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徽宗皇帝のブログ

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隠居爺氏の「近現代史概説」
「隠居爺の世迷言」ブログ記事だが、世迷言どころか、そのまま中学や高校の社会科教科書やその副読本に載せてもいいような、非常に読みやすく分かりやすい文章で世界の近現代史を教科書1ページ程度に概括している。しかも、文章自体にエンタメ性もある。
というわけで、「政治経済ブログ」と自己認識している、この「徽宗皇帝ブログ」に全文転載させてもらう。志ある社会科教師は、自分の首を覚悟で生徒にこの「覚醒の書」を配布するようにww

(以下引用)

BRICSはアメリカ被害者の会


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 私は " くたばれアメリカ "  " がんばれBRICS " と思っているのですが、ふと気がつきました。「そういえばBRICSのことを何も知らない」と。何も知らないのになぜBRICSを応援しているかといえば、アメリカがあまりにもひどすぎるからで、いくらBRICSでもアメリカよりはマシだろうと思っているからです。また、世界的な情勢を見ても、アメリカは嫌われ、人気がないのに比べて、BRICSは参加希望国が続々と現れています。

 とはいえ、あまりに何も知らないのもちょっと恥ずかしいので、簡単に調べられる範囲で情報に接することにします。

 まずBRICSとはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(Brazil, Russia, India, China, South Africa)の国名の頭文字を並べたものになります。2
000年代初頭に4か国で結成され、2010年に南アフリカが参加しました。ロシア、インド、中国という世界の大国が加入していますから、極悪非道の米英も迂闊に手を出すことはできません。

 この5か国で、人口は世界の約4割、面積で世界の約3割を占めるといいますから、それだけでもNATOなど簡単に吹っ飛ぶような規模です。仮に、日本を含めた西側欧米諸国が、「BRICSはけしからん。経済制裁してやる。」などとほざいたところで、返り討ちに遭うのは火を見るよりも明らかです。

 実際問題として、西側欧米諸国は現在ロシアに経済制裁を行っていますが、その結果、ロシアの経済は好調で、欧米諸国は息も絶え絶えです。これ以上ないくらいのブーメランといっていいでしょう。客観的に見ると大変に喜劇的なのですが、西側欧米諸国は見て見ぬ振りをしており、勝算もないのにラッパを吹き鳴らしています。当然のことながら日本の総理大臣候補たちも、「勝ち目のない戦いはやめよう」とこれ以上ない常識を、誰一人言い出すことができません。まるで大東亜戦争の末期状態ですね。

 経済がダメなら軍事力で勝負してやると言いたいところですが、残念ながらそれも机上の空論でしかありません。ロシア、インド、中国は核保有国です。アメリカは自国に核ミサイルが飛んでくることを考えると、ロシア、インド、中国と正面切って戦争をすることができません。当然のことです。

 それならばと、アメリカが好む戦略は " 代理戦争 " です。これが今行われている「ロシア・ウクライナ紛争」になります。アメリカは自国の被害を避けるために、ウクライナをけしかけてロシアと戦争をさせています。

 けしかけるといっても、その力の入れようは並大抵のものではありません。使いきれないくらいの資金援助、武器、弾薬、兵器などの贈与、傭兵の派遣、作戦の指示、指揮、兵士の訓練など、あらゆることを丸抱えで面倒を見ています。

 しかし、ロシア軍は強いです。昔からロシア陸軍は強いのですよね。ナポレオンはどうなりましたか? ナチス・ドイツはどうなりましたか? そして現在のNATO混じりのウクライナ軍はどうなると思いますか?

 以上書いたことは、要するに「アメリカには未来がないが、BRICSには未来がある」ということになりますが、それは私のような素人でも先入観を持たず、利害から離れて考えれば分かることです。つまり、素直に考えると誰にでも分かることです。

 その結果、BRICSにはイラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピアが新たに加盟しました。現在は9か国だそうです。さらに、パキスタン、タイ、トルコ、マレーシア、サウジアラビア、ベトナムなどの加盟が噂されています。今後の世界情勢によっては、BRICSは押すな押すなの大盛況になることも考えられます。

 なぜこんなことになってしまったかといえば、それはとっても簡単で単純なことです。アメリカがあまりにも極悪非道で、多くの国が困り果てていたからです。日本も大変な被害国なのですが、今のところは自民党というアメリカの傀儡政党と、買収されたマスメディアが頑張って、アメリカからの被害を日本人に知らせないようにしています。

 アメリカの何がそんなに嫌われているかといえば、それは「共存共栄」を否定するからです。他の国がどうなろうがそんなことはどうでもいいことであって、アメリカの目的はアメリカが繁栄することのみであり、そのためとあらば他国に難癖をつけて戦争に持ち込んだり、内部からクーデターを起こすように仕向けたり、他国同士で戦争をさせるなどのことを喜んで行います。日本も危ないのですよ。アメリカは何とか日中戦争をさせることができないかと、虎視眈々と狙っていますので。

 元々が、アメリカインディアンを騙し討ちにして滅ぼし、建国した国ですから、そのようなことはアメリカ人にとってはスタンダードなことなのでしょう。もっといえば、アメリカを含めた西ヨーロッパ系の白人は、大航海時代を理想と考え、今でも夢よもう一度と狙い続けているのでしょう。

 確かに、大航海時代のイギリス人に水を向けたら「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」とスラスラと詠み上げるでしょう。彼らにとってはそのくらいの黄金時代でした。

