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徽宗皇帝のブログ

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景気回復など簡単である
作家丸山健二のブログ「一刀両断」から二つの記事を転載。
文中で言及されている2点について、補足の意味で私の考えを述べる。


1.「ちょっと頭を冷やして考えれば、この不景気の原因などすぐにわかることではないでしょうか。」

→「この不景気」の原因は、単純に、庶民の間に金の無いこと。これは私だけでなく崖っぷち社長も何度も言っている。さらにその遠因は、「非正規雇用社員」の増加による庶民全体としての所得低下である。(つまり小泉改革の結果である。)その他にも公共料金や税金など「払わざるを得ない支出」がじりじりと上がり続け、家計を圧迫しているため、その他の支出の余裕が無く、消費が低迷しているために企業業績も低迷していること。すなわち「デフレ不況」。(ただし、デフレは不況の結果であり、原因ではない。無理にインフレにすれば庶民は今以上に悲惨なことになる。)


2.「(ヒトラーもムソリーニも)双方ともまずは経済の建て直しに着手し、アウトバーンに象徴されるような公共事業に税金を注ぎこむことで一気に繁栄をもたらすことに成功し」

→すなわち、経済の立て直しは簡単なことであり、「公共事業に国家予算(税金)を注ぎこむ」ことで庶民の間に金を流し、景気を回復させればよい。そうすれば税収も自然に回復し、公共事業に注ぎ込んだ金の何倍もの税収増となる。日本ならば、福島原発事故の処理、東日本大震災の処理に使うべき金をまともな方向(被災者救済をも含む)に使っていれば、とっくの昔に景気は回復していただろう。それが、被災者ではなく「原発と東電を救う」という「アサッテの方向」を向いたやり方をしたために、金はすべて烏有に帰したのである。(要するに、富裕者層の懐に消えた、ということだ。)


(以下引用)




一刀両断【103】
2013-04-12 13:19:32
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 権力による極めて作為的かつ意図的な介入により、本来ならばごく自然であらねばならないインフレを無理やり引き起こそうという歪んだ企みの行き着く先は、好景気どころか、瀕死の重病人に別の病を負わせてしまうようなもので、いずれ時間の問題で最悪の事態を差し招くことになるのは自明の理というものです。
 そんな根拠もなく、それだけの裏付けもないような世迷い言にいちいち振り回され、たちまち株価を上げさせてしまう関係者の馬鹿さ加減にも呆れ果てますが、そんな愚かな政策を実行に移した、民に選ばれし連中の知能の程度にも改めて仰天します。そしてまた、ひとたびそれらしき気配が生じたというだけのことで、肯定と支持の側へいっせいに回る世論の軽薄さにもうんざりさせられます。
 ちょっと頭を冷やして考えれば、この不景気の原因などすぐにわかることではないでしょうか。それにだいいち、これは不景気などと呼べるような高尚な問題などではないのです。その実力も、その裏付けもなく、ただ単に雰囲気のみで成り立ってきたこれまでの〈好景気もどき〉は、実は大いなる幻影でしかなかったのです。
 つまり、現在のこの状態もまた〈不景気もどき〉にすぎないということです。もっとありていに言ってしまえば、これこそが本来の実力に見合った、等身大の正常な経済状態なのです。もしも本気でこれ以上を望むのなら、時代ががらりと変わってしまうほどの画期的な大発明や大発見が必須です。それにはまず、人間そのものを変革しなければならないでしょう。事大主義と手を切った、世間と肩を並べることをよしとしない、本当の自分をしっかりと持った人間の登場が必要不可欠なのです。




一刀両断【106】
2013-05-13 19:18:48
テーマ:ブログ

 ご存じのように、かのムッソリーニも、かのヒトラーも、自国の経済がとことん疲弊したときに登場してきました。かれらは理念を優先させるばかりの左翼系の政党を蹴散らし、要するに国民が欲しているのは理屈ではなくパンであるということをよくよく弁えて、芝居っけたっぷりの演説と、わかり易く現実的なスローガンをくり返し、双方ともまずは経済の建て直しに着手し、アウトバーンに象徴されるような公共事業に税金を注ぎこむことで一気に繁栄をもたらすことに成功し、豊かになった税収と、国民からの絶大な支持を利用して、軍事力を高め、コンプレックスの裏返しである愛国主義を煽って、世界制覇の野望に燃え、実行し、そして、最初の小さな勝利にすっかり酔い痴れてしまって冷静な判断を下せなくなり、正しい認識が保てなくなり、結局はお決まりの破滅の坂道を転げ落ち、大悲劇を招くことになったのです。
 つまり、為政者がそれまで低迷していた経済を復活させたときが危険のサインだということです。それが戦争への道をふたたび切り開く予兆ということです。間違ってもかれらにそれを成功させてはなりません。よしんば成功させてしまったとしても、かれらにそれ以上のことまで期待してはいけません。かれらは支配欲に駆られただけの、そして、実際にはたちまち人気にのぼせ上がって無謀な決断を下すような、愚かな妄想に振り回される、臆病で冷酷なナルシストでしかないのです。しかし、大衆もまたかれらに負けず劣らず愚かなのです。愚かな国民が愚かな英雄を作り上げるのです。そうした愚かな図式が愚かでは済まされない戦争の歴史を積み重ね、これからもまた積み重ねようとしているのです。そして今、最初の危険信号が点灯しています。


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