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徽宗皇帝のブログ

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メモ日記「政治・社会」37
#247 撒き餌と回収

 餌を撒いて魚をおびき寄せ、釣り上げるのが撒き餌だが、このシステムは実は人間社会での商売や政治のスタンダードでもある。しかも、たいていの場合には、釣られた者は、自分がそういうやり方で釣られたことに気付かず、釣った相手に感謝していることすら、よくあるのである。日本のODA(政府開発援助)もその一つで、発展途上国に開発援助をするというそのうわべは美しいが、実はその援助金は日本の商社や企業に還流し、相手国の高官たちや日本の政治家・役人が資金の一部を貰って潤う以外には、日本企業が潤うのがその主たる目的なのである。これは、西欧諸国のやり方を日本が見習ったものだ。
 西欧諸国が後進国を支配してきたやり方が、この撒き餌方式である。つまり、一見、相手国の文化発展に援助するように見せながら、彼らを自分たちの文化の底辺に取り込み、やがて自分たちとの「支配~被支配」の関係が無くては生存できないような状況に追い込んでいくのである。先進国が未開発の国でまず行うのは何か。それは、ダムを作り、水力発電設備を作って、その国の生活を電化していくことである。電化を「文明化」と言ってもいい。これは相手国にとっては恩恵である。……そうだろうか? 文明生活は、ある意味では麻薬のようなものだ。一度その味を知ると、それ無しではやっていけなくなる。彼らは贅沢な生活のために必死で働き、こうして資本主義の最下層の歯車となって働くようになる。それから「回収」が始まるのである。教訓「タダほど高いものはない」。(2007年10月5日)
注:これも古い文章だが、近代論として現在も通用する。

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