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徽宗皇帝のブログ

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TPPにおける安倍流「ワンフレーズ・ポリティクス」
「神州の泉」から転載。
日本(自民党政府)のTPP加盟は規定路線であり、もはやTPPについて何を書いても無駄だ、という感じもあるが、神州の泉氏は根気よく記事を書き続けている。こうした粘りや執念こそが日本人にもっとも欠けているものであり、彼のこの姿勢は称賛に値する。
下記記事は拡散すべき内容を持っている。
要するに、政府とマスコミが足並みを揃えて、「聖域無き関税撤廃には反対する」という一点に話を絞りこんで、国民を騙そうとしている、ということだ。この一点に話を絞れば、ほんの一つでも、日本の関税を維持してよいという関係各国の譲歩があれば、即座に、TPP参加はOKという成り行きになるわけで、そこが政府の狙い目だろう。つまり、小泉の「ワンフレーズポリティクス」の応用であり、国民はそういう単純化された話に弱いという大衆心理の悪用である。
「神州の泉」氏を見習って、できるだけ多くの大衆発メディア(ネットやミニコミ紙)などでこの事実(TPP参加のための、政府とマスコミの詐欺行為の事実)を拡散していくことが、今は必要だろう。
そう言えば、上に書いた「大衆発メディア」の必要性を私は政治改革の最大のポイントだと書いてきたのだが、しばらく忘れていた。そのうち、日本の政治改革、社会改革の「ゴールと手段」をまとめてみようかと思っている。

聖書の中に「幸いある日は楽しめ。悩みの日には考えよ」という箴言がある。これから日本は「悩みの日」に入る。ならば、その期間は、日本や世界の来し方行く末についてじっくりと考えることが、より良い未来を作るためには大事だろう。


(以下引用)


2013年8月13日 (火)

「J-ファイル 2012」のTPP公約違反は既定路線だったのか!?


2013年8月12日 06:50 (日刊サイゾー)には重要な意見が書かれている。
この記事を書いたのは久保田雄城氏(メディア・アクティビスト)である。
その記事を参照しながら少し考えてみる。
昨年の衆議院解散総選挙における政権公約集「J-ファイル 2012 総合政策集 自民党」というリーフレットの中には次の6項目がある。

1、政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
2、自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標を受け入れない。
3、国民皆保険制度を守る。
4、食の安全安心の基準を守る。
5、国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
6、政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

以上のTPP判断6項目は、本ブログでも何度も記している。
安倍政権は(1)ばかりにこだわって、(2)から(6)までの非関税障壁カテゴリーという重要5項目は故意に無視していた。
安倍政権や管轄官僚たちの強硬とも言えるこの非関税カテゴリーの無視はあまりにも異常すぎた。
この「J-ファイル 2012 総合政策集 自民党」のTPP関連公約は、読めば一目瞭然のように、「聖域なき関税撤廃」だけが問題なのではない。
むしろ(1)以外の5項目こそが日本の命運を左右する重大な案件となっている。
国の形と日本のアイデンティティを形成する骨組みや枠組み全てが瓦解する危険があるのだ。
自民党の解散総選挙における政権公約では上記6項目がしっかりと謳われている。
にもかかわらず、安倍首相は政権発足時から、TPP参加の可否条件を一貫して「聖域なき関税撤廃」が一部でも崩れるかどうかだけに異常にこだわってきた。
マスコミもその時期には一貫して、安倍首相の「聖域なき関税撤廃」云々だけを報じていた。
途中から東京新聞(中日新聞)だけが、そのバイアス性に言及し始めたが、他のマスメディアは今でも一貫して重要5項目に触れようとしない。
この流れの中で久保田雄城氏は、上記5項目の(6)「政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。」に関連し、安倍政権は明らかな公約違反をしたと喝破している。
この記事を書いた久保田雄城氏の指摘はすこぶる重要である。
それはマレーシアで開かれた、日本初参加の第18回TPP交渉の全日程が7月25日に終了したあとに突然起きた。
この翌日7月26日、日本郵政とアフラックの業務提携が発表されたのである。
驚天動地(きょうてんどうち)とはこのことだ。
久保田氏によれば、これは明らかに上記項目(6)にある「金融サービス(等)のわが国の特性」を踏まえていないという。
全くその通りだ。
日本郵政は収益力強化のため、2008年に日本生命保険と提携し、5年の歳月を費やしてがん保険を共同開発した。
両者がタイアップして開発された新型のがん保険商品は実現間近だったが、このがん保険を反故にしてまで協働の相手をアフラックに切り替えた。
親友を裏切るこのような日本郵政のこの経営判断は、従来日本の企業慣習には滅多にない暴挙である。
日本は個人レベルでも企業レベルでも、親和的に、互恵的に、友好的にやってきた相手を裏切らないのが従来の慣習である。
それは、日本が過去の村落共同体精神で培った「和を以て貴しと為す」の日本型特性であり、商習慣においてもきっちりと守られてきた。
いわゆる日本型社会秩序の重要なプリンシプルである。
あろうことか、日本郵政社長の西室泰三氏は互恵関係を築いていた日本生命を思いっきり裏切ってアフラックとの一本化を決めた。
久保田氏のいうように、この業務提携強化は「J-ファイル2012」のTPP公約(6)「政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。」の完全な違反である。
現在の段階で日本郵政の株式を、政府が100%保有することを思えば、政府が日本郵政のこの動きを制止して当然なのである。
ところが、安倍政権は動くどころか歓迎ムードである。
それもそのはずで、日本生命を外してアフラックとの提携強化をぶち上げた西室泰三氏を日本郵政社長へ抜擢したのは政府の意向だったからだ。
つまり、この提携強化は、国際金融資本、米政府(USTR)、日本政府、西室泰三氏、アフラックが、先刻裏で合意された工程の中に組み込まれていたからだ。
「J-ファイル 2012」の「109 自由貿易への取り組み」の中に、「TPPに関しては、政府が国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さぬよう、わが党として、判断基準を政府に示しています」と明記されている。
したがって、今回の提携強化を政府が是認しているのは、明らかに自民党の悪質な公約違反である。
わが国の金融サービスの特性を踏みにじるこの提携強化こそ、国際金融資本特有のレトリックである“イコール・フッティング(同等条件)”の実態だ。
これはTPPが本格稼働した場合、日本がどうなるかの一つの雛型と言っていいだろう。
久保田氏によれば、「J-ファイル2012」リーフレットのTPP非関税関連5項目が破られたのは(6)だけではないという。
(4)の「食の安全安心の基準を守る。」も、たしか今年の2月にBSE(牛海綿状脳症)対策の輸入規制が、月齢を「20カ月以下」から「30カ月以下」に拡大されている。
以上の流れを見ると、自民党の上層部は昨年の総選挙前から、CSIS(米戦略国際問題研究所)の意を受けて、政策工程に組み込んでいたものと思われる。
マスコミは裏で進んでいたこの策動に従って重要情報を隠蔽し、アメリカの対日戦略に沿って報道した。
政府やマスコミのこの異様さは占領統治以来、慣習となっている「閉ざされた言語空間」に忠実だからである。
アメリカの奸智に長けた戦略的な利益誘導を日本人はいっさい批判してはならないという不文律が、マスコミにはがっちりとできあがっているのである。
これこそが現代の『閉ざされた言語空間』ではないのか!?




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