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徽宗皇帝のブログ

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日本経済界はすでに外国人の手中にある
ニコさんのブログから、日本経済界はすでに外国人にほとんど支配されているという話である。株主の中の外国人株主比率についてのデータは、私も初めて見た。なるほど、日本経済界の連中は「彼ら」の代弁者だと思えば話が簡単だ。
かなり前から、なぜ日本の大会社に外国人役員や社長や会長が増えてきたのか疑問だったのだが、そうした人物の手腕に期待してというよりは、「彼ら」の頭にある手頃な人材が外国人だったにすぎないわけだ。「白人の白人による白人のための日本収奪作戦」の一環だ。
私はべつに国粋主義者でも人種差別主義者でもないが、アングロサクソン=ユダヤによる世界的収奪に対しては「日本人として」結束することも必要ではないかと思う。まあ、沖縄を日本の中に入れてくれればの話だが。


(以下引用)


先日の記事『「平成の売国」TPPは日本を滅ぼす!』で、経済産業省から出向中の京都大学助教中野剛志氏のTPP解説をご紹介し、大きな反響をいただいた。TPPは小泉・竹中のネオリベ路線の総仕上げというべきもので、日本は恐らく壊滅的打撃を受けるだろうと思う。保守派の重鎮西部邁氏をして「アメリカにレイプしてくださいって言ってるようなもの」と言わしめたように、これは米国の世界戦略にまんまと乗る究極の売国に等しいものと言えるだろう。日本を壊滅させないためには、TPPや米国年次要望書を粉砕することと、民主党を乗っ取り「国民生活が第一」のマニフェストを勝手に反故にし、国民生活を破滅に導こうとしている菅執行部および民主党ネオコン・ネオリベ一派(すなわち以前ご紹介したカレル・ヴァン・ウォルフレン教授の指摘する「アーミテージに会いに行く人たち」と重なる)を打倒・一掃することが必須であるということは明白である。対米従属新自由主義者グループは民主党にも自民党にも分かれて存在しているので非常に込み入っており注意が必要である。またみんなの党に至っては、党そのものが新自由主義・構造改革を掲げており、イメージのみで自民・民主に幻滅した無党派層の受け皿となりうる可能性があるので、これも警戒が必要である。これらの政党による連立の動きにも十分警戒すべきである。

さて前回の記事を書いている最中ふと疑問に思ったのが、このような日本を完全敗北に追い込むようなTPPをどうして財界は推進しようとするのか、という点である。そこで財界をコントロールしているのは誰なのか・何なのかということを考えてみた。私は情報源のよくわからぬ得体の知れない陰謀論に与する気はないので、なにか実証的なデータがないだろうかと探してみた。日本に長い間居住していない私はこのデータを見て少々面食らった。ひょっとすると今から書くことは、日本におられる皆様はとうにご存知のことかも知れないし、私は経済オンチなので分析も的を射たものかどうかは知らないが、見つけた資料を皆様と共有したいと思う。

[日本の経済界はすでに株と金融で支配されてきている]

企業を支配するのは株主である。上のグラフは東京証券取引所のデータに基づいて計算した持株比率の変遷を示している(東京証券取引所株式分布状況調査の長期統計より作成。その他参照サイトGarbagenews様の該当ページリンク1、リンク2)。データは1989年から2009年までのものである。それより以前は外国人持株比率はおおむね5%前後で推移していたが、平成以降徐々に増加し、橋本・小渕内閣の頃に一気に18%まで増加している。この時期に推進された規制緩和の結果によるものと思われる。オリックスの宮内義彦氏が規制改革委員会の議長に就任したのが1996年で、以後10年に渡り宮内氏が議長の座にあり続けた。

18%にまで外国人持株比率が増加した後、しばらく頭打ちの状態が続いていたが、いわゆる「構造改革」を推し進めた小泉・竹中の時に再び急増し、個人持株比率・法人持株比率を追い抜き、一気に25%を越えるまでに至った。サブプライム問題による世界金融危機のときには日経平均株価が年初の半額にまで暴落したが、外国人持株比率は若干落ちた程度に留まり、2009年には26%まで伸びている。この間、個人の持株はほぼ横ばいであるが、法人や金融機関の持株が漸減し、その分が外国人持株に回ったと言える。規制が大きく緩和され、株式相互持合いの形態が崩れ、企業グループの再編が進められる中、外国人投資家やファンドが割って入ったと言える。

