マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-a1525d.html
<転載開始>

イスラム原理主義嫌悪にもかかわらずエネルギー確保では北京は実利的だ


ティムール・フォメンコ、政治評論家
2023年1月9日
RT


 タリバーンが支配するアフガニスタンは石油とガス田開発で5億4000万ドルを投資する中国企業との取り引きに署名した。20年の占領後アメリカ軍が撤退した後、2021年8月に戦争で荒廃した国をタリバーンが引き継いで以来、この取り引きはアフガニスタンに対して行われる最初の大規模投資だ。北京はタリバーンをアフガニスタンの合法政府と認めていないが、この集団が中国経済の安全と戦略にとって重要な隣国の膨大な天然資源を支配しているのを認めている。だからタリバーンの前進後に欧米外交官がカブールから逃げたが中国外交官は動かなかった。


 タリバーンと取り引きする決定は中国がエネルギー安全保障で直面する戦略上のジレンマの延長だ。中国は世界で最も人口ちゅう密な国で、産業大国で、世界最大のエネルギー消費国だ。国が急速に発展するにつれ絶えず増大する需要を満たすのに十分な国産資源がない。それゆえ中国は石油と天然ガスの主要純輸入国となり、それがロシアやエクアドルや中東湾岸諸国を含め、最近多くの提携を推進する要因だった。


 これらの国々と中国の結びつきは強い状態にあるが中国のエネルギー輸入はロシアから来るもの以外はこれら資源は、アメリカに武装されている戦略的に係争的な地域を通って海路で輸入しなければならず戦略的に弁慶の泣き所だ。これには南シナ海もある。アメリカは中国の周囲全体を支配しようと努めており、紛争になった場合ほぼ確実にエネルギー供給を遮断しようとして出荷の出港停止を命じようとするだろう。このような封鎖の試みは高価だが、それにもかかわらず同じ効果をもたらすマラッカ海峡のような一層明瞭な「戦略的に重要な水路」がある。



 この弱点を認識して中国は過去数年にわたり大陸横断道路と鉄道を建設してユーラシアを統合し、アメリカ権力の範囲を超えて商品の中国への出入りを可能にする新しい物流経路を構築する一帯一路構想(BRI)を強化して対応した。例えば中国パキスタン経済回廊(CPEC)はこれら軍事的に脆弱な海域を迂回し中東への近道を作り西のインド洋への経路を確立するBRIの礎石だ。


 だがBRIを含め戦略的ロードマップはアフガニスタンを取り込むことなしでは完全ではない。この中央アジアの国は中国との短い国境を有し、中東、中央と南アジア間の岐路に位置している。これはカブールが中国の安全保障と戦略の重要な部分を占めることを意味する。この国は生得的に不安定で何十年間も使用不可能だったが、アメリカが率いた戦争が終わり、タリバーンの権力奪取はこれまでの状況と比較してアフガニスタンに相対的安定をもたらした。イスラム国(IS)反乱のテロ攻撃が続いているが、アフガニスタンは(明らかに、かなり低いハードルだが)40年間で最も安定した状況にある。


 現状アフガニスタンには膨大な鉱物埋蔵があり、確認済みの天然ガス1.75兆立方フィートの埋蔵多少の石油もある。中国にとってこれは重要で、彼らの国の経済がどん底なので海外投資の確保はタリバーンにとって重要だ。アメリカが任命した政権の腐敗で悪化した問題で、アフガニスタンは今まで数十年決してこのような金を受け取る機会を持ったことはなかった。この状況がイデオロギー的に全く正反対なイスラム原理主義者と共産主義者の5億ドルにものぼる取り引き締結を可能にしたのだ。


 この取り引きをする上で中国はアフガニスタンの内政を尊重し、伝統的な不干渉の立場を維持するとを誓っている。この国に自身のイデオロギー的構想を強制的に押し付けようと試みて失敗したアメリカに対して極めて重要な優位と選択肢となるが、それは北京がタリバーンの過激政策、例えば教育や多くの求人市場から排除する女性差別を見て見ぬふりをしなければならないことを意味する。


 中国は、結局イスラム原理主義を強く非難し、新彊自治区の分離主義イデオロギーだと非難し、この地域の安定に重要なウイグル族少数派に非宗教的統治を実施し、この政策は欧米から益々増大する攻撃を受けている。だが中国の外交政策は実利的で国境のタリバーン国家と実利的関係を作り出すのは国家的戦略的権益だ。中国はエネルギー入手を必要としており隣国で探すより良い方法があるだろうか?


 だからおそらく北京はアフガニスタンに投資して繁栄を通して、この国を一層安定化できると考えているのだ。タリバーン統治の特徴に関しては多くの予約がある、変化の時期ではないだろうか? 民主主義の名のもとアフガニスタンに戦争をしかけて絨毯爆撃でこの国を荒廃状態の破綻国家にした何十年もの惨めな失敗だった。この国はアメリカに率いられた戦争と制裁によって死に飢えさせられるよりも、多少金をもうけて回復する機会に値する。中国モデルはアフガニスタンに新しい前向きなものを提供している。


本欄で表明される声明や見解や意見は単に著者のものであり必ずしもRTのものを意味しない。


記事原文のurl:https://www.rt.com/news/569565-china-taliban-oil-gas/