植草一秀の「知られざる真実」ブログから転載。
私など、経済の勉強もしたことがないまったくの素人だが、専門的知識などなくても、社会問題や経済問題など、物の道理で判断すれば、大きな間違いはしないと思っている。もちろん、インサイダー情報がある人間にはかなわないが。
で、一時間ほど前(訂正:二時間以上前、10時20分ころだ)に書いたばかりの「円売り介入」の件だが、今、阿修羅を眺めていて、植草教授の書いた記事の引用があり、そこに書かれた内容が、私の主張に近いように思われるので、参考のために転載しておく。もちろん、私がこの記事を見て書いたわけではないことは、投稿時刻で証明できると思う。なにしろ、私はNHKの臨時ニュースを見てすぐに書いたのだから。
まあ、専門家と自分の意見がたまたま似ていたからといって、有頂天になることもないし、私はこれまで専門家批判ばかりしてきた人間なのだが、植草教授は私が高く買う人物の一人なので、偶然でも彼と考えが一致したのは何となく嬉しい。
ということで、「記念転載」である。
(以下引用)
米国では為替介入に対して、議会が厳しい監視の目を光らせている。為替介入で損失を計上すれば、政府は議会から強い非難を受けるのである。為替損失は国民負担になるから、国民の負託を受けた議員は、国会で政府を追及するのだ。
ところが、日本政府はドル上昇局面でもドル資産を売る気配すら示さなかった。
2007年6月末の外貨準備残高は9136億ドルだった。これが、2011年6月末に1兆1378億ドルにまで増加した。この期間の増加は2242億ドルである。
円ドルレートは2007年6月の1ドル=124円から2011年6月の1ドル=80円まで円高・ドル安で推移した。ドル購入の平均コストを仮に102円としておこう。2242億ドルのドル購入代金は22.9兆円になる。
2007年6月末の9136億ドルの当時の円換算金額113.3兆円とこのドル購入代金を合計すると136.2兆円になる。他方、2011年6月末の外貨準備残高を1ドル=80円で換算すると、91.0兆円になる。両者の差額は45.2兆円だ。この4年間に45.2兆円の為替損失を生んだことになる。
会社が経営危機に瀕して、必死で経費削減、減量経営を実施しているときに、財務部だけが財テクに暴走し、史上空前の大損失を計上しているのである。
国会は2兆円や6兆円の補正予算を審議して、数千億円の高速道路料金無料化、子ども手当、高校授業料無償化、農家の個別所得補償などを論じているが、なぜ4年間で45兆円もの損失を計上している外貨準備資産の巨大損失を論議しないのか。
為替介入権は財務大臣にある。円高・ドル安が秩序なく進行する局面で、為替介入を行うことは、一定の制約のなかで許容はされる。しかし、政府が購入したドルは、ドルが上昇した局面で密かに売却することが求められるのだ。
円高を抑制することは輸出産業の利益にはなる。しかし、この介入で損失が生まれれば、その負担は国民が負うことになる。つまり、外為介入は現在の図式では、一般納税者から輸出産業への所得移転をもたらすものなのだ。一般国民から徴収した税金を輸出産業に対する補助金として支出することに等しいのだ。
ファンダメンタルズから外れた為替レートを是正するなら為替介入は意味があるが、ファンダメンタルズに見合う為替変動を介入で阻止しようとしても無理である。介入は一時的な効果しかなく、為替損失を生み出すことで弊害の方がはるかに大きい。
2002年から2004年にかけての不自然で巨額のドル買い介入の真相を明らかにすること。2007年から2011年までの4年間に45兆円もの為替損失を生み出したことについての責任追及がしっかりと行われなければならない。
私など、経済の勉強もしたことがないまったくの素人だが、専門的知識などなくても、社会問題や経済問題など、物の道理で判断すれば、大きな間違いはしないと思っている。もちろん、インサイダー情報がある人間にはかなわないが。
で、一時間ほど前(訂正:二時間以上前、10時20分ころだ)に書いたばかりの「円売り介入」の件だが、今、阿修羅を眺めていて、植草教授の書いた記事の引用があり、そこに書かれた内容が、私の主張に近いように思われるので、参考のために転載しておく。もちろん、私がこの記事を見て書いたわけではないことは、投稿時刻で証明できると思う。なにしろ、私はNHKの臨時ニュースを見てすぐに書いたのだから。
まあ、専門家と自分の意見がたまたま似ていたからといって、有頂天になることもないし、私はこれまで専門家批判ばかりしてきた人間なのだが、植草教授は私が高く買う人物の一人なので、偶然でも彼と考えが一致したのは何となく嬉しい。
ということで、「記念転載」である。
(以下引用)
米国では為替介入に対して、議会が厳しい監視の目を光らせている。為替介入で損失を計上すれば、政府は議会から強い非難を受けるのである。為替損失は国民負担になるから、国民の負託を受けた議員は、国会で政府を追及するのだ。
ところが、日本政府はドル上昇局面でもドル資産を売る気配すら示さなかった。
2007年6月末の外貨準備残高は9136億ドルだった。これが、2011年6月末に1兆1378億ドルにまで増加した。この期間の増加は2242億ドルである。
円ドルレートは2007年6月の1ドル=124円から2011年6月の1ドル=80円まで円高・ドル安で推移した。ドル購入の平均コストを仮に102円としておこう。2242億ドルのドル購入代金は22.9兆円になる。
2007年6月末の9136億ドルの当時の円換算金額113.3兆円とこのドル購入代金を合計すると136.2兆円になる。他方、2011年6月末の外貨準備残高を1ドル=80円で換算すると、91.0兆円になる。両者の差額は45.2兆円だ。この4年間に45.2兆円の為替損失を生んだことになる。
会社が経営危機に瀕して、必死で経費削減、減量経営を実施しているときに、財務部だけが財テクに暴走し、史上空前の大損失を計上しているのである。
国会は2兆円や6兆円の補正予算を審議して、数千億円の高速道路料金無料化、子ども手当、高校授業料無償化、農家の個別所得補償などを論じているが、なぜ4年間で45兆円もの損失を計上している外貨準備資産の巨大損失を論議しないのか。
為替介入権は財務大臣にある。円高・ドル安が秩序なく進行する局面で、為替介入を行うことは、一定の制約のなかで許容はされる。しかし、政府が購入したドルは、ドルが上昇した局面で密かに売却することが求められるのだ。
円高を抑制することは輸出産業の利益にはなる。しかし、この介入で損失が生まれれば、その負担は国民が負うことになる。つまり、外為介入は現在の図式では、一般納税者から輸出産業への所得移転をもたらすものなのだ。一般国民から徴収した税金を輸出産業に対する補助金として支出することに等しいのだ。
ファンダメンタルズから外れた為替レートを是正するなら為替介入は意味があるが、ファンダメンタルズに見合う為替変動を介入で阻止しようとしても無理である。介入は一時的な効果しかなく、為替損失を生み出すことで弊害の方がはるかに大きい。
2002年から2004年にかけての不自然で巨額のドル買い介入の真相を明らかにすること。2007年から2011年までの4年間に45兆円もの為替損失を生み出したことについての責任追及がしっかりと行われなければならない。
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