"経済・政治・社会"カテゴリーの記事一覧
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まあ、簡単に言えば、究極の売国奴、日本を現在のように上級国民と下級国民に二極分化させた吸血鬼の竹中平蔵プロジェクトであるからには、最初から信頼に値しないと見ていいのではないか。すべてが管理者の意のままに運用できる「超監視社会」「超管理社会」になる可能性は高い。竹中を座長とする密室での議論以外まったく国会などでの議論無しで、コロナ騒ぎに紛れていきなり法案を成立させようとしているのがすでに、後ろ暗い案件である証拠だと言っていい。
安倍政権の「火事場泥棒」行為は、この内閣を倒し安倍逮捕まで行かないととどまることがない。
蛇は頭を潰さないと死なないと言う。尻尾だけ叩いて満足していたら噛まれて死ぬ。検察庁もすでに安倍に睨まれている以上は、黒川辞任で幕引きして終わりなどという甘い考えを捨て、腹を括って最後まで行く(安倍の首を取る)しかないのである。
(以下引用)与党急ぐスーパーシティ法案 規制緩和だけではない問題
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別記事だが、トランプ大統領の支持率が上がっている(49%)というニュースもあり、トランプの中国叩き政策が米国民にウケている可能性は大きい。
新たな冷戦の始まりかもしれない。(テロとの戦いはどうなった?)
まあ、「世界の工場」との貿易を断絶して困るのは米国民だと思うが、長い目で見れば、トランプの企図する「製造業の国内回帰」につながるかもしれない。そういう意味ではトランプの姿勢は一貫しているとも言える。IT化で国内経済が上向くという楽観的姿勢より、第一次産業と第二次産業を重視する姿勢は、私は嫌いではない。もっとも、トランプが第一次産業を重視しているという話は聞いたことがないが、要するに「物づくり」「生活必需品の確保」は国家の生命線だということだ。
トランプは、見かけほどに好戦的ではない。彼の挑発的言動は「プロレス」であり、「ショー」であると私は見ている。つまり、冷戦になっても、それが「熱い戦争」になることは無いだろうと予測している。
なお、冷戦は中国にとっても長い目では好ましいと思う。つまり、グローバリズム(内実は新自由主義)の侵略が停止されるからである。もしかしたら、10年後には世界で一番幸福な国になる可能性もあるだろう。韓国もそれに近づいている。つまり、社会主義的政策の国々と、新自由主義の国々に世界は分かれるのではないだろうか。
まあ、西洋人の世界侵略は不可視化されただけで、現在でも続いている。西洋人とつきあったら馬鹿を見る、ということだ。そういう意味ではコロナ騒動は、非白人世界が白人世界と縁を切るいい機会なのではないか。ここ数世紀の世界の不幸のほとんどは白人がもたらしているのである。わずかな「西洋文明の便利さ」の代償としては大きすぎる不幸である。もはや西洋文明から得られるものもないわけで、得られるのは災厄だけだ。新型コロナウィルスが白人だけ殺しまくったのは「西洋の没落」の象徴と言えるかもしれない。
(以下引用)cojp米上院、中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を可決
Daniel Flatley、Benjamin Bain更新日時- 外国政府の支配下にある企業は米株式市場への上場を禁止へ
- 下院では金融委のシャーマン議員が同様の法案を提出
米上院は20日、アリババ・グループ・ホールディングや百度(バイドゥ)などの中国企業による米証券取引所への株式上場を禁止することにつながり得る法案を全会一致で可決した。
同法案はジョン・ケネディ議員(共和)とクリス・バンホーレン議員(民主)が提出したもので、外国政府の管理下にないことを企業に証明を求める内容。
企業がそれを証明できないか、米公開会社会計監督委員会(PCAOB)が3年連続で会社を監査して外国政府の管理下にないと断定できない場合、当該企業の証券の上場は禁止される。
ケネディ議員は上院の議場で「私は新しい冷戦に参加したくはない」と述べ、「中国が規則に従って行動する」ことを求めると付け加えた。
U.S. Watchdogs Can't See Chinese Companies' Books
About 95% of firms whose financials can't be reviewed use China auditors
Source: SEC citing PCAOB data
ケネディ議員は19日、同法案がナスダックとニューヨーク証券取引所などの米株式市場に適用されるとFOXビジネスに話した。
バンホーレン議員は発表文で、「上場企業は全て同じ基準を順守すべきだ。この法案は条件を公平にするとともに、投資家が詳細情報を得て決断を下す上で必要な透明性をもたらすために良識的な変更を行うものだ」と説明し、下院に速やかな行動を呼び掛けた。
下院の法案
米国の監督が強化されれば、馬雲(ジャック・マー)氏の螞蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)やソフトバンクグループが出資するバイトダンス(字節跳動)など中国主要企業の将来の上場計画にも影響する可能性がある。しかし、開示義務強化の議論が昨年始まって以来、他の中国企業の多くはすでに香港市場に上場したか、そうする計画だと、ハルクスでアナリスト兼ポートフォリオマネジャーを務めるジェームズ・ハル氏は指摘した。
下院金融委員会のブラッド・シャーマン議員(民主)は上院の法案への幅広い支持を反映する形で同様の法案を下院に提出した。シャーマン氏は発表文で、会計不祥事の発覚でナスダックが中国の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)の上場廃止に向けて動きだした点に言及。「私はこの重大な問題に取り組むために動いた上院議員を称賛する。この法案が既に成立していればラッキンコーヒーの米国株主は恐らく多額の損失を回避できていただろう」とコメントした。
下院指導部は同法案と、別に上院で可決されたイスラム教徒の少数民族に対する人権侵害を巡り中国当局者に制裁を科す法案について、議員や関係する委員会と協議していると民主党スタッフは明らかにした。
原題:Senate Passes Bill to Delist Chinese Companies From Exchanges (抜粋)
(下院の動きを追加して更新します) -
全世界的に言えることだが、大不況の発生が確実な現在、少しでも早くその対策を取ることが各国政府のやるべきことである。対応が早ければ早いほど、被害を最小限に抑えられるのは、どのような災害でも同じであるはずだ。
だが、コロナ災害を座視して膨大な時間を空費し、多くの被害者を出した安倍政権にそれが可能だとは思わない。日本は米国政府の尻の穴を舐め続けるより、韓国政府の爪の垢を煎じて飲むがいい。
(以下引用)返信先:さん -
日本では大都市以外の緊急事態宣言は解除される方向のようだが、そもそも緊急事態宣言はロックダウンというほどの強制力はないはずで、それでも政府に従順な国民精神のお陰で実質ロックダウンが生じたわけだ。その結果、中小企業のほとんどは断末魔状態だろうと思う。(「体力の無い企業は潰せ」と自民党会議で言ったのは麻生財務相らしい。)つまり、それらの企業に勤めている膨大な人数は職を失うわけである。日本の失業率は六月から跳ね上がると予想する。つまり、雇用保険支払いも跳ね上がるわけで、「体力の無い企業は潰れればいい」という考えは、実に浅薄そのものだと言えるだろう。
何しろ社会のIT化によって「非熟練労働者に可能な仕事」の数とその仕事の「必要労働者数」が激減している中で、新たに膨大な失業者が加わるのである。
