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徽宗皇帝のブログ

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ウクライナは東西対立の最前線
「マスコミに載らない海外記事」から転載。
長文なので、私の前説は簡略にするが、これはプーチン最大の危機、つまり世界民主主義最大の危機ではないだろうか。ウクライナは、いわばロシアと西側の最前線であり、西側(今は、これこそがコーポラティズムと軍事勢力に支配された存在であり、民主主義の敵と言っていいだろう)はウクライナを橋頭堡(敵陣営に構築し、そこを攻撃拠点とするもの)としてロシアを壊滅に追い込もうとしているのである。そして、ロシアが滅びれば、NWOはほぼ完成である。(中国は、もはや西側の一員に近い。)つまり、新自由主義による世界支配の完成だ。
なお、民主主義とは、人民主権と言うよりは、民衆の利益を第一義(主)とする思想と考えるべきだろう。人民そのものが政治的決定権(主権)を持つことは現実的には不可能なのであり、選挙で代表を選び、政治的決定権を委任することしかできないのだから。そして、この代表となる人物の人格如何で、民主主義を標榜しつつ独裁政治が行われている国が無数にあるのはご存知の通りだ。




(以下引用)


2014年2月20日 (木)



攻撃にさらされているロシア




2014年2月14日

Paul Craig Roberts

ソビエト連邦がアメリカの覇権に対する制約として機能してきたことを私は多くの記事で説明してきた。ソ連崩壊は、アメリカの世界覇権を求めるネオコンの衝動を解き放った。プーチン指揮下のロシアと、中国と、イランだけがネオコンの思惑に対する抑制力だ。

ロシアの核ミサイルと軍事技術のおかげで、ロシアは、アメリカ覇権に対する最強の軍事的障害となっている。ロシアを無力化するため、アメリカはレーガン-ゴルバチョフ協定を破り、NATOは、ソ連帝国の旧構成国内へと拡張し、今やロシアそのものの旧構成部分、グルジアとウクライナをNATOに取り込もうとしている。アメリカは、弾道弾迎撃ミサイルを禁じる協定を脱退し、弾道弾迎撃ミサイル基地を、ロシア国境に設置した。アメリカ政府は核戦争原則を変更して、核先制攻撃を可能にした。

こうしたもの全てが、ロシアの抑止力を落としめ、アメリカの意志に抵抗するロシアの力を弱めることを狙ったものだ。

ロシア政府(そしてウクライナ政府も)は、“人権擁護団体” “民主主義構築”等を装って、アメリカ政府の代理人として機能する、アメリカから資金提供されている多数のNGOを愚かにも認可してしまった。“プッシー・ライオット”のイベントは、プーチンとロシアのイメージを悪くすることを狙った作戦だった。(女性は便利なカモだ) ソチ・オリンピックに対する欧米マスコミ攻撃は、プーチンとロシアをあざ笑い、悪魔化する作戦の一環だ。プーチンとロシアには、外交、スポーツ、人権のどれであれ、いかなる分野でも、決して成功した様子などさせないとアメリカ政府は固く決めているのだ。

アメリカ・マスコミは、政府と企業の宣伝省であり、アメリカ政府がロシアのイメージを汚すのを手伝っている。スチーブン・F・コーエンは、ロシアに関するアメリカ・マスコミの報道を“恥ずかしくも、職業倫理に反する、政治的に扇動的な記事の津波 ”だと正しく喝破している。http://www.informationclearinghouse.info/article37635.htm

冷戦の名残で、アメリカ・マスコミは、信頼できる自由出版物というイメージを維持している。実際には、アメリカには、自由出版物は存在しない(インターネット・サイトを除いて)。例えば下記をご覧願いたい。http://www.huffingtonpost.com/2014/02/12/us-press-freedom-index-2014_n_4773101.html クリントン政権後期、アメリカ政府は、5社の巨大コングロマリットに、 様々なバラバラで多少独立したマスコミを、集中化することを許可した。こうした超巨大企業の存在価値は、連邦の放送免許にある。それゆえ、マスコミには、いかなる重要問題についても、政府に楯突く根性はない。更に、マスコミ・コングロマリットは、今やジャーナリストではなく、大企業広報担当幹部と元政府幹部によって運営されており、事実ではなく、広告収入と、政府“情報筋”へのアクセスしか眼中にないのだ。

