「泉の波立ち」から転載。
私は経済のことはほとんど知らないのに経済「学」的なのが好きなのは、それがまるで推理小説みたいだからだ。いや、現実に密着している分、本当の推理小説よりも、面白い。しかも、経済的に見た世界は壮大な詐欺の世界であり、「経済の世界とは犯罪の世界である」と言いたいくらいだ。なぜこれほど面白いものを世間の人間が興味を持たないのかと言うと、もちろん経済を難しいと思っているからだが、なあに、経済用語の大半は犯罪者の隠語でしかない。
要するに、「馬鹿な大衆から金を吸い上げる理由をいかにこじつけるか」が御用経済学の使命のようなものである。その一方で、一般大衆のために戦う経済学もある。まるでモリアーティ教授対シャーロック・ホームズの戦いである。現実には、そのモリーアーティが、竹中のように表に堂々と出ているわけだが。アメリカで言えば金持ち優遇政策を推し進めるのに寄与した新古典派(すなわち自由放任主義者、言いかえれば「新自由主義者」)、マネタリストなどがそれだ。
下記記事の南堂氏は、私とぶつかる面もいろいろあるが、基本的には国民の中流層ないし下層に金を流すことで景気回復を図るべきだという思想を持っており、ケインジアン(政府の経済への介入を良しとする点で、社会主義的経済学派・反自由放任主義者)の一人だと見られる。その点では私とまったく同様である。
今回は「ビッグマック指数」という面白い言葉が出てきたが、それで見るとアメリカで4.07ドルのビッグマックが日本では320円のようだから、1ドル79円が適正水準であり、現在の1ドル76円(75円になったのか?)はやや円高という程度で、わざわざドル買い介入するほどではない。そもそも、何の歯止めもなく無闇に印刷し、湯水のように世界に溢れさせているそのドルを買えば買うほど日本国の金が紙屑になっていくだけである。
(以下引用)
● ニュースと感想 (8月22日b)
「円高・ドル安」について。
円高・ドル安が進んでいるので大変だ、という記事があふれている。
→ とどめ刺された・壊滅だ…超円高に町工場悲鳴
しかしよく読むと、自分の製品が売れなくなるというよりは、「自動車会社からの注文が来なくなる」という心配。
しかし現実には、自動車会社は世界における総生産台数を増やしつつある。(前日分で記したとおり。)
だから、上記のような「空洞化の心配」は、当てはまらない。
そもそも、今回の現象は、特に「円高」というほどではない。なぜなら、海外では物価上昇があるので、物価上昇のない日本と比べると、時間がたつにつれて少しずつ円高になるのは当然だからだ。(物価上昇があると、貨幣価値が低下するので、その国の通貨は価値が低下する。)
この点を補正すると、「購買力平価」というものが出るが、この値を見ると、現時点では特に遠田なに(徽宗注:もちろん、「円高に」の間違いだろう)なっていないことがわかる。
購買力平価の一種として、「ビッグマック指数」というものがある。
→ 購買力平価説 - Wikipedia
→ ビッグマック指数 - Wikipedia
この数字に着目すると、現状は別に円高というほどではない、とわかる。そういう報道がある。
→ ビッグマック指数だと…極端な円高ではない?