日本でのコロナ問題が仮にもうすぐ終わるとして、問題はその後である。
「in deep」過去記事から、それに関する部分を、考察の叩き台のひとつとして載せておく。考察そのものは、気が向いたらやる。
(以下引用)いずれにしましても、ロックダウンという政策は「何もかも崩壊させる」のです。
現在まだ、このロックダウン・パニックの影響をあまり受けていない方々もいらっしゃるかもしれないですが、今後、「被弾しない人は基本的にはひとりもいない」と思われます。
著名投資家であるウォーレン・バフェットさんが率いる投資会社でさえ、このほんの2ヶ月ほどで、「 5兆円の損失を出した」と報じられています。
・バフェット氏、航空株すべて売却 「世界は変わる」 1~3月期、5兆円の最終赤字 (日本経済新聞 2020/05/03)
もう何もかもです。
農業から漁業からアパレルから芸能界からスポーツから学校経営まで何もかも深刻な渦中にあります。
以下のようなニュースが日々続きます。
(中略)
このような業種が影響を受ける以前に、飲食と観光、ホテル、デパート、輸送などはすでに崩壊しているわけで、個人の破綻の中で、これらに続いて、「クレジットカード破綻による決済不能」の嵐が訪れるという中で、無傷でいられる分野はないと思われます。
政治当局も保健衛生当局も、このような「失業と破綻の嵐の中で失われる人々の生命」のほうにはまったく注意を払わなかった。
(中略)
ハイパーインフレーション
前回のメルマガでは「預金封鎖」について少しふれさせていただいたのですが、結論から言いますと、預金封鎖に対抗する「完全な手段はない」です。
対抗する手段があるような預金封鎖は、預金封鎖ではないです。
しかし、ほんのささやかな手段は多少あるのかもしれないですが、それについては、あまりブログなどで書くのもどうかと思いますので、『元日銀マンが教える預金封鎖』という著作をご紹介するのにとどめておきたいと思います。
ちなみに、前回、日本で預金封鎖がおこなわれたのは戦後の昭和 21年のことで、「金融緊急措置令」という法令が発令され、その約 2週間後に、それまでの紙幣は一切使用できなくなっています。
法令の内用はおおむね以下のようなものです。
昭和21年2月16日 金融緊急措置令 (金融封鎖令)
・現在流通している紙幣の通用は3月2日限りとする。
・新紙幣と旧紙幣の交換期間は2月25日から3月7日までとし、交換限度は一人につき100円。それ以上の旧紙幣は預金として封鎖。
・封鎖預金からの現金引き出しは、一ヶ月につき世帯主300円、家族一人につき100円とする。
・臨時財産調査令によって、3月3日午前0時現在で財産調査を行い、財産税算定の基礎とする。
この際の預金封鎖については、2015年に NHK が唐突に、「“預金封鎖”の真実」という番組を放映したことがあります。私は偶然これを見ていました。
今は、この「“預金封鎖”の真実」という番組は、すでに NHK のウェブサイト上にも痕跡は残っていません。
この番組の内容に関しては、以下の過去記事で少しふれています。
・カルバナクの衝撃 : サイバー攻撃での世界の金融システム崩壊が早いか、それともNHKが特集した「預金封鎖」がそれより早いのか
In Deep 2015/02/19
この番組でわかったことは、この時の預金封鎖の日本政府の目的は、
「預金封鎖の間に、国民の財産(現金、不動産など)に高い税率(税率90%)をかけることにより、徹底的な財産の没収を行って、国の借金に充てるということ」
だったことが『日本銀行職場百年史』に記録されている、この時の大蔵大臣だった澁澤敬三氏の言葉により判明するのです。戦争により極端に悪化した財政を立て直すために「税金という名目」で、国民の財産の 90%を徴収するという手段だったのですね。
そして、この番組では、日本の債務の状態は、この NHK の番組が放映された 2015年の時点で「すでに昭和 21年よりずっと悪い」と報じていました。つまり「いつ預金封鎖が起きても不思議ではない」と NHK は述べていたのです。
ちなみに、昭和21年の預金封鎖令では、2月16日に法律を発令し、3月2日から旧札の使用を停止、と、発令から施行まで約 2週間くらいの猶予がありましたが、2016年のインドで行われた「旧札の使用停止令」は、「発表から 4時間後に旧札の使用を停止」という素早いものでした。
「高額紙幣は無効」インド首相が突然発表 混乱広がる
朝日新聞 2016/11/09インドのモディ首相は8日夜、テレビ演説し、高額紙幣の1千ルピー(約1600円)札と500ルピー(約800円)札を演説の約4時間後から無効にすると突然発表し、9日午前0時から全土で使えなくなった。偽造紙幣や不正蓄財などの根絶が目的。
旧紙幣は10日以降、銀行に預金したり、新紙幣と交換したりできるとしているが、金額に制限があり、混乱が広がっている。
いずれにしても、「突然の新札発行」とか、「突然の預金封鎖」とかは、今後どの国でも、あることにはあるでしょうけれど、現実的な対応は難しそうです。
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トイレで「大」をする暇つぶしにトクヴィルの「アメリカの民主政治」を読んでいたら(ふだんはこんな固い本はまったく読まない。漫画か大衆小説だけだ。だが、一日に数分くらいは「勉強」もいい気分転換なので、トイレの時だけはわりと真面目な本を読む。一日数行程度で終わっても、面白い発見があることが多い。)、こういう一節があった。
(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。訳は井伊玄太郎によるもので、他の部分には悪文や難文が多い。新訳が欲しい。
王権の周りには意見と風習とが、よくは知られていないがしかも強力な防壁を高く築きあげていた。
宗教や臣民への慈愛や君主の温厚や栄誉や家族精神や地方の偏見や慣習や世論などは王権を制限して、王の権威を眼に見えない限界内にとじこめていた。
当時では、諸民族の政体は独裁制であったが、風習は自由であった。君主は何でもなす権利をもってはいたが、これを行う能力も願望ももっていなかった。
かつては圧政をおしとどめた防壁は今日残っているだろうか。
(徽宗注:以下の部分を読むと、宗教や道徳が無力化したこと、連続した革命のために君主への崇敬の念が消えたことなどのため、つまり「圧政をおしとどめた防壁」が消えたため、君主は国民に遠慮せずに権力を濫用することができるようになったと書かれている。もちろん、私は君主制に反対し民主主義を支持する者だが、トクヴィルのこの指摘は、いわば「政治心理学」として非常に興味深い。) -
「ギャラリー酔いどれ」から転載。
今はほとんどの人に見えていないが、コロナ騒動の陰に隠れて「新自由主義者」、特に米国企業が何を企んでいるか、下の記事はかなり詳しく明確に説明している。前半はやや「タルい」のだが、中盤からは引き込まれる内容だ。
コロナ後の世界は食料危機が起こると私は見ている。その時に大事なのが食料自給率だが、種苗法改定などは外国企業に種苗の独占権を与える目的のもので、食料安保の根幹を危険にさらすものである。
種苗法改悪以外にも、医療への米国保険会社の参入、つまり「健康保険制度」の骨抜き化なども企図されているようだ。となれば、米国の今回のコロナ悲劇(大量死)は、明日の日本の姿になるわけである。
これが今、水面下で進行している「見えない侵略」である。
(以下引用)
◆https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/17054
長周新聞 2020年5月7日
◎「COVID19が問う 貿易・食料問題ー
日本と世界の農業、自由貿易協定の行方は?」
アジア太平洋資料センター(PARC) が 公開講座
より抜粋、
