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徽宗皇帝のブログ

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政府・日銀の円売り介入
今日午前10時頃、政府・日銀が円高阻止のために円売りに踏み切った。円売り、つまりドル買いだが、デフォルトするとかしないとか言って大騒ぎするほど最低の経済状態にある米ドルを今さら買って、どうしようというのか。これから紙屑になる可能性の高いドルをただでさえ持ちすぎているのに、泥棒(アメリカ)に追い銭とはこのことだ。
そもそも、なぜ輸出企業(実質的には大半が外国企業に近いだろう)にだけ配慮しなければならないのか。まあ、昭和の高度成長期なら「外貨獲得のためには輸出企業が大事だ」という論法が通用しただろうが、今は、ドルを集めれば集めるほど損をするという状況である。一部の輸出企業のために税金を使って円売り介入をするのは、国民の金の無駄遣いであり、企業なら背任行為だ。
政府の円売り介入の速報を転載しようかと思ったが、元記事である日経紙記事は、この前からなぜかコピー不可能なので、代わりに8月2日の毎日紙の「円売り介入予測記事」を掲載する。これによると、円高によって東日本大震災からの復興にブレーキがかかるということだが、私には理解不可能だ。おそらく、輸出企業が減益になるということを、そのように表現したのだろうが、日本のマスコミの経済記事は、「輸出企業の利害=日本の利害」ということを絶対的真理とする立場でしか報道しないから、国民もそのような思い込みをすることになる。

ついでながら、この円売り介入のニュースが割り込んだために、私は楽しみにしていた地上波大リーグ中継でのイチローの第一打席を見逃した。しかもそのニュースときたら、1分で済むニュースを、同じことを何度も繰り返し、解説にもならない解説をくどくどと言うだけのものであった。私は頭に来て、その後の放送を見る気もなくなったのである。


(以下引用)


外為・株式:NY市場 円高歯止めきかず 急伸一時76円29銭
 【ワシントン斉藤信宏】

週明け1日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は一時1ドル=76円29銭をつけ、東日本大震災直後の3月17日に記録した戦後最高値(76円25銭)の目前まで上昇。米景気の先行き不安や、米政府の債務上限引き上げ合意案の議会採決を控えた投資家の不安心理を反映し、ドルが売られた。
 債務上限引き上げで前日夜に与野党が合意。1日の東京市場は米国債の債務不履行(デフォルト)回避の見通しからドルが買い戻された。しかし、続くロンドン、ニューヨーク市場では民主・共和両党から一定数の造反が出るとの見方が強く、米景気の先行きに対する懸念が増していることも加わり、円買い・ドル売りが加速した。
 1日のニューヨーク外国為替市場では、米国の景況感を示す指標が市場予想を下回ったことをきっかけに、円買い・ドル売りが進み、円相場が4カ月ぶりの高値水準まで急伸した。市場の一部には円売り介入への警戒感が出ているものの、リスク回避のためユーロやドルを売り、「相対的に安全資産」とされる円を消去法的に買う動きが続き、円高に歯止めがかからないことへの懸念が強まっている。
 市場では「米国債の格下げ懸念が払拭(ふっしょく)されない限り市場に安心感は生まれない」(唐鎌大輔・みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト)との警戒感が強い。さらに、「米国の景気減速が鮮明になれば年末までに1ドル=73円台」(塚田常雅・三菱UFJ信託銀行グループマネジャー)との声が出ているほか、60円台を予想する見方もある。
 1ドル=70円台の円高水準の定着は、震災で打撃を受けた日本経済の持ち直しの動きを阻害しかねない。国内では震災で減少した生産の復旧が急ピッチで進んでおり、日銀は今年度後半以降、回復経路に戻ると想定する。しかし、米国の経済減速は円高を加速させかねないうえ、輸出企業に打撃を与え、日本の景気回復は遠のく恐れが強まる。
 また、中長期的には「海外生産シフトの加速で日本の潜在成長力を下押しする」(日銀幹部)との指摘が多く、当面、円高が日本経済の大きなリスク要因となる状況が続きそうだ。【井出晋平、谷川貴史】
毎日新聞 2011年8月2日 東京朝刊

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