→ 2011年エコノミスト誌のビックマック指数(表) - Bloomberg.co.jp
結論。
「円高だ、円高だ」と大騒ぎしている人が多いが、現状は「ほんのちょっとの円高」というにすぎない。本当は、今までは円安だったのが、いくらか補正されたという程度のことだ。
また、対ドルでは円高になっているが、他の国との比較では特に円高というほどでもない。
要するに、たいして騒ぐほどのことじゃない。一時的な変動を是正するために、いくらか介入するのは構わないが、大幅にレートを変動させることはできないし、そうしようとめざすべきでもない。適正レートは 78円ぐらいだろう。現状(75円)は、あえて大幅介入するほどのレートではない。放置しても、特に問題はない。
私は経済のことはほとんど知らないのに経済「学」的なのが好きなのは、それがまるで推理小説みたいだからだ。いや、現実に密着している分、本当の推理小説よりも、面白い。しかも、経済的に見た世界は壮大な詐欺の世界であり、「経済の世界とは犯罪の世界である」と言いたいくらいだ。なぜこれほど面白いものを世間の人間が興味を持たないのかと言うと、もちろん経済を難しいと思っているからだが、なあに、経済用語の大半は犯罪者の隠語でしかない。
要するに、「馬鹿な大衆から金を吸い上げる理由をいかにこじつけるか」が御用経済学の使命のようなものである。その一方で、一般大衆のために戦う経済学もある。まるでモリアーティ教授対シャーロック・ホームズの戦いである。現実には、そのモリーアーティが、竹中のように表に堂々と出ているわけだが。アメリカで言えば金持ち優遇政策を推し進めるのに寄与した新古典派(すなわち自由放任主義者、言いかえれば「新自由主義者」)、マネタリストなどがそれだ。
下記記事の南堂氏は、私とぶつかる面もいろいろあるが、基本的には国民の中流層ないし下層に金を流すことで景気回復を図るべきだという思想を持っており、ケインジアン(政府の経済への介入を良しとする点で、社会主義的経済学派・反自由放任主義者)の一人だと見られる。その点では私とまったく同様である。
今回は「ビッグマック指数」という面白い言葉が出てきたが、それで見るとアメリカで4.07ドルのビッグマックが日本では320円のようだから、1ドル79円が適正水準であり、現在の1ドル76円(75円になったのか?)はやや円高という程度で、わざわざドル買い介入するほどではない。そもそも、何の歯止めもなく無闇に印刷し、湯水のように世界に溢れさせているそのドルを買えば買うほど日本国の金が紙屑になっていくだけである。
(以下引用)
● ニュースと感想 (8月22日b)
「円高・ドル安」について。
円高・ドル安が進んでいるので大変だ、という記事があふれている。
→ とどめ刺された・壊滅だ…超円高に町工場悲鳴
しかしよく読むと、自分の製品が売れなくなるというよりは、「自動車会社からの注文が来なくなる」という心配。
しかし現実には、自動車会社は世界における総生産台数を増やしつつある。(前日分で記したとおり。)
だから、上記のような「空洞化の心配」は、当てはまらない。
そもそも、今回の現象は、特に「円高」というほどではない。なぜなら、海外では物価上昇があるので、物価上昇のない日本と比べると、時間がたつにつれて少しずつ円高になるのは当然だからだ。(物価上昇があると、貨幣価値が低下するので、その国の通貨は価値が低下する。)
この点を補正すると、「購買力平価」というものが出るが、この値を見ると、現時点では特に遠田なに(徽宗注:もちろん、「円高に」の間違いだろう)なっていないことがわかる。
購買力平価の一種として、「ビッグマック指数」というものがある。
→ 購買力平価説 - Wikipedia
→ ビッグマック指数 - Wikipedia
この数字に着目すると、現状は別に円高というほどではない、とわかる。そういう報道がある。
→ ビッグマック指数だと…極端な円高ではない?
→ 2011年エコノミスト誌のビックマック指数(表) - Bloomberg.co.jp
結論。
「円高だ、円高だ」と大騒ぎしている人が多いが、現状は「ほんのちょっとの円高」というにすぎない。本当は、今までは円安だったのが、いくらか補正されたという程度のことだ。
また、対ドルでは円高になっているが、他の国との比較では特に円高というほどでもない。
要するに、たいして騒ぐほどのことじゃない。一時的な変動を是正するために、いくらか介入するのは構わないが、大幅にレートを変動させることはできないし、そうしようとめざすべきでもない。適正レートは 78円ぐらいだろう。現状(75円)は、あえて大幅介入するほどのレートではない。放置しても、特に問題はない。
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