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徽宗皇帝のブログ

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「戦争と原発」路線にストップがかかったか
「株式日記と経済展望」から転載。管理人氏コメントも、今回のはなかなか面白いので載せた。(ふだんは、私とは政治思想がほぼ正反対なので「私のコメント」部分は流し読みするだけである。今回のコメントでも、原発再開を進めるべきだ、という意見にはまったく同意できない。)
東芝が何をやらかして社会問題になっているのか、あまり興味も無かったのでよく知らないが、不正経理や粉飾決算がどうこう、という話だろうか。そんなものはどの大企業でもたいていやっていることだろうし、むしろ、今のこの時期にそういう話がなぜ浮上してきたのかの方が興味深い。「戦争法案」のためのスピン(スピンオフ)か、それとも、下記記事にあるような、「原発事業」の行き詰まりか。後者なら、戦争法案問題ともども、自公政権の命運が尽きかかっていることの証明かもしれない。どこかで誰かが、従来の「戦争と原発」路線にストップをかける指令を出したのだろうか。つまり、「稲の根本に鎌を入れる」ことになったのかもしれない。マスコミが安倍政権批判を堂々と(というより、まだおずおずと、だが)やり始めたところなども、それを伺わせる。

管理人氏コメントの中のどこが気に入ったかというと、円高状態の時に家電産業が国内生産をほとんどやめて、その結果、今の円安状態になっても家電の国内生産再開が不可能になってしまったという無能ぶりへの批判のところである。目先の利益しか頭にない経営者は、結局大損をすることになる。東芝のウェスティングハウス買収も、先が見通せない無能経営の事例だろう。自公政治家もまた同様である。


どうでもいい話だが、記事中に引用された町田氏の記事の中の「減損」という経済用語(か?)が、私には分からなかった。通常なら、「減らし、損じる」という、同義漢字の重複による強調だと思うが、この文中では「損を減らす」意味に取れる。一般人の知らない言葉を専門家が使う場合は、できれば簡単な説明を付記してほしいものだ。別に、一字一句変更不可能な、密度の高い、永遠の古典たるべく練り上げられた文章でもないだろうし。(笑)
要するに「減損(損を減らす)」と括弧で補足すれば足りる話である。(念のために私の所持する小さな辞書で調べたら、「減損」という熟語は載っていなかったから、多分経済用語かと思う。)


(以下引用)

WH買収以来、実に1兆1538億円ののれん代が計上された。
東芝の株主資本(1兆4264億円)があっさり吹き飛ぶ規模だ。

2015年7月22日 水曜日

膨らんだ「のれん代」1兆円超 東芝がひた隠す「原発事業の不都合な真実」 7月21日 町田徹


ほとんど報じられていないが、今回のケースで怠ってはならないのは、同社の重要部門だった原子力事業の精査だろう。


中でも、鳴り物入りで2006年10月に4800億円あまりを投じて77%の株式を取得した米原発プラントメーカーのウェスチングハウス(WH)の子会社化は重要だ。当時の西田厚聡社長は、わざわざ説明会を開き、原発の建設や保全サービスなどで2015年には最大7000億円のビジネスが見込めると胸を張っていた。


この買収に伴って、東芝のバランスシート上ののれん代は急膨張した。2006年度(2007年3月末)の計上額は7467億円と1年前の6.5倍に急増した。


問題は、こののれん代の処理にある。


ちなみに、のれん代とは、買収金額と、買収対象になった会社の正味価値の差額を指す。買い手候補が2社以上で競合すれば、のれん代は膨らみがち。経営の実態を決算に反映しようとすれば、膨らみ過ぎたのれん代の償却は不可欠だ。


償却のやり方は、国際会計基準(IFRS)や米国基準と、日本基準で異なっている。IFRSや米国基準では、買収した企業(事業)の価値が下がったら償却するのに対し、日本基準は20年程度をかけて費用として計上し償却することになっている。

原発事業の誤算

そこで東芝だが、同社は米国基準を採っている。WH買収前のことだが、2005年度第3四半期決算発表の席で、担当副社長がWHののれん代について「弊社は米国会計基準を採用しているので、毎年、(下がっていないか)公正価値の再評価を実施します」としながら、有望な事業なので「直近2、3年の間に減損をすることは想定しておりません」と言明した。


そもそも、この償却をしないという方針に無理があった疑いがある。WHの本国である米国では、1979年のスリーマイル島の原発事故以降、新たな原発の建設がストップしており、原発は有望なビジネスではなくなっていたからだ。


