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徽宗皇帝のブログ

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沼の上のパドルビーならぬ沼の上の原発
「晴耕雨読」から転載。
「東京新聞」が読めない地域の人も多いし、こうした社会記事は読まないという馬鹿もネット世界にも多いだろうから、できるだけ多くのブログで拡散するべきだろう。ネットの特性の一つは、まさしく蜘蛛の巣状に張り巡らされた情報伝達系の中で、思いがけない人にも偶然的に情報が伝わるという点である。つまり、ネット世界に触れている限り、B層もいつまでもB層であるとは限らない、ということだ。
さて、この東京新聞記事は、例によって私の口癖だが、「大き過ぎて見えない」事実だったと言える。絶えず湧き出る地下水を海側の壁で堰き止めれば、そこが沼地になることは当然である。
「沼地の上に立つ原発」!
それがフクシマの現状だ。
沼地の上に、崩壊しつつある原発施設が立ち、
沼地の上に、脆弱な作りの汚染水貯蔵タンクが何百も立ち並ぶ。
これで近いうちに破滅的事態が起こらないと考える方が、よほど妄想的だろう。
これまた例によって私の口癖だが、それでも日本人は見たくないものに目を閉じて生きていくのだろうか。


「沼の上のパドルビー」は「ドリトル先生」の舞台。この場合の「上」とは「ほとり」の意味だが、福島原発は今や本当に沼の「上」にあるのだ。





(以下引用)




2013/9/16


「フクイチ建屋地盤液状化の恐れ 遮水壁で地下水たまり「沼地状態」に 東京新聞報道」  原子力・核問題

農業情報研究所:2013年9月12日

フクイチ建屋地盤液状化の恐れ 遮水壁で地下水たまり「沼地状態」に 東京新聞報道

 今日の東京新聞特報欄に、さすがのうそつき安倍総理も背筋が凍るような話が載っている。

 福島第一 汚染対策綱渡り 建屋周辺地盤液状化の恐れ 遮水壁で地下水たまり「沼地状態」(こちら特報部 ニュースの追跡) 東京新聞 13.9.12 28面 

 東京電力福島第一原発(フクイチ)では汚染水の海洋流出を食い止める遮水壁を建設中だが、これにより1~4号機周辺の地盤に水が溜まり、もともと地下水の豊富な場所に立地するこの原発の立つ地盤が「沼地」のように軟弱化する恐れがある。もし大地震に見舞われれば、一気に液状化しかねない。


 脱原発市民団体「たんぽぽ舎」副代表の山崎久隆氏は、「震度6の地震で建屋の周辺は液状化する。放射性物質を含む地下水が土砂とともに噴出し、手がつけられなくなる」、「建屋も傾斜しかねない。使用済み燃料プールや冷却水の配管が破壊されれば、大変な事態になる」と言っている。

 地盤の「沼地」化が想定される以前から、大地震がもたらすこのようなリスクは指摘され、恐れられてきた。こんなことが起きれば、東京に住む人々もすべて他所への避難を余儀なくされるとも言われてきた。皮肉なことに、政府まで乗り出して加速する不可欠な汚染水対策が、そうしたリスクを一層高めるというのである。

 といって、圧力容器の底に穴が開いて溶け落ちた核燃料は、何十年先になるか分からないその取り出しが完了するまで冷やしつづけねばならず、これにより大量の放射性物質に汚染された水は、これも穴だらけの格納容器から漏れつづけ、こうして増えつづける汚染水を限りあるタンクなどに溜めつづけることは不可能だから結局は環境中に漏れ出し、海洋流出を防ぐには、その有効性が確かなものかどうか分からないとしても、ともかく(取りあえず)遮水壁を作るしかないだろう。それが新たな、もっと重大なリスクを生むのである。

 国が乗り出したところで、安倍首相が「私が責任をもって決定し、すでに着手している」という「抜本解決に向けたプログラム」(2020年夏季五輪の開催都市を決めるIOC総会での安倍首相のプレゼンテーション)などあり得ない。

国際廃炉研究開発機構は欧米と連携して汚染水対策の技術開発や研究成果の収集に乗り出すというが(廃炉機構:欧米と連携 汚染水対策で技術開発や成果収集 毎日新聞 13.9.11)、欧米といえどもこんな難問題の収束に漕ぎ着けた経験はない。

小出裕章氏が言うように、水ではなく金属での冷却が成功すれば、少なくとも汚染水問題は「抜本的」に解決されようが、「このようなことは人類が一度たりともやったことがないことであって、うまくいくかどうかわかりません」と頼りない(小出裕章 「インタビュー 福島第一原発はどうなっているのか」 世界 2013年10月号 87-88頁)

 これを要するに、日本は今、いつ起きるか分からない壊滅のリスクに直面しているということだ。

五輪どころではない。

それにもかかわらず、猪木東京都知事によると、日本人すべてが東京五輪の「応援団なのだそうである。

どなたか、東京五輪の最中の「大変な事態」の発生で放射能から逃げ惑う東京都民や出場選手の悲惨な姿を絵にしてくれないだろうか。そうでもしないと、一部の人々、特にうそつき指導者のお祭り気分は抜け そうにない。


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