アメリカ人を、ロシアとの対決に備え、ロシア人や他の国民に影響を与えて、反プーチンにするのに、アメリカ政府はマスコミを利用している。アメリカ政府は、プーチンよりも軟弱、あるいは、もっと言いなりになるロシア指導者を見たがっているのだ。

多くのロシア人はだまされやすい。共産主義者による支配と、崩壊による混沌を経験した後、アメリカは最高の国、世界の手本、信頼できる“正義の味方”だと、彼等は無邪気に信じこんでいる。アメリカがウクライナを、乗っ取りの準備として、不安定化する中で、西ウクライナでも明らかになっているこのばかばかしい信念は、ロシア不安定化にアメリカが利用する重要な武器だ。

ロシア人の中には、反ロシア言辞は、冷戦時代の古い固定観念の名残に過ぎないと言って、アメリカを擁護するむきもある。“古い固定観念”等というのは、人の目をそらす為の、人を惑わす煙幕だ。アメリカ政府はロシアを射止めようとしているのだ。ロシアは攻撃を受けており、もしロシア人がこれを自覚しなければ、彼等はおしまいだ。

多くのロシア人はぼんやりしているが、イズボルスク・クラブは彼等を目覚めさせようとしている。(2月12日)ロシアの週刊誌ザフトラの記事で、戦略・軍事専門家達が、欧州連合に加盟しないというウクライナ政府の決定を覆させる為の、欧米による抗議行動の利用が、ファシスト分子によるクーデターが可能な状況を生み出したと警告した。そのようなクーデターはウクライナにおける兄弟争いを引き起し、“ロシア連邦に対する深刻な戦略的脅威”となるだろう、と。

そのようなクーデターが成功するようなことがあれば、ロシアに対する以下のような影響があると、専門家達は結論している。

- ロシア連邦の黒海艦隊基地としてのセヴァストーポリの喪失;

- 東および西ウクライナ在住ロシア人の追放で、大量の難民が生まれる

- ロシア軍向けの請負工事が行なわれている、キエフ、ドニプロペトロウシク、ハルキウの製造能力喪失

- 強制的なウクライナ語化による、ロシア語話者への弾圧

- クリミアを含むウクライナでのアメリカとNATO軍事基地の設置と、カフカスや、ボルガ流域や、恐らくはシベリアでの、テロリスト訓練センター建設

- 画策されたキエフ抗議行動の、ロシア連邦内の都市での非ロシア民族への拡散

ロシアの戦略家達は“ウクライナでおきつつある状況は、ロシアの将来にとって壊滅的なものと見なす”と結論付けた。

何をなすべきなのだろう? 瓦解という状況を正しく分析した戦略専門家達が存在している。彼等は、進行中の乗っ取りの正体を暴露する全国的マスコミ・キャンペーンを呼びかけ、ウクライナへの脅威に対処すべく、ロシア、ウクライナ、アメリカ、イギリス政府の代表による会議を招集する為、ロシア連邦政府に、1994年のブダペスト・メモランダムを発動する様、要求した。ウクライナの主権を規定するブダペスト・メモランダムが、複数の当事者によって棚上げにされた場合には、専門家達は、1962年のキューバ・ミサイル危機を解決したケネディ-フルシチョフ会談の前例をひいて、ウクライナで展開しつつある危機を解決する為のアメリカ政府との直接交渉を、ロシア政府に提案している。

これは夢物語だ。専門家達は自己欺まんに陥っているのだ。アメリカは、まさに専門家達があげた理由ゆえに、ウクライナ危機の犯人であり、ウクライナを乗っ取ろうとしているのだ。これは、ロシアを不安定化し、アメリカ軍のシリアとイラン攻撃を防いだプーチン外交の成功を台無しにするのに完璧な計画なのだ。