自由貿易の問題点について 警鐘を鳴らしてきた
アジア太平洋資料センター(PARC)が 5月1日、
「COVID―19が問う 貿易・食料問題 ―
日本と世界の農業、自由貿易協定の行方は?」と題して
オンライン公開講座を開催した。
新型コロナ感染防止のため、ウェブ会議システム
「Zoom」(オンライン上での複数人同時配信)
でおこなわれた講座では、PARC共同代表の 内田聖子、
東京大学教授の鈴木宣弘の2氏が 講演した。
日本国内では ほとんど報道されていない新型コロナウイルス拡大
の下での 貿易措置の世界的動向や 食料危機の可能性について
データに基づいて認識を共有し、
食料自給率が低い日本が それにどのように対処するべきかについて
問題提起をおこなった(掲載する図表は内田氏による作成・提供)。
(中略)
☆両氏が対談 食料主権を守る 政策を
両氏は、日本の食をめぐって 今後予測される動向について
論議した。 以下、概略を紹介する。
内田 これまで日本は 外側では自由貿易を推進し、
国内には安い肉を流通させてきた。
“国民が喜ぶだろう”という一方で、神戸牛など付加価値の高い牛肉は
海外の富裕層向けに輸出したり、インバウンドでくる観光客向けに
販売するという二極化が進んできた。
それがコロナ危機で 輸出や インバウンドが途絶え、
高級肉の行き先がなくなっっている。
鈴木 良質な国産の需要を支えているのが、
高級レストランやインバウンドだったが、
それは非常に限られた市場だった。
今は在庫が積み上がっている。
この状態を見直して、国民全体にそれなりにいいものを
提供するという役割を果たしたうえで、
輸出について考えるべきであり、
どこをみて仕事をするのかを考え直す機会にしなければならない。
内田 供給先を失った国内農産物について、日本政府は個人に消費を呼びかけて
いるが、それでは足りない。韓国では、給食に有機農産物を使っている学校
も多いが、これが休校でストップした。
そこで自治体が農産物を買いとって、家庭にいる子どもたちに
直接配る政策をやっている。日本でも国がもっと積極的に
買いとって配るなどの措置をすべきだ。
鈴木 諸外国では、生産者側にも消費者側にも還元されるように
具体的にやっている。 日本は呼びかけるだけで、
それにともなう財政措置がない。
危機のさいには 機動的に財政出動する必要があるのに、
出し渋っている。 今回の補正予算も真水(政府の支出)がほとんどない。
農業予算も、TPP対策や 日米貿易協定の国内向け対策費に
3000億円というが、農家が困っているときにその差額を補てんする
ところには 100億円くらいしか行かない。
手続きが煩雑なうえに、予算が分散化し、ダイレクトに役に立つ
ものが出てこない。 農水省に「予算を有効に」というと
「うちではなく財務省が悪い」という。
いろんな条件をつけて 出さないようにしているのだ。
結局、予算を使い勝手が悪いものにして
戻ってくるようにしている。
東北被災地の復興予算と同じだ。
参加者の質問 食料自給率を上げることは一国主義に陥り、
農産物を生産する 途上国の経済に影響を与えないか?
鈴木 日本だけは 例外的に少ないが、先進国はかなりの予算をかけて
食料の国産化を推進している。
確かに途上国では、農産物の輸出で外貨収入の大部分を得ている国もある。
そのような国の経済にはマイナス面があるだろうが、
一方で、米国が関税を撤廃させて 自国で食料をつくらなくなったハイチ
などの国では、食料危機で 飢饉による死者が出ている。
カロリー(穀物)については、それぞれの国が自給する方が、
途上国の食料安全保障にとっても 必要なことだ。
途上国の輸出農産物は、果物やコーヒー豆など
付加価値の高い商品作物が多い。
例えば東南アジアや南米原産のコーヒー豆などは、
他国と競合することはない。
むしろ ネスレ などのグローバル食品企業が買い叩くわけだ。
途上国の経済を守るためには、こういうことにこそ
メスを入れる必要がある。
内田 一番の食料難が懸念されるのは途上国だ。
FAOも指摘しているが、そもそも圧倒的な貧困があり、
水や医療が保障されず、今後はイナゴの大群や他の感染症の問題もあり、
COVID対策だけをやっておれない というのが現状だろう。
そのうえで輸入に依存しているという構造上の問題を
解決しなければいけない。単純に先進国とは比較できないこともある。
日本では現在、種の自家採取を禁止する ことを含む
種苗法改定 の国会審議が 連休明けに迫っている。
これがどのような問題を持ち、自給率にどのように関係するだろうか。
鈴木 日本の野菜の自給率は 80%といわれるが、
種子の 9割は 外国の圃場で生産されている。
種まで遡って考えると野菜の自給率は 8%になってしまう。
だが、種苗法改定によって 公共種子や農民種子を
企業の特許種子に置き換え、コメ、麦、大豆の種までも
グローバル種子企業が握る 可能性が出てくる。
苗法については、農水省自体は 日本の種苗が海外で
勝手に複製されることを抑止する という考え方でやっている。
担当部局は誠意をもってやっているが、
もっと上の方で 別目的が動いている。
種子法廃止とセットで、「試験研究機関 及び 都道府県が有する
種苗の生産に関する知見の 民間事業者への提供を促進する」
という 農業協力強化支援法八条4項を 定めて
「公共の種」をなくして差し上げ、
種苗法の改定で 農家の自家採種を禁止し、
種をグローバル種子企業から 買わなければならないものにする。
南米で吹き荒れた「モンサント法」とまったく同じ方向に
動かされてしまっている。
本来誰のものでもない種子を、
一握りの育成者の 「知的財産権」として登録し、
その権利を独占させるものだ。
「登録品種はわずかだから 大丈夫」という議論もあるが、
そこでもうけようとするグローバル種子企業は、
在来種などの非登録品種 を勝手に登録して
自分たちのものにしていくインセンティブが働く。
「登録品種であっても 許諾を受けるなら使える」
という論調もあるが、農研機構(農水省所管の独立行政法人)
がもっていた権限をグローバル企業に渡しなさい
といっているわけだから、農研機構も 海外から人が入ってきて
公的機関とはいえない状態になって行く。
だから「大丈夫だ」という議論は成立しない。
営利企業の恣意的な判断が動き、いろんな形で影響が出てくる。
内田 なぜ今そこまで 知財を強化するのか という合理的な説明がない。
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の協議のなかでも、
日本が 育成者権 という種の所有権を強化しようとしている
ことが警戒されている。アジアでの互恵的な関係をつくっていく
うえでも、先進国が知財を強化することは受け入れられない。
第1ラウンドを終えた日米貿易交渉(FTA)の 第2ラウンドの行方も
懸念される。1月に発効した協定は基本的には物品に限ったもので、
農業の分野で譲歩をしているわけだが、
さらに広い分野を対象にした交渉がおこなわれることが予想される。
鈴木 「4カ月後に 協議開始」の通りであれば、
すでに始まるところだが、コロナ・ショックで延期になっている。
トランプ大統領としては、大統領選前に とるべきものはとった
という状態かもしれないが、米国全体としては
TPPで USTR(米国通商代表部)が示した
22項目すべて を狙っている。
それぞれの企業が狙っている。
農産物でも先送りになった コメや乳製品の枠など
前回はやらなかったものが 33品目残っている。
食の安全基準でも、BSEでは 米国に対して全面的に条件撤廃している。
BSEの月齢制限だけでなく、発がん性が高い防カビ剤「イマザリル」も、
日米レモン戦争(1975年に米国産輸入レモンから
防カビ剤が多量に検出され、日本側が海洋投棄したことに米国側が激怒。
