「田中宇の国際ニュース解説」から記事の後半を転載。前半は日本の外務省が「核武装計画書」を書いている、という内容である。
私は「原発反対論者」であると同時に「核武装賛成論者」である。おそらく世間の大半の意見とは真逆だろう。
私は「核抑止力」を信じているのである。ただし、「劣化ウラン弾」などは核兵器には入れない。原爆・水爆など、一都市を壊滅させるくらいの核兵器のみが「核抑止力」を持つのであり、劣化ウラン弾などは、単に残虐な兵器であるにすぎない。
私が核抑止力を信じる理由は、「実際の戦争で原爆や水爆が使われた例は、広島・長崎以外に無い」という一事による。世界が北朝鮮を恐れる理由はただ、北朝鮮が核兵器を持っているからだ。ならば、全世界が核武装すれば、戦争は無くなる……とまでは思わないが、少なくとも軍事大国の傲慢な政治的脅迫は後退するだろう。イスラエルが中東の狂犬でいられるのも、核保有国だからである。リビアやイラクが核保有国であれば、亡国の憂き目を見ることはなかっただろう。であるから、欧米はイランが核保有国になることをあれほど恐れているのである。
というわけで、私は下記記事にはまったく反対の意見だが、公正を期するために、日本核武装反対論を掲載し、参考にしようというわけである。
(以下引用)
米国の覇権が縮小して中露の台頭が加速している。米国主導のNATOがアフガニスタン撤退とともに有名無実化(EUは軍事統合でNATO不要になる)する一方で、中露主導の上海協力機構が中東などユーラシア西部の管理者になりそうだ。トルコが上海機構に接近するのは当然といえる。米国は、NATOに居続けながら上海機構に入るトルコの動きを黙認するのだから、日本が日米同盟を堅持しつつ中露と仲良くしても黙認する可能性が高い。(アフガンで潰れゆくNATO)
米国の覇権を支えてきたドルは不安定さを増している。金融危機が再発したら、覇権の多極化が決定的に進む。米国の覇権が蘇生する可能性は減りつつある。日本政府が、国民の将来を考えるなら、日米同盟を維持しつつ中露との協調を深める「トルコ式」をやるのがまっとうだ。いまさらだが、鳩山元首相は「宇宙人」などでなく、実は良い日本人だったことになる。長期の国益を考えるなら、尖閣問題で中国と対立し続けるのは愚策だ。(多極化に対応し始めた日本)(尖閣で中国と対立するのは愚策)
国民の大多数が中国を嫌いなら、好きなように中国と対立すれば良い。安倍政権は選挙で圧勝して民主的に選ばれたのだから、好きなようにやって良い。ただし、アベノミクスは日本の財政破綻を招く可能性が高いし、中国との長期対立は日本を国際的に孤立させる。日本はおそらく子孫の代に、国民の生活水準として、中国より貧しい国になる。日本人は民主的に自滅の道を選択した。清貧は日本人の気質に合っている。(財政破綻したがる日本)
すでに書いたように、外務省が核武装計画書を書いたのは、米国の覇権衰退と多極化が進み、日本が対米従属できなくなる可能性が高いと知っていたからだ。多極化への対応策なら、静かに軸足を多極側に移していくトルコ式や鳩山式(小沢式)の方が良いのだが、外務省をはじめとする日本の官僚機構(とその宣伝機関であるマスコミ)は鳩山小沢を潰すことに全力を傾け、安倍を担ぎ出し、中国との敵対を意図的に強めつつ、対米従属一本槍を続け、その一方で対米従属できなくなった時への備えとして核武装を模索している。
日本は戦後、戦争反対と核廃絶を掲げて「平和を愛する」国だった。戦争放棄の憲法は過激だった。今の日本は、反戦反核の過激さから、核武装や好戦性の過激さへと、極端から極端に転向している。日本人が好きだったはずの「中庸」は吹き飛んでいる。戦略性に富むなら極端から極端でも良いが、今の日本の動きからは戦略性が感じ取れない。
