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メモ日記「政治・社会」33

#238 2500年前のグローバリスト

モラルの根本はすべてのものを大切にすることであるが、これを二千年以上も前に言った人がいる。それは墨子である。彼の説の根幹は「兼愛」と「非攻」であり、「兼愛」とは無差別の愛、博愛のことである。つまり、自分の親だから、子供だから愛するというのではなく、誰でも無差別に愛せよ、というのである。この思想は「孝」という親への愛と奉仕を基本とする儒教からは異端の説とされた。だが、家族や友人など、自分に属するものだけを愛することがしばしば他の集団との不和と排除に結びつくことを考えれば、「兼愛」は絶対平和への必要条件であることがわかる。そして、墨子のもう一つの中心思想、「非攻」とは、こちらからは絶対に攻撃はしないという絶対平和主義である。つまり、原理的に考えれば、二つの集団のどちらからも攻撃を始めなければ、戦争は起こらないということだ。この「兼愛」と「非攻」は、絶対平和をもたらす思想としては、非常に根源的な思想であったが、当時の人々(特に為政者)にはあまり歓迎されなかった。しかし、現在の思想界においても、絶対平和への道筋としてこれ以上のものを提出できるかと言えば、それは疑問である。あまりに理想主義的だ、非現実的だという批判が、「戦争を利益とする人々」から当然起こるだろうが、墨子の思想は根本原理としては正しいはずだ。彼は生まれるのが2000年あるいは3000年早すぎたのかもしれない。儒教集団にとっては、国家そのものも含めて彼等の狭いサークルしか頭になかったのに対し、墨子はいわばグローバルな視野を持っていたとも言えるだろう。

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