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徽宗皇帝のブログ

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メモ日記「政治・社会」30
#233 義と利(福祉は不正義か)

モラルを子供に教える場合に困ることの第一は、「何が正しいことなのか」という子供の質問に、どう答えるかであり、もう一つは、「正しいことは当人にとって不利益である場合が多いのに、なぜ正しい行為をしなくてはならないのか」という質問にどう答えるかである。第二の疑問は、正しさについての知識や合意が前提となるのだが、大体の場合においては、何が正しい行為かは直感的にわかるものである。ただ、それを口で言うことは難しいから、道徳教育はその出発点でつまずくことになる。ロールズという学者が正義について論じたことをうろ覚えで書くが、正義の原則は「その問題の利害関係に無関係な第三者として判断する場合に選ぶ行動」が正しい行動だということなのである。つまり、不正義とは、身びいきのことなのである。そして正義とは公正であることなのだ。公正とは、その解決策が特定の人間の利益に傾かず、集団や共同体全体の利益となることである。では、たとえば福祉、すなわち弱者への手厚い保護は不正義なのか。いや、そうではない。弱者への保護があることによって、我々は、自分がその位置に陥った時にも生きていけるという安心感が得られるのだ。そのような安心立命の精神状態が些細な福祉の出費で得られるなら、安いものである。しかも、それはたとえば企業の宣伝広告費にかける厖大な金や、政府の軍事予算と比べて、はるかに少ない金額なのだ。税金の使い道として、福祉予算以上に有益なものはないが、しかし、政府が常に削減するのは福祉予算なのである。

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