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徽宗皇帝のブログ

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円高なのにガソリン価格上昇という不思議
「のまちなおひろ」という人(企業コンサルタントらしい)のブログから転載。
私は基本的に企業コンサルタントという連中を信用しないのだが、下記の記事には重要な発言があるので転載しておく。それは、「ガソリン価格なんて原価に関係ありません」という言葉だ。こうはっきり言いきった人間はめずらしい。我々は通常、物の価格は原価と密接に関係していると思いこんでいる。しかし、国際的に流通する資源に関しては、「相場で決まる」のである。先物取引などによって、未来のある時点での価格はある程度決まっているとすれば、現在の原価はその現在の価格とは無関係だということになる。
さらに言うなら、その相場そのものが密室で決められているという可能性だってある。(下記記事でも「ご存知のとおり、原油価格は全世界の1%にすぎぬ米国市場の、さらにWTIというたった一つの市場価格が全世界に影響を与えている。」と言っている。)金の価格が、ロンドンのある一室で、ほんの数名の人間によって決定されているようなものだ。相場というものだって、操作できるだろう。
ということで、これほど円相場が上がって円の購買力が高くなっても、ガソリン価格が上がっているという奇妙な事態が起こるわけだろう。

ついでながらくどく説明すれば、下記記事後半の「円高以上に原油価格が上がっているから」というのは「原油の原価が上がっている」というのではなく、原価とは無関係に「取引価格が」上がっている、ということだろう。当たり前と言われるかもしれないが、私に似た「算数的頭脳」の人間のために付記しておく。なお、「算数的頭脳」とは、物事をできるだけ小学生レベルで理解したいという人間の頭脳のことだ。高度な数学のような抽象性や飛躍はお断り、ということである。

ガウスは、「数学とは、異なるものを同じと見做す技術である」と言ったが、それは抽象の本質を道破した名言ではあるが、また詐欺にも応用されるものなのだ。


(以下引用)



ガソリンの値上がり戦争

 先日、某テレビ局でガソリンの値上がりについて説明して欲しいと頼まれた。「なぜあがっているのか」。それに対する、私の回答は「ガソリン価格なんて原価に関係ありません」というものだった。

 ご存知のとおり、原油価格は全世界の1%にすぎぬ米国市場の、さらにWTIというたった一つの市場価格が全世界に影響を与えている。なぜ今回は、1バレルが80ドルではなく90ドルなのか。そんなことに理論的な説明を加えることができる人がいれば、とっくにその人は金持ちになっているだろう。実際の取引は、金融商品から現物へと流れてきたマネーが影響するし、もちろん産出国の供給量も影響している。さらに、それらの背景をもとに需要と供給の関係が絡みあう。
だから、「値上がりしているのは、そりゃ市場が決めたからですよ」としかいいようがない。そのように解説することにした。結果、テレビのそのシーンはカットになってしまった。「どうしようもない」のであれば、視聴者がどうしようもない。だから、流す必要がないと判断されたのであろう(そりゃそうだよね)。

 しかし、ここで一点だけ指摘しておきたい。それは「円高なのに、なぜガソリンが値上がりし続けているのか」というものだった。もちろん、それは「円高以上に原油価格が上がっているからだ」。しかし、私が指摘しておきたいのは、円高を資源収集に使えていない現状である。

 日本国は原油備蓄を行っている。正確ではないが、200日分ほどの原油を確保している。しかし、その量は為替に関係なく決まっているのだ。もし、円高を利用しようとすれば、円安のときには備蓄の購入量を抑え、円高のときに購入量を増やすという方法も考えられる。これは原油だけではなく、さまざまなエネルギー資源について共通でいえることだ。

 円高を嘆くだけでは意味がない。ならば、その円高を活用する方策を。それを次なる政権に期待しても、それは無意味なことだろうか。




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