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徽宗皇帝のブログ

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なぜ「善行」を行う者に完全さを求めるのか
「世に倦む日々」ブログの最新記事だが、どうも記事筆者の考え方が教条主義的すぎるような気がする。つまり、善行を為す人間はあくまで聖人的存在でなければならない、というドグマがここにはあるのではないか。
この記事の問題は、「子ども食堂」の存在で助かっている無数の子供たちが存在している、という事実が軽視されすぎていないか、ということだ。仮に、このプロジェクトに政府から補助金が出ていて、活動が黒字であったとして、その何が問題なのか。湯浅誠がそこから巨額の給与を得ているとか、着服している、という話にはなっていない。単に「子供の貧困を救うのは政府がやるべきで、ボランティアなどに頼るべきではない」という教条主義しかここには無い。たとえ、その活動に日本財団が出資していようが、「善行」なのだから結構なことではないか。
それとも、日本財団はショッカーのような(古い譬えで済まないwww)悪の集団で、競艇などというギャンブルで暴利を得ている上に、創設者が笹川良一という右翼であるから、そこのすることは善行であってもすべて否定すべきだ、という考えなのだろうか。
まあ、善人がやる善行だろうが悪人がやる偽善だろうが、それが誰かを救済しているなら、それで結構ではないか、としか私は思わない。
湯浅誠は自分で動いて、多くの子供を飢餓から救った。で、この記事の筆者はブログを書く以外に何か救済活動をしたことはあるのだろうか。聖人でも、何か些細な手落ちや欠点があれば「百日の説法屁ひとつ」で吹っ飛ぶのか。

(以下引用)


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血

子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14370594.png大晦日の夜のNHKの7時のニュースで、新宿でのNPOによる食料品配給の様子を一瞬だけ流していた。30秒程度の短い映像で、ほとんど説明はなかった。年の瀬の街の風景の一コマが撮られた感じで、その年の最後の7時のニュースに差し挟む小さな話題として紹介していた。通常だと、この件がNHKのニュース番組で放送されるときは、NPO職員のコメントが入り、配給の列に並ばざるを得ない困窮者の声が顔を隠して訴えられ、悪化する深刻な状況が伝えられ、見る者が身につまされる感覚を持つ報道に仕上がっていた。

だが、この大晦日の絵にはその要素がなく、単に街の風景の一つを淡々と切り取っただけの見せ方で、御徒町アメ横の賑わいとか、初詣での準備をする湯島天神などと同列に、プレーンな編集で静態的なカットとして構成されていた。厳しい社会問題としての性格が削ぎ落とされ、いわば風物詩の存在になっていたのである。その真実に気づかされ、NHKの政治的意図に愕然とさせられた。つまり、当世の当たり前の情景として 食料配給 が意味づけられたということだ。




子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14373427.png困窮者への食料配給の活動と実態への意味づけが変わっている。簡単に言えば、これまでのNHKの報道では、それは起きてはならない不正常な事態であり、残念で悲しいこの国の不具合であり、社会矛盾の発生と拡大であり、皆の力で制止し解決し解消して行かなくてはいけない問題だった。だが、大晦日の映像では、そうした視点と契機が消えていて、いつもの街の風景として切り取られ、人が見て倫理的な痛痒をもよおすところの忌むべき社会病理現象ではなくなっていた。

NHKの認識と視角が変わり、定義が変わり、食料配給は異常な問題ではなくなったのだ。東京の日常の一つであり、普通に行われている街のイベントであり、一般に定着して今後も続くものなのだ。食料を配給する者がいて、それを受け取る者がいて、それは当たり前の光景で、資本主義社会の常態的一側面であり、それを見て特に心を悩ます必要はないのである。マインドセットを切り換えよう、意味づけを変えようと、そうNHKは国民にメッセージ発信している。エバンジェリズム(洗脳)している。維新が勝利した選挙結果もNHKの報道姿勢に影響しているのだろう。


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14384330.pngもう一つ関連するニュースで、12月26日に報道された「子ども食堂」の件がある。NPO法人「むすびえ」の発表によると、子ども食堂は全国で6000か所を超え、昨年より20%以上増加したとある。「子どもだけでなく幅広い世代の交流の場として広がっている」とNPO法人はその意義を言い、「(現在では)高齢者や若者を幅広く受け入れ、地域のにぎわいや、まちづくりの一環として『子ども食堂』が開設されることが多くなっていきました」と言っている。こう総括しているのはNPO理事長の湯浅誠であり、NHKの原稿の論旨論調を差配しているのは厚労官僚だ。

コロナ禍で、人とのつながりや絆がますます求められるようになっている。そうした人たちに安心感を与えられる場所として、子ども食堂の重要性は高まっていると思う。少子高齢化や過疎化、それに単身世帯の増加などがあり、地域のさまざまな年齢層が交流し、つながりを持つ場所が必要だ。


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14581417.png湯浅誠はこう言って胸を張っている。この報道に年末のネットでは違和感の反応が起こり、多くは左翼リベラル方面からの異論反論だった。子ども食堂の数のトレンドは社会の貧困を示すバロメーターであり、増加をよいことであるかのように報道する態度は間違っているとか、本来は行政が全責任を負って施策するべき事業なのにボランティアに委ねるのはおかしい、もっと税金を投入しろとか、そういう批判である。そのとおりだと私も同感するが、左翼リベラルの批判は湯浅誠に向かって投擲されることはなく、政府を一般論で批判する、表面を撫でた軽いものだという感じを受けた。

