安倍晋三首相は27日の党首討論で、「党首討論の歴史的使命は終わってしまった」と発言した。立憲民主党の枝野幸男代表が、森友&加計学園問題をめぐる「7つの問題点」や、首相の国会答弁について時間をかけて指摘したことに、ぶち切れた。


 しかし、前回先月30日の党首討論では、首相自身が時間をかけて持論を展開。その姿勢に激怒した枝野氏が終了後の取材で、「歴史的な使命は終わった」と発言した。首相はこの日、当時の枝野氏の発言を引き合いにして「党首討論の歴史的使命は終わってしまった」と述べた形だ。


 枝野氏ら一部の野党党首もだが、首相はこの日、持ち時間内の発言という約束事を守らない場面が多くみられた。最終討論者の衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表が、森友学園をめぐる昭恵夫人の責任問題に言及すると、首相は制限時間をかなり越えて答弁。委員長に3度も、「総理、時間が超過しています」と注意を受けたが、答弁を続けた。


 「委員長すみません、これで終わります」と言った後も答弁を続け、「コメントが長くなったことをおわび申し上げる」と陳謝したが、「妻の名誉にかかわる話だ」と、答弁を続けた理由を主張した。


 しかし、首相答弁の内容にまったく納得しなかった岡田氏が、最後に「良心の呵責(かしゃく)を感じないのですか」と発言。討論はようやく終了。首相は席を立った際、「やっぱり岡田さん、ルールは守らないと」と、自身の行動は棚にあげて岡田氏に捨てせりふを残し、委員会室を後にする場面もみられた。


 首相の一方的な主張に業を煮やした野党党首たちの「逆襲」に首相はいらだちを隠せず、久しぶりに「荒れた」党首討論となった。