明日は西の京に帰る予定なので、明日の分も今日のうちに投稿しておく。
前回書いた「社共合作」(もちろん、「国共合作」のもじりだが、あれほど「水と油」の間柄の同盟でもない。また「薩長同盟」ほどの仇敵同志の同盟でもない)はいい考えだと思うし、特に社民党が生き残るにはこれがベストの選択だと思う。問題は、長年に亘って国民の間に植えつけられた「左翼嫌悪」「共産主義嫌悪」「社会主義嫌悪」の体質をどう変えていくかである。
ネットのブログなどを読んでいても、知的で知識も深い書き手が、「左翼嫌悪」の体質を持っている例が非常に多い。べつに、本人が左翼にひどい目にあった経験は無いはずだし、逆に保守政権こそが日本を最悪の状況に追い込んできたはずなのだが。……今の民主党の幹部が元左翼と言っても、やっていることはかつての自民党と同じことである。
まあ、こういうのはほとんど体質に近いもので、「左翼は生理的に嫌い」というものではないかと私は思っている。まずは「左翼とは何か」「右翼とは何か」の定義から決める必要がありそうだ。
それはさておき、「社共合作」は案外可能なのではないか、と私は思っている。そして、米国という「宗主国」の理不尽さを日本の国民大衆が骨身に沁みて感じ、米国への嫌悪感や新自由主義(拝金主義)への嫌悪感が高まっている現在、社会の富を上流から下流に回すことを第一義とする新政党は、あるいは思いがけないほどの支持を国民から受けるかもしれない。ギリシャやフランスのように、左翼政党が力を伸ばす可能性もあるだろう、ということだ。日本のツィプラスの出番である。
保守政党というのは、結局は資本家の便宜を図る(これが現体制の維持、すなわち保守ということだ)政党でしかないし、今の民主党、自民党、公明党がそれであることは誰でも分かっている。そして維新の会やみんなの党、現在の国民新党も同様であるとだんだん分かってくるはずだ。とすれば、後はもちろん「国民の生活が第一」しか無い、ということになるのだが、実はこれは2009年の「民主党革命」の時と同じ状況でもある。つまり、既成政党は駄目だから、民主党に投票しよう、ということで、「改革派保守政党」とみなされていた民主党が票を集め、あの「無血革命」になったのである。(私はもちろん、最初から民主党など自民党別動隊だとしか思っていなかったが)
だが、それが本当の「革命」にならなかったのは、民主党内には最初から「反革命的分子」がたくさん存在し、米国の後押しで彼らが党内クーデターを起こしたからだ、というのはご存じの通りだ。そして小沢一郎がその受難劇によってジャンヌ・ダルク的存在とみなされるようになったのだが、はたして「国民の生活が第一」が唯一の選択肢であるのか、あるいはそうあるべきか、というのが、私の疑問なのである。
少なくとも、社民党や共産党は、最初から権力の座を視野に入れていない連中だ。そこが弱み(無力さの原因)であると同時に、彼らの清潔さの原因でもある。彼らの愚直さは、この汚れ切った現代では貴重な存在だ。
そういう存在が政治には第三極として絶対に必要なのではないだろうか。
つまり、第一党と第二党が拮抗している時に、キャスティングボードを握るのは、もっとも清潔な政党であるのがベストだ、ということだ。そういう第三極を育てることが民主主義的意思決定には大事なことではないだろうか。
だが、問題はこの両政党にその意志があるかどうかだ。
座して死ぬのを待つか、死中に活を求めるか。
考えるのは、今のうちだ。選挙選が始まってからでは遅いのである。
物ごとというのは、思い切ってえいっと始めれば、案外簡単に進むものだ。
(以下引用1)*「志村建世のブログ」から転載。
内憂外患の迫る社民党だが、理念はしっかりしている。社民党の公式サイトには2006年の「社会民主党宣言」が掲げてあり、①格差のない平和な社会を目指して ②私たちの社会民主主義とは ③政策の基本課題 ④改革の道筋 を述べている。また、全国の地方議会には364名の所属議員がおり、246ヶ所の政党支部を持っている(2012年1月現在)。全国政党としての骨格は保たれているのだ。
かつて社会党から民主党に移籍した人たちの中には、こんな筈ではなかったと思っている人が少なからずいるのではないか。だからまた社民党に戻るという選択は、任期中には難しいだろうが、有権者の立場からすれば、「民主党の中の社民党的なるもの」を支持したかったという気持ちが、少なくとも私にはある。次の選挙がどのような形になるかまだ見えないが、脱原発、非戦平和、格差是正、対米自立といった「社民的なるもの」の受け皿が、やはり欲しいと思うのだ。
それには今の社民党だけでは力不足だろう。社民党福島党首のブログを見ると「非戦・脱原発の政治勢力集結を!」といった呼びかけがあり、ドイツ「みどりの党」との会談も行っている。この夏過ぎの秋風を、社民党に厳しいだけの秋風ではなくて、新たな選挙協力へ進むための清涼な秋風にできないだろうか。
(引用2)*同じく「志村建世のブログ」から。
2012.8.25
共産党は政権与党になれるだろうか
[ 政治・政党 ]
