「マスコミに載らない海外記事」から転載。このサイトの管理人さんはこの記事について「金融資本主義」の崩壊を示すものであるとコメントしている。
EU、すなわちヨーロッパ統合は、ある意味グローバリズムや「世界政府」の壮大な実験であったと見ることができるだろう。
そして、その実験は明らかに失敗であった。これを新自由主義者に言わせれば、「改革が不十分だったせいだ」ということになるだろう。つまり、各国の国家主権が残ったままに経済だけを統合したから失敗したのであり、各国が国家主権を放棄して「大ヨーロッパ」を形成していれば成功したはずなのだと。
この論法は、小泉改革後の日本の貧困化と格差社会の到来について竹中平蔵などが使った論法である。この論法を使えば、自分たちのやった施策はすべて正当化できる。地方自治体首長などが一期目でロクな成果を出せなかった時も、「改革は道半ばです。どうか私にもう一期やらせてください」と言うものだ。
こうした詭弁に一般国民が騙されているかぎり、政治は一部の人間の利己心によって操縦されるままである。
我々、つまり権力を持たない一般庶民が権力者を操縦するというのが民主主義である。その前提が現在の政治への正しい理解だ。
政治に無知な人間は、社会的不正に加担しているのである。
(以下引用)
●ユーロの崩壊、死、その終焉
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-collapse-of-the-euro-the-death-of-the-euro-and-the-end-of-the-euro
【12月15日 The Economic Collapse】
ユーロは最初から失敗するようなプロジェクトだった。今我々はそれが始まっているのを目撃している。本日、ユーロはドルに対して11か月ぶりの安値を記録した。これを書いている時点で、ユーロの対ドルレートは1.2983ドルだ。7月では1.45ドル強だった。パニックが金融市場を席巻する中、ユーロはこの三日間で3%下落した。しかしこれは始まりに過ぎない。ユーロが1.20ドル以下に落ちれば、アナリストたちはユーロ崩壊を語りだすだろう。ユーロがドルと等価となれば、世界のメディアの一面ではユーロの死だと大騒ぎをすることだろう。しかし、ヨーロッパの金融システムが崩壊すれば、実際にユーロの終焉を目撃することになろう。それは実際起こりうることである。ユーロ圏は、今の構造からはうまく機能しないのだ。17の異なる国家が17の異なる財政、17の異なる税制、17の異なる経済政策を持っていて、それらをいっしょくたにして機能させようとしても無理なのだ。ユーロは失敗するべく生まれた通貨である。そしてドイツのような大きな国家がユーロ圏を出ると決めれば、ゲームオーバーとなる。
ユーロが調子悪い、というレベルではない。過去6か月の対ドルレートをチェックしてみるべきだ。実際のところは、ユーロ崩壊はすでに始まっている。
多くの投資からはこの傾向が継続するとみている。現在のところ、莫大な資金がユーロは更に下落するという方向に掛けられている。
世界中で金融の専門家らは、ユーロがどこまで下落するか考えている。MIMCOのポートフォリオ・マネージャーのスコット・マザーは、ユーロはこれからもずっと下落すると考えている。
「来年にはドルと等価になるということは確実だ」。勿論、世界の中央銀行はある時点でユーロの価値を確保するため共同介入するかもしれない。この種のことは過去にあったことだ。しかしそのような支援も一時的なものだろう。