日本の上層部(官僚)は「米国が覇権を失って中露などが台頭するなら、その前に核武装しよう。いったん核武装してしまえば、誰も廃絶を強要できまい」と思っているのかもしれない。しかし、この考えは甘い。日本は貿易立国だ。核武装を世界から非難され、経済制裁されたら半年も持たない。日本が核武装するとしたら数年後だが、そのころには国連の主導権は中露など非米反米諸国に移り、米国は日本を支持しても国連を動かせなくなっている。(国連を乗っ取る反米諸国)
核武装するなら、日本はNPTから脱退せねばならない。それは、国際社会での日本の孤立を象徴する事件になるだろう。日本は戦前に国際連盟から脱退して独伊と組んで戦争にのぞみ惨敗した。今またその愚行を繰り返そうとしている。戦後の日本は、二度と「負け組」に入らなくてすむよう、安保や外交の権限を放棄して米国に預け、事実上の米国の植民地となる道を選んだ。だが、日本はその後の60年間に世界のことを何も学ばず、考えず、結局のところ、米国覇権が崩れそうな今、戦前と同じ失策を繰り返そうとしている。
日本が、北朝鮮のように飢餓に直面しても国家や社会を維持していく根性や貧困甘受性、もしくはイスラエルのように世界を動かす謀略や恫喝の力があるなら、世界から制裁されてもやっていけるかもしれない。しかし今の日本には、そのどちらもない。日本には、核兵器を持つために必要な心構えや洞察力(世界の動きを見抜く目)がない。
そもそも日本は、1列島1民族1国家の「天然の国」であり、深い実体がある。北朝鮮やイスラエルのような、頭でっかちで人工的で、はかない「歴史のあや」とも言うべき浅い実体の国々と根本的に違う。(アシュケナジと呼ばれる今のイスラエル人の多くは、古代のダビデの子孫でなく、スラブ系民族の東欧の農奴の末裔だ) 日本は無理して核武装する必要などなく、島国で、世界のことに無知で、のほほんとしていてかまわない国のはずだ。
覇権の起源(2)ユダヤ・ネットワーク http://tanakanews.com/080829hegemon.htm
イスラエルと並んで米国の覇権戦略を牛耳ってきた英国は、早々と核兵器を放棄したがっている。英国も従来、日本と同様に、米国との同盟関係を何よりも大事にしてきた。米国の覇権が崩れている今、英国は自衛力を高めるため、手持ちの核兵器を大事にしたり、新たな核兵器を開発したりすべきかもしれない。しかし現実の英国は、自国から分離独立しようとするスコットランドに核兵器を押しつけるかたちで核兵器を手放そうとしている(英国の核兵器はスコットランドの基地にある)。(`Nukes may delay Scottish independence')(Trident risk by Scot independence warned)
この英国の行動は何を意味するか。英国ほど、国際政治を熟知し、世界の先行きに敏感な国はない。今の国際政治の体制を200年前に作ったのは英国だ。その英国が、これからは核兵器を持たない方が有利だと考え、安上がりな方法で核兵器を手放したがっている。今後の世界は、核兵器の抑止力が大幅に低下するということだ。どのようなシナリオで、核兵器の抑止力が無効になるのか、私はまだ納得できる分析や情報を得ていない。だが、この15年あまり国際情勢の精読を試みてきた私には、世界の先行きが英国が予見するとおりになるという確信がある。
英国は中国にすり寄り、ロンドンを世界最大の人民元のオフショア市場に仕立てようとしている。最近英国のキャメロン首相とフランスのオランド大統領が相次いで中国訪問し、中国政府は左派のオランドを大歓迎した半面、右派のキャメロンを冷遇した。キャメロンは、それでもめげずに中国にすり寄っている。英国は、多極化が進んで中国が経済成長し続けると予測している。(Chinese roll out red carpet for Hollande)
