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徽宗皇帝のブログ

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燃料電池車という失敗コンセプト
トヨタの燃料電池車特許無償提供については、何かモヤモヤしたものを感じていたが、テスラ・モーターズCEOの言葉でその理由が少し明確になった気がするので、二つの記事を連続転載する。
特許や著作権というものは、利益の独占方法ではあるが、そのためにその技術や作品が世間に広まらなくなるという大きな問題を抱えている。トヨタの場合、燃料電池車を自社だけで普及させることは困難だ、ということで特許無償提供によって世間に普及させ、後は先進開発者のアドバンテージで燃料電池車メーカーのナンバーワンになればいい、という判断だったのだろう。だが、その燃料電池車というコンセプトそのものに大きな、根本的欠陥があるとすれば、他社は追随してこないのではないか。私自身、燃料電池車というコンセプトは根本的にダメだと考えている。それはイーロン・マスクの言うのと同じ理由だ。「水素の引火しやすさ、貯蔵の難しさ」、これに尽きる。だからこそ、トヨタが開発した燃料電池車はあれほど高額なものになっているのだろう。開発研究費を上乗せしたからだ、という意見があるかもしれないが、それだけではあの金額にはならないと思う。まさか、1000台程度で元を取ろうなどという馬鹿げた考えはしないはずだ。
まあ、新しい技術にチャレンジするのはいいが、「地球温暖化対策」とか「環境保護」をうたい文句にすれば何でも許される、という現状にも私は頭に来ているので、その一つの表れである燃料電池車が失敗するのをひそかに望んでいる、というところはある。(笑)トヨタという下請けいじめ企業も大嫌いだし。



(以下引用)



トヨタ自動車、燃料電池車(FCV)関連の特許を公開 その真意は - ライブドアニュース


2015119


13:20


トヨタ、特許無償提供の衝撃 世界中から無視され不発か、FCV本格普及のリーダーか


2015年1月18日 6時0分


ビジネスジャーナル


 


トヨタ自動車が燃料電池車(FCV)関連の特許を公開し、無償提供すると発表した。米ラスベガスで開かれた「2015 International Consumer Electronics Show(CES)」開幕前日、5日の記者発表会で米国トヨタ自動車販売社のボブ・カーター上級副社長が、「1月5日が自動車業界にとってターニング・ポイントになる」とぶち上げたのである。具体的には、FCVに関してトヨタが取得した5680余件の特許を公開、無償提供するという。


「燃料電池スタック(約1970件)・高圧水素タンク(約290件)・燃料電池システム制御(約3350件)といった、FCVの開発・生産の根幹となる燃料電池システム関連の特許に関しては、2020年末までを想定しての特許実施権を無償とし、水素ステーション関連の特許(約70件)に関しては、期間を限定することなく無償とする」(トヨタのプレスリリースより)


トヨタは昨年12月に、FCVとしては世界初となるセダン型量産車「ミライ」を発売した。定価は720万円強だが、補助金を使えば520万円ほどで入手できるという。すでに1000台ほど受注したと報じられている。


ガソリン自動車、あるいは「プリウス」に代表されるハイブリッド車(HV)の次にくる次世代自動車としては、FCVと電気自動車(EV)があるわけだが、FCVでトヨタは先行し、開発技術的には独走状態といった様相である。一見するとトヨタにとって好ましい状況にも見えるが、FCVの本格的な普及にはまだ遠い状況といえる。トヨタ自身も、当面製造できるFCVの台数は年間数百~数千台としている。これだけのロットでは、FCVに燃料を供給する水素ステーションの普及を促すクリティカル・マス(最小数量)に到達しない。そこで、「ぜひ他の自動車メーカーにもFCV製造を手がけてほしい」という目的で、特許開放という施策を打ち出した。


これから本当の勝負が始まる。つまり、EV連合に対してFCV連合を組成できるかが、次代の趨勢を決する。今回の発表に対して日産自動車や本田技研工業(ホンダ)の経営陣は「評価する」というコメントを発表しているが、すぐにトヨタとの連携に乗り出してくるかはわからない。メーカーとしてのプライドもあるし、トヨタにイニシアティブを握られたかたちでのFCV陣営入りに対しての抵抗もあるだろう。