中央銀行は市場を操作できる、しかし、最終的には長期的なトレンドは変わらない。ヨーロッパ債権利回りに何が起きているかを見るだけで十分だろう。
欧州中央銀行がすでにヨーロッパ国債を買い取ることで2740億ドルを費やしたが、ヨーロッパ債権利回りは再び上昇している。
ユーロの死を阻止するため更なる努力がなされるだろうが、これは風につば吐くようなもので無駄に終わるだろう。
クラッカージャック・ファイナンスに掲載された最近の記事はユーロの持つ基本的問題を指摘している・・・
ユーロ圏の欠陥構造問題が今や完全に白日の下に晒された。
17か国で作るブロックは共通通貨を採用し通貨政策を中央銀行に任せた。しかしながら、17の主権国家は、相対的なアドバンテージ、産業、負債レベル、利率、財政赤字、労働市場規制、税制を持っている。これらすべての差異を考慮すれば、ここ10年以上現在の構造のまま存続したということは驚くべきことである。ギリシャはユーロに加盟しなかったら、現在の経済的不況に入ることはなかっただろう。しかし今や、10万の仕事が無くなり、3分の1の人々が貧困の中に生活している。
この危機が残りのヨーロッパ諸国に拡大することで、ヨーロッパ金融システムに巨大なストレスを与えていくことになる。多くの人々は、待ち構えている困難をユーロが乗り越えることはできない、と考えているのだ。
以下は、クレディスイスの確定利付き債リサーチグループからのレポートからのものである。
「我々はユーロの終末の段階に突入したようだ。これを乗り越えることは簡単ではなく、ヨーロッパの国債市場の閉鎖を阻止するためには、おそらくは1月中旬までに何か突拍子もないことが起きる必要性がある。この債券市場の閉鎖が起きれば最強の銀行でさえ取り付け騒ぎが起きるかもしれない」
だから、我々はユーロの終焉を見ることになるかもしれない。その内わかることだ。ただし、一つのことだけは確かだ。ヨーロッパの状況は日増しに悪化している。
ギリシャでは、2011年開始以来、全ての銀行預金のほぼ20%がおろされている。もしもまだギリシャの銀行にお金を預けていたら、取り付け騒ぎが悪化する前に、何とかしたいと思うだろう。
本日、ドイツで2番目に大きい銀行が救済が必要だと判明した。以下はスカイ・ニュースの記事からだ・・・
ドイツで2番目に大きな銀行であるコメルツバンクが、各国政府に対する貸付金のためにデフォルトに陥るのを防ぐための資金が必要であると監査官が語った後、ドイツ政府と救済について話し合いを始めたと言われている。
「緊迫した話し合い」が何日間が続いたと言う。
ヨーロッパの各国政府は救いたい銀行は救済するだろうが、残りは破綻するに任せられることだろう。どの銀行が救済されどの銀行が破綻させられるか、我々は知らない。
しかし、多くのヨーロッパの銀行が問題を抱えている。実際、14日フィッチ・レーティングスは、ヨーロッパの五つの大銀行の信用格付けを下げた。
ユーロ圏は暫くの期間はうまく機能したが、今やシステムの欠陥は明らかになってきた。どれくらいヨーロッパの金融システムがまずいかを知るために図を見ればわかる。ヨーロッパ債権利回りがこのようになるとは想定されていなかったことだ。
急上昇しているヨーロッパ債権利回り
最後にはどこかがユーロ圏を去ることになるだろう。ギリシャとかイタリアがユーロ圏を去ることが言われてきたが、実際のところはもっと強い国、例えばドイツが最初のそのような動きを取るかもしれないのだ。
もしもドイツがユーロ圏を去れば、彼らは新ドイツ紙幣を印刷するようになるのだろうか?
