「blogos」から転載。
この発言内容の詳しい分析・批判はいずれやることにして、今はこういう発言が実際にあったという証拠として保存しておく。
現行憲法は確かに国会で成立したものではないが、それは当時の政治状況や日本国民の政治的成熟度から言って不可能な話であるし、それによって「現行憲法自体が憲法違反」と言うのはお門違いだろう。それは現行憲法の精神そのものの否定にしかならない。もっとも、憲法改定論者は、現行憲法そのものが嫌いだ、というのは明白なことである。
今の憲法に共産主義や社会主義の思想が入っている、ということについては、それがなぜ悪い? としか言いようがない。「第24条の家族生活における個人の尊重や、両性の平等、27条の勤労の権利および義務」を彼らは否定しようというのだろうか?
(以下引用)
「憲法自体が“憲法違反の存在”」自民党副幹事長・赤池 誠章議員による憲法審査会冒頭発言書き起こし
赤池議員冒頭発言全文
共同通信社
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私は自由民主党の赤池誠章です。
自民党は昭和30年、1955年立党以来、自主憲法制定が党是であります。当時の「党の使命」には、以下のように書かれております。
「国内の現状を見るに、祖国愛と自主独立の精神は失われ、政治は昏迷を続け、経済は自立になお遠く、民生は不安の域を脱せず、独立体制は未だ十分整わず、加えて独裁を目ざす階級闘争は益々熾烈となりつつある。 思うに、ここに至った一半の原因は、敗戦の初期の占領政策の過誤にある。占領下強調された民主主義、自由主義は新しい日本の指導理念として尊重し擁護す べきであるが、初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、(中略)現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備を強力に実行し、もって、国民の負託に応えんとするものである。」
自民党が立党して、今年で59年になります。来年は戦後70年、自民党立党60年を迎えるわけであります。改めて、自主憲法実現に向けて、その意義、理由は以下3点あると考えております。
第1は、現行憲法には制定過程に問題があり、法律としての大前提である正当性がないと感じております。ご承知の通り、マッカーサーが率いる占領軍GHQから占領中に、言論統制された中で押し付けられたものです。現行憲法は日本国民の自由意志で、公正で民主的な手続きで起草されたものではありません。
これは占領軍が占領地の法律を尊重しなければいけない国際法違反でもあり、何よりも現行憲法が自らの前文にある「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」に反しています。
憲法自体が“憲法違反の存在”というものであります。正当に選挙もされていない占領軍の最高司令官マッカーサーの指示によって、短期間で英語で素案がつくられ、日本国民に知らされないまま、日本国政府に渡され、政府はそれを翻訳して憲法草案が作られ、衆議院、貴族院と議論されて成立したものであります。
その成立過程を知る以上、国民代表である私たち国会議員が、それを是とすることはありえないと私は考えております。これを現行のまま放置することは恥であり、後世から叱責を受けかねないと感じております。
第2は、制定過程、その後主権が回復して国民に十分承認されているという反論がある中で、私は、憲法の内容自体にも問題があると感じております。現行の憲法の基礎になっている考え方は三つあるといわれています。
第一は制定過程で分かるように、日本人には自分の国を守る力をもたさず、二度と立ち上がらせないようにするという占領政策。米国の属国化、保護国化という考え方があります。それが戦争放棄の憲法9条となっております。その条項が、激動する国際情勢の現在、国家安全保障の足かせとなっております。
第二は、人工国家、米国流の社会契約説であります。敗戦後の日本国民が契約によって、新しい国家をつくったフィクションに基づいています。だから、日本の歴史や伝統文化はまったく反映されておりません。
第三は、旧ソ連の1936年スターリン憲法に影響されており、共産主義が紛れ込んでおります。第24条の家族生活における個人の尊重や、両性の平等、27条の勤労の権利および義務などは、その条項にあたるといわれております。社会主義者や共産主義者が護憲になる理由がここにあるわけです。
第3の自主憲法制定理由は、国民の意識、民意であります。自民党は一昨年、第2次憲法草案全文を発表して、12月に総選挙を戦い、勝利して政権を奪還しました。さらに、昨年夏の参議院通常選挙において、第一党となりました。自主憲法制定は国民の民意となりつつあります。
これは国内外の激動する情勢が国民意識を変化させてきたからだと思っております。国際社会における米国の相対的地位の低下、北朝鮮の日本人拉致事件、チャイナの尖閣諸島への侵略行為、ロシアの北方領土や韓国の竹島への不法占拠の強化。国内においては東日本大震災もありました。日本国民は、現行憲法では自分自身や自分の家族、地域や国家を守ることができないのではないか、と気付いています。
以上、現行憲法の「正当性のない制定過程」「日本の歴史から断絶した憲法内容」「民意」の3点から自主憲法制定は、今まさに国政の重要課題となっております。
今後は、憲法改正国民投票のいわゆる18歳投票年齢など、3つの宿題を解決させ、全国各地で国民の声を聞く、国民運動を展開しつつ、立憲主義に基づき、改正原案をさらにつめ、来るべく国政選挙において、2/3以上の国会議員を結集させるべく、私自身もその一助になればと考えております。
世界有数の歴史と伝統を誇るわが祖国を守り、発展させ、子孫につないでいくために、立憲主義に基づいた自主憲法制定の決意の表明とさせていただきました。
・出典:参議院インターネット中継
この発言内容の詳しい分析・批判はいずれやることにして、今はこういう発言が実際にあったという証拠として保存しておく。
現行憲法は確かに国会で成立したものではないが、それは当時の政治状況や日本国民の政治的成熟度から言って不可能な話であるし、それによって「現行憲法自体が憲法違反」と言うのはお門違いだろう。それは現行憲法の精神そのものの否定にしかならない。もっとも、憲法改定論者は、現行憲法そのものが嫌いだ、というのは明白なことである。
今の憲法に共産主義や社会主義の思想が入っている、ということについては、それがなぜ悪い? としか言いようがない。「第24条の家族生活における個人の尊重や、両性の平等、27条の勤労の権利および義務」を彼らは否定しようというのだろうか?
