日本のメディアにおいて「イスラム国」と称されている過激派組織の行いは、イスラームの教えとはまったく異なるものです。イスラームにおいて、テロ行為や不当な殺人、迫害は禁じられており、また女性や子どもの権利は尊重されなければなりません。
「イスラム国」という名称にイスラムという語が入っているために、本来の平和なイスラームが誤解され、日本に暮らす大勢のムスリム(イスラーム教徒)への偏見は大変深刻です。


エジプトにあるイスラームスンニ派最高権威のアズハルからは、昨年9月、この過激派組織に「イスラム国」の名称を使用するのは不適切であり、イスラームとムスリムに対して不当であるとの声明が発表され、海外のメディアに「イスラム国」の名称を用いないよう要請がありました。
しかし、日本のメディアでは、この要請が実現されておらず、国際社会が国家と認めていないただのテロ集団に対して「イスラム国」の名称が使用され続けています。


この過激派組織はアラビア語で「الدولة الاسلامية في العراق والشام‎= ダウラ・アルイスラーミヤー・フィー・アルイラーク・ワッシャーム」であり、その省略形は「 داعش=ダーイシュ」です。
アメリカ軍は昨年の暮れに、この過激派組織を「ダーイシュ」と呼ぶよう公式に発表しました。
フランス政府も昨年9月、「ダーイシュ」の名称使用を決定しています。
海外では、上記アラビア語の英語訳「Islamic State of Iraq and Syria」の省略形である「ISIS=アイシス」や「Islamic State of Iraq and Levant」の省略形である「ISIL=アイシル」を用いるメディアもまだ多いようですが、日本のように「イスラム」を連呼することはありません。


日本においても自民党や外務省が「イスラム国」という名称をやめ、「ISIL」の呼称に統一したことに基づき、各報道機関においても名称の変更がされるべきであると考えます。
日本の皆さま、どうか「イスラム国」という名称の使用中止をお願いいたします。


※なお、ISILの行いがイスラームの教えに沿っていないことは、世界中のイスラーム学者たちが連名でISILに送った公開書簡に具体的に記されています。
 (日本語での要約はこちらのブログに掲載されています)


<2015年2月1日追加>
本日、宗教法人マスジド大塚にてモスク・マスジド代表者会議が開かれ、「イスラム国」という名称が妥当ではないこと、イスラームと差別化されるべきであることを総意で確認いたしました。
上記内容へのご賛同をいただいた出席者の方々、および出席者以外にもご賛同いただける他のモスク・マスジド・イスラーム団体の方々は以下の通りです。従いまして、今後は連名による要望といたします。(敬称は省略させていただきます)


 ・宗教法人名古屋モスク 代表 クレシ アブドルワハブ
 ・宗教法人マスジド大塚 代表 クレシ ハルーン
 ・行徳ヒラーマスジド 代表 ジャミール アハマド
 ・イスラミックサークルオブジャパン 日本人部代表 前野直樹
 ・新居浜マスジド 代表 浜中彰
 ・別府マスジド 代表 カーン ムハマドタヒルアバス
 ・一宮イスラミックセンター 代表 カルディン ハニーフ
 ・静岡ムスリム協会 代表 アサディ ヤスィン
 ・ハサナスマスジド豊田モスク 代表 モヒディーン ニザール
 ・宗教法人アンヌールモスク新潟 代表 ムハンマド ヒッシャム
 ・NPO子どもと女性のイスラームの会 代表 マリアム 戸谷玲子
 ・春日井イスラミックセンター 代表 ムハンマド ウマル
 ・アルムスタファーモスク  代表 アリ イムラン
 ・新安城マスジッド 代表 ムハンマド ファズリー
 ・鈴鹿モスク 代表 ムハンマドラシード ムハンマドマルズーク
 ・三重イスラム文化センター 代表 アビッド ハッサン
 ・大垣ジュムアモスク 代表 モハメッドシャフィー ファザール
 ・モハマディモスク浜松 代表 ファルハド ウディン
 ・宗教法人神戸ムスリムモスク 代表 アライ アフサン
 (2月3日現在)


<2015年2月2日追加>
上記内容を英文に訳したものはこちら
For English translation click here.







(徽宗追記)香山リカはえらく無神経で頭の悪い発言をすることも多いが、これは秀逸な言葉なので紹介する。今の言論世界の風潮を明白にえぐり出した言葉である。略号は「もちテロ」でどうか。「もしドラ」や「てへペロ」に似すぎか? 省略記号を使って「も.テ.」とかね。




> 香山リカ「もちろん最も悪いのはテロ組織であることは言うまでもないが」といちいち断らなければ、すぐに「テロに乗じて政権批判か」「テロ支持ですね」とリプが。「もちろん…」以下を略号化しようかとも考えたが、くだらなさすぎてやめた。