トヨタに求められる次の一手


そして何より、欧州勢をどう取り込めるか。およそ世界の規格づくりの主導権を握っているのは欧州勢である。クラス意識が強く、アジア人に対して優越感を持っている欧州の産業界が、極東日本のトヨタに次世代自動車の主導権を渡すには大きな抵抗を感じるだろう。かといって、日本の自動車メーカーだけで結束しても、また新たなガラパゴス産業を形成してしまうだけになる。


思い起こされるのが、1970年代に起こった「ビデオ戦争」である。ソニーが開発したベータと、日本ビクターが開発したVHSが、家電メーカーを2分しての規格戦争を繰り広げた。技術的には必ずしも優位ではなかったVHSが勝利したのには「ミスターVHS」といわれた日本ビクターの髙野鎮雄事業部長(当時)の存在があった。高野氏が松下幸之助を説得して松下電器産業(現パナソニック)を自陣に組み入れることに成功した。


今のトヨタに、欧州の自動車メーカーを説得しきれるような「ミスターFCV」はいるのだろうか。特許を公開しただけでは、世界中の自動車関連企業が賛同してくれるはずはない。


恐らく特許の無償公開だけでは陣営づくりは進まない、と筆者は見ている。たとえトヨタがOEM供給(相手先ブランド名製造)をしようにも、現時点では同社の製造キャパシティは圧倒的に小さい。といって、まさかトヨタが他社に補助金をばらまくわけにもいかないだろう。


例えば、アライアンスを組んでくれる自動車メーカーの販売エリアにおける水素ステーション開設支援というのが、トヨタがすべき提案なのではないか。水素ステーションを1カ所新たに開設するには5億円ほどかかるとされている。純利益2兆円のトヨタなら、4000ステーションも設置できる。もちろん、トヨタ自身が開設するのではなく、それぞれの国で有力な水素ステーション会社へ出資したり、融資などを行うかたちで展開するのがいい。


FCVの全面的な普及のためには、アライアンスづくり、そしてインフラづくりまでトヨタが戦略を策定・実施していく必要があるだろう。モノをつくらせれば世界屈指であるこの偉大な三河の田舎企業が、世界的な合従連衡を仕切っていく洗練した外交を発揮することができるのか。けだし見物である。


(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)







北米自動車ショー:「燃料電池車ばかげている」 テスラのマスクCEOが批判 - 毎日新聞



2015119



13:10



北米自動車ショー:「燃料電池車ばかげている」 テスラのマスクCEOが批判



2015年01月14日



 



 


     


      【デトロイト清水憲司】米電気自動車(EV)ベンチャー、テスラ・モーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は13日、北米国際自動車ショー開催中の米デトロイトで行った記者会見で、水素を用いる燃料電池車(FCV)について「極めてばかげている」と批判した。水素の貯蔵や管理の難しさを理由に挙げた。EVとFCVは次世代カーの主役の座を競い合っており、さや当てが激しくなりそうだ。



      マスク氏は、テスラのほか宇宙開発企業「スペースX」などを設立した西海岸シリコンバレー発の著名起業家。淡々とした口ぶりながら、物議を醸す発言でも知られ、この日はショー関連の講演会出席のため、ゼネラル・モーターズ(GM)などが本拠を構える敵地デトロイトに乗り込む格好になった。



      講演後の記者会見で、マスク氏は水素の引火しやすさや貯蔵の難しさを指摘し、「解決は難しく、極めて非効率だ。理に合わない」と主張。同社は2015年に約5万台の生産を計画するが、10年後までには数百万台を生産するとし、EV市場の拡大を予測した。



      一方、昨年12月にFCV「ミライ」を発売し、究極のエコカーと位置づけるトヨタ自動車のジェームス・レンツ専務(北米トヨタCEO)は、これに先立って記者団に対し「マスク氏の製品は素晴らしい。ただ、EVは必ずしも長く走れるクルマではない」と述べた。EVが充電に数十分〜数時間かかるのに対し、ミライの燃料補給が3分程度で終わることも指摘し、CFVの優位性を強調した。



       



      テスラ・モーターズ



      米起業家で現最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が2003年に設立。社名は交流電源を発明したニコラ・テスラにちなむ。08年、スポーツカータイプのEVを発売。米有名俳優らが購入し、知名度を上げた。10年に米ナスダック市場に上場。高級セダン「モデルS」の13年の販売台数は2万2477台。パナソニックと共同で、米ネバダ州に大規模なリチウムイオン電池工場の建設を予定している。


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