さて日本の4分の1もの株が米国ファンドを中心とする外国勢力の手に渡ったのであるが、それはどういうことを意味するのであろう。ここに興味深いレポートがある。日銀による「賃金はなぜ上がらなかったのか?2002年~07年の景気拡大期における大企業人件費の抑制要因に関する一考察」(川本卓司・篠崎公昭、2009年7月) というワーキングペーパーである。この中で①企業が直面する不確実性の拡大、②「世間相場」の低下、③株主からのガバナンスの強まり、④海外生産・オフショアリングの拡大、という4つの要因が検証されている。この中で③株主からのガバナンスの強まりについて述べられている箇所を引用する。

[引用開始]——————————–
「2000年代半ばにかけて、外国人持株比率は上昇傾向を辿っており、06年度には全体の約1/4を占めるに至っている。こうした動きの裏側では、①持合い解消等に伴い、事業法人の持株比率が低下しているほか、②メインバンクを含む金融機関の株式保有の減少が生じている。
こうした株主構成の変化は、企業のガバナンス構造にも、少なからぬ影響を与えてきたと考えられる。すなわち、わが国企業では、経営陣が内部昇進によって選ばれることが多いため、持合いなどを背景に株主の影響力が相対的に弱い企業では、従業員の利害が優先される傾向が比較的強かったと考えられる。しかし、近年のように、海外ファンドなど「モノ言う株主」が増加し、株主への経営に対する影響力が強まってくると、人件費は抑制される一方で、株主への配当が優先される傾向が強まることが予想される。実際に、法人年報における大企業の人件費と配当金の推移を見ると(図表20(2))、2000年頃から06年度にかけて、配当金が急増する一方で、人件費は概ね横這い圏内で推移している。」(p.13)
[引用終わり]——————————
ここからわかるのは、外国人持株の比率が高まった結果、企業がこれら株主の意向に従わざるを得ず、結果人件費を抑制し、収益を配当に回すという構造ができあがったということである。さらに非正規雇用・派遣労働者の使用によってさらなるコスト削減を行っている。景気が回復し、企業の業績が回復したとしても、この構造では、企業幹部のみが高い報酬を得る一方、一般社員・労働者の賃金は上昇せず、安定的な雇用も生み出さないということがわかる。さらに株主への配当に多くが回るため、利益の多くは国内で循環せず、海外の株主に回るのである。この構造が続く限りは内需が拡大するはずがないと、私のような経済オンチでも想像がつく話である。格差が作り出され、それが固定化されるのである。

さて25%以上の株が米国ファンドを中心とする外国勢力に握られているということとその意味するものを見てきたが、25%というのは平均値である。中には外国資本が0%という会社もある。つまりそうしたものを全部ひっくるめて平均したものであるので、企業によってその比率はまちまちである。「株主プロ」というサイトで企業別の株主構成をみることができる。

「株主プロ」のこのページでは外国人持株比率が高い上位100社が提示されている。ぜひ別のウィンドウで開いて見ていただきたい。もともと外国企業であるリーバイスの90.9%というのは頷けるものがあるが、中外製薬74.8%、日産自動車68.5%、ヤマダ電機51.7%、オリックス50.5%、ソニー45.3%、キヤノン45.0%、任天堂41.5%など、日本でもなじみの深い有名企業がリストに名を連ねている。外国人持株が3割4割にもなってくると、もはや純粋な日本企業とは呼べないだろう。いちごグループや日本アジアグループなど耳慣れない企業もリスト上位にあるが、これらは不動産や金融関連の持株会社である。

「株主プロ」のこちらのページも開いてご覧になっていただきたい。金融機関の持株比率を見ることができる。3大メガバンクのうち三菱フィナンシャル・グループは外国人持株比率33.1%、三井住友フィナンシャル・グループは41.4%にもなっている。みずほフィナンシャル・グループは20.0%で比較的低い。りそなホールディングスは預金保険機構から資金注入を受け実質国有化されたので法人の持株比率が50.8%と突出している。その他地銀は一見外国人持株が少ないように見えるが、それはメガバンクがそれらの地銀の株を大量保有しているか、メガバンクが資金を拠出して作った信託銀行(日本トラスティ・サービス信託銀行はりそな・住友信託・中央三井トラストが3分の1ずつ出資して作られ、ゴールドマンサックスとつながりが深いと思われる。日本マスタートラスト信託銀行は起源がチェース・マンハッタン銀行で三菱・ロックフェラー系列と推測される。なおステートストリートバンクアンドトラストカンパニーは純粋な外資である)が株を保有しているためである。つまり多くの地銀はメガバンクに間接支配をされているわけである。

一般企業でも、直接の外国人持株の比率が低くても、これら金融機関の持株の比率が高ければ、外国人投資家・ファンドの間接支配を少なからず受けることになるだろう。カネが回らなければおしまいである。外国人持株も多く、金融機関持株も多い企業ほどその受ける影響はより大きいと思われる。つまり日本の経済界は米国ファンドの大きな影響下にあるという実体がわかる。株と金融で首根っこを押さえられてしまっているわけである。米国企業vs日本企業とか日米経済戦争などというのは遠い過去のことで、現在は外国資本が日本の経済内部に浸透して、支配を強化しているという現実に我々は目を向けるべきなのである。