英国が予見するとおり、今後の世界で核兵器の抑止力が低下するとしたら、それは、多極型に転換した後の世界が、今より外交重視、戦争回避の傾向になることを意味する。中国やロシア、イランなど、多極型世界で台頭しそうな国々は、好戦的で独裁的な国というイメージだが、実のところ中露イランよりも、覇権末期のこの10年あまりの米国の方がずっと好戦的だ。多極型世界が今より外交重視になるなら、多極型に転換した国連が主導する、核廃絶を拒む国に対する経済制裁が効果を持ち、核の抑止力より外交の抑止力が強くなるだろう。このシナリオだと、英国のめざす核廃絶が納得できる。また、以前から書いている「オバマの核廃絶」の構想とも合致する。(オバマの核軍縮)
英国による先読みが正しいとしたら、日本の核武装は全くの愚策だ。日本人がいくら否定しようが「やっぱり日本は戦前と同じ好戦的な国で、靖国神社や南京虐殺や慰安婦の問題もすべて日本が悪い」という見方が世界的な「真実」になってしまう。日本は簡単に「極悪非道」に突き落とされる。今後の世界で軍事より外交が主導になるなら、外交官の能力が問われる時代になる。日本外務省にとっても本領発揮のチャンスだ。しかし現実のところ日本外務省は、核兵器開発の計画書を作ったりして、英国外務省と対照的に世界の先読みができず、自ら外交能力が低いことを露呈している。
北朝鮮の核武装は、いずれ核廃棄する見返りに米韓中からいろいろな恩恵をせびりとるための政治の道具に使われそうだ。日本政府の特使として飯島参与が訪朝したことから考えて、近いうちに6カ国協議が再開されるのでないか。北は、核廃絶するときに恩恵を被る。しかし、対照的に日本の核武装は、日本に、経済制裁による貧困、日本の国際的な評判と地位の劇的な低下、日本人が世界から尊敬されてきた状況の喪失、最終的に極悪非道のレッテルを貼られつつ核廃棄させられた上、中国人や朝鮮人から恒久的に中傷罵倒されて黙っていなければならない屈辱感など、自滅的に悪いことばかりを引き起こす。
今の日本人は、マスコミや官僚が作り出す雰囲気に簡単に流され、自国の自滅につながる策に賛成している。まったく情けない。私を「そんなに中国や北朝鮮を勝たせたいのか売国奴」と罵倒する前に、よく考えた方が良い(考える際の基礎になる情報が日本語マスコミの中に皆無なので絶望的だが)。
私は「原発反対論者」であると同時に「核武装賛成論者」である。おそらく世間の大半の意見とは真逆だろう。
私は「核抑止力」を信じているのである。ただし、「劣化ウラン弾」などは核兵器には入れない。原爆・水爆など、一都市を壊滅させるくらいの核兵器のみが「核抑止力」を持つのであり、劣化ウラン弾などは、単に残虐な兵器であるにすぎない。
私が核抑止力を信じる理由は、「実際の戦争で原爆や水爆が使われた例は、広島・長崎以外に無い」という一事による。世界が北朝鮮を恐れる理由はただ、北朝鮮が核兵器を持っているからだ。ならば、全世界が核武装すれば、戦争は無くなる……とまでは思わないが、少なくとも軍事大国の傲慢な政治的脅迫は後退するだろう。イスラエルが中東の狂犬でいられるのも、核保有国だからである。リビアやイラクが核保有国であれば、亡国の憂き目を見ることはなかっただろう。であるから、欧米はイランが核保有国になることをあれほど恐れているのである。
というわけで、私は下記記事にはまったく反対の意見だが、公正を期するために、日本核武装反対論を掲載し、参考にしようというわけである。
(以下引用)
米国の覇権が縮小して中露の台頭が加速している。米国主導のNATOがアフガニスタン撤退とともに有名無実化(EUは軍事統合でNATO不要になる)する一方で、中露主導の上海協力機構が中東などユーラシア西部の管理者になりそうだ。トルコが上海機構に接近するのは当然といえる。米国は、NATOに居続けながら上海機構に入るトルコの動きを黙認するのだから、日本が日米同盟を堅持しつつ中露と仲良くしても黙認する可能性が高い。(アフガンで潰れゆくNATO)
米国の覇権を支えてきたドルは不安定さを増している。金融危機が再発したら、覇権の多極化が決定的に進む。米国の覇権が蘇生する可能性は減りつつある。日本政府が、国民の将来を考えるなら、日米同盟を維持しつつ中露との協調を深める「トルコ式」をやるのがまっとうだ。いまさらだが、鳩山元首相は「宇宙人」などでなく、実は良い日本人だったことになる。長期の国益を考えるなら、尖閣問題で中国と対立し続けるのは愚策だ。(多極化に対応し始めた日本)(尖閣で中国と対立するのは愚策)