日本政治の行き詰まりは、いよいよはっきりと「見える化」してきました。残るは解散総選挙が、この秋のうちか、ヨタヨタと先延ばしされて来年の夏になるか、いずれにしても一年以内のタイムラグの問題になってきました。そこで有権者としてはどうしたらいいのか、代弁してくれそうな一つのブログ記事がありました。ハムハムさんからトラックバックされた「五十嵐仁の転成仁語」からの引用です。
この総選挙では、消費増税を決めた民自公の談合3党はもちろん、民主・自民の悪いところをごた混ぜにしたような「維新八策」を掲げ、両党からこぼれたカスやゴミのような候補者をかき集めた橋下維新の会などではなく、「国民は怒っているんだぞ」というメッセージが確実に伝わり、最も効果的で劇的な異議申し立てとなるような政党や候補者に投票すべきでしょう。(引用終り)
この提言には具体的な政党名が書いてないのですが、皆さんはどこの党をイメージするでしょうか。私は「絶滅危惧政党」と言われる社民党を絶滅させてはならないと思うのですが、どの選挙区にも候補者を立てられるほどの力はなさそうです。すると確実に残るのは日本共産党ということになります。そこで共産党の歴史と今とを考えてみました。
仕事で日本の政党の系統図を作ったことがありますが、多くの政党が複雑に離合集散してきた中で、共産党だけは1922年の結党以来、90年間ずっと一本の線であるのが印象的でした。そしていまだに一度も政権与党として参加したことのない政党です。衆議院での最多議席数は、1979年の39でした。常に批判政党の立場でいたと言ってよいでしょう。しかし政党であるからには、政権構想を持っているのは当然です。
現在の共産党ホームページによると、最大の問題と思われる「天皇制の問題でも、自衛隊の問題でも、国民の現在の多数意見はその存在を肯定する方向にあります。その状態が変わって、国民多数が廃止あるいは解消の立場で合意しない限り、この問題での改革は実現できません。」としています。その他の政策では原発ゼロ、国民生活を守るなど常識的なもので、いかなる政治勢力とも政策の一致点があれば協力するとしています。
ただし党中央の意思決定が各級議員を指導する「民主集中制」は崩していないようです。これが旧ソ連や現在の中国を連想させるのですが、だからこそ今も「社会主義へ進む。党名は変えない」という堅固さを可能にしているとも言えそうです。「最も効果的で劇的な異議申し立て」とは、この政党が不満票を吸収して拡大することのように思えます。
前回書いた「社共合作」(もちろん、「国共合作」のもじりだが、あれほど「水と油」の間柄の同盟でもない。また「薩長同盟」ほどの仇敵同志の同盟でもない)はいい考えだと思うし、特に社民党が生き残るにはこれがベストの選択だと思う。問題は、長年に亘って国民の間に植えつけられた「左翼嫌悪」「共産主義嫌悪」「社会主義嫌悪」の体質をどう変えていくかである。
ネットのブログなどを読んでいても、知的で知識も深い書き手が、「左翼嫌悪」の体質を持っている例が非常に多い。べつに、本人が左翼にひどい目にあった経験は無いはずだし、逆に保守政権こそが日本を最悪の状況に追い込んできたはずなのだが。……今の民主党の幹部が元左翼と言っても、やっていることはかつての自民党と同じことである。
まあ、こういうのはほとんど体質に近いもので、「左翼は生理的に嫌い」というものではないかと私は思っている。まずは「左翼とは何か」「右翼とは何か」の定義から決める必要がありそうだ。
それはさておき、「社共合作」は案外可能なのではないか、と私は思っている。そして、米国という「宗主国」の理不尽さを日本の国民大衆が骨身に沁みて感じ、米国への嫌悪感や新自由主義(拝金主義)への嫌悪感が高まっている現在、社会の富を上流から下流に回すことを第一義とする新政党は、あるいは思いがけないほどの支持を国民から受けるかもしれない。ギリシャやフランスのように、左翼政党が力を伸ばす可能性もあるだろう、ということだ。日本のツィプラスの出番である。
保守政党というのは、結局は資本家の便宜を図る(これが現体制の維持、すなわち保守ということだ)政党でしかないし、今の民主党、自民党、公明党がそれであることは誰でも分かっている。そして維新の会やみんなの党、現在の国民新党も同様であるとだんだん分かってくるはずだ。とすれば、後はもちろん「国民の生活が第一」しか無い、ということになるのだが、実はこれは2009年の「民主党革命」の時と同じ状況でもある。つまり、既成政党は駄目だから、民主党に投票しよう、ということで、「改革派保守政党」とみなされていた民主党が票を集め、あの「無血革命」になったのである。(私はもちろん、最初から民主党など自民党別動隊だとしか思っていなかったが)
だが、それが本当の「革命」にならなかったのは、民主党内には最初から「反革命的分子」がたくさん存在し、米国の後押しで彼らが党内クーデターを起こしたからだ、というのはご存じの通りだ。そして小沢一郎がその受難劇によってジャンヌ・ダルク的存在とみなされるようになったのだが、はたして「国民の生活が第一」が唯一の選択肢であるのか、あるいはそうあるべきか、というのが、私の疑問なのである。
