「晴耕雨読」から転載。
現在、もっとも鋭く、信頼できる論客の一人が想田和弘氏で、「晴耕雨読」でも彼のツィッターからの転載が多い。私自身もそこから想田氏の引用をすることが最近は多いのだが、これまで何度も書いてきたように、自分が書きたい内容で、自分で書くよりも鋭く、的確な文章が既にあるのだから、何も自分で書く必要は無いわけだ。(笑)そして、どういう文章をピックアップするかというのは、それ自身がブログ書き手の見識の現れであって、大げさに言えば、詩歌選を作るのは詩を書くのと同様の創造行為だと、かつて丸谷才一が言っていた記憶があるが、それと同様だと私は考えている。
で、私の場合は、引用の前にこうしたとりとめもない前説を書くことが多いのだが、「株式日記と経済展望」などとは違って、引用記事について論じることは少ないと思う。引用記事はそれ自体で充実した内容を持っているのだから、記事それ自体に語らせればいいわけである。もっとも、批判のための引用の場合は、もちろん、そういうわけにはいかないが、そういう場合は多くはない。好きな記事だから引用する、というのが大半である。
まあ、引用だけ、というのもあまりにも「他人の褌で相撲」なので、蛇足だとは思うが、少しだけ下記記事の感想を書く。
「最悪なのは、新自由主義者たちが、国家の機能のうち人々を抑圧する機能だけを残し、資本の傭兵のように使い始めるであろうこと。
いや、たぶん確実にそうなっていく。」
という想田氏の不吉な予測は実現する可能性が非常に高い。というのは、それが「資本の意思」だからである。資本は自らの権力を拡大するように動くのが本性であり、その究極の姿が「新自由主義」すなわち、「資本の意思を自由に実現できるようにすべてを変える」という思想である。ならば、「民主主義」ほど「資本の意思」にとって邪魔なものは無いのだから、新自由主義が民主主義を破壊する方向に進む(TPPはその代表例)のは自然の流れである。
ついでに言えば、(けっこう誤解している人も多いと思うのだが)「民主主義」の対立概念は「社会主義」ではない。「社会主義」はむしろ「民衆の福利向上を政治の第一の目的とする」思想である。(先日死去したベネズエラのチャベス大統領の施策はまさしく社会主義的施策である。彼がいかに民衆に愛され、支持されていたかは、彼の葬儀に集まった膨大な群衆の写真を掲載した井口博士の最近の記事で分かる。)そのために企業や資本の意思を抑止するから、資本主義の敵なのである。労働者(資本家ではなく、現場で働く者)が自分の福利を向上させようと思うならば、資本主義ではなく社会主義を選ぶべきだ、というのが私の持論だ。もちろん、社会主義は「官僚支配社会」になりがちだが、それは別の問題だ。資本主義の日本こそ、官僚支配の国であるのは衆目の一致するところだろう。
(以下引用)
2013/3/11
「そりゃそうだ。把握してなかったら無能だし、把握して隠してたら極悪だし。総理の資格無し。:想田和弘氏」 TPP/WTO/グローバリズム
https://twitter.com/KazuhiroSoda
そうなんだよな、誰でも加入できる公的保険を導入しようとしたオバマの医療改革が保険業界などからの激しい抵抗にあって骨抜きにされたのは、資本主義が民主主義を屈服させた現象としてとらえるべきなんだ。
原発事故が起きても脱原発が進まないのも、同じ現象。
そう考えると、ゴリゴリの新自由主義者である橋下徹が民主主義の破壊者であることはさもありなんだし、与野党問わず新自由主義者が政治家や政府に多数(首相すらも!)紛れ込んでいる状況は、民主主義がトロイの木馬を抱えているようなもので、きわめてマズい状況なのであります。
この流れでいくと、たぶん国家も解体もしくは弱体化していく。
なぜなら、これまで民主主義は国家という制度を使って発展・成熟してきたわけだけど、民主主義を新自由主義者が攻撃し骨抜きにしていけば、国家もその巻き添えを食わざるを得ないからだ。
おそらく。
少なくともTPPはその流れにある。
グローバル資本は民主主義が邪魔なので、その器である国家の法律や権限や裁量や境界線を切り崩そうとしている。
これを徹底させていけば文字通り国家は亡くなる。
その作業を担おうとしているのが、国家主義者であるはずの安倍晋三であることは、なんとも皮肉だ。
つまり今や国家は、国内では政治システムに入り込んだ新自由主義者(=資本の代弁者)から侵蝕され、外からも国際協定などで攻撃を受けている。
いや、正確には資本主義の敵は民主主義なので本当は国家などどうでもよいのだが、民主主義を実行する枠組みが国家なので国家を弱体化させようとしている。
最悪なのは、新自由主義者たちが、国家の機能のうち人々を抑圧する機能だけを残し、資本の傭兵のように使い始めるであろうこと。
いや、たぶん確実にそうなっていく。
米国ではカネを出せば逮捕権のある非番警官を雇える。
以前、アメリカの不動産王が、所有する古いビルを建て替えるため、住民を追い出そうとして対立した事件を取材したことがある。
そのとき大家は警官を雇って警備させ、住民側に逮捕者が多数出た。
すでに資本による権力の乗っ取りは進行している。
> えっ、非番の警官にも逮捕権がある!?
