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徽宗皇帝のブログ

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近年の東アジアの政治的事件要約
「櫻井ジャーナル」10月3日付の記事だが、ここ数年の日本と朝鮮半島、中国との間の政治的事件とその背後関係をうまくまとめていると思う。
私のブログのようにあきれるほど乏しい政治知識や阿呆同然の記憶力で書かれた駄文とは違って、綿密な情報収集とその取捨や分析の上に成り立っている文章であることは明瞭だ。
我々の記憶力など、覚えるそばから忘れていくのが普通であり、こうした近い過去の出来事すら大半は忘れているだろう。それが一般庶民というものであり、また一般日本人というものだ。だからこそ、「櫻井ジャーナル」や「マスコミに載らない海外記事」や「ROCKWAY EXPRESS」などの存在は貴重であり、日本人にとって信頼できる導き手である。
私のブログの価値は、そうした有益な記事を紹介することくらいである。昔、「リーダーズ・ダイジェスト」という雑誌があったが、(今もあるのかもしれない)まさしく私は読み手のためにネットダイジェストを行っている(というよりは、自分自身の思考整理と備忘のためだが)わけで、もちろんそのようなブログは無数にある。
いずれにせよ、下記記事のように、近い過去を振り返り、要約・分析しておく作業は非常に大事なことであり、それは、毎日起こる無数の事件に空騒ぎするだけの表マスコミがけっしてやらない作業である。(「日刊ゲンダイ」や「東京新聞」は多少マシなようだが)
なお、10月4日付記事も、同様に、特に中国関係をまとめた好記事である。


(以下引用)



2013.10.03


安倍首相は東アジアの軍事的な緊張を高めようとしているが、仲間は米国や韓国にもいて連動


カテゴリ:カテゴリ未分類

 朝鮮半島の軍事的な緊張を高めようとしている勢力がアメリカ、日本、韓国に存在していることは本ブログで何度か指摘した。安倍晋三首相もそうした一派に属している。

 9月25日にアメリカのハドソン研究所で演説した際、安倍首相は自分を右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼べと開き直り、アメリカが主導的な役割を演じている地域、そして世界における安全保障の枠組みに対する日本のつながりが弱くなっていはいけないと語ったという。

 アメリカが主導する安全保障の枠組みとは軍事侵略に外ならない。21世紀に入ってアメリカが中東/北アフリカで行っていることを見れば明らかであり、アル・カイダとも手を組むということになる。最近、安倍首相は「積極的平和主義」というフレーズを好んで使うようだが、アメリカとの関係を考えるなら、軍事力で相手を屈服させて「平和」を実現するということになる。安倍首相は「軍事侵略宣言」をしたのだ。

 今年4月、自民党の石破茂幹事長はフジテレビ番組で自衛隊による敵基地攻撃能力の保有を検討すべきだと発言したという。そのころ朝鮮半島で軍事的な緊張が高まっていた。ただ、そうした緊張が最近になって急に高まったわけではない。

 東アジアの軍事的な緊張を一気に高めることになったのは、OPLAN 5027-98の作成。1998年のことだ。金正日体制を倒して朝鮮を消滅させ、アメリカの傀儡が主導する新たな国を建設することを目指している。朝鮮側もこうした情報を入手していただろう。

 この年の8月、朝鮮は太平洋に向かって「ロケット」を発射し、翌1999年の3月には海上自衛隊が能登半島の沖で「不審船」に対し、規定に違反して「海上警備行動」を実行している。この年には金体制が崩壊、あるいは第2次朝鮮戦争が勃発した場合に備える目的でCONPLAN 5029が検討され始め、日本も朝鮮戦争に備え、アメリカ軍が日本や太平洋地域に駐留することを認めたと言われている。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターにあった超高層ビル2棟に航空機が突入、ほぼ同時に国防総省の本部庁舎が攻撃され、それを切っ掛けにしてアメリカは20年近くかけて準備してきた「戒厳令」が始動、翌月にはアフガニスタンを攻撃、2003年3月にはイラクを先制攻撃する。

