「世に倦む日々」NOTE記事で、比較的短いので全文載せるが、内容のすべてに賛同しているわけではない。「共産党シンパ」という点では私と同じだが、共産党の行き方は、このままだとお先真っ暗、というのが私の見方だ。
共産党という党の有益性は案外多くの人が感じてはいると思うが、そもそも「共産主義」という思想そのものが愚劣なのである。実現不可能な思想であり、しかも、実現したらその目的とは反対に(無理な思想を現実に無理やりはめ込むために)ディストピアとなる可能性が高い。それはスターリン支配下のソ連の例で実験済みだ。「たまたまそうなった」のではなく、原理的に共産主義は強烈な国家支配政治になるのであり、多くの人はそれを分かっているから、共産主義とは異なる思想である社会主義にも疑惑の目を向けるわけだ。まあ、これはマルクスの大罪である。
(以下引用)画像は共産党の田村党首のみ載せる。ああ、こういう顔の人か、という認知を広めるためだ。人相的に言えば、「真面目で融通の利かない学級委員長」のような感じだ。
27日の衆院選投開票の結果、自公が過半数割れして215議席の惨敗となった。自民は選挙前から58議席、公明も8議席減らした。裏金問題に対する有権者の鉄槌が下り、自民は3年前の前回から比例票を533万票も減らし、公明も前回から115万票も減らす結果となった。今回の選挙は超短期決戦で、自民は選挙前に総裁を替え、野党の協力態勢が整う前に解散して勝利に持ち込む常套手段で臨んだが、その必勝戦略が裏目に出る顛末となった。選挙の主導権を握ったのはマスコミで、裏金問題を争点に据え、佐藤千矢子らが記者クラブ討論会で石破茂と石井啓一を厳しく責め立て、序盤から中盤にかけての情勢が固まった。選挙戦の期間があまりに短く、自公側は反撃の機会を見い出せないまま終盤に突入した。そこで赤旗のスクープが出て、非公認候補に2000万円振り込んだ事実が暴露され、自公敗北は想定を大きく超える雪崩現象となった。
争点は裏金問題。決定打は赤旗のスクープ。全体として、何から何まで日本共産党と上脇博之の力で動かした功績であり、昨年からの裏金問題の告発が功を奏した殊勲の政治だと言える。政治史に残る偉業だ。1988年に発覚したリクルート事件は、政界を大きく揺るがして1989年の「山が動いた」参院選となった。そこから自民党政権が崩壊する激動へ繋がったが、それは朝日新聞のスクープから始まった政治だった。35年前の出来事をすっかり忘れていたが、いわゆる「政治とカネ」の問題は日本政治の構造を大きく変える槓桿となり得る。今回、35年前のドラマが再現された感があり、興奮とカタルシスを覚えている。「政治とカネ」の問題と言いつつ、この20年ほど、いつもいつも「収支報告書を書き換えました」「秘書が立件起訴されました」で終わり、せいぜい「離党しました」で済んでいた。「ザル法ですから」の解説を聞かされて歯噛みするだけだった。
なので、今回も、この問題がまさか1年後に自公過半数割れという事態に発展するとは想像していなかったし、ここまで大きな選挙の争点になって国民を動かし、票を劇的に動かすとは思わなかった。あらためて、今回の選挙結果、すなわち民主主義の政治成果の立役者であり原動力となった上脇博之と赤旗新聞の活躍に敬意を表し、心から拍手を送りたい。日本共産党の議席が減ったとか、努力が報われなかったとか、そんなことはどうでもいいことだ。人の人生で35年という時間の意味は大きい。今回は、いわば35年分の「政治とカネ」の鬱屈と憤懣が総括された瞬間であり、それに立ち会ったのであり、意義の大きさは余りある。上脇博之の執念と不屈の闘志が今度の政治の痛快なダイナミックスを作った。上脇博之こそ本当に価値ある政治学者であり、民主主義政治に貢献する有能な研究者だ。ギャラ稼ぎしか能がない、山口二郎や中北浩爾や牧原出など無能な雑魚同然にすぎない。
日本共産党について言えば、議席が減ったからと言って気にする必要はない。永田町に新しい政党は増え、野党の顔は増えたが、今度のような力業(民主主義の刮目の功績)を他の政党が今後できるだろうか。できないだろう。日本共産党だけだろう。それは、私だけでなく、おそらく保守層含めた国民全員が確信していることだ。であれば、獲得議席で敗者であっても胸を張ってよい。今回の日本共産党の議席減・票数減は当然であり、長く続けた「野党共闘」路線の失敗の所産である。私はずっとその誤謬を指摘し続けてきた。間違った「野党共闘」などに執着せず、地道に地域で党の本来の主義主張を訴え、粘り強く支持と共感を広げる活動を続けていれば、また、素早く執行部を若返らせてイメージチェンジしていれば、15議席は確保できる党の体力を維持できていただろう。しばき隊路線、ポリコレ路線、プログレッシブ路線への無原則的な旋回とのめり込みが党衰退の原因である。
投票率は53%で、前回より2ポイントも低くなった。予想したとおりであり、結果は自公過半数割れという吉報に出たけれど、特に有権者に期待感や刷新感を抱かせる選挙ではなかった。議席を伸ばした野田立憲の比例票は前回と同じで、得票数は増えていない。自民党が500万票減らし、維新が300万票減らし、その分が玉木国民に流れ、参政党と保守党とれいわに流れ、一部が寝た(棄権した)だけである。保守票の内部で移動があっただけで、安倍支持者が毎度のように投票して勝ってネットで騒いで喜ぶイベント祭りが変化しただけだ。参政党だの保守党だのの猛毒の極右が登場し、彼らが公共の電波に顔を出し、国会で改憲を咆哮するのかと思うと、気が滅入って憂鬱になる。改憲の気運は遠のいたという説があるが、決してそんな楽観的な状況ではないだろう。改憲にアグレッシブな玉木国民が政局の中心に位置したことで、弾みがつき、野田立憲を改憲に牽引する可能性を否めない。
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