自動車輸出を制限した事件)以後、
日本はイマザリルを農薬ではなく「食品添加物」に分類して
検査基準を緩和した。それでも米国は表示されることに怒り、
食品添加物の表示義務そのものをやめさせろといっている。
この安全基準も農薬や添加物についても 項目が出てくるだろう。
医療分野も心配だ。薬価が不当に釣り上げられ、
一部の医薬品企業が ジェネリック(後発医薬品)の権利を独占する
ことが予想される。
本丸は国民健康保険だ。
医療・保険の企業チェーンが日本に進出するというのが
米国の究極目標だ。
どこまで進むのかを考えたときに、
コロナ・ショックで米国の医療が どれだけたいへんな状況であったかが
顕在化している。国民皆保険がないため、無保険者が多く、
高額の医療費を支払えず、治療どころか検査も受けられないまま
たくさんの人が亡くなっている。
日本もすでに国内医療が 効率主義で苦しめられているが、
これ以上、日米間でこれを進めては 絶対にいけない
という思いを強くしている。
内田 また現在、COVID―19のワクチンや 治療薬の開発をめぐり、
世界の企業が争って研究開発をしている。
これは必要なので開発が急がれることではあるが、
これが企業特許となって、グローバル製薬会社が丸抱えし、
高値で売りつける可能性がある。
これにWTOのルールの下で強い保護が与えられたら、
それにアクセスできる人や国は限られてくる。
この世界的パンデミックに対して、
開発国の権利は保護されるべきだが、
薬があるのに手に入らずに死んでいくことが危惧される。
エイズのときの 二の舞になりかねない。
とくに途上国に対しては特例的な措置をすべきだ。
また、FTAなどの貿易協定に含まれるISDS条項
(日本ではTPPのみに含まれる)は、
投資国の法律改定などで利益が損なわれた場合に、
外国企業や投資家が相手国政府を提訴できる制度だが、
今回のCOVID感染対策として各国がおこなった
ロックダウンなどの緊急措置によって
企業活動が制限されたとして、外国企業側がそれらの国を
提訴することが予想される。
欧州では、すでに損害賠償を求める準備を進めている企業もあるようだ。
COVID下の各国の輸出制限に対する報復措置についても、
WTOやRCEPではテレビ会議での交渉会合が予定されている。
この動きが進めば、公衆の衛生を守るという権利さえも、
私企業の利益のために歪められてしまう恐れがある。 -
安倍総理の会見全文は、きちんと読んではいないが、「証拠」として保存しておく。
緊急事態宣言が解除されないのは
東京、神奈川、千葉、埼玉、
大阪、京都、兵庫、
北海道
の一都一道二府四県であるようだ。
(以下引用)緊急事態宣言、39県で解除。「新たな日常のスタート」
2020年5月14日 18:26
安倍総理は14日、39県における緊急事態宣言の解除を発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため重点的に対応している13の「特定警戒都道府県」でも、茨城、岐阜、愛知、石川、福岡の5県は解除となる。東京と神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、北海道は引き続き緊急事態宣言の対象地域で、外出自粛が要請される。
緊急事態宣言は、47都道府県を対象に5月31日までを期限に発令されたが、14日を目処に感染が減ってきた地域では見直すと予告していた。新規感染者が減ってきた県を中心に、14日付けで宣言が解除される。
あわせて、宣言を解除する基準も示しており、「感染数」「医療提供体制」「監視体制」の3点から総合的に判断し、「直近1週間で10万人あたりの累積感染者が0.5人以下」が目安。東京都の人口約1,400万人に当てはめると、1週間で70人以下(1日10人以下)となる。
また5月21日を目処に、再び宣言の範囲を見直し予定。安倍首相は、「可能であれば31日を待たずに解除したい」とし、39県の緊急事態宣言解除について「コロナの時代の新たな日常を取り戻していく。今日はその本格的なスタートの日」と言及。段階的に、活動を再開していく方針を示した。
なお、海外ではロックダウン解除後に、再度の感染拡大が起きた事例もあるため、引き続きのテレワークや電話で済ませられる要件は電話でなど、段階的な活動再開を要望した。
また、飲食店、百貨店や商店街、劇場や映画館、ホテルなど、80以上の業界ごとに感染予防のガイドラインを策定。「現場で働く人を感染から守るための指針」として、協力を呼びかけた。
【安倍総理冒頭発言】
本日、関東の1都3県、関西の2府1県、そして北海道を除く39県について、緊急事態宣言を解除することといたしました。
その判断については、今回、専門家の皆様の御協力を得て、感染の状況、医療提供体制、監視体制の3つについて、具体的な数値なども含め、解除の客観的な基準を策定いたしました。
2週間前と1週間前を比べ、新規の感染が減少傾向にあること。直近1週間の合計で10万人当たり0.5人以下に抑えられていること。さらには、感染経路が分からない感染者の発生状況など、総合的に判断することといたしました。
そして、こうした基準に照らし、39県については、いずれも、今後、徹底的なクラスター対策を講ずることで、感染拡大を防止できるレベルにまで抑え込むことができたと判断いたしました。重症者も減少するなど、医療提供体制も改善しており、検査システムも新規感染者の動向を適切に判断する上で、十分に機能していると考えます。
こうした評価について、尾身会長を始め、諮問委員会の専門家の皆さんの賛同を得て、今月末までの期限を前倒しして、本日付で39県の緊急事態宣言を解除することといたしました。この後の政府対策本部において決定いたします。
残りの8都道府県では、感染者数の大きな減少に加え、人工呼吸器が必要となる重症者も、東京や大阪ではピーク時の6割ぐらいまで減少していますが、まだリスクが残っていると考えます。引き続き気を緩めることなく、外出自粛などに御協力をお願いいたします。地方への移動も控えていただきたいと思います。
1週間後の21日をめどに、もう一度、専門家の皆さんに、その時点で今回決定した解除基準に照らして評価いただき、可能であれば、31日を待つことなく、解除する考えです。
医療従事者の皆さんの献身的な御努力に対しまして、改めて敬意を表します。懸命な治療によって、退院などで感染症から快復した方は、累計で1万人を超えました。ひっ迫した医療現場の状況も、全体として改善傾向にあります。
一時、700人近くまで増加した全国の新規感染者は、このところ毎日、100人を下回る水準で推移しています。この1か月で7分の1以下に減少しました。全ては、徹底的な外出自粛などの要請に御協力してくださった国民の皆様一人一人の行動の結果であります。改めて、心より感謝申し上げます。
そして、多くの地域における緊急事態宣言の解除によって、ここから、コロナの時代の新たな日常を取り戻していく。今日は、その本格的なスタートの日であります。
レストランなどの飲食店、百貨店や商店街、各種の商店、映画館、劇場、博物館や美術館などの文化施設、公共交通機関、さらにはホテルや旅館、80を超える業界ごとに、専門家の助言の下、本日、感染予防のためのガイドラインが策定されました。これは、現場で働く皆さんを感染リスクから守るための指針であり、そして、消費者の皆さんに安心してそれぞれのサービスや施設を利用いただくための指針でもあります。解除された地域を中心に、事業者の皆様にはこのガイドラインを参考に、事業活動を本格化していただきたい。新たな日常を共につくり上げていきたいと考えます。
しかし、どんなガイドラインも感染リスクをゼロにすることはできません。緊急事態が解除された後も、私たちの身の周りにウイルスは確実に存在します。