いや、その場合には、ドイツは全ヨーロッパの新しい金融システムのための新しいヨーロッパ通貨を制定すしようとするかもしれない。ドイツは「ヨーロッパ超国家」の考え方に固執している。そしてユーロが失敗したからと言って、この考え方まで捨てるとは思えない。
しかし誰が正しく誰が間違っていたかは時間が経てばわかることだろう。
以前書いたように、ヨーロッパで起きていることを理解することは簡単である。問題はシンプルだ・・・
厳しい緊縮財政+政府の有毒化した債権+債権利回り上昇+金融システムに対する自信の欠如+銀行の極端なレバレッジの利かせ方+巨大な信用危機=歴史的金融内部爆発
不幸にも、アメリカはこの混乱から無傷で脱出することはできないだろう。アメリカの金融システムとヨーロッパのそれは、かつてないほどに深く関係し合っている。ヨーロッパでの金融危機が本当に破裂すれば、アメリカの多くの銀行も破綻することを見ることになろう。
アメリカ経済は2008年の金融危機から完全には復活できていない。そして次のこの金融危機は酷い経済的混乱に我々を陥れるだろう。
2012年は、金融界にとっては非常に興味深い年になろう。皆さんがこれから起きる事柄に対して準備できていることを願うばかりだ。
EU、すなわちヨーロッパ統合は、ある意味グローバリズムや「世界政府」の壮大な実験であったと見ることができるだろう。
そして、その実験は明らかに失敗であった。これを新自由主義者に言わせれば、「改革が不十分だったせいだ」ということになるだろう。つまり、各国の国家主権が残ったままに経済だけを統合したから失敗したのであり、各国が国家主権を放棄して「大ヨーロッパ」を形成していれば成功したはずなのだと。
この論法は、小泉改革後の日本の貧困化と格差社会の到来について竹中平蔵などが使った論法である。この論法を使えば、自分たちのやった施策はすべて正当化できる。地方自治体首長などが一期目でロクな成果を出せなかった時も、「改革は道半ばです。どうか私にもう一期やらせてください」と言うものだ。
こうした詭弁に一般国民が騙されているかぎり、政治は一部の人間の利己心によって操縦されるままである。
我々、つまり権力を持たない一般庶民が権力者を操縦するというのが民主主義である。その前提が現在の政治への正しい理解だ。
政治に無知な人間は、社会的不正に加担しているのである。
(以下引用)
●ユーロの崩壊、死、その終焉
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-collapse-of-the-euro-the-death-of-the-euro-and-the-end-of-the-euro
【12月15日 The Economic Collapse】
ユーロは最初から失敗するようなプロジェクトだった。今我々はそれが始まっているのを目撃している。本日、ユーロはドルに対して11か月ぶりの安値を記録した。これを書いている時点で、ユーロの対ドルレートは1.2983ドルだ。7月では1.45ドル強だった。パニックが金融市場を席巻する中、ユーロはこの三日間で3%下落した。しかしこれは始まりに過ぎない。ユーロが1.20ドル以下に落ちれば、アナリストたちはユーロ崩壊を語りだすだろう。ユーロがドルと等価となれば、世界のメディアの一面ではユーロの死だと大騒ぎをすることだろう。しかし、ヨーロッパの金融システムが崩壊すれば、実際にユーロの終焉を目撃することになろう。それは実際起こりうることである。ユーロ圏は、今の構造からはうまく機能しないのだ。17の異なる国家が17の異なる財政、17の異なる税制、17の異なる経済政策を持っていて、それらをいっしょくたにして機能させようとしても無理なのだ。ユーロは失敗するべく生まれた通貨である。そしてドイツのような大きな国家がユーロ圏を出ると決めれば、ゲームオーバーとなる。
ユーロが調子悪い、というレベルではない。過去6か月の対ドルレートをチェックしてみるべきだ。実際のところは、ユーロ崩壊はすでに始まっている。
多くの投資からはこの傾向が継続するとみている。現在のところ、莫大な資金がユーロは更に下落するという方向に掛けられている。
世界中で金融の専門家らは、ユーロがどこまで下落するか考えている。MIMCOのポートフォリオ・マネージャーのスコット・マザーは、ユーロはこれからもずっと下落すると考えている。
「来年にはドルと等価になるということは確実だ」。勿論、世界の中央銀行はある時点でユーロの価値を確保するため共同介入するかもしれない。この種のことは過去にあったことだ。しかしそのような支援も一時的なものだろう。
中央銀行は市場を操作できる、しかし、最終的には長期的なトレンドは変わらない。ヨーロッパ債権利回りに何が起きているかを見るだけで十分だろう。
