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徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

名前は緑の島だが、実は氷と雪の島
「think outside the box」から転載。
この「think outside the box」というブログは、社会学系の注目書物をよく引用・紹介しているので、普通なら私などが絶対に読まないような書物についての断片的だが重要な知識を得ることができて、重宝している。私にとっては、昔あった(今でもあるか?)「リーダーズ・ダイジェスト」の社会学系書物版だ。新聞は取っていないから大新聞の書評を読む機会は無いし、あっても、お堅い学者先生などが勧める本が私の興味を引いたためしはない。
なお、「think outside the box」氏による書物の評価や、彼の意見などは、私はあまり信じていない。そのことと、彼が取り上げる書物の内容が興味深いかどうかは、また別の問題だ。これは、たとえば「泉の波立ち」氏などにも言えることである。関心の向かう方向が同じなら、どんな相手の発言でも参考になる、ということである。
下記記事の「グリーンランドになぜノルウェー人がいなくなったか」というのは面白い問題だと思う。もちろん、居住条件の悪化(地球寒冷化)によるものだろうが、居住地の生存条件悪化があった時に、そこに踏みとどまることは果たして賢明な判断かどうか、という問題を、今の福島やその近辺地域と重ね合わせて考えるのは自然な連想だろう。
なお、グリーンランドは巨大な島で、ほとんど大陸に近い面積を持っている、と私は聞いたことがある。たしかデンマーク領で、欧州では小国のデンマークが、巨大な土地だが所有していてもほとんど価値の無いグリーンランドの所有者である、というのも皮肉である。(このあたりはうろ覚えで書いているので、ご注意ください。www) 

(追記)気になったので、ウィキペディアでグリーンランドについて調べてみると、案の定、上の私の文章で書いたことには間違いが多い。いちいち訂正するのも面倒だから、ウィキの記事を転載しておく。まったく、面倒なことだ。
特に、グリーンランドの面積は、大陸くらい、というのは地図の図形による錯覚であり、オーストラリアの3分の1程度のようだ。それでも、世界最大の島ではあるらしい。ということは、日本本州よりも大きい、ということだろう。また、無価値な島、というのも言い過ぎで、鉱物資源などもあるようだ。そして、デンマーク領ではあるが、現在は自治区のようだ。こうした自治区は世界には案外たくさんあるのではないか。だから私は、沖縄も自治区になれ、と言っているのである。


(以下引用)


2013-02-07

ジャレド・ダイアモンド著『文明崩壊』に異論


『文明崩壊』は、アメリカの生物地理学者ジャレド・ダイアモンドが世界的ベストセラーとなったピューリッツァー賞受賞作『銃・病原菌・鉄』に続いて著した本です。この本は、イースター島やマヤなど繁栄後に崩壊した社会に共通する要因に、環境破壊や環境変化への適応失敗があることを抽出しており、『銃・病原菌・鉄』と同様、読み応えがあります。


中でも多くのページが割かれているのが、中世温暖期のグリーンランドに10世紀末から15世紀半ばまで存在したノルウェー人(ヴァイキング)入植地です。入植地からノルウェー人がいなくなったことははっきり分かっているのですが、その詳細は謎とされていました。そこで、ダイアモンドは「その終焉に推測で肉付けをしたいという誘惑に抵抗できない」として、飢餓が引き金となって社会秩序が突発的に崩壊し、家畜を食べ尽くした挙句に飢えて全滅した、という仮説を提示しています。


私自身、この仮説を何となく信じていたのですが、最近、この仮説を否定する研究が発表されました。


Archaeologists Uncover Clues to Why Vikings Abandoned Greenland - SPIEGEL ONLINE


この記事によると、ノルウェー人たちはダイアモンドが描くように環境への適応力を欠いて絶滅したわけではなく、ノルウェーイヌイットと化してまでグリーンランドで暮らすよりも、アイスランドスカンジナビアに引き上げることを選んだだけ、ということのようです。生活が困難になった山奥の過疎集落の住民が計画的に都会に引っ越すようなものです(若者が先に出ていき、老人が残されていたというのも現代と同じです)。確かに、イースター島のように外洋航海能力が失われたり外界との交流が絶たれていたわけではないのに、餓死の危険を冒してまでグリーンランドに居残り続けるほどノルウェー人が愚かだったと考える方が無理があります。ダイアモンドは"political correctness"的にヨーロッパ文明の失敗例をどうしても挙げたかったのでしょうが、そのバイアスのために想像力を膨らませ過ぎたようです。


グリーランドのノルウェー人からダイアモンドとは別の教訓を得るとするなら、生活困難な場所に無理に住み続けるな、という至極当たり前のことでしょう。高齢化・人口減少が進む今後の日本では、過疎集落の計画的撤収・移転が重要な政策課題になることは間違いありません。


