忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

童子丸開氏の世界政治解説
「ちきゅう座」に掲載された童子丸開氏の文章を転載。
童子丸氏は9.11の真相追及をずっとやってこられ、そして世界政治の真相についての啓蒙活動を長い間やってこられた先達である。阿修羅上では「バルセロナより愛をこめて」のハンドルネームで常連投稿者であった方だ。もちろん、鋭い理性と分析力、そして何よりも素晴らしい正義感と持続力の持ち主だ。私も彼の阿修羅投稿の記事から学んだことは多い。
今の阿修羅には残念ながら優れた論客はおらず、ただの情報掲示板になっているという印象が強い。「あっしら」氏の復帰は嬉しい事件だったが、彼もかつての切れ味を失っているように見える。つまり、細部に拘りすぎ、事実の整合性にのみ拘って、物事を大きく大胆に切り取る意見が少なくなっているようなのである。しかし童子丸氏は昔と変わらぬエネルギーで世界の悪をえぐり出し、世人を啓蒙してくれる。
こういう人間こそ「地の塩」であろう。こういう人がいるからこそ、世界には希望があるのである。
さて、下記記事はその童子丸氏が世界と日本の政治の現実の姿を簡潔に要約してくれたものだ。私が「青少年のための現実世界入門」でたどたどしく言ったことを簡潔明確に述べている。これを読めば、現実世界の姿がはっきりと分かるだろう。


(以下引用)