欧州中央銀行がすでにヨーロッパ国債を買い取ることで2740億ドルを費やしたが、ヨーロッパ債権利回りは再び上昇している。
ユーロの死を阻止するため更なる努力がなされるだろうが、これは風につば吐くようなもので無駄に終わるだろう。
クラッカージャック・ファイナンスに掲載された最近の記事はユーロの持つ基本的問題を指摘している・・・
ユーロ圏の欠陥構造問題が今や完全に白日の下に晒された。
17か国で作るブロックは共通通貨を採用し通貨政策を中央銀行に任せた。しかしながら、17の主権国家は、相対的なアドバンテージ、産業、負債レベル、利率、財政赤字、労働市場規制、税制を持っている。これらすべての差異を考慮すれば、ここ10年以上現在の構造のまま存続したということは驚くべきことである。ギリシャはユーロに加盟しなかったら、現在の経済的不況に入ることはなかっただろう。しかし今や、10万の仕事が無くなり、3分の1の人々が貧困の中に生活している。
この危機が残りのヨーロッパ諸国に拡大することで、ヨーロッパ金融システムに巨大なストレスを与えていくことになる。多くの人々は、待ち構えている困難をユーロが乗り越えることはできない、と考えているのだ。
以下は、クレディスイスの確定利付き債リサーチグループからのレポートからのものである。
「我々はユーロの終末の段階に突入したようだ。これを乗り越えることは簡単ではなく、ヨーロッパの国債市場の閉鎖を阻止するためには、おそらくは1月中旬までに何か突拍子もないことが起きる必要性がある。この債券市場の閉鎖が起きれば最強の銀行でさえ取り付け騒ぎが起きるかもしれない」
だから、我々はユーロの終焉を見ることになるかもしれない。その内わかることだ。ただし、一つのことだけは確かだ。ヨーロッパの状況は日増しに悪化している。
ギリシャでは、2011年開始以来、全ての銀行預金のほぼ20%がおろされている。もしもまだギリシャの銀行にお金を預けていたら、取り付け騒ぎが悪化する前に、何とかしたいと思うだろう。
本日、ドイツで2番目に大きい銀行が救済が必要だと判明した。以下はスカイ・ニュースの記事からだ・・・
ドイツで2番目に大きな銀行であるコメルツバンクが、各国政府に対する貸付金のためにデフォルトに陥るのを防ぐための資金が必要であると監査官が語った後、ドイツ政府と救済について話し合いを始めたと言われている。
「緊迫した話し合い」が何日間が続いたと言う。
ヨーロッパの各国政府は救いたい銀行は救済するだろうが、残りは破綻するに任せられることだろう。どの銀行が救済されどの銀行が破綻させられるか、我々は知らない。
しかし、多くのヨーロッパの銀行が問題を抱えている。実際、14日フィッチ・レーティングスは、ヨーロッパの五つの大銀行の信用格付けを下げた。
ユーロ圏は暫くの期間はうまく機能したが、今やシステムの欠陥は明らかになってきた。どれくらいヨーロッパの金融システムがまずいかを知るために図を見ればわかる。ヨーロッパ債権利回りがこのようになるとは想定されていなかったことだ。
急上昇しているヨーロッパ債権利回り
最後にはどこかがユーロ圏を去ることになるだろう。ギリシャとかイタリアがユーロ圏を去ることが言われてきたが、実際のところはもっと強い国、例えばドイツが最初のそのような動きを取るかもしれないのだ。
もしもドイツがユーロ圏を去れば、彼らは新ドイツ紙幣を印刷するようになるのだろうか?
いや、その場合には、ドイツは全ヨーロッパの新しい金融システムのための新しいヨーロッパ通貨を制定すしようとするかもしれない。ドイツは「ヨーロッパ超国家」の考え方に固執している。そしてユーロが失敗したからと言って、この考え方まで捨てるとは思えない。
しかし誰が正しく誰が間違っていたかは時間が経てばわかることだろう。
以前書いたように、ヨーロッパで起きていることを理解することは簡単である。問題はシンプルだ・・・
厳しい緊縮財政+政府の有毒化した債権+債権利回り上昇+金融システムに対する自信の欠如+銀行の極端なレバレッジの利かせ方+巨大な信用危機=歴史的金融内部爆発
不幸にも、アメリカはこの混乱から無傷で脱出することはできないだろう。アメリカの金融システムとヨーロッパのそれは、かつてないほどに深く関係し合っている。ヨーロッパでの金融危機が本当に破裂すれば、アメリカの多くの銀行も破綻することを見ることになろう。
アメリカ経済は2008年の金融危機から完全には復活できていない。そして次のこの金融危機は酷い経済的混乱に我々を陥れるだろう。
2012年は、金融界にとっては非常に興味深い年になろう。皆さんがこれから起きる事柄に対して準備できていることを願うばかりだ。
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