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徽宗皇帝のブログ

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菅総理は覚悟を決めた?
「阿修羅」から、久々にあっしら氏の冴えのある投稿を、長い記事なので後半部だけ転載する。
3.11を受けて「阿修羅」にカムバックしたあっしら氏だが、原発事故の細かい原因究明などについての投稿がほとんどで、政治を大きく見る視点が見られなかった。それが少々物足りなかったのだが、今回の投稿は「木よりも森を見る」内容で、面白く思う。

菅総理については、その権力欲や、他人を使い捨てる人格など、欠点は無数にあるが、しかし政治家というものに必要な「強さ」はある。「打たれ強さ」と言ってもいい。それが権力にしがみつくためだろうが、その強さが正しい方向を向きさえすれば、これは大きな力になりえるのである。
今は、政府官僚や野党や民主党上層部やマスコミのほとんどを敵に回して菅総理が「脱原発」で孤軍奮闘しているように見える。もちろん、「反戦な家作り」の明月氏のように、これを演技にすぎないと見る見方もあるが、しかし、内面など誰にも分かりはしない。政治の世界では、まずは「何が現実に表明されたか」なのである。
そういう意味では、今、菅総理は市民運動家としてスタートした初心に立ち戻って、社会正義のために行動する気持ちになっているように見える。
そういう見方は甘い、と言われそうだが、しかし、日本や欧米すべてにおいて、「政治問題でマスコミが大合唱している時は、その反対が正解」という簡単な判断基準がある。その基準で見れば、「菅総理支持」がおそらく正解なのである。
さらに菅総理の行動の背後を邪推的に考えれば、米国における闇の権力がエネルギー問題に関して分裂していると推定できるが、これはただの憶測にとどまる。


(以下引用)


「全原発 ストレステスト実施へ (NHK) 菅総理が海江田経産大臣に5日夜遅く指示」
(http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/824.html)のコメント欄に、

「他もうまくいくかどうかはわからないとしても、とりあえず、再稼働の“先鞭”を玄海原発で付けたかに思えたタイミングで唐突に「ストレステスト」を持ち出したのは、菅首相が原発依存に見切りを付けたということだろう。
誰の入れ知恵なのかわからないが、官僚機構と正面切ってことを構えるのではなく、抵抗しにくいネタでじりじりと原発の再稼働を引き延ばし、全原発が運転をしていない状況を作り出してしまおうと考えているようにも思える。
大躍進政策の大失敗で失権した毛沢東は、形式的序列一位の権威を背景に“クーデタ”を起こし「文化大革命」なる手法で実権を奪還したが、菅首相は、6月2日の“内閣不信任決議案事件”を契機にある種吹っ切れて、微妙なレベルながら「脱官僚・政治主導」を模索しているのかもしれない。
3月11日以降の原発事故対応及び震災復旧復興政策の誤りを許すことはできないし、「税と社会保障の一体改革」なる日本破壊政策も認められないが、“脱原発”への思いがあるように見えるから、しばらくは様子見をしてみたい。
今回の「ストレステスト」要求は、TVや新聞が「脱原発解散」もあり得ると言っていた情況の一端なのかもしれない。
内閣不信任決議案が否決された国会の延長であり、ただ早くやめて欲しいというだけの反対勢力との対峙関係のなか、長く居座るつもりはない菅首相の“独断”を止める手立てはないだろう。
“脱原発”はほぼ間違いなく世論でもあるから、菅首相のそれに向けた動きを力づくで止めようとする政治勢力は自ら墓穴を掘ることになりかねない。
NHKニュースで、玄海町の岸本町長が「小バカにされたようだ」という感想を漏らしていたが、今回の「ストレステスト」は、経産大臣が「国が安全を保証する」とミエを切り、それを受け止めた岸本町長が「再稼働を容認する」と勇ましく語ったあのやりとりを一気に茶番劇に貶めたことは事実だ。」と書いたが、不謹慎を承知で、日本では滅多に見られない、原発を巡っての権力闘争の行く末に興味津々である。

「ストレステスト」に関しては、昨日の参議院予算委員会で自民党(片山さつき氏)が安全重視はいいことだがそれならもっと早く打ち出すべきだと言ったくらいで正面切った反対の声は上がっていない。
「ストレステスト」への反対や疑念の声は、“再稼働のお墨付き”になりかねない懸念から、脱原発派側から上がっているように思える。

菅首相に誰が助言しているのかわからないが、「ストレステスト」なるものを5日に持ち出したのは、玄海原発の再稼働の機運が高まった時期を見定めての所為であろう。
経産省にぎりぎりまで活動させたあげく土壇場でひっくり返すことで、“再稼働の引き延ばし”を目一杯実現する作戦である。

6日と7日に行われた国会での菅首相の答弁を聞いたが、原子力安全・保安院に対する極めて根強い不信感がにじみ出ていた。
(一頃に比べれば、菅首相の国会での答弁ぶりに元気が戻ってきている)

3.11以降最高責任者として原子力安全・保安院の事故への対応ぶりを目の当たりにし、ちょっと調べればわかる原子力安全・保安院のデタラメな規制ぶり(それが今回の事故の遠因でもある)を知った権力者にわずかでも良心が残っていれば、彼らに原発の管理監督を委ねることはできないと考えるのは当然である。

いずれにしろ菅首相の残された在任の日々は少ないと予測する。
日本政府の脱原発への模索に対して米国政権がどのような反応を見せるか知りたいという気持ちや脱原発への道筋を確固たるかたちで付けて欲しいという気持ちも強いが、菅首相は8月いっぱいで辞任すると思う。

ウルトラCは「脱原発解散」だが、以前にも書いたことだが、最高の国権機関である国会を内閣が一方的に軽んじる行為であり、天皇を政治的に利用する行為でもあり、与党を利するために情況を利用するものでしかない「七条解散」は憲法違反であり承服できない。

※ 「七条解散」とは、六十九条の衆議院の内閣不信任案可決(内閣信任案否決)を経ないで内閣総理大臣が天皇の国事行為を悪用する衆議院の解散。最高裁判所は統治行為論で違憲判断を避けた。


辞任までの残り少ない期間で原発が安易に稼働できない体制を作り上げて欲しいというのが、菅首相に対する率直な願いだ。

田中角栄氏の後を継いだ三木武夫氏以来久々に党内支持基盤が脆弱でも、内閣総理大臣である限り、たいそうなことができるという現実を見せてもらっている気がしている。

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