あります。
拳銃も携帯し制服を着ます。
> びっくり!金さえ払えば警官を悪事にも雇える?銀行強盗の護衛とかw
いや、マジでそれに近いです。
ならぬものはならぬ?TPPに揺れる自民党 日米首脳会談後、自民反対派は怒り心頭 | トレンド - 東洋経済オンライン http://t.co/iGmquUjSXH
どんどん切り込むべき。
→東京新聞:TPP後発国に不利条件 首相 説明は後ろ向き:政治(TOKYO Web)http://t.co/ndg46IsMTb
そりゃそうだ。
把握してなかったら無能だし、把握して隠してたら極悪だし。
いずれにせよ不可です。
総理の資格無し。
→東京新聞:TPP条件 政権移行直後に把握 http://bit.ly/10sozII
ユニクロ 疲弊する職場 サービス残業が常態化、うつ病の罹患率も高い | 企業 - 東洋経済オンライン http://t.co/W1waYS2Dsx
>> 「そんなばかな」と思うかもしれないけど、安倍首相は「国民皆保険制を守る」などの5項目は公約ではないと言い始めている。
> それはどこの報道ですか、出典を教えてください。
http://t.co/KAk3K8tt2p
現在、もっとも鋭く、信頼できる論客の一人が想田和弘氏で、「晴耕雨読」でも彼のツィッターからの転載が多い。私自身もそこから想田氏の引用をすることが最近は多いのだが、これまで何度も書いてきたように、自分が書きたい内容で、自分で書くよりも鋭く、的確な文章が既にあるのだから、何も自分で書く必要は無いわけだ。(笑)そして、どういう文章をピックアップするかというのは、それ自身がブログ書き手の見識の現れであって、大げさに言えば、詩歌選を作るのは詩を書くのと同様の創造行為だと、かつて丸谷才一が言っていた記憶があるが、それと同様だと私は考えている。
で、私の場合は、引用の前にこうしたとりとめもない前説を書くことが多いのだが、「株式日記と経済展望」などとは違って、引用記事について論じることは少ないと思う。引用記事はそれ自体で充実した内容を持っているのだから、記事それ自体に語らせればいいわけである。もっとも、批判のための引用の場合は、もちろん、そういうわけにはいかないが、そういう場合は多くはない。好きな記事だから引用する、というのが大半である。
まあ、引用だけ、というのもあまりにも「他人の褌で相撲」なので、蛇足だとは思うが、少しだけ下記記事の感想を書く。
「最悪なのは、新自由主義者たちが、国家の機能のうち人々を抑圧する機能だけを残し、資本の傭兵のように使い始めるであろうこと。
いや、たぶん確実にそうなっていく。」
という想田氏の不吉な予測は実現する可能性が非常に高い。というのは、それが「資本の意思」だからである。資本は自らの権力を拡大するように動くのが本性であり、その究極の姿が「新自由主義」すなわち、「資本の意思を自由に実現できるようにすべてを変える」という思想である。ならば、「民主主義」ほど「資本の意思」にとって邪魔なものは無いのだから、新自由主義が民主主義を破壊する方向に進む(TPPはその代表例)のは自然の流れである。
ついでに言えば、(けっこう誤解している人も多いと思うのだが)「民主主義」の対立概念は「社会主義」ではない。「社会主義」はむしろ「民衆の福利向上を政治の第一の目的とする」思想である。(先日死去したベネズエラのチャベス大統領の施策はまさしく社会主義的施策である。彼がいかに民衆に愛され、支持されていたかは、彼の葬儀に集まった膨大な群衆の写真を掲載した井口博士の最近の記事で分かる。)そのために企業や資本の意思を抑止するから、資本主義の敵なのである。労働者(資本家ではなく、現場で働く者)が自分の福利を向上させようと思うならば、資本主義ではなく社会主義を選ぶべきだ、というのが私の持論だ。もちろん、社会主義は「官僚支配社会」になりがちだが、それは別の問題だ。資本主義の日本こそ、官僚支配の国であるのは衆目の一致するところだろう。
