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徽宗皇帝のブログ

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「ソニー化する日本」について
「think outside the box」から転載。
原注に書かれた「*1:朝鮮の自立は、中華帝国に懲罰されるため不可能。」は、「日本の自立は、米帝国に懲罰されるため不可能。」と言い換えてもいいだろう。第三次世界大戦でも起こらない限りは、だが。
それはともかく、日本全体が「ソニー化」していることは確かだろう。
ソニー凋落の原因は下の3点に要約されるという。

•経営陣の劣化
•米国型経営の導入
•モチベーションの低下

これを日本全体に当てはめると

・社会的指導者(官僚、政治家、経営者、教育者、学者、マスコミetc)の劣化
・新自由主義経済の蔓延
・国民の生活不安と、生活目標の喪失

となるだろうか。三つ目に書いた、「生活目標の喪失」とは、単純に、「明日は今日より良くなる、という希望の喪失」のことである。昔なら、真面目に働けば、結婚ができ、子供が持て、家が買え、穏やかな老後が過ごせる、というライフステージが普通に存在した。だが、今はもはやそういう希望は国民には無い。それどころか、フクシマ原発による生命の危機すらあるのに、それに目を閉じて生きているだけだ。そして、成長産業も無く、いびつな雇用状況。増税に次ぐ増税。これで生活目標を思い描くほうが難しいだろう。
これらは、国家のトップに立つ人間の意思次第で、簡単に改善できるものだ。できないのは、頭が悪すぎて、想像力が無いからだ、と私は思っている。(もっとも、鳩山由紀夫の場合のように、頭がいくら良くても、官僚の壁に跳ね返されることはあるだろう。彼には、理想はあったが、プーチンのような「熟慮・断行」という面が欠けていた。)

企業論として見た場合、「社外取締役」について書かれた部分は重要だろう。社内事情をロクに知らない人間が何人雁首揃えようが有害無益であるに決まっている。現場叩き上げの人間が上に上れないような会社で誰がモチベーションを持てるものか。



(以下引用)*赤字部分は徽宗による強調。



2014-02-25

ソニー化する日本

経済記事ピックアップ


【NEC化するソニー】と【米金融業界に倣ったソニーの失敗】の内容と重なる記事が掲載されています。是非、全文をお読みください。
•元副会長、ウォークマンの産みの親ほか かつての幹部が実名告白 あぁ、「僕らのソニー」が死んでいく (現代ビジネス)


ソニーの凋落を示す象徴的な話だが、いったい何がソニーを変えてしまったのだろうか。元幹部たちの話を総合すると、その原因は以下の3点に要約される。
•経営陣の劣化
•米国型経営の導入
•モチベーションの低下

辞めた人たちの自己正当化バイアスがかかっていることは否めませんが、全体としては的を射た指摘でしょう。1990年代にマスコミや一部学者が唱えた「日本的経営を捨ててアメリカ式経営に移行せよ」という改革の帰結です。

「社外取締役の多用が経営にはプラス」という学説が机上の空論であったことは、米欧の経験が証明していますが、ソニーもその実証例の一つになってしまいました。(なぜこのことを予測できなかったのか不思議です。)


「トップを代える権限を持っているのは取締役会です。そこが動かなくてはならないのに、当事者意識の薄い社外取締役ばかりなので、何も動かない。社外取締役たちを仲間にしてしまえば、トップの座は安泰なのです」


不気味なのは、ソニーの凋落が、日本の凋落の縮図に見えることです。たとえば、守りを重視し、リスクを極度に嫌う「凡庸な官僚的人物」が上層部を占め、「知力に優れた者」が排除される点です。(真に凡庸な人はそう思わないでしょうが)


「……それにしても、ソニーは変わってしまった。われわれの世代が築いた技術屋の魂は受け継がれていない。人事部や営業部出身で、技術の先読みができない文系の人間が出世している。もうソニー精神のかけらも残っていないでしょう」


技術力・生産力の軽視という点でも日本全体の先取りをしていたと言えます。タイムホライズンの短期化が顕著です(短期のゲインのために長期でロス)。




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それに加えて、気概の喪失も深刻です。


「私はソニーをやめる直前まで、アップルに対抗するためのビジネスを構築しようと必死になっていました。ところが、ある役員から『そんなことはやめてアップルに頭を下げてこい』と言われたんです。そのとき思わず、『あなたにはプライドはないのか』と聞き返しました。戻ってきた言葉は『プライドで会社が儲かるのか』。当時からすでにアップルの軍門に下るシナリオが進行していたということです」



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明治維新や敗戦後の奇跡の成長を支えたのは、自立を目指した当時の日本人の気概でした。自立心や気概を失えば、日本統治以前の「停滞社会・朝鮮」と同じになってしまいます。*1


現代ビジネス記事の締めくくりの「ソニー」を「日本」に置き換えても違和感がないのは恐ろしいことです。


「ソニーの使命は終わったと思いますね。創業後70年近くになります。これが人間なら、もう老人。もっと頑張れとは言わないでしょう。ソニーが全盛期を迎えていた時代には、グーグルもインターネットもなかった。時代が変わったんです。ソニーはこれまで世界に計り知れない貢献をしてきました。画期的な商品を生みだし、ハッピーサプライズを与えてきた。素晴しい会社だった。でも、もういい。静かに老後を迎えさせてあげてもいいんじゃないか。私はそう思います」

僕らがソニーに別れを告げる日は、すぐそこに近づいているのかもしれない。

アベノミクスもむなしく、南中を過ぎた太陽は、着実に西に沈みつつあるように思えます。ソニーのように、過去の蓄積で当座はしのげるでしょうが、いずれ限界が来ます。

残念ながら、静かな老後は迎えられないでしょう。




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*1:朝鮮の自立は、中華帝国に懲罰されるため不可能。



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