回避できてしまうしくみ」
岩上「1億円を超えるとタックスヘイブンに持って行かなくても税金を減らせるのですか」
志賀氏「ほとんどはタックスヘイブンを利用している。タックスヘイブンはインフラ。税金が安いところがタックスヘイブンのポイントではない。秘密を守るという法制。国境を超えてタックスヘイブンに入るとお金が見えなくなる」
岩上「世界の富の4分の1は租税回避されているという話も」
志賀氏「最低でもそのぐらい。本を書いた直後にキプロスに同国のGDPの8倍の資産を持つ銀行があると分かった。多くはロシアマネーだった。1970年代から知られてはいたが」
志賀氏「見せたくないお金をキプロス島に預けていたということ。情報は外に漏れない。その1週間後にICIJのジャーナリスト集団が、カリブの島、ブリティッシュヴァージンアイランド(イギリス王室の属領)の預金リストを発見」
志賀氏「各国の有力者の息子などが預金していることが発覚した。法人の名前もあったが、個人名も公表され、ICIJのサイトで閲覧できる」
ICIJ→ http://www.icij.org
志賀氏「先進国のタックスヘイブンで有名なのはスイス。預金者の秘密が厳格に守られている。キプロスとブリティッシュヴァージンアイランドが暴かれ、隠されていることが明らかになった。ものすごい額。海外に隠して貯めることが可能」
岩上「日本も財政危機だと言われているが、結局富裕層などが税逃れした穴は、増税するしかないということで、中産階級以下の人々に負担がきている。不公平な構造」
志賀氏「貧富の2極化が簡単にできる。巨額の資金がヘッジファンドに流れ、一国を襲うことに」
志賀氏「アジア通貨危機、リーマンショックもその例。アングラマネーが世界経済全体を襲う。普通に暮らしている人に押し寄せる。これは正義ではない。貧しい人々の方向にしわ寄せがくることを止めなければいけない」
岩上「これは、マフィアやテロリストたちのような犯罪性のあるものだけではない。歴史的な経緯をうかがいたい。これほどまでに富が国境を超えること、矛盾が生じたのはいつか?」
志賀氏「第一次大戦前からあったが1960年代から」
志賀氏「アメリカの資本主義、英国の資本主義が資金を隠せるような体制を整えていった。タックスヘイブンがそれになろうとしてなったわけではない」
岩上「王室属領がタックスヘイブンだったりする。王室は無垢な存在ではない」
岩上「アングロサクソンが始めたのがタックスヘイブン」
志賀氏「とことん利潤追及をする。いかに税金を収めずに大金を稼ぐか。新自由主義の流れ」
岩上「70年代が新自由主義の勃興期。世界経済が蝕まれていくのと同期」
志賀氏「ウェーバーの説く牧歌的な資本主義の精神ではなく、富の収奪機構になってしまった結果、世界恐慌が起き、ケインズ主義が出てきた。1970年になってフリードマンがマネタリズムを唱えてケインズを批判。政府のやってることに効果はないと」
志賀氏「しかし、これもうまくいかないと分かったのがリーマンショック。結局、資本主義というのはアニマルスピリッツ。強欲なところがある。所得分配の公平公正をやろうとしても結局、新自由主義に戻ってしまっている」
志賀氏「ある程度の規制が必要。ボルカー・ルールなど。リーマンショック後は各腰を抜かすほど驚いた。G20首脳会議を開こうと、初めて開かれた。2回目のロンドンで重要な取り決めがあり、FSBで銀行の規制を見るように」
志賀氏「巨額のマネーがハイリターンを求める。20,30,50%のマネーゲーム。実物経済には興味を持たず、ハイリターンで暴れ回っている。タックスヘイブンの金が使われている」
岩上「自分がかき集めた金を博打にかけていると」
志賀氏「そのツケを、まじめに働いている人が払わされている」
岩上「各地で生産したものを適正な価格で売買するのが国際分業。しかし、この教科書で習ったことが、まったく機能していない状態であると」
