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徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

天災(自然災害)か人災か
「ギャラリー酔いどれ」から転載。
「酔生夢人のブログ」で同じ問題を別の角度から少し詳しく書いている。簡単に言えば、日本の中で、「居住不可」の場所に住んでいる人口はかなり膨大にあるのではないか、という話だ。ならば、(津波災害可能性のある場所と同様)政府主導で、それらの場所からの住居移動を推進するべきだろう。そういう根本的改善をしないと、同じ事が繰り返されるのは当然だ。つまり、これは自然災害ではなく、人災であり、災害に遭われた方々に対し無神経と言われそうだが、あえて言えば、そういう場所に住む人々自身の自己責任の部分も大きい。できれば、政府が災害被害者への援助をすみやかに行ってほしいものだが、予測できる惨事に対して対策を未然に行うことは、自然災害に関しては可能であり、それを行わないで起こる災害は人災だ、ということだ。



 至言ですな、

◆http://takedanet.com/2014/08/post_6f78.html
武田邦彦 (平成26年8月20日)
記録的がもたらす災害(1) 大げさで抽象的な表現が災害を生む


☆http://takedanet.com/files/20140816.mp3

このところ、気象の変化で起こる災害が続いている。

8月18日には大雨で岐阜・高山の橋が流され、
8月20日(今日)は広島で土砂崩れの被害が報じられている。

そのたびに、気象庁は「記録的」とか「観測史上最大」という表現を使っているが、
この表現では備えもできず、「原因もわからず
対策も適切に採ることができない


数年前から気象庁の表現は大げさで抽象的になり、
生活をしている方としてはなにをどうすれば良いかわからない。

たとえば「今までに経験したことがない」という表現が出てきたのも数年前だが、
「今までに経験したことがない」というのはあまりに「個人的」で、
80歳の人で日本のあちこちに転勤した人のことを言っているのか、
それとも10歳ぐらいの少年を念頭に置いているのか判らない。

もし、80歳の経験豊かな人のことなら、
「日本の気象変化のうち、かなり珍しい」と言うことになるので、
避難したり、何かの対策が必要だ。

でも10歳ぐらいの人が経験していないということになると、
日本ではほぼ毎年、どこかで起こることになるので、避難したりする必要がない。

だから「今までに経験したことがない」という表現は、
その表現が不適切であることによってかなりの犠牲者を出した原因となっていると思う


台風11号で避難命令がでた四日市市で、約30万人が避難対象だったのに、
180人しか避難しなかったということが
「大げさな表現がもたらす典型的な現象」ということができるだろう。

この時、気象庁は「直ちに命を守る行動を取ってください」と言っていた。

そしてそれを受けて自治体が避難命令
(正しくは避難指示・・・判りにくい言葉で、避難勧告より強い)を出しても
住民はそれを完全に無視した(桑名市では20万人に命令がでて、避難した人は80人)。

「これまでに経験の無い」のだから「直ちに命を守る行動」といっても、全く判らない

一方では、テレビで台風の規模や最大風速、予想雨量を伝えているが、
気圧は935ヘクトパスカルで普通の台風、最大風速は35メートルで台風としてはやや小さめ、
それにすでに高知県で降り始めからの雨量が1000ミリを超えているのに、
三重県の予想雨量はそれより下回っている。
でも「三重県は脆弱だから」とも発表されない。
しかも四日市市では風はそれほど強くなく、雨が問題だったが、
川の周辺に避難指示がでたのではなく、四日市市全体に発令される。

でも住民は「人間」だから、あまりにも不合理なことはできない。
川が氾濫すると言っても堤防が決壊して浸水する地域は決まっている。

それから遠く数メートル以上の高い地域の人が
わざわざより危険なところに避難することなどありえない。

このことをテレビでは「安全を最優先」とか「空振りを恐れない」と
見当外れの解説をしているが、そんなことではなく、

説明や発令が合理的ではないということであり、注意はするに越したことはないが、
三重県に雨が降るから東京の人に避難命令が出るようなものだ。

現地に行ってみると、台風の規模と地形から見て
命を守る行動がなんなのか全く判らないことが理解される。

広島の土砂崩れでも、「記録的」といい「観測史上最大」と言っていた。

でも、雨量を見ると前線が中国山脈の北にあるときの7月などに降る
九州から中国地方の雨(湿舌による豪雨)は普通のことで、
たとえば「広島の住宅地に10年前に設置されたアメダスでは初めてで、
九州から中国地方に夏に降る雨としては毎年、降る程度のもの」と思う。