少なくとも、社民党や共産党は、最初から権力の座を視野に入れていない連中だ。そこが弱み(無力さの原因)であると同時に、彼らの清潔さの原因でもある。彼らの愚直さは、この汚れ切った現代では貴重な存在だ。
そういう存在が政治には第三極として絶対に必要なのではないだろうか。
つまり、第一党と第二党が拮抗している時に、キャスティングボードを握るのは、もっとも清潔な政党であるのがベストだ、ということだ。そういう第三極を育てることが民主主義的意思決定には大事なことではないだろうか。
だが、問題はこの両政党にその意志があるかどうかだ。
座して死ぬのを待つか、死中に活を求めるか。
考えるのは、今のうちだ。選挙選が始まってからでは遅いのである。
物ごとというのは、思い切ってえいっと始めれば、案外簡単に進むものだ。
(以下引用1)*「志村建世のブログ」から転載。
内憂外患の迫る社民党だが、理念はしっかりしている。社民党の公式サイトには2006年の「社会民主党宣言」が掲げてあり、①格差のない平和な社会を目指して ②私たちの社会民主主義とは ③政策の基本課題 ④改革の道筋 を述べている。また、全国の地方議会には364名の所属議員がおり、246ヶ所の政党支部を持っている(2012年1月現在)。全国政党としての骨格は保たれているのだ。
かつて社会党から民主党に移籍した人たちの中には、こんな筈ではなかったと思っている人が少なからずいるのではないか。だからまた社民党に戻るという選択は、任期中には難しいだろうが、有権者の立場からすれば、「民主党の中の社民党的なるもの」を支持したかったという気持ちが、少なくとも私にはある。次の選挙がどのような形になるかまだ見えないが、脱原発、非戦平和、格差是正、対米自立といった「社民的なるもの」の受け皿が、やはり欲しいと思うのだ。
それには今の社民党だけでは力不足だろう。社民党福島党首のブログを見ると「非戦・脱原発の政治勢力集結を!」といった呼びかけがあり、ドイツ「みどりの党」との会談も行っている。この夏過ぎの秋風を、社民党に厳しいだけの秋風ではなくて、新たな選挙協力へ進むための清涼な秋風にできないだろうか。
(引用2)*同じく「志村建世のブログ」から。
2012.8.25
共産党は政権与党になれるだろうか
[ 政治・政党 ]
日本政治の行き詰まりは、いよいよはっきりと「見える化」してきました。残るは解散総選挙が、この秋のうちか、ヨタヨタと先延ばしされて来年の夏になるか、いずれにしても一年以内のタイムラグの問題になってきました。そこで有権者としてはどうしたらいいのか、代弁してくれそうな一つのブログ記事がありました。ハムハムさんからトラックバックされた「五十嵐仁の転成仁語」からの引用です。
この総選挙では、消費増税を決めた民自公の談合3党はもちろん、民主・自民の悪いところをごた混ぜにしたような「維新八策」を掲げ、両党からこぼれたカスやゴミのような候補者をかき集めた橋下維新の会などではなく、「国民は怒っているんだぞ」というメッセージが確実に伝わり、最も効果的で劇的な異議申し立てとなるような政党や候補者に投票すべきでしょう。(引用終り)
この提言には具体的な政党名が書いてないのですが、皆さんはどこの党をイメージするでしょうか。私は「絶滅危惧政党」と言われる社民党を絶滅させてはならないと思うのですが、どの選挙区にも候補者を立てられるほどの力はなさそうです。すると確実に残るのは日本共産党ということになります。そこで共産党の歴史と今とを考えてみました。
仕事で日本の政党の系統図を作ったことがありますが、多くの政党が複雑に離合集散してきた中で、共産党だけは1922年の結党以来、90年間ずっと一本の線であるのが印象的でした。そしていまだに一度も政権与党として参加したことのない政党です。衆議院での最多議席数は、1979年の39でした。常に批判政党の立場でいたと言ってよいでしょう。しかし政党であるからには、政権構想を持っているのは当然です。
現在の共産党ホームページによると、最大の問題と思われる「天皇制の問題でも、自衛隊の問題でも、国民の現在の多数意見はその存在を肯定する方向にあります。その状態が変わって、国民多数が廃止あるいは解消の立場で合意しない限り、この問題での改革は実現できません。」としています。その他の政策では原発ゼロ、国民生活を守るなど常識的なもので、いかなる政治勢力とも政策の一致点があれば協力するとしています。
ただし党中央の意思決定が各級議員を指導する「民主集中制」は崩していないようです。これが旧ソ連や現在の中国を連想させるのですが、だからこそ今も「社会主義へ進む。党名は変えない」という堅固さを可能にしているとも言えそうです。「最も効果的で劇的な異議申し立て」とは、この政党が不満票を吸収して拡大することのように思えます。
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