(以下引用)
「憲法自体が“憲法違反の存在”」自民党副幹事長・赤池 誠章議員による憲法審査会冒頭発言書き起こし
赤池議員冒頭発言全文
共同通信社
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私は自由民主党の赤池誠章です。
自民党は昭和30年、1955年立党以来、自主憲法制定が党是であります。当時の「党の使命」には、以下のように書かれております。
「国内の現状を見るに、祖国愛と自主独立の精神は失われ、政治は昏迷を続け、経済は自立になお遠く、民生は不安の域を脱せず、独立体制は未だ十分整わず、加えて独裁を目ざす階級闘争は益々熾烈となりつつある。 思うに、ここに至った一半の原因は、敗戦の初期の占領政策の過誤にある。占領下強調された民主主義、自由主義は新しい日本の指導理念として尊重し擁護す べきであるが、初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、(中略)現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備を強力に実行し、もって、国民の負託に応えんとするものである。」
自民党が立党して、今年で59年になります。来年は戦後70年、自民党立党60年を迎えるわけであります。改めて、自主憲法実現に向けて、その意義、理由は以下3点あると考えております。
第1は、現行憲法には制定過程に問題があり、法律としての大前提である正当性がないと感じております。ご承知の通り、マッカーサーが率いる占領軍GHQから占領中に、言論統制された中で押し付けられたものです。現行憲法は日本国民の自由意志で、公正で民主的な手続きで起草されたものではありません。
これは占領軍が占領地の法律を尊重しなければいけない国際法違反でもあり、何よりも現行憲法が自らの前文にある「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」に反しています。
憲法自体が“憲法違反の存在”というものであります。正当に選挙もされていない占領軍の最高司令官マッカーサーの指示によって、短期間で英語で素案がつくられ、日本国民に知らされないまま、日本国政府に渡され、政府はそれを翻訳して憲法草案が作られ、衆議院、貴族院と議論されて成立したものであります。
その成立過程を知る以上、国民代表である私たち国会議員が、それを是とすることはありえないと私は考えております。これを現行のまま放置することは恥であり、後世から叱責を受けかねないと感じております。
第2は、制定過程、その後主権が回復して国民に十分承認されているという反論がある中で、私は、憲法の内容自体にも問題があると感じております。現行の憲法の基礎になっている考え方は三つあるといわれています。
第一は制定過程で分かるように、日本人には自分の国を守る力をもたさず、二度と立ち上がらせないようにするという占領政策。米国の属国化、保護国化という考え方があります。それが戦争放棄の憲法9条となっております。その条項が、激動する国際情勢の現在、国家安全保障の足かせとなっております。
第二は、人工国家、米国流の社会契約説であります。敗戦後の日本国民が契約によって、新しい国家をつくったフィクションに基づいています。だから、日本の歴史や伝統文化はまったく反映されておりません。
第三は、旧ソ連の1936年スターリン憲法に影響されており、共産主義が紛れ込んでおります。第24条の家族生活における個人の尊重や、両性の平等、27条の勤労の権利および義務などは、その条項にあたるといわれております。社会主義者や共産主義者が護憲になる理由がここにあるわけです。
第3の自主憲法制定理由は、国民の意識、民意であります。自民党は一昨年、第2次憲法草案全文を発表して、12月に総選挙を戦い、勝利して政権を奪還しました。さらに、昨年夏の参議院通常選挙において、第一党となりました。自主憲法制定は国民の民意となりつつあります。
これは国内外の激動する情勢が国民意識を変化させてきたからだと思っております。国際社会における米国の相対的地位の低下、北朝鮮の日本人拉致事件、チャイナの尖閣諸島への侵略行為、ロシアの北方領土や韓国の竹島への不法占拠の強化。国内においては東日本大震災もありました。日本国民は、現行憲法では自分自身や自分の家族、地域や国家を守ることができないのではないか、と気付いています。
以上、現行憲法の「正当性のない制定過程」「日本の歴史から断絶した憲法内容」「民意」の3点から自主憲法制定は、今まさに国政の重要課題となっております。
今後は、憲法改正国民投票のいわゆる18歳投票年齢など、3つの宿題を解決させ、全国各地で国民の声を聞く、国民運動を展開しつつ、立憲主義に基づき、改正原案をさらにつめ、来るべく国政選挙において、2/3以上の国会議員を結集させるべく、私自身もその一助になればと考えております。
世界有数の歴史と伝統を誇るわが祖国を守り、発展させ、子孫につないでいくために、立憲主義に基づいた自主憲法制定の決意の表明とさせていただきました。
・出典:参議院インターネット中継
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