In Deepさんのサイトより
https://indeep.jp/perhaps-the-second-cultural-revolution-is-underway/
<転載開始>


中国最大の経済圏に登場する「隔離検疫センター」

中国の首都北京での新型コロナ感染確認数が、11月26日の時点で、2500人を超えて「過去最多」となり、北京の多くの地域が、ほぼロックダウン状態となっていることが日本でも報じられています。


何だかんだと中国は、「どんどんパンデミック初期の頃に戻っていっている」という感じがありますが、この中国のロックダウンとゼロコロナ政策は、私個人としては、


「現在の中国の《外交政策の要》なので、やめることはない」


と考えています。


少なくとも、「目指している体制が完成するまで」は。


今年の春に書かせていただきました以下の記事などをご参照いただければと思います。


 


[記事] 中国のロックダウンは「第三次世界大戦の延長」かと。目的は「西側の食糧、エネルギー供給と流通システムの混乱による経済の崩壊」
 In Deep 2022年4月18日


 


今年の春からの9ヶ月間、ヨーロッパは、対ロシア制裁のブーメランで経済的にも政治的にボロボロになっていて、日本や韓国、台湾などの東アジアは、中国のロックダウンによって、経済的にボロボロになりつつあります。


先ほど、「外交政策の要」と書いたのはこのような理由です。



自分の国でロックダウンとゼロコロナ政策を進めれば進めるほど「周囲の国が弱っていく」


台湾については侵攻だ戦争だ言われていますが、そんなことをしなくとも(するかもしれないにしても)、台湾経済の要は中国であり、ゼロコロナ政策で台湾もまた強い影響を受けているはずです。


このあたりから、中国のゼロコロナ政策は今後「さらに拡大する可能性が高い」とさえ思います。


(実際の感染者数の増減などはどうでもいいでしょうし、PCR検査は、しきい値を変更すれば、感染者を増やすことも減らすこともどちらも簡単です。 ※ 参考過去記事


中国自身の経済や株価がどうなろうと、中国の今の政権は何も思わないはずで、マルクス‐レーニン主的な共産主義化を著しく進めようとしている現中国政権は、むしろ株価などは下落して、中国の富裕層が一掃されたほうがいいくらいだと考えている可能性さえなくはなさそうです。


中国の現政権は、富裕層とセレブに極端に冷淡です。


最近、中国の IT富裕層たちが「総額 1兆円を超える寄付をした」と報じられたりもしていましたが、序の口だと思われます。中国から富裕層が消えるまで、このような締め付けは続くように感じます。


 


今の中国は、実際には、


 


「第二次文化大革命の渦中にある」


 


という感じが最も強いのではないかと個人的に思っています。


これについては、以前のメルマガに書いたものを、後の部分で抜粋させていただきます。


 


そんな中、現在、最も感染者数が多い広東省の広州市近郊に、


「8万人収容の巨大な新型コロナ隔離・検疫センター」


の建設が進んでいることが報じられています。こちらに動画があります。



NEXTA TV


 


この広州市というのは、一般的な説明では以下のような場所です。


 


> 広州市は…広東省のみならず、華南地域全体の経済、文化、教育、交通などの中心都市の一つであり、国務院により、国家中心都市の一つに指定されている。市内総生産は1兆0604億元(約13兆円)であり… 広州市


 


こういう中国経済の中心のひとつに「検疫センター」を建設しているということになります。


8万人というのはかなりの規模ですが、もしかすると、


「同じような検疫センターという名の施設が中国各地に建設されるのかもしれない」


という可能性もあります。


ところで、現在、北京や上海などで、「ゼロコロナ政策への抗議デモ」がおこなわれていると日本でも報じられています。ここから思い出したことがあります。


 


 

信用システムでブラックリスト入りすると

これらのデモと合わせて見てみれば、現在の「強制収容所」の建設のタイミングとしては、とても一致した時間軸となっていますが、中国の抗議デモが「これまでは」おおむねどのようになってきたかというのは、たとえば、2019年から 2020年におこなわれた「香港民主化デモ」の結末などを思い起こされてもよろしいかと思います。


この香港民主化デモの後、「香港国家安全維持法」という法律が発効され、香港の言論弾圧は、以前より激しくなりました。


2014年以来のこの数年、中国政府は「顔認証」を含む個人特定テクノロジーの開発を急ピッチで進め、「世界最大の監獄国家になった」ということがあります。


中国人民が反乱できないように、長い時間をかけてシステムを構築してきたのが現在の中国で


以下は今から 4年半前の記事ですが、この時点で、少なくとも都市部においては、「すべての住人の顔」が当局に登録されています。


 


[記事] 未来世紀チャイナが作り出す中国式デストピア : 人々はシミュレーションゲームのような「変動するポイント制度」による信用システムの中で生きていく
 In Deep 2018年4月3日


 


現在の中国では、行為や思想によって、信用ポイントが引き上げられたり引き下げられますが、最も低いところに達すると「ブラックリスト」に入れられます。


どんな人物であっても、当局のブラックリストに載ってしまった場合、以下のようなことになります。


2018年4月の米ABCニュースからです。


 


(2018年4月3日のABCニュースより)


> リウ氏は、他の 700万人の中国市民と同様に、「信頼できない人物」としてブラックリストに載せられている。

> そのため、リウ氏は星付きの各付けホテルに宿泊することはできない。また、家を買うもできないし、休日に遠方への旅行に行くこともできない。さらには、彼の 9歳の娘を私立学校へ入学させることもできない。

> そして 4月2日、中国当局は「信頼できない人物」とみなされる人々の資産を凍結する可能性についての発表をおこなった。 ABC


 


家も買えない、遠方に行くこともできない(旅客機に乗ることができなくなります)、子どもを私立学校へ入学させることもできなくなるのです。資産も凍結される。


これらのことは中国人、少なくとも都市部に住む中国人は知っているはずです。


そのあたりから、今日昨日の「デモ」の報道を見ていますと、いろいろと考えます。たとえば以下のような報道がありました。


(報道) ゼロコロナに抗議拡大、習近平氏の母校でも (2022/11/27)


 


デモに参加したことが判明した場合、即座にブラックリスト入りとなるはずで、この名門大学に留まることはできないはずです。大学生の顔の認識・登録率は100%だと思われます。


これはあくまで私個人の考えでしかないですが、「この際、反体制思想の学生たちを一掃しよう」ということでの「仕組まれたデモ」の可能性もないではないかもしれません。


一般の市民ならともかく、厳しい受験競争で入学した一流大学の学生たちが、中国の「ポイント制」のことを知らないわけがありません。


「それほど中国の若者たちは怒っている」という見方もできるかもしれないですが、今の中国は、若者の怒りが当局に通じるほど実直ではなさそうです。


中国が「新たな文化大革命への道を辿っているのかもしれない」ということについて、今月はじめ頃にメルマガで書かせていただいたことから一部抜粋させていただきます。

国政府はこれらの告発を西側諸国によるでっち上げとして否定している。