岩上「アジア金融危機というものがどのように起こったのか?」
志賀氏「アメリカドルに通貨を結び付けて、アジア経済は安定していたが、タイ・バーツが危ないということで、標的に。IMFの管理下へ。一国の金融危機は飛び火する」
志賀氏「その後インドネシア・ルピーが同じ年にやられ、97年に韓国がやられた。いろんなところでおかしなマネーゲームがあった。アジア金融危機の巻き添えをくったのはロシア、ブラジル。日本はそうではなく、バブルで自滅」
志賀氏「バブルの原因はプラザ合意による財政金融政策のやり過ぎ。引き締めるときも引き締め過ぎてダメージが強くなり過ぎた。アメリカは馬鹿だなと思って(日本を)見ていたが、リーマンショックのようなことになった」
志賀氏「デリバティブなどの金融商品を作り、限りなくマネー近い流動的な金融資産。FXなどのようなレバレッジの効いたものも。マクロ・ミクロの経済を見てきた我々とは全く違う価値感」
岩上「英米の戦略があるのでは?」
志賀氏「無邪気なものではない。正気の沙汰ではない。金の亡者と化している。英国が悪い。これははっきり名指しで言う。サッチャー主義とシティの金融ビックバン、この2つで英国経済は強固なものになった」
岩上「シティが悪いというのは何がどう悪いんでしょう?」
志賀氏「マネーゲームにしか興味がないということ。多重構造をなして世界金融を握っている。オランダではダッチサンドイッチと言って、租税回避できることで有名」
岩上「世界の金融の中心地のうち2つ、シティとウォール街、マンハッタンは世界2大タックスヘイブンだったと」
志賀氏「デラウエア州は米国のドメスティックタックスヘイブンと言われている。9.11があって、秘密法制が強化」
志賀氏「アングロサクソンとして、同様のことをやっている」
岩上「スノーデンの問題でもアングロサクソンがタックスヘイブンを使って金儲けをしていると。世界中の市民の個人情報、企業情報などを分け合っていたのがUKUSA同盟」
岩上「この同盟はアングロサクソン同盟。つながり合っているように見えますが?」
志賀氏「あまりにも日本人がこの問題に関心を持たなすぎなのでは?日本をUKUSAに入れようという話もあった」
岩上「戦略上必要だということは分かるが、個人・企業情報にも手をつけるということは、他のところで利益を得ているのではないかという懸念がありますが?」
志賀氏「そうでしょう。新しい話ではない。厳しい目で見る必要がある」
岩上「格差が拡大していくという話。これは中間層が削られていく社会は危険で不幸な社会」
志賀氏「田中角栄時代、一億総中流というのがあったが、それが良い世界。1%と99%の世界というのは不幸な社会。新自由主義の行き過ぎ」
岩上「TPPは年次改革要望書の総決算。貧富の格差が開いていくような政策のオンパレード」
志賀氏「TPPは経済問題でない。一種の踏み絵。ハイポリティクスの話。どっちか選ばなきゃいけなくなり、米国の方に行かざるをえないと」
岩上「明らかに米中は手を結んでいるが、日本は冷遇されている。先日は米中韓の安全保障会議。日本は孤立している」
志賀氏「おっしゃるとおり。中国が対等の覇権を握ることはないが、米国にとって中国のマーケットは魅力的」
志賀氏「尖閣は安全保障の対象内とオバマに言わせたことは成功している。軍事費を通常国家より払わなかったことを今払わされている」
岩上「第三極になれないということはどういうことか?独立できないと」
志賀氏「一番が田中角栄。小沢一郎は対米追従でベッタリだったのに、そうでなくなって、うまくいかなくなった。ことごとく、自立しようという者は潰されてきたから、ビビっているのではないか」
岩上「富の再分配をせず、中間層がどんどん減っていくような歪んだ経済政策が強行させられてしまうのではないか」
志賀氏「日米貿易摩擦を経験した身からすると、徹底的にやられるのではないかと思う」
志賀氏「日本が国債を持っていてくれることで、アメリカの経済はまわる。中国はそれを見ていて、外貨準備高で米国債を積み上げた」