この教訓に反したことがソビエト連邦崩壊の一因、というこれまた興味深い研究についてはソ連を滅ぼした『シベリアの呪い』】をどうぞ。


ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』の陰に隠れたお勧め本





】に続く。






(徽宗注記)


グリーンランド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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グリーンランド
Kalaallit Nunaat(グリーンランド語)
Grønland(デンマーク語)

グリーンランドの旗グリーンランドの紋章
地域の旗地域の紋章
地域の標語:なし
地域の歌:祖国よ、汝はいと星霜重ねり
グリーンランドの位置

公用語グリーンランド語
主都ヌーク
最大の都市ヌーク
政府

女王マルグレーテ2世
自治政府首相アレカ・ハモンド
面積

総計2,166,086km213位
水面積率不明
人口

総計(2013年56,483人(N/A
人口密度0.026人/km2
GDP(自国通貨表示)

合計(2005年102億デンマーク・クローネ
GDP (MER)

合計(2005年17億ドル(N/A
GDP (PPP)

合計(2001年11億ドル(190位
1人あたり20,000ドル
自治開始1979年
通貨デンマーク・クローネ (DKK)
時間帯UTC ±0~-4(DST:+1~-3)
ISO 3166-1GL / GRL
ccTLD.gl
国際電話番号299
地図

グリーンランド英語: Greenlandデンマーク語: Grønlandグリーンランド語: Kalaallit Nunaat、「人の島」の意)は、北極海と北大西洋の間にある世界最大[1]デンマークの旧植民地。現在はデンマーク本土、フェロー諸島と対等の立場でデンマーク王国を構成しており、独自の自治政府が置かれている[2]


大部分が北極圏に属し、全島の約80%以上は氷床万年雪に覆われる。巨大なフィヨルドが多く、氷の厚さは3,000m以上に達する所もある。居住区は沿岸部に限られる。


カナダとの国境線上にあるハンス島の領有をめぐって、カナダとデンマークの間で係争中である。


民族[編集]

カラーリットが85~90%。その他、カラーリットと北欧系の混血デンマーク人など。

政治[編集]

一院制の議会は31人の議員で構成されており、4年に一度住民からの直接選挙で選出される。ただし解散が認められている。主要政党進歩党連帯党イヌイット友愛党など。また、デンマーク本土の議会(フォルケティング)にも2議席が割り当てられており、グリーンランド議会とは別に選挙で議員が選出される。


議院内閣制が採用されており、議会から選出された自治政府首相が行政府を率いる。


北欧理事会に加盟している。

EUとの関係[編集]

デンマーク欧州連合(EU)の前身である欧州共同体(EC)に加盟した際、グリーンランドもその一部として加盟した。しかしその後、グリーンランド自治政府は高度な自治権を獲得し、1985年にECを離脱した。


グリーンランドの住民は、EUに加盟するデンマーク本国の国籍市民権を持つため、グリーンランド自体はEUに属さないながらも、EUの市民権を自動的に持つことになる。ただし、EUでの選挙権欧州議会等の選挙権)はグリーンランド全体が選挙区外となっており、行使できない。

独立への動き[編集]

本国デンマークとは地理的にも文化的にも離れており、独立を求める声が多い[3]


デンマークによる植民地支配が長く続いたが、1979年5月に自治政府が発足し高度な自治権を獲得した。2008年11月、グリーンランドで自治拡大を問う住民投票が行われた。開票の結果、賛成75.54%、反対23.57%で承認された。投票率は71.96%だった。エノクセン首相は「遠くない将来に完全独立が実現することを望む」と語った。これにより公用語をグリーンランド語と明記し、警察と司法、沿岸警備などの権限が中央政府から自治政府に移譲されることとなった。また、これまで本国と二分していた地下資源収入について、7500万デンマーク・クローネまでを自治政府の取り分として、残りの超過分を本国と折半することが盛り込まれている。2009年6月21日に施行された。


グリーンランドは、島内のほとんどの土地が厚い氷に覆われており、地下資源の採掘が困難であった。しかし、地球温暖化の影響で少しずつ氷が溶解しており、今後採掘のスピードが速まると予想される。グリーンランドの地下には中東地域に匹敵する量の原油が存在するとされており、地下資源収入が経済的にグリーンランドを支え、デンマークからのグリーンランド独立が容易になるとも指摘される。

地方行政区分[編集]

グリーンランドの大部分は無人であるが、2009年に3郡を廃止し、以来、「自治体」として知られている4地域に分割されている。

地理[編集]

