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徽宗皇帝のブログ

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メモ日記「政治・社会」12
#126 誰のための戦争か

これも『本当の戦争』に記載されたことだが、味方同士の誤射による死傷は、全死傷者の15パーセントにも上るそうである。あの、米軍(多国籍軍)のパーフェクトゲームにも見えた湾岸戦争では、何と、失われた戦闘車両の77パーセントが、味方の誤射によるものだということで、大笑いである。米国政府によってコントロールされた官製戦争報道がいかに一面的なものであるかが分かるではないか。
この本にはいろいろと面白い(というか、不愉快な)情報が詰まっている。たとえば、1990年代の戦争での死者の、75ないし90パーセントが民間人であるという事実は、我々の時代の文明が、古代や中世よりも退歩していることを示している。古代や中世の戦争は、基本的に軍人・兵士だけの戦いであったはずだ。現代でも原則はそうだろうが、武器の発達により、一度に広範囲の人間を殺傷できるようになり、そうした武器は兵士と民間人を選別して殺すという器用なことはしない。また、現代の戦争では、おそらくそういう選別を最初からほとんど放棄しているのである。つまり、戦争が起こったという時点で、その当事国の全国民は生存の権利を奪われる。これが現代の戦争だ。それでも、あえて戦争を支持する連中の論理は何なのか。「人には生命より大事な誇りや名誉というものがある」とでも言うのだろうか。「愛国心」とやらのために国民が戦場に追いやられ、死んでいく。そして生き残った連中は彼らに感謝しつつ、ご馳走に舌鼓を打つ、というわけだ。

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