 すでにインターネット上で次々と明らかにされてきていることだが、日本の官界・政界・財界・マスコミの支配層は、米国の戦略の中で米国の軍と諜報機関を抱き込んで堅固な利権構造を維持し続けているのである。学者・専門家や知識人・言論人の集団も、その構造に組み込まれ、その範囲内で生存を許されている。日本の支配層はかつて、天皇神話を奉じて利権確保の仕組みを作り上げそれを「国体」と称した。ところがその日本は、天皇がマッカーサーに頭を下げるや否や、即座に米国神話を奉じる「神国日本」となった。官界・政界・財界・マスコミによるこの国の支配構造は、100年前からほとんど変わっていない。単に「天皇」が「米国」に置き換わっただけだ。しかしそれは自らの軍と諜報機関を持てない。必然的に米国の国家戦略の内部で彼らの「国体」を維持してきたわけである。
________________________________________
 いや、それでもまあ、頼りにして寄りすがった「大樹」のアメリカが、正直できちんと物事の責任を取ることのできる国だったのなら、それはそれでよかったのかもしれません。ところが悪いことにそのアメリカが、日本に倍するとんでもない大嘘つきの無責任国家だったのですね。
 核(原子力)開発についてのアメリカの大嘘と無責任はいまさら私が申し上げるまでも無いでしょう。こちらやこちら、こちらなどのいくつかの資料で十分だと思います。その他に、大嘘つきのエリートが大量殺人と大量破壊を行って何の責任も取らない例はこの国の歴史を見渡せばいくらでもころがっています。
 たとえば1960年代半ばから70年代前半まで続いたアメリカによるベトナム戦争本格介入のきっかけになったのが1964年のトンキン湾事件ですが、これがでっち上げの大嘘だったことが後(1971年)になって公式な形で明らかにされました。この戦争でアメリカは、数十万人のベトナム人を殺害したことはもとより、自国民兵士を(公式の数字で)4万6千人以上も殺し、自国にその数倍もの負傷者と多数の精神障害者を残したわけですが、トンキン湾事件でっち上げの責任は誰一人とっていません。近ごろではイラク戦争がそうですね。2011年になってやっと戦闘部隊だけはイラクから立ち去りましたが、8年間の破壊と殺人の開戦理由がことごとく大嘘だったことはよく知られています。しかしその大量破壊と大量殺人を導いた大嘘の責任もまた何一つ叫ばれたことがありません。アメリカこそ大嘘を付いて100万人を殺しても涼しい顔でエリートのままでいてられる国なのですね。
 21世紀のイラク戦争はジョージ・W.ブッシュ大統領が決定したのですが、その父親であるジョージ・W.H.ブッシュがやらかしたのが(第1次)湾岸戦争です。そのときもまた、「イラク兵によるクウェートでの残虐行為証言」だの「サダム・フセインの石油流出作戦」だの「油まみれの水鳥の写真」だの、大嘘でっち上げの連続でした。
 でもこんな程度で驚いてちゃいけない。もっともっと凄いのがジョージ・W.ブッシュの父方の祖父プレスコット・ブッシュと、母方の祖父ジョージ・ハーバート・ウォーカーに関する事実でしょう。
 2003年になって機密を解かれた米国公式文書によりますと、彼らは、第2次大戦前の1926~42年に、ナチスによるドイツの軍拡・戦争体制の財政基盤を支えたビジネスパートナーとして、そしてそれに莫大な財政支援を行った米国の銀行経営者として華々しい活躍をしていました。次をご覧ください。
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/400.html
 実際に、第2次大戦が開始されるまで、ナチスのドイツと最も親しく付き合っていたのがアメリカだったのです。このナチスへの投資ではブッシュ家とウォーカー家が最も目立つのですが、それだけではなく、ロックフェラー家、フォード家、ワーバーグ兄弟など財界主要メンバー、ATTやユナイテッド・スティールなどの主要産業界、大戦後に米国政府要人となるアレンとジョン・フォスターのダレス兄弟、エイヴレル・ハリマンとその親族、等々といった米国内エリート集団が大規模に携わっています。そしてそこにシュレーダーやブラウン・ブラザーズなどのロンドン・シティーの主要メンバーまで加わります。次の年表は英語ですが、そのへんの経過を非常によくまとめています。
http://www.spiritone.com/~gdy52150/timeline.html
 パールハーバーをきっかけに日米戦争が始まり、欧州での戦いにアメリカが参加して後の1942年になって、ようやくプレスコットやジョージ・ハーバートらのドイツ関連の資産がアメリカ当局によって指し押さえられました。しかしそれも単に見かけ上であり、彼らは実質的に言えば何一つその責任を問われなかったのです。
 戦後の1952年になってプレスコット・ブッシュは上院議員となり、53年にはジョン・フォスター・ダレスが国務長官、アレン・ダレス(シュレーダー銀行の終身重役)はCIA長官になりました。(副大統領になったのがダレスの秘密握りつぶしに協力したリチャード・ニクソンだという話までありますが。)またプレスコットの息子ジョージ・W.H.つまり大嘘でイラク戦争を始めたジョージ・W.ブッシュの父親(後のCIA長官)が、早速CIA関連の企業を立ち上げています。
 その他にも、優秀なナチスが米国に渡って戦後の米国の科学技術力や諜報能力を高めたこととか(優秀だったかどうか知りませんが前カリフォルニア州知事のシュワルツネッガー氏の父親もナチだったようで…)、ナチスが製造したモルヒネの密売を元にCIAが中南米での麻薬利権構造を作ったとか、もっともっといろんな話があるのですが、言い出せばきりが無いですからここらでやめておきましょう。 さてさて、こうしてみますと、学校の歴史教科書がいかに頼りにならないものか、よく分かりますね。それにしてもいまだに世界中で諸悪の根源のように言われているナチスを、学校教科書的には「民主主義と自由の祖国」アメリカの、それも主要なエリートたちが熱心に支援して強大な力に仕立て上げたわけです。それがアメリカ自身の公式文書から分かることなのですが、彼らがその責任を取るどころか、その後さらに大きな嘘と無責任の元凶になっていくわけです。その結果が、日本と中国のカネでやっとのことで生き延びる情け無い経済を、何度も世界を破壊できる暴力装置で維持し、ますます激しくなる貧富の差と困窮者の増加を、ナチス顔負けの警察国家化で乗り切ろうとする有様です。
 『事実は小説より奇なり』とはよくいったもので、まあこんな連中の手にかかっては、核(原子力)開発に関する大嘘と隠ぺい工作などお茶の子さいさいでしょう。日本はそんな化け物みたいな国に「寄らば大樹」とすがって「一億総無責任国家」になってしまったのです。ろくでもない結果に終わるのは火を見るよりも明らかですね。
 当然ですが、私は別にアメリカだけが悪いとは言いません。今まで世界中のどの国々でもエリートの立場にある者たちが似たり寄ったりの大嘘と無責任の悪事を働いてきたうえに、その国の国民がその悪事に無知なままで、あるいはうすうす知っていても知らん顔をしてきたわけです。こんな徹底して汚い世の中のあり方と根本的に向き合ってそれを告発していかない限り、平和も反戦も反原発も、しょせんは掛け声だけ、絵に描いた餅でしかないでしょう。
 あるいはひょっとすると、原発だけなら(その後の廃棄物や使用済み核燃料などの処理はともかく)他の発電手段に置き換えることが可能かもしれません。しかしそれが実現できるときまでに散々に放射能がばら撒かれ、そのうえで、別の手段を使って今まで以上の大嘘と無責任による破壊と殺人が繰り返されるのみでしょう。そんな社会の解体と再編そのものを目指さない限り、「反原発運動」は無意味なばかりか無責任エリートどもの悪事に手を貸すはめに陥るだけだと思います。 

拍手

PR

コメント

コメントを書く