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徽宗皇帝のブログ

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隣人離反政策
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」から転載。
頭のいい人とはこういう人のことを言うのである。我々はレンホーやら枝野やらがテレビでもっともらしいことを喋っていると、それを何の疑いもなく信じてしまう。つまり我々(一般国民)の本質は人を信じやすい善人なのである。言いかえればお人好しの馬鹿だ。だが、自分が馬鹿であることを知れば、少しは他人の騙しに対処できる。テレビに出ずっぱりの枝野の発表や答弁を称賛し、アイドル化しようとする動きさえもあるが、その答弁をよく聞けば、政府や東電に都合の悪い質問に対しては完全に質問内容とは無関係の事を答えてはぐらかしていることが分かる。
しかし、下記の記事の「隣人離反発言」は気づかなかった。いつも「分割して統治せよ」が権力のイロハだと偉そうに書いているくせに、まさにその実例が目の前にありながら気がつかなかったのである。まさかこんな非常時に、国民を救うべき政府がそんな事をするはずがない、という思い込みがあったのだろう。
さて、この政府をいかにして国民が動かしていくか。政府は国民の保護者ではなく、いつ裏切るかわからない狡猾な共同作業者だというスタンスしかないだろう。「ロード・オブ・ザ・リングス」(わざとリングを原書通り複数形にした)のあのゴラムとかいう奴を扱うみたいに。


(以下引用)



 本当のところ、そんなに露骨な買い占めが横行しているのだろうか。私は疑問に思う。
 トイレットペーパーやインスタントラーメンについて言うなら、確かに、買い物客がいつもより多めに買っている傾向はあるのだろう。が、それにしたところで、一部の消費者が品薄の不安から必需品を確保しようとしているだけの話で、誰も「買い占め」というほどの量を買いためているはわけではない。そもそもトイレットペーパーのような、「売り場の棚を占有する割に利益の薄い」タイプの商品は、売り手の側が、在庫を置きたがらない。だから、ちょっとした需要の増加でたちまち品切れになる。品切れになれば、当面、行列は沈静化する。それだけの話だ。なにも東京の消費者が被災地に買出しに出かけているわけではない。東京のスーパーの売れ残りが、そのまま被災地に発送されるわけでもない。とすれば、蓮舫大臣のあの言い方はあまりに一方的だ。

 ガソリンにしてもそうだ。
 乗っているクルマのガソリンタンク以外に、別立ての保管用タンクを持っている給油客が何人いるというのだ? スタンドに給油の列ができたのは、品切れの不安を感じたドライバーが駆けつけたからだ。が、それ以上に、そもそもガソリンが品薄で、多くのスタンドが閉店していたからだ。「買い占め」という表現も不当だ。だって、ドライバーは、自分のクルマを満タンにしただけで、他人の分のガソリンを買い求めたわけではないのだから。それに、一度満タンにした以上、次の給油までには、当然期間が開くはずで、ということは、問題は個々のクルマの走行距離であって、給油の有無はバッファーに過ぎないからだ。

 つまり、蓮舫大臣の「被災地に支援物資が……」云々の発言および、枝野長官の買い占め自粛要請は、言いがかりだということだ。でなくても、一定量の責任転嫁を含んでいる。そう申し上げねばならない。

 要は物流がうまくいっていないのだ。その不満を政府や業界に向かわせないために、彼等は、燃料不足の原因を「愚かで利己的な消費者」(←つまりわれらの「隣人」ということ)に押し付けようとしている。
 で、その「隣人離反発言」に、賛同する隣人たちが、けっこういたりするから、話は余計にやっかいになる。

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