テレビが住民にインタビューをすると、
「今までにこんなこと経験したことがありますか」との誘導質問があり
「これまでに経験したことがない」と答えた人の映像を出す。

でも今日の広島の住民は誘導質問に対して、
「いや、ときどきこのぐらいの雨はありますよ。でも少し時間が長かったかも知れませんね」
と答えていた。

今度の災害が、本当に記録的なのか、それとも1時間ほど長く降ったのか
によって今後の対策が違う


本当に記録的なら仕方が無いところもあるが、
1時間ほど長く降ると土砂崩れが起きて命を失うというような治水政策なら、
少しの雨でもすぐ逃げなければならない


一刻も早く気象庁は表現を正確に(「記録的」とか「観測史上最大」という代わりに、
九州・中国地方では何年ぶりという表現)に直すべきである。





(追記)「阿修羅」に、私の意見を裏付けるような記事があったので追記しておく。色字部分は私・徽宗による強調。




土砂崩れどう逃げる? 広島15年前にも死者31人 首都圏でも要注意(ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/14/jisin20/msg/106.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 8 月 21 日 20:46:05: igsppGRN/E9PQ

            多くの命を奪った広島市の土石流の爪痕(本社ヘリから)


土砂崩れどう逃げる? 広島15年前にも死者31人 首都圏でも要注意
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140821/dms1408211529013-n1.htm
2014.08.21 夕刊フジ


 死者・行方不明者が40人を超え、今年の国内最大級の惨事となった広島市の大規模土砂災害。広島は全国で最も土砂災害の危険箇所が多く、現場は、山間部で開発された「危険な住宅地」だった。明け方に短時間で記録的豪雨に見舞われた今回のケースの対策は難しいが、山あいに住む住民にとってはひとごとではない。ここ数年の異常気象でゲリラ豪雨、巨大台風などが、日本のどこを襲ってもおかしくないためだ。


 広島市では一夜明けた21日も広島県警や消防、陸上自衛隊など約1700人態勢で行方不明者の捜索や救助を続けた。県警によると、死者は39人、行方不明者は7人。安佐南署には遺族が呼ばれ、身元確認の作業も夜通しで続けられた。


 国土交通省国土技術政策総合研究所の職員らは被害が大きかった安佐北区、安佐南区などの地域で調査を続行し、広範囲で土石流が発生した原因究明に当たっている。


 広島県では1999年6月にも、広島市と呉市を中心に豪雨による大規模土砂災害が発生。死者31人に上り、今回大きな被害が出た安佐北区、安佐南区でも死者が出た。


 「広島県は、古い花崗(かこう)岩の地盤が多い。花崗岩は風化が進むとボロボロの砂状になるため、雨で水がたまると、斜面の崩壊や土石流が発生しやすい。崩れやすい地質であることは周知の事実で、国や県、市も注意してきた」


 南極や北極など極地の調査研究が豊富で、災害にも詳しい広島大大学院の長沼毅准教授(生物海洋学)は、こう話す。国交省の「土砂災害危険箇所」によると、広島県は土砂災害の危険性が高い場所が約3万2000カ所あり、全国で最多だった。


 土砂災害の危険性が高まった背景には、人口増加に伴う宅地開発がある。現場付近では、昭和40年代から開発が進み、崖の直下などにも住宅が建設された。


 長沼氏は「日本中の山地部の住宅は、どこでも危険性はある」と指摘し、こう続ける。「県や市はハザードマップを作って警戒を呼びかけているが、行政は情報提供しかできない。どのような土地に建設するかは、デベロッパーや住民が精査しないといけない」


 国交省がインターネット上に開設している災害のハザードマップによると首都圏では、川崎市や埼玉県鶴ヶ島市、毛呂山町など、関西では兵庫県西宮市、奈良県大淀町などが地盤被害マップを公表しているので、日頃から自宅周辺のチェックを心がけたい。


 今回は20日未明の降雨量が観測史上最大となり、逃げる間もなく、大量の土石流が襲いかかった。被害を最小に食い止めるためには、どうしたらいいのか。


 「強い雨でなくても被害が拡大する可能性があるため、明るいうちに避難した方がよい。災害から身を守るためには、一人では限界がある。コミュニティー全体で守るという意識を持つことが重要。宅地開発されて、新しくできたコミュニティーほど、きちんと連絡網を作っておかないといけない。普段から声を掛け合うこと。自治会をもっと機能させることが防災につながる」(長沼氏)


 全国で頻発する土砂災害。地域全体での警戒態勢が求められている。






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