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日本社会のシステム変更を考えよう

「ダイヤモンドオンライン」の野口悠紀雄の記事からの引用である。
私は、野口悠紀雄という人物はそれほど評価していないが、ここではただデータをまとめた彼の言葉を使いたいだけである。要するに、「大企業の2011年度の設備投資が計画通りになれば、自動車産業では国内設備投資の2倍の投資が海外になされることになる。製造業全体で見ても、国内投資の4分の3にあたる規模の投資が海外に向けてなされる。」という彼の言葉は、日本の産業空洞化が加速度的に進行していることを示しており、また政府は産業空洞化に伴う雇用減少に対して有効な対策をほとんどやっていない、ということだ。
企業活動はべつに日本という国家に貢献するのが目的ではないし、従業員の幸福のためにやるわけでもない。(稀に、そういう企業理念の会社もあるが)従って、少しでも利益になる方向へ進んでいくのは当然である。その結果が企業設備投資の海外シフトであり、国内の雇用減少だ。政府がリヴァイアサンであるのと同様に、企業もまたリヴァイアサンなのである。注意深くコントロールしないと、「新自由主義」や「グローバリズム」のように、社会全体に破壊的な結果をもたらすものだ。もちろん、だからといってお役所の許認可権限や行政指導を強化しろというのではない。
要するに、国民個々の意識の問題なのである。政府という怪物を制御するために国民による政府の監視が必要であるのと同様に、企業という怪物を監視する目が必要なのだ。それは政府監視よりも容易である。なぜなら、企業は営利活動が第一義であるから、その利益を損なうものがあれば、それを回避する。たとえば「不買運動」など、企業がもっとも恐れるものである。
国内雇用の減少に対しては、日本社会全体としての産業構造の転換を考えていく必要がある。何度も言っているように、「これまでは儲からない仕事だったが、社会的に絶対必要な仕事が儲かるようにすること」が、その基本的な考えだ。第一次産業がその代表だが、そのほかに、たとえば、教育や看護なども挙げられる。現在ならば、東日本の環境整備なども一つの産業になりうる。言い方を変えれば、「社会システムの不備や偏りのために無意味に不幸な目に遭っている人々を幸福にすること」が大事なのである。農漁業への補助金に対し悪罵を投げつけるよりも、補助金に代わる新しいシステムを作ることだ。ベッドに縛りつけられ、痴呆症になっていく老人に同情するよりも、老人が精神的に健康で幸福になれる社会の在り方を考えることだ。子供のいじめを嘆くよりも、いじめをしたくなるようなストレスフルな教育制度を改善することだ。
世の中には頭のいい人はたくさんいるが、社会システムそのものを変えようという、「大きな頭」の人間が少ない。すべては思想から始まるのである。思考の足かせとなるつまらない現実主義や個人的利益への欲望を捨て、まずは理想や可能な選択肢を考えてみようではないか。

(以下引用)

 以上で見たように、設備投資の海外シフトは、きわめて顕著に進行している。企業規模で言えば大企業、業種別で言えば自動車産業において、とりわけ顕著だ。大企業の2011年度の設備投資が計画通りになれば、自動車産業では国内設備投資の2倍の投資が海外になされることになる。製造業全体で見ても、国内投資の4分の3にあたる規模の投資が海外に向けてなされる。
 このように、日本企業の行動は、すでに大きく変化している。そして、それに対して、経済政策が追いつかないのが現状だ。
 経済政策の基本的な考えは、海外移転を「空洞化」だとして、それを阻止しようとするものだ。そして、前回見たように、国内立地促進のために、補助金を給付しようとしている。
 しかし、こうした政策に効果が期待できないことは明らかだ。そして、現実には、海外移転が進み、国内の雇用が失われることになる。
 このような政策は、「何もしていないわけではない」という言い訳だけのために行われているとしか考えられない。本来必要なのは、現在進行している現状を冷静に見つめ、雇用創出のための有効な手立てを講じることである。そのために残された時間的余裕は、急速になくなりつつある。

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