[国家・社会・国民の利益と経済界の利益は一致しない。 財界人への認識を改めよ]

皆様もとうにご存知のことと思うが、前述の規制改革委員会の議長に10年に渡って就いていた宮内氏率いるオリックスという会社は、その5割から6割もの株を米国ファンドが握っているのである(現在は50.5%)。つまりオリックスは事実上外資企業であり、宮内氏はその代弁者と言っていいだろう。さらには宮内氏のオリックスの子会社オリックス不動産は郵政かんぽの宿の一括払い下げを受けようとしていたのである。このような人物を政府は規制改革委員会の議長に10年も座らせ、官僚が巧みに張り巡らせていた各種の規制を除き、わざわざ外資ハゲタカに玄関の扉を開いて招き入れることを許したのである。キヤノンは外国人持株比率が45.0%もある会社であるが、その御手洗氏もまた経団連会長として派遣労働推進の主張をしたり、経済財政諮問会議の議員として偽装請負の合法化を主張したりする一方、キヤノンの役員報酬を2003年に既に1億円以上もあったものを2006年までに2億円以上と約2倍に引き上げているのである。

国民の多くはいまだに財界人に対して本田宗一郎氏や「メザシの土光さん」やらのイメージを有しているのかもしれないが、それは実態としては遠い過去のものである。現在我々が目にしているのはそのような聖人君子の類ではない。現在の財界人は彼らの利益になるように動くのである。今彼らを支配しているのが米国ファンドであるなら、彼らはその利益のために働く代理人なのである。彼らにとって日本国民の大多数の生活や日本の国家や社会がどうあるべきかなどという事柄についてはどうでもよい問題なのである。同じ日本人だからという視点で見てはいけない。カレル・ヴァン・ウォルフレン氏が繰り返し訴えていたように、人物の背後関係をよく見極めなければならないのである。ウォルフレン氏は政治家・エリート官僚などでアーミテージ氏に会いに行く人物に気をつけるよう日本人に親身な忠告を与えてくれたが、経済人も同様にそのバックグラウンドを見極めなければならないだろう。

以上のような視点で見れば、経済界がなぜ国民生活を痛めつけるのが自明の消費税増税を主張するのかがわかる。彼らは株主からの圧力で法人税減税を要求しているのである。ただでも企業の収益の多くは海外に出てゆくのに、それをさらに増やすために法人税の国庫への献上を減らしたい。そこで税収減の穴埋めのために消費税を増税しろと主張しているのである。外国人株主の視点では当然だろう。日本の庶民の竃の煙を心配する気など毛頭ないのである。これが仮に国内だけでカネが循環する経済構造だとすると、増税によって消費が落ち、経済も停滞する可能性があるので、財界と言えどもそう簡単に法人税減税・消費税増税などと言えないだろう。現在の状況では彼らには国民の痛みなど関係のない話なのである。そしてさらに「平成の開国」をせよと迫っているのである。日本の財界人が話しているとは考えずに、外国人株主の代理人が流暢な日本語で話していると考えればわかりやすい。そうした人々を政府の諮問会議などの委員に任命しているのであるから、他国から見れば滑稽な話であろう。政治家の中にも最初からこのような状態を作ることを目的としていた連中もいるだろう。そして一般的に言えることは政治家は企業献金に依存しており、これでは自由な身動きが取れないのだろうと思う。

国家・国民の利益と企業の利益が一致したような時代もあっただろう。それは護送船団方式を採ることで、企業も労働者も一定の不満はあっただろうし、私もそれが理想型であるとは思わないものの、少なくともみんな食べていける国を作ってきたからである。国家・社会・国民の利益と企業のそれとの乖離が著しくなることがグローバリズムの本質だと思う。今や日米経済戦争など起こらないほど、米国資本は日本に浸透しているのである。日本では欧米に見られた反グローバリズムの嵐は吹き荒れなかったが、新自由主義で痛めつけられた国民の間に静かに転換が起こり、「国民生活が第一」「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権にその希望を託したのである。にもかかわらず鳩山氏退陣の後、民主党政権を乗っ取った菅氏や前原氏を筆頭とする対米従属新自由主義グループは、その国民の願いを踏みにじり、小泉・竹中路線で既にさんざんに開かれ蹂躙されてきた日本を「平成の開国」などという言葉でさらに開こうとしているのである。
(もうちょっと書きたかったのですが、長くなったので、続きは次回にします)

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