 このイラク攻撃とほぼ同時に空母カール・ビンソンを含む艦隊が朝鮮半島の近くに派遣された。6機のステルス攻撃機F117が韓国に移動、グアムには24機のB1爆撃機とB52爆撃機が待機していたという。この年、核攻撃を想定したCONPLAN 8022を作成したとも言われている。

 WikiLeaksが公表した文書がによると、2009年7月に韓国の玄仁沢統一相はカート・キャンベル米国務次官(当時)と会談、朝鮮の金正日総書記の健康状態は悪く、余命はあと3年から5年であり、息子の金正恩への継承が急ピッチで進んでいると説明している。

 この会談で玄統一相は朝鮮が11月に話し合いへ復帰すると見通していたのだが、こうした流れを壊す動きが韓国側から出てくる。10月に韓国の艦艇が1日に10回も領海を侵犯、11月に両国は交戦、話し合いどころではなくなったのだ。

 2010年9月には中国と日本との関係を悪化させる出来事が引き起こされる。尖閣諸島/釣魚台群島の付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、その際に漁船が巡視船に衝突してきたとして船長を逮捕したのだ。

 漁業協定に従うなら、日本と中国は自国の漁船を取締り、相手国漁船の問題は外交ルートでの注意喚起を行うことになっていた。このことは事件直後に自民党の河野太郎議員が指摘している。この協定を無視した海上保安庁は国土交通省の外局。事件当時の国土交通大臣は前原誠司で、その直後に外務大臣に就任している。

 2011年3月8日になると、石原慎太郎都知事(当時)は日本も核兵器を作るべきだとインデペンデント紙のインタビューで語る。佐藤栄作政権が独自に核兵器の開発を続けていたならば、朝鮮による「拉致事件」も起こらなかったと主張する。もっとも、日本が今でも核兵器の開発をしているとアメリカの情報機関は確信しているようだが。

 その翌日、三陸沖(北緯38.3度、東経143.3度)でM7.2の地震があり、11日にもきわめて近い場所(北緯38.0度、東経142.9度)でM9.0の巨大地震が発生、東電福島第一原発は破壊され、環境中に大量の放射性物質を放出し続けている。

 この地震で緩和された日中間の緊張を再び強めたのが石原親子。まず2011年12月に石原伸晃がハドソン研究所で講演し、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言、翌年の4月には石原慎太郎が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで講演、尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示している。ここから日中関係は急速に悪化した。

 今年3月11日には米韓合同軍事演習が始まる。朝鮮軍部内の強硬派を鎮圧して情勢を安定させるという想定の演習だったようで、参加した韓国軍は10万人以上、アメリカ軍のB-2ステルス爆撃機が派遣され、F-22ステルス戦闘機がオサン(烏山)空軍基地に配置された。

 今年8月28日、韓国の政界を揺るがす出来事が引き起こされる。情報/治安機関の国家情報院(NIS)は統合進歩党の李石基議員に対する家宅捜索を実施、後に逮捕、起訴したのだ。5月に開かれた党の会合で警察署や通信施設、石油施設などの破壊を話し合ったというが、統合進歩党のスポークスパーソンは容疑を事実無根だと主張、リークされた録音記録は、彼らの意図に合わせて歪曲され操作されたものだという。

 統合進歩党側の説明では、朝鮮とアメリカとの対立が戦争に発展する可能性を懸念した李議員は「平和と統一をめざす我が統合進步党の党員たちはどのように対処していくか」という問題を語ったのだという。今年4月、朝鮮半島の軍事的な緊張が危険な段階に達していたことは確かだ。

 もうひとつ指摘されているのは、昨年12月に行われた大統領選挙に対する批判。NISはセヌリ党を勝たせるために工作を実施したものの、最終的な得票率はセヌリ党の朴槿惠が51.6%、民主党統合党の文在寅が48.0%という僅差の勝負になった。今年に入るとNISに対する抗議活動が盛り上がり、8月10日にソウルで行われた集会には5万人が集まったという。そうした抗議活動に今回の逮捕劇が水を差したことは確かだろう。

 日本では地検特捜部がNISのような役割を果たしてきたが、より効率的に弾圧できる機関の創設を安倍政権は狙っているのだろう。特定秘密保護法案もそうした弾圧の道具だ。

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