北海道では、2月下旬に独自の緊急事態宣言を出し、感染者を大きく減少させることに成功しました。しかし、3月半ばの解除後、2、3週間たったころから感染者が再び拡大傾向となりました。ドイツでも、行動制限を緩めた直後、感染者が増加に転じ、再びロックダウンをせざるを得なくなった地域があります。当初、抑え込みに成功したと言われたシンガポールでも、感染者が大きく増えました。韓国でも、先週、ナイトクラブで集団感染が発生したというニュースを御覧になった方も多いと思います。
気を緩めた途端、一気に感染が広がっていく。全てをかつてに戻した途端、あっという間に感染が拡大する。これがこのウイルスの最も怖いところです。これまでの努力を無駄にしないために、解除された地域の皆さんに3つのお願いがあります。
第一は、少しずつ段階的にということです。解除された地域の皆さんに、もはや外出自粛はお願いいたしません。それでも、最初は人との面会は避ける、電話で済むものは済ませるなど、人との接触をできる限り減らす努力は続けていただきたいと思います。解除された地域の中でも、県をまたいだ移動については、少なくとも今月中は、可能な限り控えていただきたい。段階的に日常の暮らしを取り戻していただくようお願いいたします。
第二は、前向きな変化はできるだけこれからも続けてほしいということであります。オフィスの仕事については、多くの皆さんの御協力によって、この1か月でテレワークが普及しました。改善すべきは改善しながら、この前向きな変化を今後も継続していただきたい。時差通勤などの取組も、混雑を避ける上で有効であり、是非これからも続けていただきたいと考えています。
第三は、日常のあらゆる場面でウイルスへの警戒を怠らないでいただきたいということです。こまめな手洗いを心がけていただくことはもとより、常に人と人の距離を十分に取り、密集は避ける。外出するときは必ずマスクを着用し、他の人との密接はできるだけ避ける。屋内より屋外で、密閉は避ける。専門家の皆さんが取りまとめた新しい生活様式も参考に、3つの密を生活のあらゆる場面で避けていただきたいと考えています。特に3つの密が濃厚な形で重なる夜の繁華街の接待を伴う飲食店、バーやナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスへの出入りは、今後とも控えていただきますようにお願いいたします。いずれもこれまで集団感染が確認された場所であり、身を守るための行動を重ねてお願いいたします。
社会経済活動を本格的に回復させる一方で、同時に、このウイルスの感染拡大を抑え込んでいく。これほど難しい作業はありません。これまで以上にお一人お一人の御協力が必要となります。ウイルスとの暮らし、ウイルスが身の周りにいることを前提に、その感染リスクをできる限りコントロールしながら、いつもの仕事、日々の暮らしを取り戻す。新たな日常を、しっかりと時間をかけ、ある程度の試行錯誤も重ねながら、確立していく必要があります。
世界中、どこにもまだ、こうすれば大丈夫という正解はありません。長い道のりも覚悟する必要があります。だとすれば、その間も私たちの雇用と暮らしは何としても守り抜いていかなければなりません。新たな日常への道のりを国民の皆様と共に、一歩一歩前進していく。そのためには、もう一段の強力な対策が必要である。そう判断いたしました。
先般の事業規模117兆円の補正予算を強化するため、政府として直ちに2次補正予算の編成に着手いたします。この後の政府対策本部で指示いたします。休業を余儀なくされている皆さんの暮らしを守るため、雇用調整助成金を抜本的に拡充します。1日8,000円余りが上限となっていた助成額を、世界で最も手厚いレベルの1日1万5,000円まで特例的に引き上げます。さらに、雇用されている方が直接申請することができ、そして、直接お金を受け取れる、新たな制度を創設いたします。
世界的な感染の広がりには、全く終わりが見えません。世界経済がリーマンショックとは比較にならない、正に100年に1度の危機を迎えています。世界的な大企業すら大きなダメージを受けています。そうした中で、連鎖倒産という事態は絶対に防がなければなりません。大企業から中堅・中小企業に至るまで、資金繰り支援の更なる充実に加え、必要があれば機動的に十分な規模の資本性の資金を投入することも可能とし、事業の存続を強力に下支えします。
中小・小規模事業者の皆様には、使い道が全く自由な現金を最大200万円お届けする持続化給付金の受付を今月1日から開始しています。手続を徹底的に簡素化し、1週間後から入金をスタートしました。この1週間だけで8万件余りの中小企業・個人事業主の皆さんに、合計1,000億円を超える現金をお届けしています。月末の資金繰りを乗り越えていただくため、実質無利子、元本返済最大5年据置きの融資を実行していくことと併せ、一層加速していきます。
その上で、感染症の影響が長期化していることも踏まえ、家賃負担を軽減するための給付金も新たに創設いたします。さらには、感染防止措置など、次なる事業展開を応援する最大150万円の補助金など、あらゆる手を尽くして、地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんの事業継続を力強く後押ししていきます。
自治体による感染症対策を支援する交付金も大きく拡充します。自治体と緊密に連携しながら、次なる流行の波をできる限り起こさないように、そして、仮に起きたとしても、その波をできる限り小さくするように、万全の備えを固めていきます。
医師が必要と判断した場合には、直ちに検査を実施していく。昨日、薬事承認した抗原検査キットはその大きな武器となるものです。抗原検査は多くの皆さんが病院で受けたことがあるインフルエンザの検査と同じ仕組みです。最大6時間を要するPCR検査と異なり、わずか30分ほどで結果が分かるため、医療現場で簡便に陽性判定を行うことができます。ウイルスが多い場合にはPCR検査と同等の検出感度があります。感染力の高い人を早期に見つけることで感染拡大の防止に大きな効果が期待できます。
来月には1日当たり2万人から3万人分の検査キットを供給できる見込みであり、従来のPCR検査と組み合わせながら、量においても、スピードにおいても、検査体制を強化していきます。
PCR検査についても唾液を使った検査の実用化を加速します。鼻の奥から検体を採取するこれまでのやり方と比べ、検査に従事する皆さんの感染リスクを大きく軽減し、検査件数の増大にも寄与すると考えます。あらゆる手を尽くして、医師が必要と判断した皆さんにスムーズに検査を実施する体制を整えることで、市中感染の広がりをできる限り抑えていきたいと考えています。
重症者への治療薬として承認したレムデシビルは国内の重症者治療に必要な量を確保し、医療機関における投与が始まっています。アビガンについても有効性が確認されれば、今月中の承認を目指します。さらには、フサン、アクテムラ、イベルメクチン、いずれも日本が見いだした薬です。別の病気への治療薬として、副作用なども判明し、それを踏まえて処方すれば、安全性は確認されています。既に臨床研究や治験を進めていますが、この感染症への有効性が確認され次第、早期の薬事承認を目指す考えです。それぞれの薬の長所が異なることから、これらをうまく組み合わせることで、更なる治療効果も期待できます。感染爆発を起こすことのないよう、流行の波をできる限り小さくし、また、後ろに遅らせる中で、有効な治療法を一日も早く確立したいと考えています。
次なる流行のおそれは常にあります。新たな日常に向かって社会経済活動を本格化することは、当然そのリスクを高めます。皆さんお一人お一人が十分な警戒を怠れば、1週間後の未来は予断を許しません。感染者の増加スピードが高まってくれば、残念ながら、2度目の緊急事態宣言もあり得る。今回はその判断に当たっての考え方もお示ししています。しかし、国民の皆様の御協力があれば、そうした事態は回避できます。