岩上「アベノミクスの評価は不明だが、アベノミクスの3本の矢、日銀金融緩和について」
志賀氏「事態を悪化させるだけで評価できない。アベノミクスはクロダノミクスでしかなく金融ジャブジャブで博打の種銭にしかならない。バーナンキは黒田がお金をジャブジャブにしてくれる。資金の行き先を分からなくしてくれますと」
岩上「通じ合っている?」
志賀氏「そこまで考えたことはなかったが、そうかも分からない。排除はできない。一時的にも良くならないと思う」
岩上「これについて書籍をお出しになる?」
志賀氏「『日銀発金融危機』」
志賀氏「アベノミクス批判かどうか以前に、批判対象になりうるものとも思っていない。これはタックスヘイブンの延長。世界経済は教科書的な経済モデルで動いていない。ぜんぜん違う。税金を払わない人がこんなにたくさんいるのかと」
岩上「西欧では、今の現代をウエストファリア条約の終わりだと言っている。国民国家を超えた超国家の統治体ができるのかできないのか?帝国という問題とも関わる。アメリカの期待感は落ちているが」
志賀氏「主権国家とグローバル化の問題、FSB(Financial Stability Board:金融安定化審議会)のような国際機関のモデル、EUのようなモデルによる。国際間協力は条約法など」
志賀氏「21世紀はパックス・アメリカーナ2ではないかという議論はある。そのカウンターに中国がいる。尖閣を抱える日本としてはいろいろ考えざるをえない。パックス・コンソルティスの多国間協調という考え方」
志賀氏「実物の成長率とマネーの成長率がアンバランスな状態。マネーの方を締めていかなければならない。マネーゲームの連中が実物に興味を持ってもらわないと仕様がない。産業革命など変革がないと動かない。余計なことはしない事」
岩上「中国の成長について、GDPが今までは下だったが、今度は抜かれると。2016年に抜くとOECDが予測しているが、今ならまだ間に合うとの言い分が出やすい」
志賀氏「これだけの経済状況なら、昔ならとっくに戦争になっている」
志賀氏「英米のような軍事力を持った国がやると大変」
岩上「パックス・コンソルティスが難しいとなると、パックス・アメリカーナ2しかない?」
志賀氏「外務省は確実にそうでしょう。徹底的に内部告発しているのが孫崎さん」
志賀氏「みんなに知ってもらって、万機公論に決すべしと」
岩上「小沢さんにインタビューした時、米国のポチでいてほしいと米国は思うが、安倍さんら右翼政治家は核武装が背景にあると。石原さんも核武装を議論すべきだと」
岩上「原発維持と核保有はつながっている」
志賀氏「今まで表に出ていなかっただけで、原発は核と表裏一体の関係。核武装してまで自立というより、そうなるよりは米国追従の方がいいというのが国民の総意ではないか。議論が必要なところ」
岩上「安倍さんがアベノミクスをやりながら軍事国家化を進めるという動き。これは次の代にも続いていく。考えて行かなければならないこと。国家の強化なのか、周辺国との協調を進めていくのか、米国か中国か、単純な問題ではない」
れで実況ツイートを終了します。志賀先生の書籍『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』はこちら→ http://urx.nu/4NDd
長い記事で、誤字も多いが、保存資料としてそのまま全文転載する。世界経済を肌で知っている人間の貴重な証言である。
(以下引用)
2013/8/15
「「無邪気なものではない。正気の沙汰ではない。金の亡者と化している。」志賀氏インタビュー:岩上安身氏」 TPP/WTO/グローバリズム
https://twitter.com/iwakamiyasumi
以下、連投。 これより、8月14日、15時から、『タックス・ヘイブン-逃げていく税金』の著者、志賀櫻氏インタビューの実況ツイートを行います。
