https://earthreview.net/2022-us-bird-flu-outbreak-becomes-worst/
<転載開始>
itv.com
アメリカの「卵価格」は史上最高レベルに
今シーズンは、すでに、世界各地で非常に早い時期から鳥インフルエンザが流行していますが、アメリカでは、
「 2022年の鳥インフルエンザによる鳥の死亡数が史上最大となった」
ことが報じられています。
これは 2022年という区分であり、今シーズンの話ではなく、今年の始めの 1月、2月の数が含まれているものですが、それまで最も多くが死亡した 2015年の 5,050万羽という記録を塗り替えて、5,054万羽の鳥が死亡したと公式に報じられました。
鳥には、ニワトリ、七面鳥などと他の鳥類が含まれます。
これは鳥インフルエンザそのものよる死亡も含まれますが、大部分は「殺処分」数です(数十万羽という鳥が飼育されていたとしても、一羽が陽性なら同じ養鶏場のすべての鳥が殺処分となるため)。
アメリカだけではないですが、今シーズンもすでに爆発的な流行となる可能性が伝えられています。
日本もです。
最近だけでも、以下のような報道がありました。
(報道) 日本で異例のペースで鳥インフルエンザが拡大。すでに、275万羽の鶏が殺処分 (2022/11/26)
(報道) 鶏卵生産量が全国1位の茨城県で鳥インフルエンザが発生。104万羽が殺処分 (2022/11/04)
現在、アメリカでは「鶏卵の価格」が、少なくとも記録にある中で最も高くなっています。
卵の極端な不足といえば、最近の記事で、イギリスの一部のスーパーの棚から卵が完全に消えたことを以下でご紹介しました。
[記事] 卵危機 : イギリスのスーパーの棚から「卵が消える」。今後連鎖的に食料サプライが崩壊する危険を専門家たちが警告
地球の記録 2022年11月25日
同じようなことが、アメリカや、あるいは日本で起きるとは考えたくないですが、今後も鳥インフルエンザの流行が収まらない場合、少なくとも価格には影響してくると思われます。
なんだかんだといっても、卵はタンパク質の摂取食としては最も手軽で身近な(そしておいしい)ものであり、パンやお菓子作りにも欠かせないもので、代替が見つかりにくいものです。
先行きはわからないですが、米ロイターの記事をご紹介します。
鳥インフルエンザの発生により、米国の鳥の2022年の死亡総数は 5,054万羽と過去の記録を更新した
Avian flu outbreak wipes out 50.54 mln U.S. birds, a record
reuters.com 2022/11/25
アメリカ農務省のデータによると、米国では今年、鳥インフルエンザで 5,054万羽の鳥が死亡し、史上最悪の流行となった。
ニワトリ、七面鳥、その他の鳥の死は、これまでで最悪の米国の動物衛生災害を示しており、2015年の鳥インフルエンザの流行で死亡した 5,050万羽という過去の記録を上回った。
鳥インフルエンザに感染した鳥はしばしば死亡するが、産卵養鶏場では、飼育数がたとえば 100 万羽を超えるような鶏群であっても、1羽でもニワトリが陽性反応を示すと、病気の蔓延を抑えるためにすべてのニワトリが殺処分される。
この家禽の大量の損失により、卵と七面鳥肉の価格が記録的な高値を記録しており、すでに猛烈なインフレに直面している米国の消費者の経済的苦痛が悪化している。米国では11月25日は感謝祭のお祝いだが、その準備は例年より高価になった。
ヨーロッパと英国も最悪の鳥インフルエンザ危機に見舞われており、一部の英国のスーパーマーケットは、鳥インフルエンザの発生により供給が混乱した後、店での卵の購入に制限をもうけた。
アメリカ農務省のデータによると、2月に始まった米国での流行では、46の州で家禽および家禽以外の鳥の群れが感染した。
アヒルなどのような野鳥が、高病原性鳥インフルエンザとして知られるウイルスを、糞、羽、または家禽との直接の接触を介して感染させる。
農務省の最高獣医責任者であるローズマリー・シフォード氏は、「野鳥は移動するにつれて、高病原性鳥インフルエンザを全国に広め続けているため、家禽の群れと野鳥との接触を防ぐことが米国の家禽を保護するために重要です」と述べた。
農家は、2015年の鳥インフルエンザの大流行の後、セキュリティと清掃対策を強化した後、病気や野鳥を納屋に入れないように苦労した。
2015 年には、症例の約 30%の発生源が野鳥だったが、2022年は 85%の発生源が野鳥だったと農務省はロイターに語った。
政府関係者は、感染を防ぐための新しい推奨事項を作成することを想定し、特に七面鳥農場での感染を研究している。農務省によると、トルコの農場では、アウトブレイクで感染した商業養鶏場が 70%以上にのぼるという。
アメリカ疾病管理予防センターは、病気のように見える、または死亡した保護されていない鳥との接触は避けるべきであるが、この流行が一般の人々に与えるリスクは低いと述べた。
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