2月下旬、学校の一斉休校、大規模イベントの自粛をお願いいたしました。国民の皆様には大変な御負担をおかけいたしましたが、結果として、私たちは中国からの第一波の流行を抑え込むことができた。国立感染症研究所のゲノム分析によれば、そう推測されています。国民の皆様の御協力に感謝申し上げます。
そして、この1か月余りの皆様の努力によって、私たちは欧米経由の第二波も抑え込みつつある。そして、我が国の人口当たりの感染者数や死亡者数は、G7、主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができている。これは数字上明らかな客観的事実です。
全ては国民の皆様の御協力の結果であります。大変な御苦労をおかけしております。長期にわたって生活の制約の多い暮らしが続く中で大きなストレスもたまっておられると思います。ただ、私たちのこれまでの取組は確実に成果を上げています。今、また感染拡大を予防しながら、同時に社会経済活動を本格的に回復させていく。新たな日常をつくり上げるという極めて困難なチャレンジに踏み出します。しかし、このチャレンジも国民の皆様の御協力があれば、必ず乗り越えることができる。私はそう確信しております。
私からは以上であります。
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「阿修羅」から転載。素晴らしい記事である。
長文なので私の前説(無駄口)は省略。
(以下引用)
宣言解除後が本当の地獄 この業界・業種はもうダメなのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273155
2020/05/14 日刊ゲンダイ ※タイトルは紙面による
また原稿朗読会(安倍首相)/(C)共同通信社
本当の地獄はこれからだ。
政府は13日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言について、39県で解除する方針を固めた。「特定警戒都道府県」以外の34県に加えて、「特定警戒」に指定した茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5県でも解除する。
宣言延長から1週間の14日、専門家会議を開いて各地の状況を分析した後、諮問委員会に諮り、了承を得られれば、衆参両院の議院運営委員会で報告。宣言の一部解除を決定し、例によって午後6時から安倍首相が会見、プロンプターの原稿を棒読みするセレモニーが行われる予定だ。
特定警戒都道府県のうち、今後も緊急事態を維持するのは北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の8都道府県だが、これも21日をメドに中間評価を行い、先行解除の可否を再検討するという。宣言延長の期限となる31日までに、再延長か全面解除かを判断する。
「とにかく、早く通常運転に戻して経済を回したいということでしょう。しかし、そう簡単な話ではない。緊急事態宣言が解除されたからといって、以前のような生活や経済活動が戻ってこないことは明らかです。今後も感染リスクがある以上、不要不急の外出を避け、他県への移動も制限する方向に変わりはありません。緊急事態宣言下で多くの国民が息をひそめて生活してきたのに、1カ月の辛抱で元の生活に戻れるという淡い期待はものの見事に裏切られてしまった。内部留保がほとんどない中小企業が手持ち資金でしのげるのも、せいぜい2カ月。今月末で力尽きてしまいます。政府が打ち出した中小企業対策はスピードがない上、中身もショボくて、この間なんとか踏ん張ってきた企業が、緊急事態宣言の解除後にバタバタと倒れることになりかねません」(経済評論家・斎藤満氏)
コロナ関連の倒産だけで143件
東京商工リサーチによると、2月からの新型コロナ関連の経営破綻は13日までに全国で累計143件に達した。東京都が32件、北海道と大阪府が各13件、静岡県7件と続き、緊急事態宣言の「特定警戒都道府県」とその隣県で倒産が増えている。
業種別では宿泊業が最多で、緊急事態宣言で臨時休業が広がる飲食業が続き、外出自粛の影響でアパレル関連などBtoC関連業種の経営破綻も上位に並ぶ。
問題は、この倒産ラッシュが緊急事態宣言の期間だけで終わらないことだ。むしろ、一層の増加が懸念されている。
あらゆる業界に打撃(C)日刊ゲンダイ
「マスク着用が当たり前になり、外出の機会も減ったことで、化粧品業界も売り上げが激減している。インバウンド消失に加え、国内旅行や出張の自粛も当面は続くでしょうから、ホテルなどの宿泊業や旅行業も厳しい局面が続きます。それは百貨店業界も同じで、人足が戻ってくる気配は感じられません。鉄道各社も、例年は定期券購入で安定した前払い需要が見込める新年度の4月に収入が激減し、今後もテレワークが定着すれば回復は難しい。機材の停留料だけで莫大な経費が掛かる航空業界も、いつまで持ちこたえられるか分かりません。コロナ前とコロナ後で生活スタイルが一変し、それがいつまで続くかも分からない。経済にとって、これはリーマン・ショック以上のインパクトです」(経済ジャーナリスト・重道武司氏)
東京商工リサーチの「倒産月報」によると、4月度の全国の企業倒産(負債額1000万円以上)は743件に上る。経済全体が停滞しているのだから、直接コロナと関連がなくても、倒れる企業は後を絶たない。年内のV字回復という絵空事に補正予算傾斜の愚策
「2019年9月から、企業倒産件数は8カ月連続で前年同月を上回っていました。もともと業績が悪く、なんとかギリギリで持ちこたえていた企業にとって、今回の自粛要請がトドメになった可能性がある。政府の対策も基本は給付ではなく融資なので、今後の経済停滞を考えたら、返済のアテもない。あきらめて店を畳んでしまったケースも少なくありません。倒産には計上されませんが、先行きを見通せずに事業継続を断念し、廃業を決断する中小零細企業が続出するでしょう」(東京商工リサーチ情報本部)
世界のトヨタ自動車でさえ、12日に発表した21年3月期連結決算(国際会計基準)の業績予想は、営業利益が前期比79・5%減の5000億円と大幅な減益の見通し。しかも、コロナ終息がまったく予見できない現状では、最終(当期)利益は算定が困難として「未定」だ。三井住友銀行と三菱UFJ銀行に計1兆円融資枠設定を要請したことも判明している。
内部留保をたんまりため込み、輸出戻し金の恩恵まである大企業がこれでは、中小企業の惨状は推して知るべしだ。緊急事態宣言が解除されたから、休業要請もしないし協力金も払わないと見殺しにされかねない。
このウイルスが厄介なのは、無症状や軽症の感染者が多く、緊急事態の解除で行動制限が緩和されれば、活動再開が再び感染リスクを高めることである。
実際、中国の武漢や韓国、シンガポールなどでは、いったんは抑え込みに成功したかに見えたコロナ感染の再拡大が懸念され始めた。
過去のパンデミックでも、第2波、第3波が広がることは避けられなかった。
100年前のスペイン風邪は第2波の方が被害が大きかったのだ。
いずれにしろ長期戦を覚悟
専門家会議の尾身副座長は11日の参院予算委で、国内の実際の感染者数は検査で確定した人数の「10倍か15倍か、20倍かというのは誰にも分からない」と言っていた。安倍も「PCR検査で確定している感染者数よりも多いと考えているが、確たることは言えない」と答弁。
“敵”の実態が分からなければ、効果的な対策は打ちようがない。ウイルスとの闘いは白旗で、もう共存するしかないのが現実だろう。