タックスヘイブン(租税回避地)の実態について、詳しくお話をうかがいます。
岩上「大蔵省の官僚として、現場をよくお知りになられていらっしゃる。数々の修羅場をくぐり抜けられていることも本で触れられています。申告納税者の所得税負担率は、山のようなグラフ。高額納税者の負担率は低くなると」
志賀氏「タックスヘイブンに資金を流し込めば、税金を減らすことができる。ある程度大金を稼げば、租税を回避できてしまうしくみ」
岩上「1億円を超えるとタックスヘイブンに持って行かなくても税金を減らせるのですか」
志賀氏「ほとんどはタックスヘイブンを利用している。タックスヘイブンはインフラ。税金が安いところがタックスヘイブンのポイントではない。秘密を守るという法制。国境を超えてタックスヘイブンに入るとお金が見えなくなる」
岩上「世界の富の4分の1は租税回避されているという話も」
志賀氏「最低でもそのぐらい。本を書いた直後にキプロスに同国のGDPの8倍の資産を持つ銀行があると分かった。多くはロシアマネーだった。1970年代から知られてはいたが」
志賀氏「見せたくないお金をキプロス島に預けていたということ。情報は外に漏れない。その1週間後にICIJのジャーナリスト集団が、カリブの島、ブリティッシュヴァージンアイランド(イギリス王室の属領)の預金リストを発見」
志賀氏「各国の有力者の息子などが預金していることが発覚した。法人の名前もあったが、個人名も公表され、ICIJのサイトで閲覧できる」
ICIJ→ http://www.icij.org
志賀氏「先進国のタックスヘイブンで有名なのはスイス。預金者の秘密が厳格に守られている。キプロスとブリティッシュヴァージンアイランドが暴かれ、隠されていることが明らかになった。ものすごい額。海外に隠して貯めることが可能」
岩上「日本も財政危機だと言われているが、結局富裕層などが税逃れした穴は、増税するしかないということで、中産階級以下の人々に負担がきている。不公平な構造」
志賀氏「貧富の2極化が簡単にできる。巨額の資金がヘッジファンドに流れ、一国を襲うことに」
志賀氏「アジア通貨危機、リーマンショックもその例。アングラマネーが世界経済全体を襲う。普通に暮らしている人に押し寄せる。これは正義ではない。貧しい人々の方向にしわ寄せがくることを止めなければいけない」
岩上「これは、マフィアやテロリストたちのような犯罪性のあるものだけではない。歴史的な経緯をうかがいたい。これほどまでに富が国境を超えること、矛盾が生じたのはいつか?」
志賀氏「第一次大戦前からあったが1960年代から」
志賀氏「アメリカの資本主義、英国の資本主義が資金を隠せるような体制を整えていった。タックスヘイブンがそれになろうとしてなったわけではない」
岩上「王室属領がタックスヘイブンだったりする。王室は無垢な存在ではない」
岩上「アングロサクソンが始めたのがタックスヘイブン」
志賀氏「とことん利潤追及をする。いかに税金を収めずに大金を稼ぐか。新自由主義の流れ」
岩上「70年代が新自由主義の勃興期。世界経済が蝕まれていくのと同期」
志賀氏「ウェーバーの説く牧歌的な資本主義の精神ではなく、富の収奪機構になってしまった結果、世界恐慌が起き、ケインズ主義が出てきた。1970年になってフリードマンがマネタリズムを唱えてケインズを批判。政府のやってることに効果はないと」
志賀氏「しかし、これもうまくいかないと分かったのがリーマンショック。結局、資本主義というのはアニマルスピリッツ。強欲なところがある。所得分配の公平公正をやろうとしても結局、新自由主義に戻ってしまっている」
志賀氏「ある程度の規制が必要。ボルカー・ルールなど。リーマンショック後は各腰を抜かすほど驚いた。G20首脳会議を開こうと、初めて開かれた。2回目のロンドンで重要な取り決めがあり、FSBで銀行の規制を見るように」
