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<転載開始>
村上名誉教授の話は、いつでも一般の方にもわかりやすく話されているのが好感が持てるところです。…というか、これでも理解できないメディアのほうがアレなんですが。
「自殺行為に等しい」 レプリコンワクチン批判の研究者が反対運動の“真意”を明かす 「国民の健康よりも製薬会社の利益、という姿勢」
デイリー新潮 2024/11/04
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製薬会社がワクチン反対運動を展開する団体に対して…
「mRNAワクチン」や「組換えタンパクワクチン」に、新たに「レプリコン」が加わった新型コロナのワクチン定期接種。目下、この新ワクチンを巡り熾烈(しれつ)な論争が繰り広げられている。単なる“陰謀論”か、はたまた身命をなげうった警鐘か。当事者たちの主張に迫る。【前後編の前編】
10月1日に始まった新型コロナウイルス感染症のワクチン定期接種。インフルエンザなどと同様、重症化リスクの高い「65歳以上の高齢者」や「60歳以上の特定の基礎疾患を有する者」が対象で、接種費用も多くの自治体で有料となる。
全額公費負担の「特例臨時接種」が今年3月末で終わり、「ワクチン論争」もようやく下火に――。一時はそう思われたが、今度は新たに定期接種で使用される「レプリコン」というワクチンを巡って、論争が勃発することになった。
昨年11月、世界に先駆けて日本で初めて承認されたレプリコンワクチンの「コスタイベ筋注用」。このワクチンを販売する明治ホールディングス傘下の製薬会社「Meiji Seikaファルマ(以下、ファルマ社)」が、10月8日、ワクチンへの反対運動を展開する2団体に法的措置を講じることを明らかにしたのである。
真っ向から対立する双方の主張
同社から「非科学的主張を繰り返す団体」として名指しされたのは「mRNAワクチン中止を求める国民連合」と「日本看護倫理学会」の2団体だ。
この問題を取材する記者によれば、
「国民連合は医師や研究者が主体となって結成した団体で、創設者の一人で副代表も務める村上康文氏は、東京理科大学名誉教授でありゲノム創薬の専門家としても知られる人物。また、看護倫理学会も歴史こそ古くはないものの、業界ではそれなりに知られている学会です。彼らはいわば“科学者として”医療機関や行政にレプリコンワクチンの使用を控えるよう呼びかけたわけですが、メーカー側はそれを“科学をかたった誹謗中傷”と捉えたのです」
現状、真っ向から対立する双方の主張をわれわれはどう解釈すればよいのか。
レプリコン特有のリスク
まずは、反対運動の「真意」を確かめるべく、国民連合の村上氏の話に耳を傾けてみよう。
村上氏は東京大学薬学部出身で、同大大学院の薬学系研究科博士課程修了。米国のがん研究センターや理化学研究所などを経て東京理科大学基礎工学部教授となり、創薬科学や分子生物学、免疫医学を専門に研究を行ってきた。
同氏が言う。
「レプリコンワクチンは、新型コロナウイルスのワクチンとして初めて実用化されたmRNAワクチンをさらに進化させたものです。mRNAワクチンは『mRNA(メッセンジャーRNA)』を細胞に導入することで抗体の獲得を目指すものでしたが、レプリコンワクチンはそのmRNAが細胞内で自己増幅するよう設計されています。そのため、mRNAワクチンが持っていた欠点や危険性とともに、レプリコン特有のリスクも併せ持っているのです」
一度の接種で長期間、抗体の誘導が
そもそもmRNAとは、その名の通り、細胞内でメッセンジャーすなわち伝令役の働きを担う物質。彼らが“伝令”するのは細胞がタンパク質を産生する際に使う設計図である。
新型コロナウイルスは、表面に「スパイクタンパク質」と呼ばれるトゲを有しており、そのトゲを宿主の細胞の表面に突き刺すことで細胞を乗っ取り、感染を引き起こす。
mRNAワクチンとは、一言で言えばこのスパイクタンパク質の設計図を特殊な脂質の膜でくるんだもの。ワクチンを接種すると体内の細胞が設計図に従ってスパイクタンパク質を産生し、そのスパイクタンパク質に対する抗体が誘導されることで、感染や重症化が予防できる。
