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徽宗皇帝のブログ

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2012年10月26日が日本の転回点か
「神州の泉」から転載。
力作であり、緻密な論考だと思う。
民主党の自爆解散総選挙から現在の自民党独裁に至る政治の流れと、その総仕上げとしての特定秘密保護法案の意味を明確にした、素晴らしい文章だ。後世に於いては、ほぼこの文脈で現在の政治は語られるようになるのではないか。
だが、この暗黒の流れがどこに行きつくのか、まだ決定してはいない。最善のパターンは、政治を壟断するクソ老人たちが脳卒中か心筋梗塞で全員突然死することだろうが、なかなか天はそのような粋な計らいはしてくれない。かと言って、代議制と自由選挙による民主主義はもはや死亡状態である。
まあ、こういう時代には、楽しく飲食し、政治だけに拘って悩まずに、心を自由に遊ばせて毎日を生きていくのがいいだろう。待てば海路の日和あり、と古人も言っている。


「水天需・象伝:雲が天にのぼり、雨ふらんとする時を待つというのが需である。君子はこの象にのっとって、いたづらに焦るようなことはなく、飲食宴楽して時節の到来を待つべきである。」(岩波文庫「易経」より)




2013年11月26日 (火)



特定秘密保護法案が成立すると、一部の富裕階級以外の日本人は全員が貧民化する





政府は11月26日の臨時国会で特定秘密保護法案の成立を目指すと息巻いている。
そういう中で、衆議院国家安全保障特別委員会は11月25日に福島市でこの法案に関する公聴会を開いた。

なぜ採決予定日の前日に公聴会を開くのか。

このショートカット状態を見る限り、公聴会で聞き取った意見を審議会に反映させる気は最初からなかったことになる。
国民の意見や意思をくみ上げようとする意識どころか、意見はちゃんと聴いたぞという、典型的なアリバイ作りであり、卑劣としか言いようがない。

国や行政機関が住民の望まない道路や施設を造ろうとするときに、形式だけの公聴会をひらいて、意見は充分に伺いましたから、それを踏まえて検討いたしますとリップサービスで煙に巻き、予定通り道路やハコモノの工事に着手する段取りと全く同じである。
強制着手という独裁様態をやわらげるために、形式だけでも住民を参加させて民主社会の手続きを満足させるのである。
公聴会でご理解を得られる努力はしたと言いのけて、予定通りことを成し遂げる算段である。
このような事例は全国枚挙にいとまがないだろう。

そもそも、この特定秘密保護法案のパブリックコメントの募集は、2013年9月3日から9月17日までの15日間だけで終えている。
本来は最低でも30日以上という原則を無視して15日間に短縮されていることをみれば、政府側がいかに住民を無視しているか分るだろう。
このとき集まったパブコメはおよそ9万件以上であり、その8割以上が反対意見だった。

しかも、そのパブコメ募集のど真ん中の9月8日に、2020年のオリンピックに東京が選ばれたことを知らせる国際報道が鳴り響き、猪瀬さんや関係者たちが目をぎらつかせて喜びに湧きかえったのである。
これが特定秘密保護法案から人々の関心を逸らすためのショック・ドクトリンであると最初に断言したのは、多分、神州の泉である。
オリンピック報道のタイミングはとうてい偶然とは思えない。

東京招致決定からやや遅れて、時事通信社が特定秘密保護法案に関する世論調査を発表し、その結果は6割以上が賛成だったという度肝を抜く数字であった。
パブコメの結果とは反対の世論調査が出たのだが、これがバンドワゴン効果による世論誘導でなくて何だろうか。

オリンピック決定報道のタイミングには強い恣意性を感じていた。
神州の泉は、特定秘密保護法案が、米国の多国籍企業の強力な意思があって、内政干渉として出てきていることを確信している。
当然ながら、買弁的傀儡政権として政権運営の役割を担ったのが安倍政権である。

何度も書いているが、昨年2012年の10月26日に帝国ホテル東京(孔雀の間)で、日経とCSIS(米戦略国際問題研究所)の共同でシンポジウムが開催され、その中に、民主党から玄葉光一郎氏と前原誠司氏が、自民党から石破茂氏と林芳正氏が参加している。

その日から3日後に臨時国会が召集され、さらにそこから18日後の11月16日に、野田佳彦首相が衆院の解散総選挙を宣言している。
そして一か月後の12月16日に自民党が圧勝し、26日から第二次安倍内閣が発足した。

この時系列において、CSIS・日経のシンポジウムから野田首相の解散総選挙宣言までの道程を俯瞰すると、野田佳彦氏の突然の解散宣言がCSIS・ジャパンハンドラーたちの肝煎りで行われたことが見えてくる。

その理由をこう考える。

昨年の民主党政権では消費税増税法案が表舞台で騒然としていたが、裏では玄葉光一郎氏(前原誠司氏も?)ら怪しい連中が、ACTA(模倣品・海賊版拡散防止条約)とか、人権委員会設置法案の成立に向けて忍者のように動き回っていた。

ところが、シロアリ退治なき消費税増税法案ですっかり信用を失墜した民主党に、言論統制法案やTPP参加への余力は完全に失せていた。
とくにCSISは、人権委員会設置法案という、運用次第では確実に国民を弾圧できる法案の成立が絶望的な状況になったのを見てとり、急遽、民主党のハンドリングを断念した。
そこでぐずぐずせずに自民党へ政権を委ねることにしたのである。これが野田首相の解散宣言なのである。

CSISは国民の民主党への反発と投票意欲の低下を見越して、自民党が圧勝すると踏んでいた。
かくしてCSISが目論んでいた、対日戦略としての数々の課題は政策実行者としての安倍政権に委ねられたのである。

以上の文脈が、言論統制法案である“特定秘密保護法案”が拙速に具現化した経緯である。
自民党の幹部連中が、特定秘密保護法案を今国会中に意地でも通す気になっているのは、CSISとの密約があるからである。
米国グローバル資本の傀儡シンクタンクであるCSISは、対日短期戦略として、国家戦略特区を早急に実現し、年内妥結を計っているTPPの批准を日本に要求している。

多国籍企業が日本の富を根こそぎ奪い取る目的を満たすためである。
だからこそ国際金融資本は、国民がこの法案を充分に考えないように、9月のパブコメが募集されている最中にIOCを動かして、東京オリンピック決定報道というショック・ドクトリンを起こした。
このように考えるのは平仄(ひょうそく)が合っている。

この法案を、イカサマ記者クラブの連中のように“知る権利”の獲得だけに矮小化していると、背景の本質が見えなくなってくる。
多くの国民は特定秘密保護法案は、例え、知る権利を制限されても直接自分の生活や利害に影響はないと思っている。
しかし、新自由主義連中が画策している法案を食い止めなければ、海外資本が合法的に日本人の富や所得、労働力を奪い尽くすことになる。

したがって、特定秘密保護法案が成立してしまうと、一部の富裕階層を除き、ほとんどの日本人が桁違いに窮乏化することは目に見えているのだ。
だからこそ、この暗黒法案は絶対に食い止める必要がある。

政治にものが言えなくなったら、大企業や多国籍企業だけが国民の富や労働力を搾取するだけの奴隷国家ができあがる。
あらかた搾取し終えると、今度は戦争経済による利益獲得のために、日本と中国を戦わせる可能性が高い。

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