志賀氏「巨額のマネーがハイリターンを求める。20,30,50%のマネーゲーム。実物経済には興味を持たず、ハイリターンで暴れ回っている。タックスヘイブンの金が使われている」
岩上「自分がかき集めた金を博打にかけていると」
志賀氏「そのツケを、まじめに働いている人が払わされている」
岩上「各地で生産したものを適正な価格で売買するのが国際分業。しかし、この教科書で習ったことが、まったく機能していない状態であると」
岩上「アジア金融危機というものがどのように起こったのか?」
志賀氏「アメリカドルに通貨を結び付けて、アジア経済は安定していたが、タイ・バーツが危ないということで、標的に。IMFの管理下へ。一国の金融危機は飛び火する」
志賀氏「その後インドネシア・ルピーが同じ年にやられ、97年に韓国がやられた。いろんなところでおかしなマネーゲームがあった。アジア金融危機の巻き添えをくったのはロシア、ブラジル。日本はそうではなく、バブルで自滅」
志賀氏「バブルの原因はプラザ合意による財政金融政策のやり過ぎ。引き締めるときも引き締め過ぎてダメージが強くなり過ぎた。アメリカは馬鹿だなと思って(日本を)見ていたが、リーマンショックのようなことになった」
志賀氏「デリバティブなどの金融商品を作り、限りなくマネー近い流動的な金融資産。FXなどのようなレバレッジの効いたものも。マクロ・ミクロの経済を見てきた我々とは全く違う価値感」
岩上「英米の戦略があるのでは?」
志賀氏「無邪気なものではない。正気の沙汰ではない。金の亡者と化している。英国が悪い。これははっきり名指しで言う。サッチャー主義とシティの金融ビックバン、この2つで英国経済は強固なものになった」
岩上「シティが悪いというのは何がどう悪いんでしょう?」
志賀氏「マネーゲームにしか興味がないということ。多重構造をなして世界金融を握っている。オランダではダッチサンドイッチと言って、租税回避できることで有名」
岩上「世界の金融の中心地のうち2つ、シティとウォール街、マンハッタンは世界2大タックスヘイブンだったと」
志賀氏「デラウエア州は米国のドメスティックタックスヘイブンと言われている。9.11があって、秘密法制が強化」
志賀氏「アングロサクソンとして、同様のことをやっている」
岩上「スノーデンの問題でもアングロサクソンがタックスヘイブンを使って金儲けをしていると。世界中の市民の個人情報、企業情報などを分け合っていたのがUKUSA同盟」
岩上「この同盟はアングロサクソン同盟。つながり合っているように見えますが?」
志賀氏「あまりにも日本人がこの問題に関心を持たなすぎなのでは?日本をUKUSAに入れようという話もあった」
岩上「戦略上必要だということは分かるが、個人・企業情報にも手をつけるということは、他のところで利益を得ているのではないかという懸念がありますが?」
志賀氏「そうでしょう。新しい話ではない。厳しい目で見る必要がある」
岩上「格差が拡大していくという話。これは中間層が削られていく社会は危険で不幸な社会」
志賀氏「田中角栄時代、一億総中流というのがあったが、それが良い世界。1%と99%の世界というのは不幸な社会。新自由主義の行き過ぎ」
岩上「TPPは年次改革要望書の総決算。貧富の格差が開いていくような政策のオンパレード」
志賀氏「TPPは経済問題でない。一種の踏み絵。ハイポリティクスの話。どっちか選ばなきゃいけなくなり、米国の方に行かざるをえないと」
岩上「明らかに米中は手を結んでいるが、日本は冷遇されている。先日は米中韓の安全保障会議。日本は孤立している」
志賀氏「おっしゃるとおり。中国が対等の覇権を握ることはないが、米国にとって中国のマーケットは魅力的」
志賀氏「尖閣は安全保障の対象内とオバマに言わせたことは成功している。軍事費を通常国家より払わなかったことを今払わされている」
岩上「第三極になれないということはどういうことか?独立できないと」