通常、mRNAは短期間のうちに分解されてしまう。従来のmRNAワクチンでは特殊な材料を用いることでこの分解を抑えていたが、それでも接種後の抗体量は減少する。そのため「ブースター接種」など頻回のワクチン接種が必要だった。しかし、mRNAが細胞内で自己増幅するレプリコンワクチンでは、一度の接種でも長期間、抗体の誘導が続くとされているのだ。
「自殺行為に等しい」
では、そのmRNAワクチンにはどのような“リスク”が指摘されてきたのか。主要なものを挙げると、以下の3点に集約されよう。
・ワクチンを打つことで、免疫を抑制する「IgG4」という抗体が出現する
・mRNAを包む特殊な脂質の膜が、全身の器官で炎症を引き起こす
・スパイクタンパク質そのものに強い毒性がある
村上氏によれば、
「これらはいずれも国内外の研究機関から複数の報告や論文が提出されているものです。例えばスパイクタンパク質の毒性については、すでに200本以上の論文が確認できる。毒性が認められる場合、本来は無毒化・弱毒化する処理が必要なはず。それをせずにスパイクタンパク質を体内で産生するのは自殺行為に等しいでしょう」
また、一般的に〈IgG4が誘導されればワクチン開発は失敗〉といわれるほどIgG4は厄介な抗体とされるが、
「mRNAワクチンではそれもお構いなし。そうして免疫が抑制され、風邪をひきやすくなったり、最悪の場合、細胞のミスコピーを排除することができず、がんを発症したりする可能性すらあります」(村上氏)
「飛沫で他人にうつる懸念が」
これらの副作用に科学的な裏付けがあるとすれば、ワクチンを忌避する人が後を絶たないのもうなずける。
次に、レプリコン独自の危険性はどのようなものが指摘されているのか。
「mRNAが自己増幅するため、より長い期間、体内で毒性の強いスパイクタンパク質が産生され続けることになります。また『シェディング』といって、レプリコンワクチンに由来する成分が、ワクチンを接種した人から別の人に“伝播”する可能性も指摘されている。人間の血や唾液、母乳には細胞から排出されるエクソソームという小さな物質が含まれていますが、レプリコンを接種するとこのエクソソームの中にも自己増幅したmRNAが含まれることになる。こうしたものを経由して、飛沫で他人にうつるのではないか、との懸念があるのです」(村上氏)
「研究者として対話を持ちかけたのに……」
むろん、こうした“知見”を厚生労働省や製薬会社は真っ向から否定。それどころかメーカーが村上氏らに法的措置を通告したのは前述の通りである。
村上氏は、
「ファルマ社の“法的措置”も余りに突然のことで、いきなり頭をこん棒でぶん殴られたかのようでした。私たちはこれまで何度もファルマ社やレプリコンを開発したアメリカの会社に議論を呼びかけ、彼らに公開質問状も送っています。でも、実現したのはファルマ社の顧客窓口である『くすり相談室』の方と1時間お話ができたことだけ。しかも、その方はレプリコンワクチンについて十分な知識を有しているとは到底思えない話しぶりで、ほとんど実りはありませんでした。研究者としてこれだけ対話を持ちかけたのに、それに対する返答はいきなりの“法的措置”。製薬会社としての見識を疑います」
「『国民の健康よりも製薬会社の利益』という姿勢」
“法的措置”の報道後、村上氏らはファルマ社から「警告書」が届いたことを知ったというが、
「そこにわれわれの主張に対する具体的で科学的な反論が書かれていたわけでもなく、“有効性・安全性が確認されている”“厳格なプロセスに基づき厚生労働大臣が承認した”と紋切り型の主張が繰り返されているだけです。製薬会社や厚労省が100%正しいというのであれば薬害など起こらないはずですが、現実はそうではありません。mRNAワクチンでは、厚労省によってすでに860名を超える“接種後死亡”が認定されており、このワクチンに大きな問題があるのは明らかですから、今すぐ接種を中止して被害状況を精査すべきだと考えています。彼らの対応からは、残念ながら『国民の健康よりも製薬会社の利益を守りたい』という姿勢しか感じ取ることができませんでした」(村上氏)
後編【「反ワク団体は“闇の経済圏”を形成」 レプリコンワクチンを販売する製薬会社が反対運動に真っ向から反論 科学者、医者は対立をどう見ているのか】では、製薬会社側の反論を紹介している。
「週刊新潮」2024年10月31日号 掲載
<転載終了>
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