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徽宗皇帝のブログ

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鬼哭啾啾
鬼哭啾啾

表マスコミではほとんど言われていないが、実は3月11日以降、いや、正確には福島原発の「爆発」以降、日本産の食品で確実に安全な物はどんどん消滅しつつあるのである。最初は関東の野菜を始めとする農産物や畜産物が放射能汚染され、次にはその加工食品が汚染されるわけだ。加工食品は、どこにどう流れて加工されるか分からないから、消費者にはその製品が安全かどうかはほとんど確認できないだろう。(WHOは、「食品加工によって原材料の汚染を除去することはできない。だが、食品業界で既に確立されている安全性と品質を審査する仕組みにより、缶詰などの加工製品に汚染が疑われる原材料が混入することはないと思われる」と書いているが、これは日本政府と食品業界に配慮したものであり、おそらく、日本の食品審査に放射能審査は無いだろう。)
もちろん、原子炉への注水・排水、海への汚染水垂れ流しが始まってからは、魚を始め、海産物もほとんど放射能汚染されている。これは「風評被害」がどうのこうのという段階ではなく、もはや日本人は放射能汚染された食品を食べる以外の選択肢は無いのである。まだしばらくは3・11以前に作られた加工食品が流通するが、それを大量に買っても無駄な抵抗である。半年か1年以内にそのストックも尽きる。金のある人間は、放射能汚染の代わりにたっぷりと農薬汚染・保存薬汚染された輸入食品でも買うがいい。
もちろん、福島原発事故をうまく処理できれば、今後の放射能飛散をストップでき、土壌改良と適切な農作業指示によって汚染を最小限に食い止めることもできるだろう。だが、今の政府はそれをやる意思が見えない。彼らは日本国民を救う意思が無いように見える。「ただちに健康に被害はありません」と馬鹿の一つ覚えを繰り返す口先男を信じて、若い人々や子供や幼児が放射能の危険に身をさらしている。これは政府による犯罪であり、殺人行為である。ではどうする? 言うまでもないことだ。だが、今はそれを言うわけにはいかない。それを言うのは、最後の最後である。

黒澤明の『夢』の中の「赤富士」は原発爆発を扱っていた。そして、それに続く「鬼哭啾啾」は、原発事故後を描いている。放射能によって異常な大きさに育ったタンポポ、頭から角が生え、苦痛に泣き叫ぶ鬼。その鬼は我々の子孫の姿の象徴なのである。
『生き物の記録』から『八月の狂詩曲(ラプソディー)』まで、一貫して、黒澤は原子力を批判していた。彼には、原子力が人類を滅ぼす禁断の火であることが予感されていたのである。
『夢』の最終エピソード、「水車のある村」の自然に包まれた美しい村のたたずまい。これが日本の未来、私たちの子孫の住む日本であってほしい。今ならまだ、取り返しはつく。

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