 発見した土地は自分たちのもの、発見した人々は自分たちの奴隷、その土地と奴隷を酷使して得た利益は全て自分たちのものですからね。大航海時をもう一度再現したいという野望を持ち、それをあらゆる手段を尽くして実行しようとしているのが、現在の西側欧米諸国になります。

 しかし、西側欧米諸国にとっては理想の世界であっても、欧米白人以外にとっては地獄の世界になります。そうでありながら、これまでの世界情勢では欧米白人に抵抗することは許されませんでした。唯一日本くらいではないでしょうか。正面から戦おうとしたのは。

 そして、その抵抗の結果は無惨なことになりました。戦争が終わって80年が経とうとしていますが、いまだに日本はアメリカの属国を抜け出せません。それどころか岸田総理の行なっている対アメリカ外交は、尻尾を振ることと「ワン、ワン」と二つ返事をすることのみです。単純で楽そうで、私でもできそうです。そして、次期総理大臣候補たちも似たような人たちばかりです。極悪非道なアメリカに魂を売り、その手先となって世界を混乱させることに迷いがありません。

 日本の自民党や野党の大部分はそれで満足しているようですが、多くの常識ある国の政治家はそうはいきません。アメリカの言いなりになって、富を奪われ、自国民を殺されるようなことに我慢ができません。しかし、これまでのアメリカは、経済力も、軍事力も、群を抜いて世界一でしたから逆らうことができませんでした。

 加えて、アメリカは覇権を裏付けるような技術力、科学力を持っていました。古くは産業革命時の蒸気機関、鉄道、鋼鉄船、その後は内燃機関、車、飛行機、原子力発電、宇宙開発、コンピュータなどです。そういったもので、米英文明は常に世界をリードしてきました。アメリカの残虐さや強欲さに腹を立てている者たちも、そのような技術力や科学力を持っているアメリカに逆らうことは得策ではないと考え、迎合してきました。

 しかし、時代の流れとは面白いものですね。あれだけ栄華を誇っていたアメリカに売る物がなくなってしまいました。世界がアメリカの技術力、科学力に追いついてしまったからです。アメリカの凋落の根本原因はそこにあると考えていいでしょう。おそらく、今のこの瞬間にアメリカという国が突然消滅したとしても、BRICSは特別困るようなことにはならないと思います。

 売るもののなくなったアメリカは、力づくで世界を支配しようとする傾向を強めました。世界のあちこちに火をつけて回る放火魔になりました。さらに、火をつけた後は火事場に乗り込んで行って略奪を繰り返すようにもなりました。さすがに世界の国々は我慢ができなくなりました。

 そこでBRICSです。西側欧米諸国の横暴に不満を抱いていた世界の多くの国々は、それを言い出すことも、抵抗することもできずに困っていたのですが、BRICSという核ができることでBRICSに集まり始めました。「ひょっとすると、横暴な西側欧米諸国の支配から抜け出せるかもしれない」というのは、なんと夢のあることでしょうか。

 それにしても、アメリカも愚かですね。原因はひとえにアメリカの残虐で強欲な他国に対する姿勢なのですが、それを省みようとする姿勢がありません。「従わないのならば、もっと苦しめてやる」という態度をむき出しにして襲いかかります。

 ロシアと中国はもともと仲の悪い国でした。国境紛争を抱えていましたので。同様に、中国とインドも仲の悪い国でした。やはり国境紛争がありました。しかし、そんないざこざは、アメリカの悪質な侵略に比べると無視できる軽い問題であると思わせてしまいました。BRICSはアメリカの極悪非道さに対応するための防衛手段として成立したのです。

 そのようなこともあって、BRICSは穏やかです。平等、公平、協力、格差の縮小、相互尊重、内政不干渉などを方針として掲げているようです。素晴らしいですね。アメリカのように、逆らった瞬間から冷飯を食わせられるというような雰囲気がありません。となると、世界の弱い国々がBRICSに関心を示し、なびいていくのは自然なことになります。

 もちろん、だからといってBRICSが順風満帆に発展していけるかというと、その保証はどこにもありません。国と国との利害調整は大変に難しい問題です。BRICSだからといってそこを簡単に乗り越えられるとは思えません。

 ただし、アメリカのようなやり方はしないと公言することは可能だと思います。アメリカのようなやり方とは、話し合いがなく最初から結論があること、アメリカの意に沿わない場合には軍事介入、経済制裁などの強制力を行使すること、どんな場合もアメリカの利益を優先させることです。BRICSがそれをしないという方針を打ち出すことができれば、かなりの支持を得られるようになると思います。

 当然のことながら、時間がかかるでしょうし、苦難の道が続くでしょうが、アメリカの世界支配を反面教師として成長していってほしいものです。

 ところで、今回BRICSを調べようと思ってネットを簡単に検索してみたのですが、情報が大変に少なくてあまり参考になりませんでした。やはり情報統制というか、日本の場合は忖度になるのかもしれませんが、じんわりとそのような圧力がかかっていることを感じさせます。仕方がないのでChatGPTに質問したのですが、驚くことにかなり満足のできる回答を得られました。

 これまでChatGPTといえばガリガリのグローバリストという側面を見せていたものですから、BRICSについても、アメリカ民主党側からの否定的な見解を示すのかと思ったのですが、そうではありませんでした。いい意味で期待はずれでした。こういうこともあるのですね。

 「馬鹿と鋏は使いよう」かな。


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