(以下引用)
2013/3/11
「そりゃそうだ。把握してなかったら無能だし、把握して隠してたら極悪だし。総理の資格無し。:想田和弘氏」 TPP/WTO/グローバリズム
https://twitter.com/KazuhiroSoda
そうなんだよな、誰でも加入できる公的保険を導入しようとしたオバマの医療改革が保険業界などからの激しい抵抗にあって骨抜きにされたのは、資本主義が民主主義を屈服させた現象としてとらえるべきなんだ。
原発事故が起きても脱原発が進まないのも、同じ現象。
そう考えると、ゴリゴリの新自由主義者である橋下徹が民主主義の破壊者であることはさもありなんだし、与野党問わず新自由主義者が政治家や政府に多数(首相すらも!)紛れ込んでいる状況は、民主主義がトロイの木馬を抱えているようなもので、きわめてマズい状況なのであります。
この流れでいくと、たぶん国家も解体もしくは弱体化していく。
なぜなら、これまで民主主義は国家という制度を使って発展・成熟してきたわけだけど、民主主義を新自由主義者が攻撃し骨抜きにしていけば、国家もその巻き添えを食わざるを得ないからだ。
おそらく。
少なくともTPPはその流れにある。
グローバル資本は民主主義が邪魔なので、その器である国家の法律や権限や裁量や境界線を切り崩そうとしている。
これを徹底させていけば文字通り国家は亡くなる。
その作業を担おうとしているのが、国家主義者であるはずの安倍晋三であることは、なんとも皮肉だ。
つまり今や国家は、国内では政治システムに入り込んだ新自由主義者(=資本の代弁者)から侵蝕され、外からも国際協定などで攻撃を受けている。
いや、正確には資本主義の敵は民主主義なので本当は国家などどうでもよいのだが、民主主義を実行する枠組みが国家なので国家を弱体化させようとしている。
最悪なのは、新自由主義者たちが、国家の機能のうち人々を抑圧する機能だけを残し、資本の傭兵のように使い始めるであろうこと。
いや、たぶん確実にそうなっていく。
米国ではカネを出せば逮捕権のある非番警官を雇える。
以前、アメリカの不動産王が、所有する古いビルを建て替えるため、住民を追い出そうとして対立した事件を取材したことがある。
そのとき大家は警官を雇って警備させ、住民側に逮捕者が多数出た。
すでに資本による権力の乗っ取りは進行している。
> えっ、非番の警官にも逮捕権がある!?
あります。
拳銃も携帯し制服を着ます。
> びっくり!金さえ払えば警官を悪事にも雇える?銀行強盗の護衛とかw
いや、マジでそれに近いです。
ならぬものはならぬ?TPPに揺れる自民党 日米首脳会談後、自民反対派は怒り心頭 | トレンド - 東洋経済オンライン http://t.co/iGmquUjSXH
どんどん切り込むべき。
→東京新聞:TPP後発国に不利条件 首相 説明は後ろ向き:政治(TOKYO Web)http://t.co/ndg46IsMTb
そりゃそうだ。
把握してなかったら無能だし、把握して隠してたら極悪だし。
いずれにせよ不可です。
総理の資格無し。
→東京新聞:TPP条件 政権移行直後に把握 http://bit.ly/10sozII
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>> 「そんなばかな」と思うかもしれないけど、安倍首相は「国民皆保険制を守る」などの5項目は公約ではないと言い始めている。
> それはどこの報道ですか、出典を教えてください。
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