さらに、福島第一原発事故から約1カ月が経った2011年4月14日の佐々木則夫社長(当時)の言葉は不可解だ。日本経済新聞やロイター通信のインタビューで語ったもので、「会計監査人に見てもらって今の経営の中から減損のリスクはほとんどないと評価されている。実際の収益の源は(既存の)運転プラントと燃料から来ているので、新規プラントが少し遅延しても減損に至らないと思う」と述べたのだ。


福島第一原発事故で東京電力の企業としての存続が危ぶまれ、米国に続いて日本でも原発の新設が難しくなろうとしていた時期に、減損を不要と言い張る佐々木社長の態度は、リスクの過小見積りとみなされてもやむを得ない。ちなみに、東芝が2010年12月末に計上していたのれん代は約5489億円。このうち半分強がWH分だったとされる。


2012年10月、佐々木社長はさらに約1250億円を投じて20%分のWH株を追加取得した。米エンジニアリング大手のショー・グループから契約に基づく買い取りを迫られて、拒否できなかったのだ。この価格が妥当だったかどうかも精査が必要だ。


WH買収以来、すっかり安易なM&Aが定着した東芝の2014年末のバランスシートには、実に1兆1538億円ののれん代が計上された。仮に、全額を一括償却すれば、巨大に見える東芝の株主資本(1兆4264億円)があっさり吹き飛ぶ規模だ。そもそもWHののれん代の先送りは、必要なコストの計上や損失の処理を先送りするという点で、今回、問題になっているインフラ工事の経費先送りなどと同根の問題でもある。繰り返すが、精緻な調査を避けては通れない。(後略)


(私のコメント)

東芝の不正会計問題は大きな問題に発展しそうな気配ですが、日本の原子力産業を左右するほどの問題であり、日本政府も原子力産業を支えて行くためには、原発を早く再稼働させて、日本国民の原発アレルギーを無くさなければなりません。

福島原発災害が起きる前は、日本が原発プラントの主導権を持つほどに原子力発電プラントを一手に握るほどだった。東芝だけではなく日立や三菱も原子力発電プラント事業を行っていますが、世界中にプラント建設を売り込む流れだった。

東芝は原発と半導体に集中投資をして家電などの部門を切りしてて行きましたが、確かにテレビなどもTOSHIBAのマークはあまり見かけなくなった。しかし円安のおかげでテレビやパソコンなどが息を吹き返していますが、東芝はその恩恵にあずかれない。

日本の円がこれほど円安になっても輸出があまり伸びないのは、東芝のように家電から撤退したり工場を中国やアジアに工場を移してしまったからであり、家電から撤退せずに頑張っていれば円安の神風で一息つけたはずだ。選択と集中は当たれば大きいが外れれば命取りになる。

日本の電気産業はあまりにも円高に対応しすぎて円安になった時の経営戦略を立てていなかった。その点では自動車の富士重工やマツダなどは円安メリットで大儲けして株価はロケットのように打ちあがっている。なぜ日本の電気産業は国内の工場を閉鎖してしまったのか。

一旦国内の工場を閉鎖すれば再開する事は人材も離散してしまっていないし、下請け工場なども無いから一から始めなければならない。つくづく日本の経営者の先を見る目の無さを感じますが、東芝の経営者も安定した家電産業を維持すべきだった。

原子力などのインフラ産業に手を伸ばすのも一つの手ですが、地道な家電産業も維持すべきだった。これは日立や三菱にも言える事ですが、いったん円安になれば日本の情報家電産業はサムスンやLGなどに負けない力がある。4Kテレビや8Kテレビなどもサムスンを蹴散らせるだけの実力はあったのに切り捨ててしまった。

半導体産業もセルプロセッサにソニーと共に数千億円も投資しましたが失敗した。時代の流れはスマホに向かっておりセルプロセッサはゲーム機やテレビなどの画像処理用のプロセッサですが需要は限られる。ゲーム機もスマホに主流が移ってしまった。だから先を見る目が無かったのだ。

東芝はスマホから完全撤退してしまいましたが、NECもパナソニックもスマホから撤退してしまった。中国や韓国のメーカーにコスト競争で勝てないと見たからですが、スマホにしてもこれからどのように変化して行くか分からないし、中国や韓国のメーカーがおかしくなれば日本にもチャンスはある。

原子力発電は次世代型が軌道に乗るまで茨の道が続きますが、軽水炉型の原発から高温ガス炉やローソク型の原発等に切り替わって行くだろう。軽水炉型は安全対策にカネがかかり過ぎて複雑になりすぎている。これからは小型で事故が起きない次世代型の原発が出来るまで原子力発電は冬の時代を迎える。

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日本語の起源・言霊百神
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