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徽宗皇帝のブログ

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ママレモンで除染
「風が吹いたら」というアニメ映画があるが、核戦争の勃発した社会で、政府アナウンスを信じて自宅避難をした老夫婦が次第に放射能によって衰弱死していくありさまを淡々と描いた、静かな映画だ。ユー・チューブなどでその一部が見られるから、見るといい。といっても、有名な作品だから、たいていの人は知ってはいるだろう。
下記の現代ネットの記事を読んで私が受けた印象も、「風が吹いたら」の老夫婦から受けた印象に似ているが、違いは、あの老夫婦は最後まで政府を信じて死んでいったが、現代日本の福島の農民は、おそらく政府を信じてはいない。だが、どうしようもないから静かに迫りくる死を受け入れているという点だ。
「ママレモン」で放射能を除染!
これを嗤うのは簡単だ。だが、嗤う人に聞こう。それなら、彼らに何ができるのだ、と。


(「現代ネット」から転載)

計画的避難区域に指定されている飯舘村にも行った。墓参りのために一時帰宅している人たちが大勢いた。村人はふだん通りの格好で、防護服はおろか花粉症用のマスクすら着けていない。
 草刈り器を使って沿道の雑草を手分けして刈っている村人たちを見た。作業は5、6人。50~70代の男女が中心だ。動きやすい作業服や雨がっぱに軍手に長靴という野良仕事スタイル。作業現場の空間線量は4.7マイクロシーベルトで、刈った草の上にガイガーカウンターを置くと8.54マイクロシーベルトになった。記者は防護服と防塵マスクを用意していたが、自分だけ装着することはできなかった。
 村役場の広報には「草刈り作業における放射線対策について」という文書が掲載されている。「作業時間は1日あたり2時間を超えないこと。マスク、帽子、手袋は必ず着用すること」と書いてあるが、守られていない。
「最初は気にしてたけど、被曝しちゃったんだから、もう遅いっぺ……」
 草刈りに励む50代の女性はこう言った。
 3月15日、大量の放射性物質が飯舘村に降り注いだ。このとき、村人は何も知らされず、外で遊んでいる子どももいた。
 佐藤ひろ子さん(56)は一時帰宅のたびに玄関先を除染する。
「毎週帰るたびにママレモンかけてるのさ」
 年配の人の中には自宅に帰るつもりになっている人は多い。
(取材・西牟田靖) .

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