「第2波、第3波の不安があり、『新指針』でソーシャルディスタンスを守ることが求められるから、しばらく大人数での宴会もできないし、できる限り外食も避けることになるでしょう。飲食業界に客が戻ってくるのは何年先か分からない。コンサートやスポーツイベントなどの集客ビジネスも、ビジネスとして成り立たなくなります。一時しのぎの緊急事態宣言でゴールデンウイークさえ乗り切れば何とかなると思っていた観光業も、夏休みまでダメとなったら持ちこたえられない。政府の対応はあまりに遅く、給付金が届いた頃には死屍累々になりかねない。つなぎ融資で何とかなるレベルではないのに、危機意識が足りません。与党は補正予算の半分を感染収束後の“V字回復フェーズ”に割き、『Go To Travel』『Go To Eat』などの需要喚起キャンペーンに充てていますが、平時モードの発想に終始していて呆れます。年内のV字回復なんてあるわけないでしょう。旅行券を使えるのは何年後か分からない。コロナで世界は一変したのです。それなのに、頭の切り替えができない政府に任せていたら、日本経済は確実に崩壊してしまいます」(斎藤満氏=前出)
国民の約7割が感染して集団免疫を獲得する、あるいはワクチンが行き渡るまで1年か2年か。いずれにしろ、長期戦を覚悟する必要がある。未曽有の経済混乱は避けられない。この国難を保身しか頭にない無能な首相で乗り切れるのか。今こそ危機に対応できるリーダーに代えるしか、日本が生き延びる道はないのではないか。 -
実に素晴らしい文章であり、近来稀に見る、明晰そのもので非の打ちようがなく、論理が見事に貫徹した内容だ。この論理を覆すことは不可能だろう。文章内の主張の法的根拠も明確そのもので、後は、日本語も論理も倫理も幼児レベルの自公維政権とその支持者たちが、この文章を読んで理解できるかどうかだ。
これでもなお検察庁法改正(改悪)を進めるなら、「自分たちは法を犯す犯罪人たちである」ということを認めた上での行動だとなる。つまり、「自分は人を殺します」と宣言してから殺人をするのと同じであり、どのような弁護も不可能だろう。
(以下引用)【意見書全文】首相は「朕は国家」のルイ14世を彷彿
[PR]検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長(77)ら検察OBが15日、法務省に提出した意見書の全文は次の通り。
◇
東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書
1 東京高検検事長黒川弘務氏は、本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であったが、直前の1月31日、その定年を8月7日まで半年間延長する閣議決定が行われ、同氏は定年を過ぎて今なお現職に止(とど)まっている。
検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳とされており(同法22条)、定年延長を可能とする規定はない。従って検察官の定年を延長するためには検察庁法を改正するしかない。しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長を決定した。これは内閣が現検事総長稲田伸夫氏の後任として黒川氏を予定しており、そのために稲田氏を遅くとも総長の通例の在職期間である2年が終了する8月初旬までに勇退させてその後任に黒川氏を充てるための措置だというのがもっぱらの観測である。一説によると、本年4月20日に京都で開催される予定であった国連犯罪防止刑事司法会議で開催国を代表して稲田氏が開会の演説を行うことを花道として稲田氏が勇退し黒川氏が引き継ぐという筋書きであったが、新型コロナウイルスの流行を理由に会議が中止されたためにこの筋書きは消えたとも言われている。
いずれにせよ、この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない。この点については、日弁連会長以下全国35を超える弁護士会の会長が反対声明を出したが、内閣はこの閣議決定を撤回せず、黒川氏の定年を超えての留任という異常な状態が現在も続いている。
2 一般の国家公務員については、一定の要件の下に定年延長が認められており(国家公務員法81条の3)、内閣はこれを根拠に黒川氏の定年延長を閣議決定したものであるが、検察庁法は国家公務員に対する通則である国家公務員法に対して特別法の関係にある。従って「特別法は一般法に優先する」との法理に従い、検察庁法に規定がないものについては通則としての国家公務員法が適用されるが、検察庁法に規定があるものについては同法が優先適用される。定年に関しては検察庁法に規定があるので、国家公務員法の定年関係規定は検察官には適用されない。これは従来の政府の見解でもあった。例えば昭和56年(1981年)4月28日、衆議院内閣委員会において所管の人事院事務総局斧任用局長は、「検察官には国家公務員法の定年延長規定は適用されない」旨明言しており、これに反する運用はこれまで1回も行われて来なかった。すなわちこの解釈と運用が定着している。
検察官は起訴不起訴の決定権すなわち公訴権を独占し、併せて捜査権も有する。捜査権の範囲は広く、政財界の不正事犯も当然捜査の対象となる。捜査権をもつ公訴官としてその責任は広く重い。時の政権の圧力によって起訴に値する事件が不起訴とされたり、起訴に値しないような事件が起訴されるような事態が発生するようなことがあれば日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊することになりかねない。検察官の責務は極めて重大であり、検察官は自ら捜査によって収集した証拠等の資料に基づいて起訴すべき事件か否かを判定する役割を担っている。その意味で検察官は準司法官とも言われ、司法の前衛たる役割を担っていると言える。
こうした検察官の責任の特殊性、重大性から一般の国家公務員を対象とした国家公務員法とは別に検察庁法という特別法を制定し、例えば検察官は検察官適格審査会によらなければその意に反して罷免(ひめん)されない(検察庁法23条)などの身分保障規定を設けている。検察官も一般の国家公務員であるから国家公務員法が適用されるというような皮相的な解釈は成り立たないのである。
3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。
時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。
ところで仮に安倍総理の解釈のように国家公務員法による定年延長規定が検察官にも適用されると解釈しても、同法81条の3に規定する「その職員の職務の特殊性またはその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分の理由があるとき」という定年延長の要件に該当しないことは明らかである。
加えて人事院規則11―8第7条には「勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の1に該当するときに行うことができる」として、①職務が高度の専門的な知識、熟練した技能または豊富な経験を必要とするものであるため後任を容易に得ることができないとき、②勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき、③業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき、という場合を定年延長の要件に挙げている。
これは要するに、余人をもって代えがたいということであって、現在であれば新型コロナウイルスの流行を収束させるために必死に調査研究を続けている専門家チームのリーダーで後継者がすぐには見付からないというような場合が想定される。