国民の大多数が中国を嫌いなら、好きなように中国と対立すれば良い。安倍政権は選挙で圧勝して民主的に選ばれたのだから、好きなようにやって良い。ただし、アベノミクスは日本の財政破綻を招く可能性が高いし、中国との長期対立は日本を国際的に孤立させる。日本はおそらく子孫の代に、国民の生活水準として、中国より貧しい国になる。日本人は民主的に自滅の道を選択した。清貧は日本人の気質に合っている。(財政破綻したがる日本)
すでに書いたように、外務省が核武装計画書を書いたのは、米国の覇権衰退と多極化が進み、日本が対米従属できなくなる可能性が高いと知っていたからだ。多極化への対応策なら、静かに軸足を多極側に移していくトルコ式や鳩山式(小沢式)の方が良いのだが、外務省をはじめとする日本の官僚機構(とその宣伝機関であるマスコミ)は鳩山小沢を潰すことに全力を傾け、安倍を担ぎ出し、中国との敵対を意図的に強めつつ、対米従属一本槍を続け、その一方で対米従属できなくなった時への備えとして核武装を模索している。
日本は戦後、戦争反対と核廃絶を掲げて「平和を愛する」国だった。戦争放棄の憲法は過激だった。今の日本は、反戦反核の過激さから、核武装や好戦性の過激さへと、極端から極端に転向している。日本人が好きだったはずの「中庸」は吹き飛んでいる。戦略性に富むなら極端から極端でも良いが、今の日本の動きからは戦略性が感じ取れない。
日本の上層部(官僚)は「米国が覇権を失って中露などが台頭するなら、その前に核武装しよう。いったん核武装してしまえば、誰も廃絶を強要できまい」と思っているのかもしれない。しかし、この考えは甘い。日本は貿易立国だ。核武装を世界から非難され、経済制裁されたら半年も持たない。日本が核武装するとしたら数年後だが、そのころには国連の主導権は中露など非米反米諸国に移り、米国は日本を支持しても国連を動かせなくなっている。(国連を乗っ取る反米諸国)
核武装するなら、日本はNPTから脱退せねばならない。それは、国際社会での日本の孤立を象徴する事件になるだろう。日本は戦前に国際連盟から脱退して独伊と組んで戦争にのぞみ惨敗した。今またその愚行を繰り返そうとしている。戦後の日本は、二度と「負け組」に入らなくてすむよう、安保や外交の権限を放棄して米国に預け、事実上の米国の植民地となる道を選んだ。だが、日本はその後の60年間に世界のことを何も学ばず、考えず、結局のところ、米国覇権が崩れそうな今、戦前と同じ失策を繰り返そうとしている。
日本が、北朝鮮のように飢餓に直面しても国家や社会を維持していく根性や貧困甘受性、もしくはイスラエルのように世界を動かす謀略や恫喝の力があるなら、世界から制裁されてもやっていけるかもしれない。しかし今の日本には、そのどちらもない。日本には、核兵器を持つために必要な心構えや洞察力(世界の動きを見抜く目)がない。
そもそも日本は、1列島1民族1国家の「天然の国」であり、深い実体がある。北朝鮮やイスラエルのような、頭でっかちで人工的で、はかない「歴史のあや」とも言うべき浅い実体の国々と根本的に違う。(アシュケナジと呼ばれる今のイスラエル人の多くは、古代のダビデの子孫でなく、スラブ系民族の東欧の農奴の末裔だ) 日本は無理して核武装する必要などなく、島国で、世界のことに無知で、のほほんとしていてかまわない国のはずだ。
覇権の起源(2)ユダヤ・ネットワーク http://tanakanews.com/080829hegemon.htm
