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徽宗皇帝のブログ

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帝国主義と共和主義の名称と実態
この前から「帝国主義」について考えることが多いのだが、そもそも「帝国」とは何なのか、実はその定義を教えないままで社会科などの授業は行なわれ、生徒もそれに何の疑問も持たないのではないか。そこで辞書を引くと、帝国とは「皇帝の治める国」と簡単に説明されていて、それで「何だ、それだけか」と終わる人も多いだろう。だが、「帝国主義」とは「皇帝の治める国に特有の思想」ではないのはご存知のとおりだ。つまり、「事実上の帝国」とは、「政治的軍事的大国」のことを指しているわけだ。たとえば「帝政ロシア」などと言ったりするが、米国は帝政ではない。しかし、20世紀後半から21世紀の米国が歴史上最悪の帝国主義国家であるのは明白である。で、政治学上は、その国が膨張主義政策を採っている場合に帝国主義国家だとしているが、「経済的膨張主義」がグローバリズムであるわけだから、これもまた「見えない帝国主義」だとなるのではないか。
なお、「共和主義」というのも「和」の字が誤解を招く用語であり、「みんなで仲良く治めていく」のが共和主義だと思われているだろうが、アメリカの共和党などは「上級国民」中心の保守政党であり、下層国民を虐げる政策ばかり採ってきたのである。その共和党が南北戦争では「奴隷解放」をアピールしたのは、べつに人道的意図ではなく、「奴隷を解放することで必然的に大量に発生する貧しく安価な下級労働者の獲得」が奴隷解放の主目的であり、それに「人道主義」の仮面を被せていただけのことである。(注参照)
「共和主義」に話を戻せば、「共和制」には「主権が人民にある民主的共和制と、少数特権階級にのみ主権がある貴族的共和制・寡頭的共和制などがある」わけで、現実には資本家や旧王家旧貴族階級による「貴族的共和制・寡頭的共和制」にすぎないのが「民主主義国家」を標榜する先進国後進国すべての実態である。(ただし、日本の皇室に関しては、私の意見は、その価値を尊重する「尊皇主義」であることは変わらない。)



(注)「この戦争におけるわたしの至上の目的は連邦を救うことにあります。奴隷制度を救うことにも、滅ぼすことにもありません。もし奴隷はひとりも自由にせずに連邦を救うことができるものならば、わたしはそうするでしょう。そしてもしすべての奴隷を自由にすることによって連邦が救えるならば、わたしはそうするでしょう。……わたしが奴隷制度や黒人種についてすることは、これが連邦を救うに役立つと信じているためなのです」(リンカーンの友人あての手紙より。三笠書房「世界の歴史がわかる本」より引用)

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