グリーンランドは北アメリカ大陸の北、北極海と北大西洋の間、カナダの北東に位置する。世界最大の島で、領域は北緯59度50分から83度37分の範囲に広がる。経度では西経10度から70度の範囲を占め、島の大半が北極圏に位置する。北西部では約30km離れたカナダのエルズミーア島ネアズ海峡をはさんで隣接し、南東約300kmにはデンマーク海峡をはさんでアイスランドがある。


気候区分は北極圏から準北極圏に属し、涼しい夏と寒い冬を特徴とする。地形はほぼ平坦だが、沿岸部以外は氷床に覆われる。最北部は空気が乾燥しているためが降らず、に覆われていない。もしグリーンランドの氷床が全て融けたならば、現在よりも7.2mほど海面が上昇するという[4]。最高峰は東部のアイスランド対岸にあるギュンビョルン山(Gunnbjørn)の3,694m、全北極圏で最も高い場所である。資源は鉱物と海産物である。亜鉛氷晶石石炭モリブデンプラチナウランなどが採掘され、魚介類アザラシクジラなどが捕獲される。


なお、メルカトル図法の地図では極地に近いほど実際の面積比率より拡大表示されるため、グリーンランドはオーストラリア大陸に比べ面積が大きく見える。実際のグリーンランドの面積はオーストラリア大陸の約29%で両者には500万平方kmもの差があり、その違いは歴然としている。


面積2,166,086平方kmの81%である1,755,637平方kmを氷床が覆う。氷の厚さは沿岸近くで1,500m、内陸部で3,000mに達する。氷の重さで島の中央部の地面は海面より300mも低い。氷は中央部から周囲の海岸へゆっくり流れている。海岸線は39,330kmに及び赤道の長さに相当する。


町や居住地は氷が無いところに存在する。人口は島の西海岸に集中している。内陸部のほとんどは厚い氷で覆われている。北東部は世界最大の国立公園である北東グリーンランド国立公園となっている。

経済[編集]

主要産業は漁業とその加工業で、これらのみで輸出の87%を占める。特にエビはその半分以上を占めており、日本向けにもロイヤル・グリーンランド社を通じて多くのエビが輸出されている。そのほかに更なる成長が期待される産業に観光業があげられる。ただし、観光に適する季節が限られること、旅費がかさむため敬遠されがちなことが難点となっている。


鉱物資源の探査も進行中である。多量の原油埋蔵可能性が指摘されており[5]、石油資源等の開発のために国営石油NUNAOILが設立されたが、生産開始にはまだ当分時間がかかる。鉱物資源開発の国営Nunamineralは新たに始まった金鉱開発への投資を募るためコペンハーゲン株式市場に上場した。金属価格が上昇しているため、ウランアルミニッケルプラチナタングステンチタンなどにも関心が集まっている。


デンマーク本国からの多額の助成金もグリーンランド経済を支えており、2005年には約31億クローネに上っている。

  • GDP成長率 2.0%(2005年)
  • インフレ率(CPI)2.3%(2006年1月-2007年1月)
  • 輸出24億クローネ(f.o.b/2005年)
    • 魚介類とその加工品など。
  • 輸入36億クローネ(c.i.f/2005年)
    • 機械類、食料、石油製品など。

歴史[編集]

本国のデンマーク人に対する意味での先住民族カラーリットであるが、彼らの入植はグリーンランド史においては比較的浅い方である。アメリカ先住民(インディアン)に近縁と思われる入植者の波が数度にわたってあり、その後アイスランドヴァイキングが、最後にカラーリットが入植した。


982年赤毛のエイリークがグリーンランドと命名し、入植が始まった。しかし、15世紀ごろにヴァイキングの入植地は全滅し、住民はカラーリットのみとなり、西洋の歴史から一時姿を消した。


16世紀半ばに再発見され、18世紀ゴットホープ植民地が作られた。同時に布教も行われた。1917年以降はデンマークの支配が全島に及び、1953年本国の県と同様の自治権を得た。1973年デンマークのヨーロッパ共同体(EC)加盟と共に、ECの漁船操業と漁獲高に関する規定がデンマーク本国とその領土に適用されたが、グリーンランド住民は反発し自治を要求。1979年5月に自治政府が発足し、グリーンランドはデンマークの自治領となった。1985年グリーンランド政府はECを離脱した。

「グリーンランド」の由来[編集]

エイリークはグリーンランド上陸より前、アイスランドを発見していた。彼が命名したアイスランドは、その名称故に入植希望者が現れなかった。そこで彼はこの地に入植希望者が多数現れることを願い、「緑の島」と名付けた。


その他にもGruntland(グラウンドランド)が訛ったという説、あるいは氷河に覆われていない南部海岸地帯がエイリークの頃の中世の温暖期には緑にあふれていたという説もある。





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