記事の引用部分自体、ほとんど常識的内容だとも言えるが、「ドル崩壊より先にユーロ崩壊が来る」というのは、現状を見れば当たり前だろうが、あまり言った人がいないので転載した。
(以下引用)
「ヨーロッパは崩壊しつつあり、彼らにはロシアとの戦争が必要なのだ」 - マーティン・アームストロング氏
Europe is Falling & Needs War with Russia – Martin Armstrong
usawatchdog.com 2025/03/01
伝説的な金融・地政学サイクルアナリスト、マーティン・アームストロング氏が、ヨーロッパに戦争が迫っているという新たな警告を携えて戻ってきた。
2月28日のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の白熱したやり取りをご覧になった方もいるだろう。まだなら、見るべきだ。 (※ 日本語報道では NHK にこのやり取りの全文があります)
トランプ氏の発言のハイライトは、以下のようなものだった。
「ゼレンスキー大統領は平和の準備ができていない…(ゼレンスキー氏は)第三次世界大戦でギャンブルをしており、合意するか、さもなければ我々は撤退する」
ゼレンスキー氏はホワイトハウスで意図的にトランプ大統領との戦いを始めたようだ。
また、ヨーロッパのすべての国がウクライナでのさらなる戦争の支持を決めたようだ。
そして今、 EU 軍の議論が再燃している。
これについて、アームストロング氏は以下のように語る。
「なぜか? それは、彼ら全員が欧州連合(EU)の崩壊に直面しているからだ。彼らの負債は信じられないほど大きい。一度も統合されたことがない。コロナ、気候変動、対ロシア制裁でドイツ経済は 3~ 5%縮小した。EUの経済成長はひどいものだ。ヨーロッパは衰退しており、だからこそ戦争が必要なのだ」
「つまり彼らはゼレンスキー氏を支持しているのだ」
昨日発表された新しいレポートで、アームストロング氏はヨーロッパで戦争が起こりつつあること、そして、それはもうすぐ起こりそうな理由を説明している。
アームストロング氏は、このように指摘する。
「このレポートで、私はたくさんの見出しを集めた。ロンドンのファイナンシャルタイムズの見出しが何だったかおぼえてらっしゃるだろうか? 『アメリカは今や西側の敵』だ、だった」
「これがトランプ氏が『我々は撤退する』と言っている理由だ。ゼレンスキー氏は、米国から与えられた 3500億ドル (約 52兆円)のうち 58%が行方不明であることを認めた。資金を削減すれば、真実が明らかになるだろう」
「トランプ氏は 1ペニーも無駄にすべきではない。すべて出すべきだ。ゼレンスキー氏は、ヨーロッパが米国に取って代わることを期待している。これがゼレンスキー氏があんなに傲慢でいられる理由だ。トランプ氏は NATO からすぐに撤退すべきだ」
ここ数ヶ月、ヨーロッパからアメリカに金 (ゴールド)が流れているという報告が数多く出ているが、それはなぜなのか?
(※ この金のことについては、後述します)
これについて、アームストロング氏は、以下のように述べている。
「先週、話したことだが、どれくらいかは言えないが、戦争に突入しようとすると、資本が動く。…今のところ、5月15日あたりからが心配だ。…私たちのコンピューター (ソクラテス)は、ヨーロッパが戦争に突入すると報告しており、この報告では、ヨーロッパは負けるだろうとしている。…これが、金がアメリカに流れ込んでいる理由だ」
アームストロング氏はまた、米ドルが近いうちに崩壊するという予測は忘れてよいと主張している。それは起こらない。「しかし、ユーロは消滅するだろう」とアームストロング氏は言う。
アームストロング氏はまた、以下のように予測している。
「私はコンピューター『ソクラテス』がウクライナについて発表したものを公開した。それは平坦な線であり、他のどの国でもそのようなことは見たことがない。平坦な線だ。死んでいく。それだけだ」
トランプ大統領の当選はロシアとの核兵器の応酬を止めたのだろうか? アームストロング氏はこのように言う。
「もちろんだ!ディック・チェイニー氏がカマラ氏を支持していた。リズ・チェイニー氏とアダム・キンジンガー氏は J6 委員会 (※ 1月6日の米国議会議事堂襲撃事件を調査するための国家委員会)にいた。2人ともネオコンだ。 アダム・キンジンガー氏は『 3日でロシアを倒せる』と言った。 彼らは常にプロパガンダばかり流している」
ここまでです。
ヨーロッパの立場のほうは、よく理解できますが、やや驚いたのが、
「米ドルが近いうちに崩壊することはない」