われわれが読み取るべきこの問題の本質は、政府は子ども食堂を今後も怒濤の勢いで激増させる計画と方針であり、子ども食堂の拡充と繁殖こそが正しい方向性であり、正義の社会政策であると確信している点である。そして、この政策を主導し牽引している中心人物の「官僚」が湯浅誠であるという事実だ。湯浅誠は、子ども食堂を積極的に増やそうとしていて、それが公共善の実現であるという思想信条にある。本来は不要な運動だと考えていない。一つの証拠をご覧いただきたい。


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_22395020.png厚労省のサイトに「子ども食堂応援企画」というページがあり、湯浅誠と3人の官僚が座談会を開いて議事録を載せている。子ども食堂の意義が滔々と語られ、これがまさに厚労省が推進する重要政策である実体が丸見えだ。「目標は社会のインフラ化」だと堂々と書いていて、国連SDGsの「貧困をなくそう」の目標と合致する政策だと言っている。われわれの認識では、子ども食堂の急増は社会の窮乏化が進む悪化現象の裏返しで、すなわち、少なければ少ないほどよく、減れば減るほど社会に豊かさが戻った改善の兆候を意味するものだ。

減れば減るほど新自由主義の弊害が克服された証左であり、貧困に苦しんでいた国民が自立した中間層に戻った指標的反映に他ならない。これが社会の常識だろう。だが、湯浅誠と厚労省は違うらしく、政策発想のカーネルがわれわれ市民とは正反対の地平にあるらしい。湯浅誠は、子ども食堂を道路や通信網や学校のような社会インフラにすると言っている。恒久的な公共事業にして全面化すると言っている。まさに、菅義偉の「共助」の「理念」が具現化された政策世界ではないか。この政策の根幹の思想は、まさしく猛毒の新自由主義そのものである。


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14510735.png湯浅誠が経営しているNPO法人を、左翼リベラルは、嘗ての「反貧困」リーダーのイメージから、完全な善意の市民ボランティアの団体だと誤解しているのではないだろうか。NPO法人のサイトを検証しよう。財務報告のページで2020年度の活動報告書が公開されている。老眼の目をこすって詳細を覗き込むと、「受取補助金」として 185.893.552 円が計上されている事実を発見する。政府から年1億8500万円の補助金が支給されているのだ。これは法人の収入全体6億1700万円の30%を占める金額である。活動の3割が税金で支援されている。

ちなみに、法人の支出全体は2億5900万円で、収入全体の半分ほどしかなく大幅なプラス収益となっている。超健全経営の優良企業であり、差分の約3億5千万円を繰越金に入れている。とんでもなく儲かって内部留保が膨らんでいる。この豊満な内部留保を元手に、さらに子ども食堂を全国に1万、2万、3万と増殖展開させてゆく思惑なのだろう。湯浅誠の荒い鼻息が伝わるようだ。法人の収入のメインは寄付金で約4億円である。が、この中には協賛広告でタイアップしている大企業の後援出資分がかなり多くあることを知らないといけない。


子ども食堂を貪欲に増やす湯浅誠の野望と日本財団の吸血_c0315619_14511929.pngNPO法人の理事長は湯浅誠だが、理事に2人の名前があり、その1人が「社会変革推進財団」の藤田淑子である。はて、社会変革推進財団とは何者であろうか。ブログの読者の皆様も初耳に違いない。最初、どうせ厚労官僚の遊惰な天下り法人だろう、湯浅誠と濱口桂一郎が怪しげに絡んでいた「労働政策研究・研修機構」の二匹目のドジョウみたいなものかと、そう目星をつけて検索したところ、もっと恐ろしく凄絶な結果が出て腰を抜かした。何と、日本財団の子会社(子財団)なのだ。例の、老母を背負って歩くボートレースのCMの笹川良一の日本財団である。

しかも、ハゲタカ表象が臭う面妖なアメリカの財団資本と連携している。今や、電通と並んで霞ヶ関全体の外郭団体として威風を誇る巨大民間官庁たる日本財団。そこが、子ども食堂に目をつけて出資し、政府からカネを引き出し、新たな戦略事業モデルとして儲けていた。社会変革推進財団の評議員には大田弘子がいる。絵に描いたような佞悪なネオリベのビジネス・シンクタンク。いやはや、絶句して何も論評する言葉はない。湯浅誠と大田弘子。湯浅誠もとうとうここまで来た。ただの高級官僚ではなく、弱者を食い物にして儲けまくる、米国型の社会系ネオリベビジネス官僚になった。


当時、反貧困運動がマスコミで脚光を浴びた13年前、ネットの右翼たちが、湯浅誠に対して「貧困ビジネス」だと誹謗中傷を浴びせていた。私はその右翼の攻撃を防戦する前線に立って、湯浅誠たちを擁護する論陣を必死で張っていた記憶がある。今、痛憤に堪えない。ただの「貧困ビジネス」よりももっとグロテスクで罪深い。


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