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徽宗皇帝のブログ

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領土帰属が重なるなら防空識別圏も重なって当然
久し振りに「株式日記と経済展望」から転載。
同記事にはロイター記事とZAKZAKからの記事が引用されていたが、長くなるのでZAKZAKの方はカットした。管理人氏コメントには興味深い考察があるので、そちらはそのまま載せる。
そのコメントとは、要するに、中国の防空識別圏はあまりに広すぎて、軍事的には無意味だ、という話である。それを実証したのが26日の米軍の行為である。米軍は中国に無通知で尖閣上空、つまり中国が新たに設定した防空識別圏内を航空したが、中国からは何の反応も無かったのである。つまり、中国側は探知できなかったのだ。
だが、軍事的には無意味だが、政治的には意味がある。この圏内で空軍や民間機による紛争が起こった際に、中国はそれを相手側の責任にすることができる、ということである。そして、尖閣諸島は中国の領土である、と中国が主張している以上、その上空まで防空識別圏に入れるのも当然、ということになる。日本から言えば、こちらも尖閣上空は日本の防空識別圏に入る、と言うのは当然である。
つまり、尖閣の帰属が不明瞭な以上はこうした問題が起こるのは時間の問題だったということだろう。まったく、尖閣諸島は喉に刺さった魚の小骨である。まさに魚釣島の名にふさわしいが、釣られて戦争をするのは魚ではなく愚かな人間である。
領土境界の帰属は常に戦争原因になるが、21世紀にもなってまだそんなことをやっていることを人類は恥じるべきだろう。こんなのはお互いが少し妥協すればまったく問題にもならない話である。
妥協こそ大人の叡智であり、自己主張を一歩も譲らないのは子供である。などと言う私自身は中学生並みの頭の人間ではあるのだが。



(以下引用)



中国が、東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定したことに続き、尖閣や
周辺海域を着弾点とする軍事演習を行い、領有権をアピールするというのだ。


2013年11月27日 水曜日

◆米軍爆撃機が防空識別圏を飛行、中国に事前通報せず 11月27日 ロイター


[ワシントン 26日 ロイター] - 米国防総省当局者は26日、米軍のB52戦略爆撃機2機が米東部時間25日夜、中国への事前通報なしに沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)上空を飛行したと明らかにした。

中国は週末に尖閣諸島上空周辺を含む東シナ海に防空識別圏を設定。米軍爆撃機の識別圏通過に、これまでのところ中国側は反応していない。

一方、米ホワイトハウスのアーネスト報道官は26日、尖閣諸島をめぐり日中が対立していることについて、外交的に解決すべきとの見解を示した。

また、報道官は記者団に対し、中国が設定した防空識別圏について「不必要に対立をあおる」とした上で、「こうした問題は脅しや対立を激化するような表現を通じて対処すべきではなく、外交的な解決が可能であり、そうすべきだ」と述べた。

国防総省当局者によると、今回の飛行は以前から計画されていた訓練の一環で、爆撃機は武器を積んでいない非武装の状態で飛行した。

国防総省の報道官、スティーブ・ウォレン大佐は「尖閣諸島付近でオペレーションを実施した。通常の手続きに引き続き従っており、飛行計画の通知や事前の無線連絡などは行っていない」と語った。

同大佐によると、訓練中に中国側の航空機に監視されることはなかったという。国防総省は訓練には「グアムを出発した航空機2機が参加し、2機はグアムに戻った」と明らかにしている。

専門家らは、中国の動きについて、日本側の主張を徐々に弱めていきたい狙いがあるとの見方を示している。


(中略)





(私のコメント)

中国がいよいよしびれを切らして、いろいろな強硬手段を打ってきました。防空識別圏の設定もそうですが、尖閣諸島を目標としたミサイル発射訓練も計画しているらしい。日本の領土へのミサイル発射は認められるわけがないから、日本もイージス艦を並べて尖閣諸島に着弾しそうなら迎撃すべきだろう。

中国本土では、ミサイル部隊の大規模な移動が見られるという事ですが、尖閣を目標としたミサイル演習なのかもしれない。以前にも台湾に向かってミサイル演習を行いましたが、アメリカの空母が台湾の海域に入って中国に対抗して収まった。台湾への露骨なミサイルによる恫喝ですが、中国軍はその時よりも大幅な強化と近代化を行っている。

防空識別圏の設定とミサイル実験とはセットであり、周辺諸国への恫喝に他ならない。東シナ海は中国はもとより日本や韓国や台湾の民間航空機が飛び交う交差点のような海域であり、公海自由の原則によって自由な航行が認められなければならない空域だ。アメリカの爆撃機が尖閣上空を飛んだという事ですが中国側は何のリアクションも行わなかったようだ。

今回中国が定めた防空識別圏は、中国の沿岸からあまりにも遠くにまで定められていて、地上レーダでは高空しか監視できないし、常時早期警戒機でも飛ばしていないと監視できない。もしレーダーで捉えたとしてもジェット戦闘機が現地に到達するには遠い所では1000キロ近くもあり目標機をとらえる事は難しいだろう。

中国空軍がどれだけのスクランブル能力があるのかは分かりませんが、米軍のB52が二機防空識別圏を飛んでも中国軍機のスクランブルは無かった。あまりにも防空識別圏が広すぎて、たとえ発進しても現場に着くころは米軍のB52はより遠くに飛び去っている。P3Cなどのプロペラ機なら追いつくだろうが、P3Cは海面すれすれを飛ぶから地上レーダーに映らない。

だから広大な領域をカバーする早期警戒機を常時飛ばしておく必要がありますが、尖閣の巡視船ですら常時張り付くことはできていないから多くの早期警戒機が必要になる。しかし中国の早期警戒機が飛べば自衛隊のジェット戦闘機がスクランブル発進するから中国の早期警戒機を追い払う事になる。

つまり尖閣で起きているような巡視船同士の睨み合いのように、中国軍機と自衛隊機の睨み合いが東シナ海の空域でも行われるのだろうか? 中国空軍がどれだけのスクランブル能力があるか試す機会にもなるかと思いますが、今回の防空識別圏全部をカバーする事は物理的に不可能だ。中国軍機の最新鋭機はJ-10ですが、行動半径が1000キロに満たない。

防空識別圏は便宜上作られた空域に過ぎず、リストにない航空機が侵入してきたら警告して追い返すだけだ。だから空域を設定しても監視能力がなければ意味は無く、中国紙がミサイルを打つような事を言っているが出来るような空域ではない。問題は尖閣の領土領空を含んでいる事でありこれは明らかに挑発行為だ。

中国空軍の最新鋭機の性能はまだなぞであり、ロシアから最新鋭機スホイ27を輸入してもエンジンの国産化がまだできない。いずれ尖閣上空で自衛隊のF15と中国のスホイ27の模擬戦闘でも行われれば性能が分かるのでしょうが、スクランブルでスホイ27が出撃してくるのはいつになるだろうか?

日本の自衛隊機も老朽化が進んで、後続の戦闘機の選定が終わっていない。F35も決まってはいてもまだ完成もしていない。すでに有人戦闘機の時代は終わり無人戦闘機の時代が来るのかもしれませんが、今回のような中国からの挑発が続けば日本人も目覚めて再軍備化が進むかもしれません。集団的自衛権や秘密保護法案などもそれに関連していますが、中国の挑発で法案が通しやすくなった。安倍首相にすれば中国に感謝したいところだろう。



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