としていたことですね。
「へえ」とか思いました。
ちなみに、ここで金(ゴールド)の話が出てきますが、金に関しては、本当にいろいろなことが囁かれています。
金の奇妙な状況
今年に入ってから、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行で、
「実物の金を顧客が引き出せなくなっている」
ことが報じられていたことがあります。
以下の記事に報道を翻訳しています。
・英国で金(ゴールド)地金の引き出しがデフォルト状態になっている模様
BDW 2025年1月30日
記事には以下のようにあります。
> 中央銀行が需要に追いつくのに苦労する中、イングランド銀行の金庫に保管されている金地金の引き出し待ちは数日から 4~ 8週間に延びていると、このプロセスに詳しい関係者が語っている。
>
>「ニューヨークに大量の金が出荷され、残りが待ち行列に詰まっているため、人々は金を手に入れることができない」と、ある業界幹部は語った。「ロンドン市場の流動性は減少している」
顧客が預けている現物の金を引き出すのに「 1ヶ月から 2ヶ月かかる状態」となっているようなのです。
ここに「イギリスからニューヨークに大量の金が出荷され…」とありまして、さらっと読めば、何となく納得できるような感じもあるのですが、数値を見ますと、どうもおかしい。
ある記事に、イングランド銀行の「金の保有量」が書かれています。
市場関係者は単純な疑問を抱いている。
イングランド銀行の 2024年12月1日の報告書によると、同銀行は金庫に 5365トンの金を保有していると公表しており、ニューヨークに輸送されたのは 393トンだけなのに、なぜ銀行は 4週間から 8週間にわたって金の配送に苦労しているのだろうか?
イギリスからニューヨークに大量の金が移動されたとしても、それでも、イングランド銀行には、5000トン近くの大量の金の保有があるはずなのです。
なのに、「顧客に金を渡すことができていない」と。
それで、この記事には、以下のように書かれています。
「イングランド銀行が金をまったく持っていなかったらどうなるのだろうか?」
さらには、以下のようにもあります。
> まず、それはどこへ行ったのか、そして第二に、これは金の「紙」市場全体を完全に破壊する可能性がある。
>
> イングランド銀行に金が残っていないことが判明した場合、「紙の」金市場はおそらく崩壊するだろう。紙の市場の崩壊により、金市場は「紙」の影響から解放され、実物貴金属の価格は急騰するだろう。
この「紙の金市場」というのは、たとえば、ETF というものがあって、投資信託のことですが、金でしたら、以下のようなものです。
> 金ETFは金価格に連動することを目指して投資を行う上場型投資信託です。 kabu.com
これは金の実物の価格に連動して値上がりしたり、値下がりしたりするもので、株と同じように売買できるものです。
先ほどの記事では、この「紙の金市場が崩壊するだろう」と。
まあ、そんなことになることはないとは思いますが…しかし、何が起きても不思議じゃないですし。
それと共に、最近は、アメリカにおいて、
「保管されているとされている金は本当にあるのか?」
ということに対しての調査をイーロン・マスク氏が要求していることが、よく報じられます。
アメリカ政府が保有する金の大部分はケンタッキー州にある「フォートノックス」という場所に保管されているということになっています。
しかし、最近ではまったく監査されていないということで、「本当に、ここに金があるのか?」ということになっていて、マスク氏の監査要求が出ているわけですが、このあたりは、日本でも報じられていますので、リンクしておきます。
・米政府が備蓄する「金はまだあるのか?」マスクが監査を要求 (Forbes 2025/02/20)
・金価格上昇の裏に潜む米国への“不信感”、イーロン・マスクの要求で「取り付け騒ぎ」が起きる可能性 (DIAMOND 2025/02/25)
この「金の取り付け騒ぎ」は、英国ではすでに一部起きているわけですが、仮にフォートノックスに「金がなかった」となると、これは本当に大変なことになります。
なかなか注視していることでもあります。
話をアームストロング氏に戻せば、
「今のところ、5月15日あたりからが心配だ」
という一節があり、何が心配なのかが具体的ではないのですが、その頃に「何か心配なこと」が起こる可能性を、アームストロングさんのコンピュータは報告しているようです。
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