ニューズウィーク電子版(日本語版)からの転載である。
ギリシヤ危機の本質、というより、あらゆる国家財政の危機の本質への批判が、下記記事の中にある「債務なんて知ったことか。私たちが作った借金じゃない。資本主義の大企業と銀行が作った借金じゃないか」という言葉だろう。
アルゼンチンの例を見ても分かるように、政府がデフォルトしようが、しばらくたてば表面的なバブルが消えて、本来の実体経済に戻るだけのことである。
要するに、政府の借金は国民の借金ではないし、大企業や銀行の赤字も国民の大半とは無関係な、無責任な放漫経営のツケにしかすぎない。それを国民への増税や公共料金値上げや年金支給額引き下げなどで国民に支払わせるのが、あらゆる資本主義国家の常である。つまり、資本主義国家とは、企業が政府を駆使する国家のことだ。
(以下引用)
2010年5月に決定された1500億ドルの救済を継続して受け取るために、ギリシャ政府は緊縮政策の強化を迫られている。今年の予算目標の不足分28億ドルを穴埋めするために、新たな固定資産税の導入も発表された。この固定資産税は電気料金を通じて徴収し、未払いの場合は電気を止められる。今週にも議会採決が行われる予定だ。
そんななか、ギリシャ市民の不安や不満は高まる一方。先週は労働組合のストで電車やバス、タクシーが運行を中止し、今週も大規模な交通ストが予定されている。
国営電力会社の労働組合は以前から、電気料金を通じての固定資産税の徴収を拒否すると、声高に叫んできた。それでもエバンゲロス・ベニゼロス財務相は先週、当初は2年間の暫定措置としていた固定資産税がもっと延長される可能性があると発言。さらに、財政改革を行わなければギリシャは2000年に経済破綻したアルゼンチンのような危機に陥ると警告した。
「大企業と銀行が作った借金だ」
しかし公立病院の小児科医クリストス・アルギリス(32)は、政府の要求は行き過ぎだと言う。「私たちは金持ちじゃない」とアルギリス。彼は「週100時間」働いているのに、年収は約3万2000ドルだという。「公立の病院には医者がほとんどいない。政府は銀行にカネを回すために私たちの月給を300〜400ユーロも減らしている」とアルギリスは言う。「だから私たちの答えはノーだ。債務なんて知ったことか。私たちが作った借金じゃない。資本主義の大企業と銀行が作った借金じゃないか」
首都アテネ郊外のガラッシの市場で花売りをするテオという名の男性は、ストがもっと起きればいいと言う。「首根っこをつかまれたような状態で、一体どうしろっていうんだ。ただ座ったまま、死ぬのを待てって? そんなわけにはいかないさ」と、彼は言う。
テオの妻は1年前、ビジネスコンサルタントの職を失った。所有していた車2台のうち1台を売って狭いアパートに引越し、2人の子供が通っていた私立幼稚園も辞めさせた。
「ギリシャはとっくに破産していて、政府がそれを公にしていないだけじゃないかと、みんなびくびくしている」と、テオは語る。「でも、政府が言うほど悲惨な事態になるとは思わない。恐怖を煽るのは、人々をコントロールする効果的なやり方さ」
(GlobalPost.com特約)
ギリシヤ危機の本質、というより、あらゆる国家財政の危機の本質への批判が、下記記事の中にある「債務なんて知ったことか。私たちが作った借金じゃない。資本主義の大企業と銀行が作った借金じゃないか」という言葉だろう。
アルゼンチンの例を見ても分かるように、政府がデフォルトしようが、しばらくたてば表面的なバブルが消えて、本来の実体経済に戻るだけのことである。
要するに、政府の借金は国民の借金ではないし、大企業や銀行の赤字も国民の大半とは無関係な、無責任な放漫経営のツケにしかすぎない。それを国民への増税や公共料金値上げや年金支給額引き下げなどで国民に支払わせるのが、あらゆる資本主義国家の常である。つまり、資本主義国家とは、企業が政府を駆使する国家のことだ。
(以下引用)
2010年5月に決定された1500億ドルの救済を継続して受け取るために、ギリシャ政府は緊縮政策の強化を迫られている。今年の予算目標の不足分28億ドルを穴埋めするために、新たな固定資産税の導入も発表された。この固定資産税は電気料金を通じて徴収し、未払いの場合は電気を止められる。今週にも議会採決が行われる予定だ。
そんななか、ギリシャ市民の不安や不満は高まる一方。先週は労働組合のストで電車やバス、タクシーが運行を中止し、今週も大規模な交通ストが予定されている。
国営電力会社の労働組合は以前から、電気料金を通じての固定資産税の徴収を拒否すると、声高に叫んできた。それでもエバンゲロス・ベニゼロス財務相は先週、当初は2年間の暫定措置としていた固定資産税がもっと延長される可能性があると発言。さらに、財政改革を行わなければギリシャは2000年に経済破綻したアルゼンチンのような危機に陥ると警告した。
「大企業と銀行が作った借金だ」
しかし公立病院の小児科医クリストス・アルギリス(32)は、政府の要求は行き過ぎだと言う。「私たちは金持ちじゃない」とアルギリス。彼は「週100時間」働いているのに、年収は約3万2000ドルだという。「公立の病院には医者がほとんどいない。政府は銀行にカネを回すために私たちの月給を300〜400ユーロも減らしている」とアルギリスは言う。「だから私たちの答えはノーだ。債務なんて知ったことか。私たちが作った借金じゃない。資本主義の大企業と銀行が作った借金じゃないか」
首都アテネ郊外のガラッシの市場で花売りをするテオという名の男性は、ストがもっと起きればいいと言う。「首根っこをつかまれたような状態で、一体どうしろっていうんだ。ただ座ったまま、死ぬのを待てって? そんなわけにはいかないさ」と、彼は言う。
テオの妻は1年前、ビジネスコンサルタントの職を失った。所有していた車2台のうち1台を売って狭いアパートに引越し、2人の子供が通っていた私立幼稚園も辞めさせた。
「ギリシャはとっくに破産していて、政府がそれを公にしていないだけじゃないかと、みんなびくびくしている」と、テオは語る。「でも、政府が言うほど悲惨な事態になるとは思わない。恐怖を煽るのは、人々をコントロールする効果的なやり方さ」
(GlobalPost.com特約)
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