基本的に、もしアメリカが、ウクライナで成功すれば、ロシアはアメリカの世界覇権に対する抑制力としては消し去られ、中国しか残らないことになる。

プーチンとロシアが、ソチ・オリンピックに没頭して、ロシアが無防備状態にある時に、ウクライナが重大局面に到るのではあるまいかと私は思っていた。ロシアが大きな戦略的脅威に直面していることは疑うべくもない。ロシアにとって本当の選択肢は何だろう? もちろん、選択肢の中に、アメリカ側からの何らかの善意というものはない。

ロシアが、アメリカが使っているシナリオを利用して動くことも可能だろう。もしロシアに無人機があれば、ロシアは、アメリカ政府が行なっている様に無人機を利用して、ワシントンに支援された抗議行動の指導者達を暗殺するのに使えるだろうる。あるいはロシアは、特殊部隊チームを送り込んで、反ロシア活動をしている工作員達を抹殺することも可能だ。もしEUがウクライナの不安定化を支援し続ければ、ロシアは、ヨーロッパのアメリカ傀儡諸国への石油とガスの供給を遮断することもできる。

代替案として、最近まで、200年間にわたってロシアの一部だったウクライナを分割する段取りがまとまるまで、ロシア軍が西ウクライナを占領ことも可能だろう。大多数の東ウクライナ住民が、EUよりロシアを選ぶのは確実だ。西半分にいる洗脳された連中が、しばらくの間、口角泡を飛ばすのを止めて、アメリカ/EUの手中に入るのは、ラトビアやギリシャのように掠奪されることを意味するのを理解する可能性さえある。

アメリカ政府とヨーロッパの愚かな傀儡諸国が、ロシアに対して勧告をする代りに生み出した最も危機度の低い結果のあらましを、私は申し上げている。最悪の結果は危険な戦争だ。もしロシア人が手をこまねいたままでいれば、状況は彼等に耐えがたいものになるだろう。ウクライナが、NATO加盟と、ロシア人住民弾圧の方向に向かえば、ロシア政府は、ウクライナを攻撃し、外国政府を打倒するか、アメリカに降伏しなければならなくなるだろう。アメリカ政府がロシアとの対決に用いている無謀な戦略的脅威の、ありそうな結果は核戦争だろう。

ネオコンのビクトリア・ヌーランドは、国務省の事務所に座って、次のウクライナ政府の閣僚を選んでいる。このアメリカ人幹部は、ウクライナとロシアの内政へのアメリカによる介入が核戦争を起こすリスクを忘れているのだろうか? オバマ大統領と議会は、アルマゲドンを引き起こそうとしている国務次官補がいることに気付いているのだろうか?

のんきなアメリカ人は、一握りのネオコン・イデオローグが世界を破壊へと追いやっていることに目もくれず、全く分かってもいない。

注: ルーマニア、ウクライナと国境を接し、モルドバとウクライナの国境沿いに複数の都市があるモルドバから、モルドバ人がウクライナ抗議行動参加者を演じると、一日30ユーロ貰えるというメールを受け取った。この知らせを裏付けられる読者からのお知らせ、および/あるいは、この主張を裏付けるマスコミ情報があればお知らせ願いたい。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/14/russia-attack-paul-craig-roberts/

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夜、食事をしながら、大本営広報部、TPP、宗主国、大企業の利益の為に最善を尽くせという、特攻隊への訓示まがいのインチキ報道を聞かされた。

ウクライナ抗議デモの過激化を懸念していたが、残念なことに、筆者の懸念、的外れでなかったようだ。大本営広報部、野党・反政府側にたって、しっかり報道してくれている。


プーチンとロシアが、ソチ・オリンピックに没頭して、ロシアが無防備状態にある時に、ウクライナが重大局面に到るのではあるまいかと私は思っていた。

しかも、この主張を裏付けるマスコミ情報があればお知らせ願いたい。という本文末尾にある彼の要請に答えた方々が多々あったようで、次の文で、筆者はそのあたりを詳細に描いておられる。それはまた別途。





2014年2月20日 (木) NATO, アメリカ, アメリカ軍・基地, ロシア, 東ヨーロッパ・バルト諸国 | 固定リンク

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