志賀氏「一番が田中角栄。小沢一郎は対米追従でベッタリだったのに、そうでなくなって、うまくいかなくなった。ことごとく、自立しようという者は潰されてきたから、ビビっているのではないか」
岩上「富の再分配をせず、中間層がどんどん減っていくような歪んだ経済政策が強行させられてしまうのではないか」
志賀氏「日米貿易摩擦を経験した身からすると、徹底的にやられるのではないかと思う」
志賀氏「日本が国債を持っていてくれることで、アメリカの経済はまわる。中国はそれを見ていて、外貨準備高で米国債を積み上げた」
岩上「アベノミクスの評価は不明だが、アベノミクスの3本の矢、日銀金融緩和について」
志賀氏「事態を悪化させるだけで評価できない。アベノミクスはクロダノミクスでしかなく金融ジャブジャブで博打の種銭にしかならない。バーナンキは黒田がお金をジャブジャブにしてくれる。資金の行き先を分からなくしてくれますと」
岩上「通じ合っている?」
志賀氏「そこまで考えたことはなかったが、そうかも分からない。排除はできない。一時的にも良くならないと思う」
岩上「これについて書籍をお出しになる?」
志賀氏「『日銀発金融危機』」
志賀氏「アベノミクス批判かどうか以前に、批判対象になりうるものとも思っていない。これはタックスヘイブンの延長。世界経済は教科書的な経済モデルで動いていない。ぜんぜん違う。税金を払わない人がこんなにたくさんいるのかと」
岩上「西欧では、今の現代をウエストファリア条約の終わりだと言っている。国民国家を超えた超国家の統治体ができるのかできないのか?帝国という問題とも関わる。アメリカの期待感は落ちているが」
志賀氏「主権国家とグローバル化の問題、FSB(Financial Stability Board:金融安定化審議会)のような国際機関のモデル、EUのようなモデルによる。国際間協力は条約法など」
志賀氏「21世紀はパックス・アメリカーナ2ではないかという議論はある。そのカウンターに中国がいる。尖閣を抱える日本としてはいろいろ考えざるをえない。パックス・コンソルティスの多国間協調という考え方」
志賀氏「実物の成長率とマネーの成長率がアンバランスな状態。マネーの方を締めていかなければならない。マネーゲームの連中が実物に興味を持ってもらわないと仕様がない。産業革命など変革がないと動かない。余計なことはしない事」
岩上「中国の成長について、GDPが今までは下だったが、今度は抜かれると。2016年に抜くとOECDが予測しているが、今ならまだ間に合うとの言い分が出やすい」
志賀氏「これだけの経済状況なら、昔ならとっくに戦争になっている」
志賀氏「英米のような軍事力を持った国がやると大変」
岩上「パックス・コンソルティスが難しいとなると、パックス・アメリカーナ2しかない?」
志賀氏「外務省は確実にそうでしょう。徹底的に内部告発しているのが孫崎さん」
志賀氏「みんなに知ってもらって、万機公論に決すべしと」
岩上「小沢さんにインタビューした時、米国のポチでいてほしいと米国は思うが、安倍さんら右翼政治家は核武装が背景にあると。石原さんも核武装を議論すべきだと」
岩上「原発維持と核保有はつながっている」
志賀氏「今まで表に出ていなかっただけで、原発は核と表裏一体の関係。核武装してまで自立というより、そうなるよりは米国追従の方がいいというのが国民の総意ではないか。議論が必要なところ」
岩上「安倍さんがアベノミクスをやりながら軍事国家化を進めるという動き。これは次の代にも続いていく。考えて行かなければならないこと。国家の強化なのか、周辺国との協調を進めていくのか、米国か中国か、単純な問題ではない」
れで実況ツイートを終了します。志賀先生の書籍『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』はこちら→ http://urx.nu/4NDd
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