現在、検察には黒川氏でなければ対応できないというほどの事案が係属しているのかどうか。引き合いに出されるゴーン被告逃亡事件についても黒川氏でなければ、言い換えれば後任の検事長では解決できないという特別な理由があるのであろうか。法律によって厳然と決められている役職定年を延長してまで検事長に留任させるべき法律上の要件に合致する理由は認め難い。
4 4月16日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案と抱き合わせる形で検察官の定年も63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案が衆議院本会議で審議入りした。野党側が前記閣議決定の撤回を求めたのに対し菅義偉官房長官は必要なしと突っぱねて既に閣議決定した黒川氏の定年延長を維持する方針を示した。こうして同氏の定年延長問題の決着が着かないまま検察庁法改正案の審議が開始されたのである。
この改正案中重要な問題点は、検事長を含む上級検察官の役職定年延長に関する改正についてである。すなわち同改正案には「内閣は(中略)年齢が63年に達した次長検事または検事長について、当該次長検事または検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事または検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるときは、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる(後略)」と記載されている。
難解な条文であるが、要するに次長検事および検事長は63歳の職務定年に達しても内閣が必要と認める一定の理由があれば1年以内の範囲で定年延長ができるということである。
注意すべきは、この規定は内閣の裁量で次長検事および検事長の定年延長が可能とする内容であり、前記の閣僚会議によって黒川検事長の定年延長を決定した違法な決議を後追いで容認しようとするものである。これまで政界と検察との両者間には検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例があり、その慣例がきちんと守られてきた。これは「検察を政治の影響から切りはなすための知恵」とされている(元検事総長伊藤栄樹著「だまされる検事」)。検察庁法は、組織の長に事故があるときまたは欠けたときに備えて臨時職務代行の制度(同法13条)を設けており、定年延長によって対応することは毫(ごう)も想定していなかったし、これからも同様であろうと思われる。
今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図していると考えられる。
5 かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった。
振り返ると、昭和51年(1976年)2月5日、某紙夕刊1面トップに「ロッキード社がワイロ商法 エアバスにからみ48億円 児玉誉士夫氏に21億円 日本政府にも流れる」との記事が掲載され、翌日から新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた。
当時特捜部にいた若手検事の間では、この降って湧いたような事件に対して、特捜部として必ず捜査に着手するという積極派や、着手すると言っても贈賄の被疑者は国外在住のロッキード社の幹部が中心だし、証拠もほとんど海外にある、いくら特捜部でも手が届かないのではないかという懐疑派、苦労して捜査しても造船疑獄事件のように指揮権発動でおしまいだという悲観派が入り乱れていた。
事件の第一報が掲載されてから13日後の2月18日検察首脳会議が開かれ、席上、東京高検検事長の神谷尚男氏が「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言したことが報道されるやロッキード世代は歓喜した。後日談だが事件終了後しばらくして若手検事何名かで神谷氏のご自宅にお邪魔したときにこの発言をされた時の神谷氏の心境を聞いた。「(八方塞がりの中で)進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないではないか」という答えであった。
この神谷検事長の国民信頼発言でロッキード事件の方針が決定し、あとは田中角栄氏ら政財界の大物逮捕に至るご存じの展開となった。時の検事総長は布施健氏、法務大臣は稲葉修氏、法務事務次官は塩野宜慶(やすよし)(後に最高裁判事)、内閣総理大臣は三木武夫氏であった。
特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯(おび)えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在であった。
国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯(たて)に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。
しかし検察の歴史には、捜査幹部が押収資料を改ざんするという天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった。後輩たちがこの事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。それが今回のように政治権力につけ込まれる隙を与えてしまったのではないかとの懸念もある。検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。
しかしながら、検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘(せいちゅう)を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。
正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない。
黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きであり、ロッキード世代として看過し得ないものである。関係者がこの検察庁法改正の問題を賢察され、内閣が潔くこの改正法案中、検察幹部の定年延長を認める規定は撤回することを期待し、あくまで維持するというのであれば、与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない。
【追記】この意見書は、本来は広く心ある元検察官多数に呼びかけて協議を重ねてまとめ上げるべきところ、既に問題の検察庁法一部改正法案が国会に提出され審議が開始されるという差し迫った状況下にあり、意見のとりまとめに当たる私(清水勇男)は既に85歳の高齢に加えて疾病により身体の自由を大きく失っている事情にあることから思うに任せず、やむなくごく少数の親しい先輩知友のみに呼びかけて起案したものであり、更に広く呼びかければ賛同者も多く参集し連名者も多岐に上るものと確実に予想されるので、残念の極みであるが、上記のような事情を了とせられ、意のあるところをなにとぞお酌み取り頂きたい。
令和2年5月15日
元仙台高検検事長・平田胤明(たねあき)
元東京高検検事長・村山弘義
元大阪高検検事長・杉原弘泰
元最高検検事・土屋守
同・清水勇男
同・久保裕
同・五十嵐紀男
元検事総長・松尾邦弘
元最高検公判部長・本江威憙(ほんごうたけよし)
元最高検検事・町田幸雄
同・池田茂穂
同・加藤康栄
同・吉田博視
(本意見書とりまとめ担当・文責)清水勇男
法務大臣 森まさこ殿





検察庁法改正案に反対する意見書を手に、法務省へ向かう松尾邦弘・元検事総長(右)と清水勇男・元最高検検事=2020年5月15日午後3時2分、東京都千代田区、林敏行撮影