忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ 徽宗皇帝のブログ

RSS TWITTER RssTwitter

沖縄の観光政策への批判

私は昔から、沖縄の行政、特に産業振興策と、その中でも観光政策の内容に批判的だったが、下記記事は沖縄の観光政策の欠陥をはっきり指摘していて、こうしたシンポジウムには珍しく、役に立つ提言も多い。
ふつう、シンポジウムというと行政の担当者や学者などが、自分の専門知識を見せびらかし、自己宣伝と自己弁護の発言をするだけで、社会的効用性という点では意味の無い提言をするもの、と私は思っているが、下のシンポジウムでは、実業に携わっている人たちがパネリストであるだけに、その発言内容が現実的だ。それは当然、現在の観光政策への批判でもある。(ただし、その欠陥は歴代受け継がれてきた政策の結果であり、現在の県当局だけの責任ではない。)
私は基地問題などでは翁長知事を支持する者であるが、知事の仕事はそれだけではない。何よりも県民の生活を向上させることである。(もちろん、その政策が原発受け入れや基地受け入れなどのような道義に反するものでないかぎりであるが。)
沖縄県の産業の中でも最重要な観光についての政策をこれまで見るかぎりでは、意義のある政策はほとんど無かった、と私は思っている。これは翁長知事以前の知事の場合でも同じである。
首里城の再建など、相当に力を入れた事業だったが、下の記事にもあるとおり、「首里城は空っぽ」らしい。それはそうだ。「ただの舞台を見せて金を取ろう」という了見自体がおかしいのである。下の記事の発言は、実に痛烈な批判である。ところが、これまでそういう批判は沖縄の観光行政に対してはほとんど聞かれなかったのだ。これも、翁長知事が日本政府と対立していることから、保守陣営や産業界からの県政批判がフリーになったことの表れだろう。とすれば、これは「いいこと」なのである。保守政権では聞けなかった「本音の批判」「役に立つ批判」が聞けるのだから。
沖縄行政府は下の記事の声に耳を傾けるべきだろう。
ただし、記事の前半部はそれほど興味深い内容ではないと思ったので、カットした。


(以下引用)興味深いところを赤字にしてある。結果的にアトキンソン氏の発言だけが特記されることになった。まさに「我が意を得たり」である。私は西洋文明の精神が大嫌いなのに、思考の進め方はえらく欧米的なのかもしれない。つまり、文飾が嫌いで「本質や結論をずばりと言う」のが好きなのである。




 安里氏 本政府(徽宗注:元記事のママ。「日本政府」の誤記か。)のマーケティングの調査方法は、空港で帰国前の買い物客や、到着直後の目的地にすぐにでも行きたい人を引き留めて実施している。沖縄も同じ手法でやっている。


 ハワイは日本の手法をばかにしている。ハワイは回答者の精神状況や調査環境を重視し、往復の飛行機の中でアンケートをとっており、冷静な回答をとることができる。適当に声を掛けることがマーケティングではなく、どの状況の中で確度の高い情報を参考にするかどうかで、統計の取り方が違うと学んだ。


 アトキンソン氏 日本は聞きたい情報を聞き出そうとしている。外国人は観光でお邪魔しているという感覚が強く、外交的な発言で、お世辞を言うに決まっている。質問は「次の課題は何ですか。ヒントをください」とすべきだ。


 今ある外国人からの評価も、外国人目線では侮辱的なことを言われているように見える。「ごみが落ちていない」「マンホールが面白い」などは、褒めるところが見つからず答えた、究極的にばかにしていると見ることもできる。日本はデータを取れてなく、読む力もない。


 同時に、日本政府は日本に来ている人にしか調査していない。すでにファンの人に評価を聞いても素晴らしいと言うに決まっている。沖縄や日本で一番大事なのは、欧州など今観光客が訪れていない地域で「なぜ来ないのか」を徹底的に追求することだ。



■振興の具体策



 宮島氏 USJは入場料が7千円かかり、早く乗れるファストパスはさらに7千円必要になる。これは格差かニーズか。バチカン市国の見学には4500円から1万2千円の段階がある。自分に見合ったところに対価を払ってサービスを受けるのは当たり前だが日本で差をつけることを格差と考える。


 多様性を準備しないといけない。韓国の徳寿宮では1995年から衛兵交代を始めた。沖縄の首里城でも1日1回でいいから、当時のイベントを見せる仕組みをつくれば、滞在時間を延ばし、お金を落としてもらえる。堂々とお金が払えるものをつくり、提供することが大事だ。


 アトキンソン氏 首里城は空っぽ。例えば海外から大事なお客さんが家に来るときに、家具を片付け家を空っぽにして、飲食禁止の接待をする人はいない。首里城も戴冠式などいろんな儀式が毎日のようにあったと思う。映像を流すだけでは、雇用にもならない。首里城文化財ではあるが、文化じゃない。王様の住居で、儀式をする舞台に過ぎない。舞台でお金を取るのは成り立たない。冷凍保存状態で、何の楽しみもなく、観光とは言えない。


 安里氏 国内市場は必ず衰退する。沖縄は香港、台湾中国韓国をコアターゲットにしている。今後の課題は。


 糸数氏 課題はいくつもある。一つは国際通りなどの通りの魅力づくりだ。行政もある程度条例をつくり、制限し、通りごとに魅力的にしていく。まちづくりや通りのコンセプトを官民一緒に取り組まないといけないが、非常に弱い。沖縄は、多様性を持った魅力あるまちづくりができる。


 宮島氏 今、県民1人が年間124万円を使う。観光で訪れる中国人は平均約15万円。日本人は約7万円を使う。沖縄も今後、人口が減ってくる時代に入る。交流人口やにぎわいの創出、お年寄りの生きがいづくりのために、観光客の呼び込みは欠かせない。


 欧米人が来たくなるようなコンテンツの多様性がない。県内でギリギリ合格は、ガンガラーの谷と、大石林山のツアー。いろんな植物やチョウがいるが、紹介するツアーがない。来てくれるコンテンツをそろえていくことが先。そうすることで、長期滞在や消費につながる。


 アトキンソン氏 文化は強みだが、あまりにも偏った魅力の発信はやめた方がいい。フランス人は文化好きでも、朝から晩まで文化財ということではない。多様性に欠けることもよくない。沖縄料理を食べたいと思うが、毎日毎日食べたいとは思わない。沖縄は自然や文化はそろっている。あとはやる気の問題だ。


 沖縄は環境がものすごく恵まれていて、観光立県として一番進めやすい。台湾だけでなく、欧州も狙って、多様性に富んだ、モデルを国全体に示してほしい。経済もよくして、県民を増やしていく、観光の成功例を実現してほしい。

拍手

PR
Comment
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
Clear