イスラエルと並んで米国の覇権戦略を牛耳ってきた英国は、早々と核兵器を放棄したがっている。英国も従来、日本と同様に、米国との同盟関係を何よりも大事にしてきた。米国の覇権が崩れている今、英国は自衛力を高めるため、手持ちの核兵器を大事にしたり、新たな核兵器を開発したりすべきかもしれない。しかし現実の英国は、自国から分離独立しようとするスコットランドに核兵器を押しつけるかたちで核兵器を手放そうとしている(英国の核兵器はスコットランドの基地にある)。(`Nukes may delay Scottish independence')(Trident risk by Scot independence warned)
この英国の行動は何を意味するか。英国ほど、国際政治を熟知し、世界の先行きに敏感な国はない。今の国際政治の体制を200年前に作ったのは英国だ。その英国が、これからは核兵器を持たない方が有利だと考え、安上がりな方法で核兵器を手放したがっている。今後の世界は、核兵器の抑止力が大幅に低下するということだ。どのようなシナリオで、核兵器の抑止力が無効になるのか、私はまだ納得できる分析や情報を得ていない。だが、この15年あまり国際情勢の精読を試みてきた私には、世界の先行きが英国が予見するとおりになるという確信がある。
英国は中国にすり寄り、ロンドンを世界最大の人民元のオフショア市場に仕立てようとしている。最近英国のキャメロン首相とフランスのオランド大統領が相次いで中国訪問し、中国政府は左派のオランドを大歓迎した半面、右派のキャメロンを冷遇した。キャメロンは、それでもめげずに中国にすり寄っている。英国は、多極化が進んで中国が経済成長し続けると予測している。(Chinese roll out red carpet for Hollande)
英国が予見するとおり、今後の世界で核兵器の抑止力が低下するとしたら、それは、多極型に転換した後の世界が、今より外交重視、戦争回避の傾向になることを意味する。中国やロシア、イランなど、多極型世界で台頭しそうな国々は、好戦的で独裁的な国というイメージだが、実のところ中露イランよりも、覇権末期のこの10年あまりの米国の方がずっと好戦的だ。多極型世界が今より外交重視になるなら、多極型に転換した国連が主導する、核廃絶を拒む国に対する経済制裁が効果を持ち、核の抑止力より外交の抑止力が強くなるだろう。このシナリオだと、英国のめざす核廃絶が納得できる。また、以前から書いている「オバマの核廃絶」の構想とも合致する。(オバマの核軍縮)
英国による先読みが正しいとしたら、日本の核武装は全くの愚策だ。日本人がいくら否定しようが「やっぱり日本は戦前と同じ好戦的な国で、靖国神社や南京虐殺や慰安婦の問題もすべて日本が悪い」という見方が世界的な「真実」になってしまう。日本は簡単に「極悪非道」に突き落とされる。今後の世界で軍事より外交が主導になるなら、外交官の能力が問われる時代になる。日本外務省にとっても本領発揮のチャンスだ。しかし現実のところ日本外務省は、核兵器開発の計画書を作ったりして、英国外務省と対照的に世界の先読みができず、自ら外交能力が低いことを露呈している。
北朝鮮の核武装は、いずれ核廃棄する見返りに米韓中からいろいろな恩恵をせびりとるための政治の道具に使われそうだ。日本政府の特使として飯島参与が訪朝したことから考えて、近いうちに6カ国協議が再開されるのでないか。北は、核廃絶するときに恩恵を被る。しかし、対照的に日本の核武装は、日本に、経済制裁による貧困、日本の国際的な評判と地位の劇的な低下、日本人が世界から尊敬されてきた状況の喪失、最終的に極悪非道のレッテルを貼られつつ核廃棄させられた上、中国人や朝鮮人から恒久的に中傷罵倒されて黙っていなければならない屈辱感など、自滅的に悪いことばかりを引き起こす。
今の日本人は、マスコミや官僚が作り出す雰囲気に簡単に流され、自国の自滅につながる策に賛成している。まったく情けない。私を「そんなに中国や北朝鮮を勝たせたいのか売国奴」と罵倒する前に、よく考えた方が良い(考える際の基礎になる情報が日本語マスコミの中に皆無なので絶望的だが)。
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